(別添)国民経済計算の整備と一次統計等との連携強化(年次・四半期推計に関する諸課題、統計リソースの確保及び配分の在り方並びに有効活用)

(別添)

○ 国民経済計算の整備と一次統計等との連携強化(年次・四半期推計に関する諸課題、統計リソースの確保及び配分の在り方並びに有効活用)

ア 施策の施行状況
(i(iはローマ数字の1))年次推計に関する諸課題
 コモディティ・フロー法(以下「コモ法」という。)の推計対象を非市場産出である自社開発ソフトウェアに拡張、コモ法の中間消費と付加価値法の中間投入の連動による精度向上等に取り組んでいる。
(ii(iiはローマ数字の2))四半期推計に関する諸課題
 リビジョンスタディによる改定要因分析の実施、需要側基礎統計と供給側基礎統計の誤差処理の検討・導入、需要側推計値と供給側推計値の最適な統合比率の検討等に取り組んでいる。
(iii(iiiはローマ数字の3))統計リソースの確保及び配分の在り方並びに有効活用
 経済センサス導入に伴う推計方法の見直し等の取組強化や業務の効率化等に向けたプログラム開発等に対応するため、研究者や中核的職員の集中的な投入に努めている。

イ 施策の施行状況を取り巻く現状の評価と課題
(i(iはローマ数字の1))国民経済計算は、経済・社会に関する基本的な統計として、公的統計の根幹をなしているものであり、国の基本政策の立案及び決定に当たっての基礎資料となるほか、国際比較上重要な位置付けがなされているため、国際基準に準拠しつつ、精度を向上するための不断の取組が求められる。
(ii(iiはローマ数字の2))国民経済計算の精度の向上については、大別すると推計の基となる一次統計に関する課題と推計方法に関する課題があり、それぞれについて適時・適切に対応することが重要である。
(iii(iiiはローマ数字の3))一次統計に関する課題は、関係府省の協力を得て検討を進めているところである。また、推計方法・システムは、国民経済計算に関するあらゆるデータを算出するための基盤となるものであるが、現行のシステムは、長期にわたり部分改修を行いながら運用しており、システム全体の整合性等をチェックすること等を効率的に行うことができず多大の時間を要する状況となっているため、それを改善していくことが基本計画に掲げられた事項を適切に解決する上で、不可欠の課題となっている。

ウ 取り組むべき統計整備の方向性
 上記のような状況からみて、基本計画に掲げられた事項を解決するためには、現行の推計方法・システムの部分的な改変ではなく、コモ法の拡充、三面推計による精度向上、93SNAの改定(2008SNA)への対応等を視野に入れた新しい推計方法の確立・システムの構築を図り、基本計画の実現に向けた取組を推進することが重要である。とりわけ、平成28年度に予定されている経済センサス−活動調査の実施までに推計方法を確立することとされている年次推計については、早急に対応することが不可欠である。このため、内閣府は、以下の取組を実施すべきである。
(i(iはローマ数字の1))新しい年次推計方法等の確立とシステムの構築に関する具体的な工程表を平成22年度中に策定する。工程表には、基本計画に定められた諸課題との関係を明記し、課題達成に着実に取り組む。また工程表には推計の基となる一次統計等に関する包括的な課題の提示を含むこととする。なお、内閣府は一次統計等の課題への対応促進のため、当該統計を所管する府省等との連携を強化する。
(ii(iiはローマ数字の2))推計方法の抜本的見直しや、新しいシステムの構築等を促進するため、高い知見を有する研究者、中核的職員、出向者等で構成される責任体制の明確なプロジェクトチームで対応することとする。