情報通信分野における西暦2000年問題の対応状況

西暦2000年問題

情報通信分野における西暦2000年問題の対応状況

平成１１年４月
郵　　政　　省

Ⅰ．電気通信

これまでの取組み
- 　電気通信分野では、通信の接続、伝送、交換には年号を含む情報が処理されていないので通信の疎通自体には基本的に問題はないが、年号情報を処理しているデータ蓄積サービス、料金処理など支援システム等の装置の不具合による影響が懸念。
- 　これまで、電気通信事業及び機器製造業者などの業界団体等からなる「電気通信2000年問題連絡会」（以下、「連絡会」）を設置（10年10月）して、取組みの徹底を図るとともに、システム改修、模擬テスト実施に伴うチェックポイントやトラブル事例等ノウハウの共有化など対策の円滑化を推進。

アンケート調査結果の評価

　３月時点の調査結果では、電話・専用線等の通信系重要システムのうち６９％（携帯電話は７４％）が模擬テストを完了、さらに、６月末までに模擬テストを完了予定のものが９９％（携帯電話は９７％）。模擬テストを6月末までに完了しないものは設備更改等やむをえない理由によるもの。
　また、危機管理計画については、９月末までに９３％の事業者が策定予定。今後、業界団体において業界版の危機管理計画の雛型を策定・提供するなど、９月末までに策定するよう取組むこととしている。

通信系重要システムの模擬テスト等進捗率（システム単位）

（累計）

種　　　別		11年３月	11年６月末予定	11年９月末予定
電話・専用線等	修正完了	９１％	１００％	１００％
電話・専用線等	模擬テスト完了	６９％	９９％	１００％
携帯電話	修正完了	８０％	９８％	１００％
携帯電話	模擬テスト完了	７４％	９７％	１００％

（注）各社の事業規模に応じた加重平均

今後の取組み

　6月末までの模擬テストの完了、9月末までの危機管理計画の策定、国際的な対応の強化等の課題への取組みを強化。

（１）推進体制の強化
　現在、電気通信事業者においては、法律に基づく専門技術者（電気通信主任技術者）の監督のもとでシステムの改修作業等を行っているが、さらに、事業者団体に2000年問題に対応する特別委員会を設置するとともに、連絡会に外部の専門家、有識者等を交えたチェック体制を整備し、専門性、第三者性の確保を図りつつ対策を推進。
　

（２）危機管理計画の策定
　業界団体において、４月中を目途に業界版の危機管理計画の雛型を策定し各社に提供するなど、各企業、業界における危機管理計画の策定を促進。
　

（３）国際的な対応の強化

国際間のネットワークをより安心して利用できるよう、事業者に対し外国の事業者との共同模擬テストを実施するよう働きかけ、現在、関係事業者間において早期実施に向けて調整中。また、関係事業者においても接続相手の外国通信事業者等の対応状況の把握に努力。

国際間の通信の円滑化を図るため、国際電気通信連合（ITU）において各国の対応状況を把握するためのアンケート調査を実施。

二国間郵政定期協議の場でも、2000年問題をテーマに対応状況の情報交換、連携の強化を図るとともに、技術協力の機会を通じ我が国の2000年問題対応の技術や対応ノウハウの途上国への移転を促進。

（４）インターネットに関連する民間団体に対しても適切な対応を要請。

対応の徹底
　以上の取組みを通じて2000年問題の対策を一層加速化するが、なお、電気通信サービスの安定的な提供に影響を及ぼすおそれがある場合には、必要に応じて、電気通信事業法に基づき当該事業者に報告を求め又は検査を行い、対策に万全を尽くす考え。

《　アンケート結果：11年３月１日現在　》

　調査対象
第一種電気通信事業者　　　　　　１７４社
主要な第二種電気通信事業者　　　１０５社

　回収率
調査書送付件数：２７９社
回答件数：２４７社（回収率88.5％）

(1) 責任体制（本年３月１日現在）

　責任体制　

担当役員又は統括部署を設置　９７％　
（前回10月６９％）　

(2) 危機管理計画の策定（予定）時期

（累計）

時　　期

　　11年３月　　

11年６月末予定

11年９月末予定

策定済（予定）
割合
１７％

６８％

９３％

(3) 通信系重要システムの模擬テスト等進捗率（システム単位）

（累計）

時　　　期

　３月　

　６月末　

　９月末　

電話・
専用線等

修正完了

　　９１％

１００％

１００％

模擬テスト完了

６９％

９９％

１００％

　携帯電話　

修正完了

８０％

９８％

１００％

模擬テスト完了

７４％

９７％

１００％

（注）各社の事業規模に応じた加重平均

(4) 各企業の対応状況（会社単位）

区　別３月作業段階（事業者比率）（注） 6月末予定 9月末予定

模擬テスト完了修正等完了実作業中調査中未着手模擬テスト完了模擬テスト完了

通信系
１６％
　（20%）

１０％

６８％

６％

０％

６６％
(81%)

９５％
(97%)

支援系
１７％
（20%）

１４％

６３％

５％

０％

５４％
(67%)

９４％
(98%)

　（注）四捨五入の関係で合計は１００％とならない
(　)内は重要システムの模擬テストを完了した事業者比率

（累計）
時　　期	11年３月	11年６月末予定	11年９月末予定
策定済（予定）割合	１７％	６８％	９３％

Ⅱ．放　送

これまでの取り組み
- 　放送分野では、放送番組の自動送出システム等の不具合による放送への影響が懸念。
- 　これまで、業界団体及びＮＨＫ等からなる「放送事業者西暦２０００年問題連絡会」を設置（平成１１年３月）して、情報の交換及び一層の取組強化を要請。

