はじめに

 本報告は、地方財政法第30条の2第1項の規定に基づき、内閣が、地方財政の状況を明らかにして国会に報告するものであり、昭和28年に1回目の報告を行っており、今回で59回目になる。

 平成21年度の地方財政は、歳入は、法人関係二税が減収したこと等により地方税が4兆3,756億円減少したが、国の経済対策等により、国庫支出金が5兆1,500億円増加、地方債が2兆4,740億円増加、地方交付税が4,142億円増加した結果、前年度比6兆1,522億円増加(6.7%増)し、98兆3,657億円となった。

 一方、歳出は、人件費が6,296億円減少、公債費が2,799億円減少したが、国の経済対策等により、投資的経費が1兆3,406億円増加、補助費等が2兆5,964億円増加、各種交付金の特定目的基金への積立金が1兆3,462億円増加した結果、前年度比6兆4,150億円増加(7.2%増)し、96兆1,064億円となった。

 経常収支比率は、前年度より1.0ポイント上昇し、過去最も高い93.8%となった。

 また、普通会計が負担すべき借入金残高は、交付税特別会計借入金残高は前年度と同額であり、企業債現在高(普通会計負担分)は7,526億円減少したが、地方債現在高が1兆8,796億円増加した結果、前年度比1兆1,270億円増加(0.6%増)し、198兆1,708億円となった。


 本報告は、以下の3部から構成されている。

 第1部では、平成21年度の地方財政について、その決算を中心として、決算収支、歳入、歳出等を分析するとともに、主な公共施設の状況及び平成21年度決算に基づく健全化判断比率等の状況等を明らかにしている。

 第2部では、平成22年度の地方財政運営の状況等及び平成23年度の地方財政の見通しについて明らかにしている。

 第3部では、最近の地方財政の動向を要約し、当面の主要な課題について取りまとめている。

 各項目についての計数は、表示単位未満を四捨五入したものである。したがって、その内訳は合計と一致しない場合がある。

 各項目の詳細な計数は、資料編に集録してある。なお、文章編の見出しの[ ]内には、本文に対応する資料編の表番号を記載しているので、参照されたい。

 提出された法律案、検討状況等については、特に断りがない限り、平成23年2月末の状況をもとに記述している。