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移住交流フェア トークステージ

ワークスタイル変革の実現
お試しサテライトオフィス事業の推進

vol.03
TOP > 実例紹介「ワークスタイル変革の実現。お試しサテライトオフィス事業の推進」

2017年2月12日に、東京国際フォーラムで開催された「移住交流フェア」。会場のいたるところで、ブースを構えた全国の地方自治体が地方移住や地域就業について発信。来場者からの質問や相談を受けて話し込む様子が見られました。
会場内でのメインステージでは、さまざまなテーマのトークステージが行われました。その一つが、「ワークスタイル変革の実現 [お試しサテライトオフィス事業]の推進」です。パネリストとして登壇したのは、日本マイクロソフト株式会社エグゼクティブアドバイザーの小柳津篤さん、徳島県神山町にサテライトオフィスを持つ株式会社プラットイーズ代表取締役会長の隅田徹さん。「お試しサテライトオフィス事業」を進める総務省地域創造グループ地域自立応援課長の山越伸子も登場し、それぞれの立場から、生産性の向上や働き方の変革をどう起こしてきたのかが語られました。

デレーター:牧野益巳さん
総務省地域力創造アドバイザー。総務省人材力活性化委員会 委員長。元マイクロソフト株式会社会長室業務執行役員。
パネリスト:小柳津篤さん
日本マイクロソフト株式会社エグゼクティブアドバイザー。「生産性の向上」をライフワークに、日本マイクロソフト内での働き方の多様性を長く推進している。
隅田徹さん
株式会社プラットイーズ代表取締役会長。2013年に、人口約5700人の徳島県神山町にサテライトオフィス「えんがわオフィス」を設立。東京と徳島の二地域居住生活を送っている。交流&サテライトオフィス体験型宿「WEEK神山」を運営。
山越伸子さん
総務省地域力創造グループ地域自立応援課長。都市部から地方へ新たな人、情報、企業の流れを作る「お試しサテライトオフィス」を推進している。

牧野さん:

-少子高齢化により、労働人口は今後減り続けます。その中でも労働力を上げていくために、テレワークやサテライトオフィスなどの働き方改革を普及させることには、どんなメリットがあるのでしょう。それぞれ取り組んできた事例を教えてください。

小柳津さん:

日本マイクロソフトが取り組んできた生産性向上のアプローチは、日本の労働力減少といった国内の問題が出発点ではありませんでした。外資系なので、海外との連携を強めるために、欧米の“効率化を重視した働き方”にシフトしていく必然性があったのです。

“働き方の多様性”のアプローチとして一般的なのは、テレワークです。在宅勤務をどう保障していくかは社会的にとても大切な取り組みではありますが、もともとの仕事の流れ自体が変わらないので、「在宅でもできる切り出し業務を見つけてやろう」という発想にしかなりません。そこで日本マイクロソフトでは、コラボレーション主体の仕事のやり方を推進しました。「いつでもどこでも誰とでも関われる」ように、意見交換、情報共有、意思決定を、ITツールを駆使して、あらゆる場所からできるようにすると、業務の生産性は飛躍的に上がっていきます。

仕事には、自分だけで完結できる仕事と、他者とかかわりながらやる仕事があります。テレワークは前者の仕事を切り出しがちで、これらはテクノロジーの進化によって効率化を図ることができます。しかし、仕事のタイムロスが生じるのは、後者の方。人を介する会議や相談、報告、手続き、段取り、根回しなどに、労働時間が膨大に費やされているのです。ここをもっとスピーディにできないか、というのが、日本マイクロソフトが取り組んできた業務改革です。

約10年かけてやってきたのは、「仕事とは、出勤して事業所のなかでやるもの」という、社員に根付いている価値観を変えることでした。皆、私生活ではスマホを使い、電車の中やカフェから、友人と大事な会話を遠隔で進めているのに、仕事となると、「同じ会議室に全員集まらなくてはいけない」と思い込んでいます。本来、人間関係がもともとできている同士なら、物理的に同じ空間にいなくても、業務は進められるはず。そこで、仕事でもスマホのコミュニケーションツール、クラウドサービスを活用し、わざわざ出勤しなくても情報共有できる土壌を作っていきました。それができて初めて、「東京の仕事を九州にいながらフルタイムでやる」働き方が実現できるようになり、持続可能な会社の仕組みが保証されていくのだと実感しています。

隅田さん:

