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広島県 広島に眠る廃校をみんなの居場所に。〜ひろしま さとやま未来博2017「廃校リノベーション」〜

※このページは、広島県からの投稿記事です。掲載内容に関するご意見・ご質問等は、広島県にお問い合わせください。

ひろしま さとやま未来博2017これからのニッポンの見本になる

1 はじめに

 広島県の面積の約7割を占める中山間地域は、県土の保全や安全な食料の供給、文化・歴史の継承、癒しや安らぎを与えてくれる景観や景色など、多面的かつ公益的機能を有し、広島県の豊かで安全な暮らしを支える源となっています。

 その一方で、人口減少や少子高齢化が進み、農林水産業や地域コミュニティの衰退など、様々な課題を有しています。

 このため、広島県では、平成26年12月に「広島県中山間地域振興計画」を策定し、中山間地域への関心と活動の輪を広げていくための機運醸成や中山間地域を内外から支えるリーダーの育成などに重点的に取り組んでいます。

 今回、ご紹介する「廃校リノベーション」は、地域の未来づくりに楽しみながら関わっていこうとする人や地域に新しい変化を起こそうとする若い世代の動きを加速させ、中山間地域への共感を広げながら、未来への意欲ある実践活動の輪を広げることを目的に、11月まで県内中山間地域各地で開催中の県民参加型プロジェクト「ひろしま さとやま未来博2017」のシンボルプロジェクトの一つとして実施するものです。

2 廃校リノベーション

(1)プロジェクトの概要

 広島県の中山間地域には、役割を終えた建物があちらこちらに点在していますが、見方を変えれば、それは新しい価値を創り出す「資源」であるとも言えます。

 この「資源」を舞台に、地元の人だけでなく、プロジェクトに共感する地域外の人にも加わってもらい、自分のやりたいこと、できること、そして地域が必要としていることを考え、「自分ゴト」として関わることで、再び人が集い、新しいつながりが生まれる場所として復活させるプロジェクトが、今回の「廃校リノベーション」です。

 対象となる施設は、庄原市西城町の旧小鳥原(ひととばら)小学校、三原市大和町の旧和木(わき)小学校、そして、江田島市沖美町の旧沖(おき)保育園の3施設です。


旧小鳥原小学校

旧和木小学校

旧沖保育園

(2)ワークショップの実施

 昨年9月にリノベーション後の活用案を考えるワークショップへの参加を募集したところ、地域外から3施設で計97人のサポーターの登録がありました。

 10月から11月にかけて、サポーターと地元の方々を交えて、それぞれ4回のワークショップを実施しました。ワークショップでは、積極的な議論が交わされ、川遊びや山遊び、探検ツアーなどの自然体験、農業体験・林業体験、地元ならではの食のイベントの開催など、様々な活用案が出されました。同時に、参加者と地元との交流を深める場ともなりました。

(3)クラウドファンディングの実施


平成28年12月 キックオフセレモニーの様子

 今回のプロジェクトでは、昨年12月19日から3月18日までの3か月間、リノベーションにかかる費用の一部を全国からクラウドファンディングで募集しました。

 これは、単純に寄付を募るということではなく、このプロジェクトに対して、全国から広く共感を得ること、そして、その共感をさらに拡散していくことを目的としたものです。全国の皆さんにもこのプロジェクトに関心を持っていただき、広島県の中山間地域で広がっている新たな動きに「自分ゴト」として参画していただきたいと考えました。

 12月の募集開始以降、全国の皆様からの共感とご支援をいただき、3月10日には目標額の3000万円を達成し、最終的には、3800万円を超える寄付をいただきました。

 スタートから周知に少し時間がかかりましたが、期間の半分を過ぎたころから、一気に共感の輪が広がっていったように思います。全国には「広島のさとやまを盛り上げたい」という方がこれほどいらっしゃるのか、と非常に心強く感じたところです。

 この場をお借りして、全国からの温かいご支援に対してお礼申し上げます。


隈研吾氏 ©「The Courier」

(4)改修デザイン(案)

 今回のリノベーションのデザイン・設計については、新国立競技場をはじめ、日本国内だけでなく、世界中のプロジェクトでご活躍されている建築家・隈研吾(くまけんご)氏の監修のもと進めています。

 「環境と共生する建築」や「持続可能な建築」といった建築に対する隈氏の哲学と、一定の役割を終えた施設を上手く生かして、新しい価値を生み出していくという今回の廃校リノベーションのコンセプトは親和性が高いと考えています。

