昭和54年版 通信白書

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4 郵便輸送

(1) 郵便輸送施設の現況

 郵便物の輸送は,遠距離は鉄道,航空機を主力とし,近距離及び大都市内は自動車を主力にして行っている。
 53年度末現在におけるこれらの輸送施設の現況は第2-1-7表のとおりで,鉄道,自動車,航空機の三輸送機関で全体の延距離の95.0%を占めている。

(2) 郵便輸送施設の推移

 郵便輸送施設の推移をみると,第2-1-8表のとおり自動車,航空の施設が大幅に増加している。これは,国鉄・私鉄における合理化の推進により,郵便輸送に適さなくなった線路がでてきた反面,道路状況が改善されるなどによりそれぞれ自動車輸送に切り替えられたこと,また,航空便の大幅な開設によるものである。

(3) 郵便輸送施設の主な開設及び廃止

ア.航空輸送
 長崎対馬線,函館奥尻線(53.6.1),名古屋熊本線,名古屋長崎線(53.7.1)を開設した。
イ.鉄道輸送
 53年10月2日の国鉄ダイヤ改正に伴い,次のとおり輸送施設の改正を行った。
(ア) 東京門司線関係
[1] 東京大阪間,東京名古屋間及び東京沼津間に運行していた鉄道郵便車上下各1便を廃止し,東京浜松間に高速専用自動車便上下各1便を開設した。これにより東京駅発着の郵便車運行は全廃となり,東海道・山陽方面の郵便車運行はすべて汐留駅が始終駅となった。
[2] 大阪東小倉間の鉄道郵便車上下各1便を廃止した。
[3] 糸崎広島間(呉線)の鉄道郵便車上下各2便を廃止し,専用自動車便に切替えた。
(イ) 東京青森線関係
 上野駅発着の旅客列車に連結されていた郵便車がすべて隅田川駅発着の荷物専用列車に連結替えされ,小駅には停車しない「拠点間輸送」となったため,東京青森間の乗務員の郵便車内での継送区分作業を簡素化し,郵便物は到着地の拠点局で区分することとしたほか,沿線に自動車便の新設を行うなど輸送施設を調整した。
(ウ) 東京鴨川線及び東京銚子線関係
 東京鴨川(東回り)線,東京鴨川(西回り)線,東京銚子(南回り)線及び東京銚子(北回り)線の4線路は,鉄道郵便車の運行を廃止し,千葉県下の輸送は全面的に自動車便に切替えた。
ウ.自動車輸送
 国鉄のダイヤ改正に伴い上記イのとおり専用自動車便を開設したほか,国鉄,私鉄バス等による託送難の救済と郵便物の送達速度の安全を図るため,専用自動車便の開設又は増強を行った。
エ.鉄道郵便局の組織改廃
 鉄道郵便車の運行廃止に伴い東京鉄道郵便局東京駅分局,同両国分局及び同千葉分局を廃止し,東京地区から差立てられる速達小包及び大型通常の郵袋継送作業を行う,新しい輸送基地として東京鉄道郵便局東陽分局を新設した。

第2-1-7表 郵便輸送施設の現況(53年度末現在)

第2-1-8表 郵便輸送施設の変遷(1日当たり延ベキロ程)

 

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