総務省 東北総合通信局
Tohoku Bureau of Telecommunications 【地域情報化】
“e”からはじまる未来の東北
第1編 21世紀の情報通信政策
第1章 21世紀の情報通信政策
第1節 e-Japan戦略(要旨)

(平成13年1月22日)
我が国は、すべての国民が情報通信技術(IT)を積極的に活用し、その恩恵を最大限に享受できる知識創発型社会の実現に向け、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならない。市場原理に基づき民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す。

I.基本理念

1.IT革命の歴史的意義
(1) IT革命と知識創発型社会への移行
 IT革命は産業革命に匹敵する歴史的大転換を社会にもたらす。ITの進歩により、知識の相互連鎖的な進化が高度な付加価値を生み出す知識創発型社会に移行する。
(2) 新しい国家基盤の必要性
 我が国が繁栄を維持して豊かな生活を実現するには、新しい社会にふさわしい法制度や情報通信インフラなどの国家基盤を早急に確立する必要がある。


2.各国のIT革命への取り組みと日本の遅れ
(1) 各国のIT国家戦略への取り組み
 知識創発のための環境整備が21世紀の各国の国際競争優位を決定するため、欧米・アジア諸国はIT基盤構築を国家戦略として集中的に進めようとしている。
(2) 我が国のIT革命への取り組みの遅れ
 我が国のインターネット利用の遅れの主要因は、地域通信市場の独占による高い通信料金、公正・活発な競争を妨げる規制の存在等、制度的な問題にある。


3.基本戦略
(1) 国家戦略の必要性
 世界最先端のIT環境の実現等に向け、必要な制度改革や施策を5年間で緊急・集中的に実行するには、国家戦略を構築して国民全体で構想を共有することが重要である。
 民間は自由で公正な競争を通じて様々な創意工夫を行い、政府は、市場が円滑に機能するような環境整備を迅速に行う。 。
(2) 目指すべき社会
1. すべての国民が情報リテラシーを備え、豊富な知識と情報を交流し得る。
2. 競争原理に基づき、常に多様で効率的な経済構造に向けた改革が推進される。
3. 知識創発型社会の地球規模での発展に向けて積極的な国際貢献を行う。


II.重点政策分野

1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策

(1) 目標
1. 5年以内に超高速アクセス(目安として30〜100Mbps)が可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進し、必要とするすべての国民が低廉な料金で利用できるようにする。(少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に、また1000万世帯が超高速インターネット網に常時接続可能な環境の整備を目指す。)
2. 1年以内に有線・無線の多様なアクセス網により、すべての国民が極めて安価にインターネットに常時接続することを可能とする。
3. IPv6を備えたインターネット網への移行を推進する。
(2) 推進すべき方策
1. 超高速ネットワークインフラの整備及び競争の促進
  ア) 非対称規制の導入、各種規制の大幅な見直し、事前規制の事後チェック型行政への転換、支配的事業者の反競争的行為に対する監視機能の強化、利用者の苦情及び事業者間紛争等への迅速な対応等のための専門機関の設置、並びに公正取引委員会の機能強化による競争阻害行為排除
  イ) 光ファイバー等の公正・公平な利用促進のための明確なルール等の設定
  ウ) 無線周波数資源について、オークション方式なども考慮に入れた公正・透明な割り当ての検討・実施
2. 情報格差の是正、研究開発の支援・促進、国際インターネット網の整備


2.電子商取引

 2002年までに、電子商取引を阻害する規制の改革、既存ルールの解釈の明確化、電子契約ルールや消費者保護等に関する法制整備等誰もが安心して電子商取引に参加できる制度基盤と市場ルールを整備し、電子商取引の大幅な普及を促進する。

3.電子政府の実現

 2003年までに、行政(国・地方公共団体)内部の電子化、官民接点のオンライン化、行政情報のインターネット公開・利用促進、地方公共団体の取組み支援等を推進し、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現し、幅広い国民・事業者のIT化を促す。

4.人材育成の強化

 インターネット接続環境の整備による国民の情報リテラシーの向上、ITを指導する人材の育成、IT技術者・研究者の育成(2005年までに米国水準を上回る高度なIT技術者・研究者を確保)及びコンテンツ・クリエイターの育成に取り組み、人材という基盤を強固なものとする。


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