平成20年版 情報通信白書(資料編)

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付注9 ブログの実態に関する調査研究

1 ブログ開設経験者アンケート調査概要

 ブログの開設・更新の動機とブログの想定読者と記述内容に関する設問の回答に基づいて因子分析(最尤法・バリマックス回転)を行い、7因子を抽出した。7つの因子はそれぞれ、[1]メンタル効用指向、[2]特定他者指向、[3]社会一般指向、[4]コミュニティ効用指向、[5]自己指向、[6]経済的収益効用指向、[7]知識・情報発信効用指向と分析した。7つの因子によるクラスター分析は、階層クラスタ(Ward法)で行い、[1]自己表現、[2]コミュニティの形成、[3]社会貢献、[4]収益目的、[5]アーカイブ型利用の5グループを抽出した。

2 ブログコンテンツの総量推計手順の概要
(1)アンケート調査での情報収集
 1のブログ開設経験者を対象にしたアンケート調査により、ブログの「更新継続率」と「削除率」を算出した。「更新継続率」とは、ある時点でのアクティブブログのうち、1箇月後にも月1回以上の頻度で更新されているブログの割合である。また、「削除率」とは、ある時点にネット上に存在するブログのうち、1箇月以内に削除されるものの割合である。更新継続率、削除率共に2001年1月以降の各月ごとに算出した。

(2)ブログ総数の推計
 クローラー調査では、ブログサービス事業者が提供する20の主要ブログサイトとブログ検索サイトを対象に、2008年1月から2月にかけての1箇月間で更新が行われたアクティブブログを捕捉し、主要ブログサイト内の各ブログの記事のクローリング(リンクをたどってデータを集めること)を行った。各ブログの記事のうち最も古い記事の日付をそのブログの開設日とみなし、開設年月別の新規開設ブログ数を集計した。このデータを基に、以下の計算式で、これまでに開設されたブログ総数を推計した。

 i :ブログが開設された月
 B :2008年1月までに開設されたブログの総数
 Bi:i月に開設されたブログ総数の推計値
 Ci:クローラー調査で捕捉した、20の主要ブログサイトを使っているアクティブブログのうち、i月に開設されたものの数
 S :アクティブブログのうち、20の主要ブログサイトを使っているものの割合
 Li:i月開設ブログの更新継続率
 Mi:i月から2008年1月までの月数

 また、各月の開設ブログ数Biと更新継続率Liから、2008年1月以前の各月におけるアクティブブログ数を推計した。

 i :ブログが開設された月
 x :推計対象の月
 Ax:x月におけるアクティブブログ数
 Mx:i月からx月までの月数

 削除ブログ数については、ネット上に開設されているブログ数と削除率Zxから以下の計算で推計した。


 x :推計対象の月
 Dx:x月に削除されたブログ数
 Gx:x月にネット上に存在するブログ数
 Zx:x月のブログ削除率
 Bx:x月までに開設されたブログ総数

3 スパムブログの調査概要
(1)対象ブログ
 2のクローラー調査で取得したアクティブブログのリストを基に、20の主要ブログサイトからアクティブブログをそれぞれ800ずつ、それ以外のものから1,100をランダムにサンプリングした。

(2)調査方法
 調査対象のブログのURLへアクセスし、調査時点でブログに掲載されている複数の記事を対象に目視によりスパムブログか否かの判別を実施した。

(3)スパムブログ判別基準
・機械的に更新している又は他のブログの記事を貼り付けることで更新していると見られるもの
・すべてが機械的に更新されているとは見られないが、出来事や関心事等の記述がなく、アフィリエイトや広告記事を大量に掲載しているもの
・アダルト、出会い系の記事を掲載しているもの

 

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