徳島県神山町にサテライトオフィスを作って丸4年が経ち、「一緒にいること」と「離れていること」の2つの状況があるのは、働く上でとてもいいことだと感じています。

在宅勤務など「職場と離れている」だけの状況だと、どうしても生産性が落ちてしまい、自律性の高い社員しか同じクオリティの仕事を担保できないという実態がありました。一方、サテライトオフィスは、同僚と同じ空間にいることで、雑音が入り、情報共有ができ、何よりも見られているという刺激が、人を仕事に向かわせます。加えて、東京(恵比寿)オフィスと「離れている」状況により、どう円滑にコミュニケーションを進めるべきか、頭を使って動くようになり、生産性はさらに上がっていくのです。恵比寿に1拠点しかなかったときは、約100人の社員が同じフロアにいるので、ITを使って効率化を図ろうというインセンティブは働きません。しかし、物理的な距離があれば、それを克服するためにコミュニケーションの仕方が磨かれていきます。それが、サテライトオフィスを作って得た最大の収穫でした。

二地域“就業”では、東京と徳島で業務内容はまったく変わりません。お客様の9割は東京の企業ですが、徳島にオフィスを構えたことで不満が上がったことは一度もありませんでした。むしろ、東京のオフィスに来たこともなかったお客様が、わざわざ神山を訪れることもしょっちゅう。初年度は、200日間連続して取引先が訪問してくれ、関係性はよりよくなった気がします。重いデータも送れるようになったITツールの進化で、当社のような映像、コンテンツ事業でも不便を感じることはなく「うちができるなら、どんな業界でもできる」と確信しています。

二地域“居住”という意味では、東京と徳島の人間関係はまったく異なります。神山にサテライトオフィスを設けている16社の社員はみんな知り合いですし、その家族も恋人も知っています。会社の田んぼがあり、スタッフ全員でお米を作っているので、チームビルディングもばっちり。関係性が密な地域社会と、東京の個を大事にする社会。異なる人間関係を持ち、緩急のある二つの生活があるのは、人の能力の幅を広げてくれるんじゃないかと思っています。

―働き方改革として、今後サテライトオフィスを進めたいと考える企業に向けて、どんなアドバイスがありますか。

隅田さん:

サテライトオフィスを「支店」にしないこと。本社機能の一部としてとらえ、社員が行ったり来たりできる環境であることが大事だと思います。当社では、全部署の社員が1~2名神山にいるので、本社の縮小版になっています。サテライトオフィスは特定の部門や部署を切り離しているのではなく、場所は場所でしかない、といえる環境づくりが大切です。辞令を出してサテライトオフィス行きを命じることは一切なく、場所の選択によって給与や役職、人事評価が変わることもありません。その保証は徹底しており、社員は好きな場所を自分で選べるのです。

そうは言っても「やってみないとわからない」というのが本音です。当社も、サテライトオフィスを作ってはじめて、自分たちがいかに一拠点で働くことに最適化して、非効率に業務を進めていたかを痛感しました。ですので、休暇にリゾートに行くくらいの気持ちで、遊び半分でサテライトオフィスをやってみて、1週間続けてみることをおすすめします。「意外にできそう」という感覚がつかめたら、いよいよ土地、物件探しに進んでいけばいいのでは。気軽にサテライトオフィス体験ができるという点で、総務省が推進する「お試しサテライトオフィス事業」にはとても意味があると思います。

小柳津さん:

10年前と違い、今は隅田さんのようにサテライトオフィスの先駆者たちがたくさんいらっしゃいますし、行政がサポートするプログラムも充実しています。補助金や税制の優遇措置など、省庁のプログラムは、把握しきれないほどありますよね。

山越さん:

そうですね。総務省としては、地方でも都会と同じように働ける環境を作ろうと、地方自治体と進出企業とが連携して進めるサテライトオフィス等におけるICT機器等の環境整備に補助する「ふるさとテレワーク」を実施しており、これまで全国延べ37地域を採択しています。

今年度からスタートしたのが「お試しサテライトオフィス事業」です。総務省が採択した地方自治体において、民間企業の「お試し勤務」を受け入れ、そのニーズを実践的に把握した上で誘致戦略を策定します。現在、10の地方自治体を採択しており、今後も取組自治体を増やしていく予定です。お試しでサテライトオフィス体験をしていただくことで、地方にオフィスを設ける利点が整理され、新しい働き方への挑戦を後押しできればと考えています。

まとめ

会場には、サテライトオフィスを開設したいと考える企業経営者の方も多く集まり、次々と飛び出す具体的なエピソードに真剣に耳を傾けていました。隅田さんが手掛けるサテライトオフィス「えんがわオフィス」のストーリーはこちらを、「お試しサテライトオフィス事業」の詳細はこちらを参照ください。

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