昭和50年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第3節 データ通信回線の利用状況

1 国内データ通信回線

(1) 年度別利用状況
 国内データ通信回線の利用状況は第2-4-1表のとおりである。46年度末現在では1万3,512回線であったが,逐年約40%ずつ増加し,49年度末には3万6,159回線に達した。
 データ通信回線はその種類によって伝送速度が異なる。そこで,回線数をその伝送可能速度(b/s)に乗じて得られる数を全種類合計した数,つまりデータ通信回線の伝送可能ビット数を推計してみると,46年度末現在749万1,100b/sであったものが49年度末では3,066万1,750b/sとなり,この3年間に伝送可能情報量は4.1倍に増加したこととなっている。
(2) 特定通信回線の利用状況
 第2-4-1表に示すとおり,利用されているデータ通信回線の大部分は特定通信回線である。
 規格別にみると,第2-4-2図のとおり,D-1規格(帯域使用)及びD-5規格(1,200b/s)が近年著しく増加し,低速回線であるA-1規格(50b/s)及びC-2規格(200b/s)は,いわば伸び悩みの状態にある。また,対前年度比についてみると,第2-4-1表に示すとおり,49年度においてはD-9規格(4,800b/s),I-1規格(帯域使用),I-3規格(48kb/s)等高速回線の伸び率の大きさが顕著である。
(3) 公衆通信回線の利用状況
 公衆通信回線は,第2-4-1表に示すとおり,48年度に至って実際に利用され始めた。
 49年度末現在の利用回線数は2,626回線であって,その内訳は,電話型(加入電話回線利用のもの)が1,319回線,電信型(加入電信回線利用のもの)が1,307回線となっており,それぞれ全体の半分ずつを占めている。対前年度比をみると電話型が517.3%,電信型が238.9%という高い伸び率を示している。
 業種別・対象業務別利用状況は,第2-4-3表のとおり,電話型は製造業及び建設業の行う販売在庫管理に,電信型は金融業の行う入金通知・為替連絡にそれぞれ最も多く利用されている。また,運輸業の行う座席予約のために,プッシュホンを入出力装置として利用できるよう加入電話網を既設の私設オンライン座席予約システムに接続する電話型公衆通信回線が,50年3月から利用されている。
 公衆通信回線は,料金が従量制であること,そのネットワークが全国的であること,電話機又は加入電信宅内装置をそのままデータ通信システムの端末機器として利用できることなどの利点を持つので,データ伝送量や通信時間の少ない分野においてはもとより,特定通信回線システムのバックアップ用などとしても,今後ますます利用されていくものと考えられる。
(4) データ通信回線の相互接続
 公衆通信回線の利用開始に伴い,電子計算機等を介して特定通信回線又は私設回線と公衆通信回線とを接続する形態が出現した。この形態をとるシステム構成のパターンは第2-4-4図に示すとおりである。
 相互接続による公衆通信回線利用の対象業務は,金融業の振込入金通知及び為替取引連絡,情報通信事業の商用TSS,製造業・商業の生産・在庫・販売管理,旅行業者・運輸業の宿泊・座席予約等となっている。

第2-4-1表 国内データ通信回線の利用状況

第2-4-2図 国内特定通信回線の利用状況

第2-4-3表 国内公衆通信回線の利用状況(49年度末現在)

第2-4-4図 相互接続によるシステム構成パターン

 

2 データ通信設備使用契約に関する事項 に戻る 2 国際データ通信回線 に進む