 隈氏も今回のプロジェクトについて次のように述べられています。

 「その昔、日本の里山と集落は一体のものでした。里山と日本文化はものすごく密接な関係にあったのです。(中略)中山間地域について、ネガティブなことばかり言われがちですが、私たちにとってはまったくの逆です。中山間地域こそ、デザイナーのインスピレーションの源になり、一番面白い活躍の場になりうると思うのです。さらに、これからの時代の主流はリノベーションです。環境のことを考えると、あるモノをどう使い回していくかが大切であり、また21世紀はそれぞれの地域がどう個性を磨いていくかもテーマの一つです。まさに、本プロジェクトは時代の本流中の本流です。」

 それでは、3施設の改修デザイン(案)をご紹介します。

[1]旧小鳥原小学校(庄原市)

 旧小鳥原小学校は、昭和30年竣工の木造2階建校舎で、平成19年に閉校しました。現在、校舎の1階は「八鉾(やほこ)自治振興センター」として使用されており、封鎖されている2階部分が今回のリノベーションの対象です。

 山に囲まれ、懐かしい雰囲気を残す旧小鳥原小学校のデザインのテーマは、「山々に囲まれた、木と竹の学校」です。

 若者との交流の希望を持つ地元の声もあり、住民と学生をはじめとした地域外の人たちが一緒に活動できるような施設を目指して、校舎の外には木製デッキを設置します。

[2]旧和木小学校(三原市)

 旧和木小学校は、100年余りの歴史を持つ学校ですが、現在の校舎は平成6年竣工のRC造2階建、新耐震基準も満たした新しい建物です。平成25年に閉校しました。現在、1階は「和木地域ふれあい交流センター」として、地域の活動・交流拠点として使用されています。旧小鳥原小学校同様、閉鎖されている2階部分がリノベーションの対象です。

 旧和木小学校のデザインのテーマは、「人々が集う木と和紙デニムの学校」です。

 地域の研修・交流スペースに加えて、教室をレンタル・スペースとして整備する予定です。交流スペースには、地元特産のレンコンをイメージした円形のテーブルや和紙デニムを使った特徴的なカーテンがデザインされています。

[3]旧沖保育園(江田島市)

 旧沖保育園は、昭和48年竣工の鉄骨平屋の園舎で、平成18年に閉園しました。現在は、地域の交流の場として地元有志のグループが手づくりの活動を続けられています。 瀬戸内海の島々を望む美しいロケーションに位置する旧沖保育園のデザインのテーマは、「海に囲まれた木と牡蠣の学校」です。

 地域内外の交流と情報発信の拠点を目指して、園庭に面した開放廊下は木製の縁側に生まれ変わります。また、牡蠣の殻を取り付けた特徴的なファサードがデザインされています。

(5)今後の予定

 改修工事に合わせて、一般の方がDIYに参加して、リノベーションを「完成」させる“DIYの日”を開催する予定です。

 リノベーションを通じて、地域内外の人びとが関わることにより、3つの施設を舞台に、自分がやりたいこと、自分ができること、地域が必要としていることを考え、「自分ゴト」として取り組む地域の応援団を増やしながら、秋頃の完成を目指していきます。

3 終わりに

 「廃校リノベーション」の舞台である広島県のさとやまには、きもちのいい空気や恵まれた食べ物、行きかう人びとの温かいコミュニケーションや先人たちの知恵が生かされた丁寧な暮らしなど、私たちが百年先の未来に引き継ぐべき、大切な古里の営みが溢れています。

 「ひろしま さとやま未来博2017」では、「廃校リノベーション」のほかにも、「中山間地域の魅力を生かした地域づくりを始めたい」という一人ひとりのココロザシを形にした、地域の人たちによる手づくりの活動やイベント「ココロザシ応援プロジェクト」が、県内の各地域を舞台にスタートしており、各市町が主催・共催・後援するイベントも多数開かれています。

 また、地域の魅力を味わえる、380か所のスポットを専用アプリで楽しむ新感覚のサイクリング「さとやまソーシャルライド」や、9月には、地域づくりを実践している人や事例を展示・紹介する「さとやま未来展」、シドニー五輪・金メダリストの高橋尚子さんをゲストに迎えたランニングイベント「さとやまスマイルラン」を開催します。

 さとやまの楽しさを経験しに、ぜひ、「ひろしま さとやま未来博2017」へお越しください。

お問い合わせ

〒730-8511  [所在地]広島市中区基町10-52
ひろしま里山交流プロジェクト実行委員会事務局(広島県地域政策局中山間地域振興課)
[TEL] 082-513-2634
[FAX] 082-224-1977
[Mail] chichusankan@pref.hiroshima.lg.jp
[HP] URL:http://satoyama-mirai2017.jp/別ウィンドウで開きます

 

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