■作業名 |
基幹業務 住民情報関連業務 現状分析(業務分析・情報分析)作業(第4回) |
■日時 |
平成18年2月16日(木)
9:30〜12:00 |
 |
■場所 |
川口市役所2F第3会議室 |
■参加者 |
職員:
【市民課】 大山主査、岩本主事
【選挙管理委員会事務局】 塚平主任、石川主査 |
企業:【基幹】
日立製作所 小松崎、大谷
NTTコミュニケーションズ 笠井 |
■使った資料 |
|
■概要 |
【作業の目標】
- 第3回業務分析における機能情報関連図(DFD:以下、「DFD」という)の論理化結果を踏まえて、そのDFD上を流れる情報の抽象化を行うことを通じて、基本的な機能と情報の組み合わせで住民情報関連業務が実現できることを確認します。
【当日の流れ】
9:30 〜9:45 第4回業務分析の作業内容の説明(15分)
9:45 〜10:15 DFDの論理化結果の説明および評価(30分)
10:15〜10:30 抽象化整理表、取引パターン明細表の説明、評価(15分)
10:30〜11:00 情報分析(抽象化)作業の説明、実施(30分)
11:00〜11:10 休憩(10分)
11:10〜11:40 イベントエンテティ表、情報体系整理図の説明、評価(30分)
11:40〜12:00 業務分析作業全般に関する意見交換、総括(20分)
【作業内容】
- 第4回業務分析は、第3回業務分析と同様に「住民情報系」「税系」「福祉系」という単位で実施しました。
- まず、第3回業務分析で実施したDFDの一筆書き結果、およびそれに基づいて機能を括り直した論理化DFDの内容を確認しました。
- 選挙人名簿管理について、制度が異なる「不在者投票」「期日前投票」を1機能に纏められるか議論になりました。結果として、両業務は同じ情報システムを用いて処理されており、機能的に同じであることが確認できたので、1機能に纏めることにしました。
- 次に、第3回業務分析で途中まで作成した抽象化整理表の続きを作成しました。最終的に住民関連業務は「証明書交付(手数料あり)」「台帳記載」といった、10種類の取引に分類できました。
- 続いて、取引パターン明細表を作成、確認した上で、情報の抽象化作業に着手しました。まずは帳票の内容を理解しやすいと思われる「住民票の写し交付申請書」を対象として作業を開始しました。
- 当初は、参加者一人一人で抽象化作業を進め、その結果を全員で整理しながらイベントエンテティ表を作成する予定でしたが、参加者は「ヒト・モノ・カネ」という考え方を即座には理解できない様子でした。そこで、帳票上の情報がヒト・モノ・カネのどれに分類できるのか、参加者全員で議論しながら進めていくことにしました。
- 取引パターン明細表に記載した各帳票の情報について、一通りヒト・モノ・カネに分類した後、イベントエンテティ表の「抽象化情報項目」について検討しました。
- 例えばヒトについては、「市長」「担当者」のように比較的具体的な名称にすべきか、「申請者」「対象者」のように抽象化した名称にすべきか、議論になりました。今回の作業は、各取引に含まれる一部の帳票のみを分析対象としており、具体的な名称にした場合は住民関連業務全体の実体を網羅して表現することができないため、抽象的な名称とすることにしました。
- また、具体的な実体の名称を把握するためには、イベントエンテティ表に記載する帳票上の実体名称に立ち返ればよいことも確認しました。
- その後、イベントエンテティ表を基に作成される情報体系整理図の確認を行いました。
- 最後に、これまでの業務分析の進め方等に関する意見交換を行い、全作業を終了としました。
【出てきた意見】
- 現行業務の機能を整理する作業(第1回業務分析)で「8つの機能に纏める」という制約があったために、1つの流れの業務を無理に2機能に分けた部分があるので、分析当初の時点では8つという数には拘らず、業務の流れに沿った機能区分をすべきなのではないか、との意見がありました。
- 現場が一番苦労しているのは、抽象化によって見えなくなる「例外処理」への対応であり、本来ならばこの改善について検討したいという思いがあるので、一連の分析作業には違和感があるとの意見がありました。
- 一方、本来同じであるはずの業務が、市町村個別のシステム構築等によってバラバラに運用されているのは問題であり、その標準化に向けたガイドラインが作成されるという点で、今回の分析方法は意義がある、との意見も出されました。
- 今回の分析では業務機能の標準化を行いましたが、今後は電算システムを対象とした分析も行い、電算システムの標準モデルを示すことができると、業務改革に役に立つのではないか、との意見がありました。
- イベントエンテティ表は作成方法が不明確であり、業務に関連する情報実体はDFDの外部環境から洗い出せるので、作成する必要がないのではないか、との意見がありました。
|
■成果物 |
- DFD(一筆書き)・・・各業務のDFD一筆書き結果を確認しました。
住民基本台帳、
選挙人名簿管理、
印鑑登録、
外国人登録、
戸籍
- DFD(論理化)・・・各業務の論理化DFDを確認しました。
住民基本台帳、
選挙人名簿管理、
印鑑登録、
外国人登録、
戸籍
- 抽象化整理表・・・住民情報関連全業務を対象とした抽象化整理表を確認しました。
- 取引パターン明細表・・・抽象化整理表に基づき作成される取引パターン明細表を確認しました。
- イベントエンテティ表・・・住民情報関連全業務を対象としたイベントエンテティ表を作成しました。
- 情報体系整理図・・・イベントエンテティ表に基づいて情報体系整理図を作成しました。
|
■ポイント |
- 情報の抽象化作業について、ヒト・モノ・カネへの情報の分類方法(考え方)を理解するには、時間がかかると見込まれます。そこで、具体的な帳票に関するヒト・モノ・カネへの分類結果を予め用意し、その考え方を事前に説明した上で抽象化作業に取り掛かる等、円滑に作業を進める工夫が必要になると考えられます。
- 機能および情報の抽象化作業は、現場の職員にとって現実から離れていくように感じられ、少なからず違和感があるようです。したがって、作業を進める過程で具体的な機能、情報との対応を示す資料を残す等して、抽象化に対する違和感を払拭する必要があると考えられます。
|