アンケート調査結果の評価

　３月時点の調査結果では、制御系の重要システムのうち３月末で５３％が模擬テストを完了。また、６月末までに６７％、さらに９月末までには８６％が完了する予定。残りについては、今後個別ヒアリングを行う等の対応を行う。
　また、危機管理計画については、９月末までに５６％の事業者が策定予定としているが、今後は上記模擬テストの推進にあわせ、危機管理計画の策定に向けた取組を加速化させる必要。

制御系重要システムの模擬テスト進捗率（システム単位）

（累計）
時　　期	11年３月	６月末予定	９月末予定
模擬テスト完了	５３％	６７％	８６％

今後の取組

　６月末までの模擬テストの完了、９月末までの危機管理計画の策定といった課題への取組を強化。

（１）模擬テスト完了の実現
　模擬テストの完了時期を９月末までとする社については、実施時期の前倒しを促すとともに、残りの社については必要に応じ、個別のヒアリングを実施することを検討。
　

（２）危機管理計画の策定
　４月中を目途に業界版危機管理計画の雛形の策定を促し、各企業、業界における危機管理計画の策定を促進。
　

（３）対応の徹底
　必要に応じ、個別企業のヒアリングを実施することなどを考慮し、計画の早期実施に向けた行政の対応・指導を一層強化。

《　アンケート結果：11年３月１日現在　》

　調査対象
ＮＨＫ
放送大学学園
日本民間放送連盟加盟社

　回収率
調査書送付件数：１９４
回答件数：１８９（回収率９７．４％）

(1) 責任体制（本年３月１日現在）

　責任体制　

担当役員又は統括部署を設置　７２％　
（前回10月４２％）　

(2) 危機管理計画の策定（予定）時期

（累計）

時　　　期

　　11年３月　　

11年６月末予定

11年９月末予定

策定済（予定）
割合
１０％

３２％

５６％

(3) 制御系重要システムの模擬テスト進捗率（システム単位）

（累　計）

時　　　期

　10年10月　

　11年3月　

　　6月末　　

　　9月末　　

模擬テスト完了
４７％

５３％

６７％

８６％

(4) 各企業の対応状況（会社単位）

（累　計）

区　別

３月作業段階（事業者比率）(注)

6月末予定

9月末予定

模擬テスト完了

修正等完了

実作業中

調査中

未着手

模擬テスト完了

模擬テスト完了

制御系
２７％
(35%)

１８％

４９％

５％

１％

５２％
(58%)

８５％
(86%)

事務処理系
２２％
(34%)

２１％

５１％

６％

１％

５０％
(56%)

８４％
(87%)

　（注）四捨五入の関係で合計は１００％とならない
（　）内は重要システムの模擬テストを完了した事業者比率

（累計）
時　　　期	11年３月	11年６月末予定	11年９月末予定
策定済（予定）割合	１０％	３２％	５６％

（累　計）
時　　　期	10年10月	11年3月	6月末	9月末
模擬テスト完了	４７％	５３％	６７％	８６％

（累　計）
区　別	３月作業段階（事業者比率）(注)	6月末予定	9月末予定
模擬テスト完了	修正等完了	実作業中	調査中	未着手	模擬テスト完了	模擬テスト完了
制御系	２７％ (35%)	１８％	４９％	５％	１％	５２％ (58%)	８５％ (86%)
事務処理系	２２％ (34%)	２１％	５１％	６％	１％	５０％ (56%)	８４％ (87%)

郵政省保有の各システム及び所管特殊法人等保有の各システムの対応状況
- 郵　政　省
- 所管特殊法人等
- 日本電信電話株式会社（工事中）
西暦2000年問題に関する諸外国の対応状況
電気通信事業者のための危機管理計画の「雛型」および「策定の手引き」
他官庁･団体へのリンク

	調査対象第一種電気通信事業者　　　　　　１７４社主要な第二種電気通信事業者　　　１０５社
	回収率調査書送付件数：２７９社回答件数：２４７社（回収率88.5％）

時　　期	11年３月	11年６月末予定	11年９月末予定
策定済（予定）割合	１７％	６８％	９３％

区　別	３月作業段階（事業者比率）（注）					6月末予定	9月末予定
区　別	模擬テスト完了	修正等完了	実作業中	調査中	未着手	模擬テスト完了	模擬テスト完了
通信系	１６％　（20%）	１０％	６８％	６％	０％	６６％ (81%)	９５％ (97%)
支援系	１７％（20%）	１４％	６３％	５％	０％	５４％ (67%)	９４％ (98%)

（１）	模擬テスト完了の実現　模擬テストの完了時期を９月末までとする社については、実施時期の前倒しを促すとともに、残りの社については必要に応じ、個別のヒアリングを実施することを検討。
（２）	危機管理計画の策定　４月中を目途に業界版危機管理計画の雛形の策定を促し、各企業、業界における危機管理計画の策定を促進。
（３）	対応の徹底　必要に応じ、個別企業のヒアリングを実施することなどを考慮し、計画の早期実施に向けた行政の対応・指導を一層強化。

	調査対象ＮＨＫ放送大学学園日本民間放送連盟加盟社
	回収率調査書送付件数：１９４回答件数：１８９（回収率９７．４％）

時　　　期	10年10月	11年3月	6月末	9月末
模擬テスト完了	４７％	５３％	６７％	８６％