障害者のICTを活用した社会参加推進セミナーの模様

  平成20年3月12日(水曜)に東京の都道府県会館において、総務省主催(共催:情報通信アクセス協議会)で「障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー」を開催しました。
<目次>
  日時 平成20年3月12日(水曜) 1330分から1630
  場所 都道府県会館
  参加者   107名(地方公共団体、民間企業、障害者支援団体等)

開催の様子1 開催の様子2

○プログラム
◆主催者挨拶
1330分から1335
主催者挨拶
  総務省 情報通信政策局 政策統括官 中田 睦
【概要】
 「u-Japan」の「u」はユビキタスだけでなくユニバーサルの「u」でもあること、政府全体としては平成19年12月に障害者施策推進本部において決定された新たな重点施策実施5か年計画に基づき施策を進めていること、ICTを活用して障害者の方の社会参加を促すことが大事であり、そのためにも関係者間の情報共有が重要であることなどの挨拶がありました。

◆基調講演1
1335分から1350
デジタル・ディバイドのないICT社会の実現に向けて
講師:総務省情報通信政策局情報通信利用促進課長 松川 憲行
【概要】
 我が国のICT戦略の動向、障害者におけるICT利活用の状況、新たな重点施策実施5か年計画の情報・コミュニケーションの関連部分についての説明の後、総務省は1)ICTの利用環境のユニバーサル化と2)個別ニーズに対する支援の二本柱で取り組んでいること、1)としては、電気通信アクセシビリティガイドラインの国際標準化、地方公共団体のウェブアクセシビリティの確保、視聴覚障害者向け放送普及行政指針の策定など、2)としては、高齢者・障害者向け機器・サービスの開発・提供に対する助成、情報提供体制の整備、高齢者・障害者のICT利活用の評価・普及に関する調査研究などに取り組んでいることについて講演がありました。

【講演資料】
  講演資料(基調講演1)PDF     ・講演資料(基調講演1)テキスト版

◆基調講演2
1350分から1405
障害者の社会参加促進とICTの利活用
講師:立命館大学産業社会学部 教授 生田 正幸 氏
【概要】
 障害者の社会参加を促進するためにICTの活用は有力な手段であるが未だ十分に利活用されていないこと、障害者のICTの活用状況は一人ひとり及び地域によっても異なるので、それを支援するためには民間や公による様々な支援が必要であり連携して行うことが必要であること、したがって地域における総合的支援を行うことが大事であること、そのためには地域の中の機関や団体を結びつける人材が必要だがなかなかいないこと、障害者側からの発信も重要であることなどについて講演がありました。

【講演資料】
  講演資料(基調講演2)PDF     ・講演資料(基調講演2)テキスト版

◆事例1
1405分から1425
夢が膨らむ!高度情報化がもたらす障害者と情報化!
講師:特定非営利活動法人 プロジェクトゆうあい 理事長 三輪 利春 氏
【概要】
 20年前に交通事故で中途失明したが、パソコンを始めて社会参加につながったこと、ボランティアグループ、会社、NPO法人を立ち上げて活動してきたこと、NPO法人では、視覚障害者用の歩行支援地図の作成、総合学習用のDVD教材の作成、てくてくラジオという視覚障害者への音声案内サービス事業の開発支援などに取り組んでいることなどについて発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例1)テキスト版

◆事例2
1425分から1445
ICT利用を地域で支える 障害者ITサポートセンターの取り組み
講師:社会福祉法人 東京コロニー 職能開発課長 堀込 真理子 氏
【概要】
 東京都障害者ITサポートセンターの活動である、利用相談事業、相談者個別のニーズに合わせたソフトやハードの選択・適合、IT講習事業、サポータ―の養成・派遣事業について発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例2)PDF     ・講演資料(事例2)テキスト版

◆事例3
1505分から1525
パソコンが持つ起業チャンスと落とし穴、失敗から学んだ2つのポイント
講師:コミニショップLet’s 代表 清野 一博 氏
【概要】
 視覚障害と肢体不自由の重度重複障害を持ちつつ、パソコンを活用してインターネットのウェブショップを起業したきっかけ、パソコンがもたらす恩恵・起業チャンス、その一方でパソコンが持つ落とし穴、すなわちデスクワークによる運動不足が身体機能の低下を招く結果になったことへの反省、自らの生産性を考慮した上で就労時間と収益のバランスを図っていくことが今後の課題であることなどについて発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例3)テキスト版

◆事例4
1525分から1545
ICTによるテレコミュニケーションの活性化
聴覚・言語障害者にも暮らしやすい社会を目指して
講師:特定非営利活動法人 コミュニケーション支援センター 代表 細川 正嗣 氏
【概要】
 まず聴覚障害者は手話を母語とする者と日本語を母語とする者に分けられること、アメリカでTTY(文字通信端末)を電話回線を通じて使うことで双方向の会話が実現していることを知り、コミュニケーション支援センターを設立したこと、センターでは都内のろう学校に対してICTを活用した授業支援の実施や、携帯電話を使ったTV電話リレーサービスを開業し、このサービスには特徴・成果・問題点がそれぞれあること、今後の展開としては日本版のTTY、パブリックアクセスポイントの必要性があげられることなどについて発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例4)PDF     ・講演資料(事例4)テキスト版

◆事例5
1545分から1605
NTTドコモにおけるユニバーサルデザインへの取組について
(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰 内閣総理大臣表彰 受賞)
講師:株式会社NTTドコモP&S本部プロダクト部 第三商品企画担当部長 中村 吉伸 氏
【概要】
 携帯電話自体、窓口、料金面・サービスの3つを柱として取り組んでいることについて説明があり、携帯電話については、らくらくホンの音声読み上げ機能、高速読み上げ機能、外部機器連携による操作支援、2画面ケータイの操作画面の切り替え機能などの取組を進めていることについて発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例5)PDF     ・講演資料(事例5)テキスト版

◆事例6
1605分から1625
拡大したい障害者のテレワーク−在宅就業支援団体の挑戦
(第8回テレワーク推進賞 奨励賞 受賞)
講師:e-ワークスネット株式会社 代表取締役 大槻 博茂
【概要】
 ICTを使って障害者の在宅就労の機会を提供することを目的として会社を興し、障害者に在宅でデータ入力業務をしてもらっていること、具体的な業務内容や報酬額、2年間の作業実績、評価を踏まえ、今後の課題としては企業等の理解と協力を得て就業障害者の増員をすることであり、それにより就業時間の拡大、報酬の増加を図っていきたいなどの発表がありました。

【講演資料】
  講演資料(事例6)PDF     ・講演資料(事例6)テキスト版


 各種講演とあわせて、障害者の方のICT利活用を支援する電気通信機器やサービスの展示、デモンストレーションを実施しました。

<出展企業(順不同)>
  • e-ワークスネット株式会社
  • 株式会社NTTドコモ
  • 株式会社シースターコーポレーション
  • 株式会社ナレッジクリエーション
  • 特定非営利活動法人コミュニケーション支援センター
  • マイクロソフト株式会社
  • 東日本電信電話株式会社・西日本電信電話株式会社
  • 株式会社ナラコム

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