チリ(最終更新:平成27年度) Republic of Chile

各市場の主な動向 :
主要基礎データ集 :
より詳細な監督機関・法律・政策等の情報 :

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

チリは、南米諸国の中でも固定ブロードバンド・サービスの普及が最も進んだ国の一つである。固定ブロードバンド市場は、通信大手テレフォニカ・チリとケーブルテレビ大手VTRの2強状態が続いている。2015年6月末現在、テレフォニカ・チリが約38%、VTRが37%の市場シェアを占めている。これに加えて、クラロ(市場シェア約12%)、Grupo GTD(同約8%)、Pacifico Cable(同約2%)などの中小規模のISPが数十社ほど存在している。

近年は、広帯域化への設備投資が進み、テレフォニカ・チリやエンテル、Grupo GTD、クラロといった通信事業者がVDSLやFTTH、HFC方式を利用した高速インターネット接続サービスを大都市圏で提供開始しており、新規加入者を増やしている。

2015年6月末現在、ブロードバンド回線の主流はケーブル・モデムとxDSLでそれぞれ約51%と約38%のシェアを占めている。これ以外にFTTHが約5%、WiMAXが約0.2%のシェアを得ている。

ブロードバンド加入者及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
ブロードバンド加入者数(千) 1,789 2,011 2,166 2,311 2,503
ブロードバンド普及率 10.4% 11.6% 12.4% 13.1% 14.1%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

携帯電話市場

携帯電話市場はほぼ飽和状態にある。2012年に約73%を占めていたプリペイド加入者は2014年に約69%まで減少しており、携帯電話ユーザのポストペイド契約への移行が進んでいる。同時に2Gから3Gへの移行も進み、3G加入者数は全体の約62%を占めるまでに拡大している。

テレフォニカ系のモビスターとエンテルPCS、クラロの3社の寡占状態にあり、上位3社で約97%超のシェアを占めている。これに加えて、英国のプライベート・エクイティ・ファンドNovator Partnersが出資するWOM(「Word of mouth」の略語、旧ネクステル・チリ)が携帯電話サービスを提供している。2015年6月末現在、事業者別の加入者シェアは、モビスターが約37%、エンテルPCSが約35%、クラロが約24%、WOMが約1%である。

これ以外にTelsur、Virgin Mobile、VTRなど多くのMVNO事業者がサービスを提供しているが、加入者獲得に苦戦しており、MVNO全体で約50万弱の加入者がいる。VTRは2009年9月にAWS帯(1.7/2.1GHz)の周波数免許を落札したが、2012年5月にMNOになることを断念し、MVNO事業に専念することを決定した。

LTE(2.6GHz帯)サービスは、サンティアゴ首都圏及び各州都を中心にクラロ、エンテルPCS、モビスターの3社から提供されており、2015年6月末現在、約110万超のLTE加入者がいる。

携帯電話加入者数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
携帯電話加入者数(千) 19,852 22,315 23,941 23,661 23,683
携帯電話普及率 115.8% 128.9% 137.1% 134.3% 133.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

固定電話市場

従来の固定電話(PSTN)に代わり、VoIP技術を利用したIP電話がユーザを増やしており、全国に約100万超のVoIP加入者がいる。また、チリ南部の第11州(アイセン州)や北部の第15州(アリカ・イ・パリナコータ州)など固定回線網の敷設が困難なルーラル地域では、3.4GHz帯及び3.7GHz帯を利用したFWA技術による音声通話サービスが提供されている。

市内電話事業者は大小合わせて16社ほど存在するが、テレフォニカ・チリと米メディア大手リバティ・グローバル傘下のケーブルテレビ事業者であるVTRの2強体制にある。2015年6月末現在、テレフォニカ・チリが44.6%、VTRが20.7%の市場シェアを占めている。これにエンテル・チリ(シェア14.9%)、Grupo GTD(同10.2%)、クラロ(同7.5%)等が続く。

固定電話加入者数及び普及率(2010-2014年)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
固定電話加入者数(千) 3,458 3,366 3,281 3,203 3,408
固定電話普及率 20.2% 19.4% 18.8% 18.2% 19.2%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2015

放送市場

有料放送

電気通信総局(Subtel)によると、2015年6月末現在、約291万人が有料放送に加入しており、普及率(人口100人当たり)は16.1%に達する。ケーブルテレビの加入者数は約140万で、そのうちVTRが約101万、クラロが45万(ケーブルとDTHの合計)となっている。

国土が海岸地帯、山岳地帯、アマゾン地帯と多様な地形で成り立っているチリでは衛星放送の加入率が比較的高く、2015年6月末現在、衛星放送加入者数は150万を超えている。テレフォニカ・マルチメディア、クラロ、ディレクTVチリ、TuVesがDTHサービスを提供している。このうちディレクTVチリが約51万、テレフォニカ・チリが約63万(DTHとIPTVの合計)の加入者を得ている。

重要政策動向

デジタル・ディバイド解消政策

チリ政府は2013年5月、「デジタル・アジェンダ・チリ 2013~2020」を採択した。同計画は、2020年までにGDPに占めるICTのシェアを10%まで拡大することを目標としており、五つの戦略的優先順位と14の行動指針、30のイニチアチブで構成されている。戦略的優先順位には、「デジタル・コネクティビティ&インクルージョン」、「デジタル開発のための環境整備」、「教育」、「アントレプレナーシップ&イノベーション」、「サービス&アプリケーション」の5分野が挙げられている。

ICT関連では、2020年までにインターネット人口普及率を80%に、ブロードバンド世帯普及率を50%にそれぞれ拡大するほか、すべての自治体に無料のWi-Fiアクセス・ポイントを設置する、全国の70%の学校でブロードバンド接続を利用できるようにする、などの目標値が掲げられた。

地上デジタル放送

2013年10月に、地上デジタル放送の本放送を開始するための「地上デジタル法案」が5年にわたる審議の末、上院で可決されたが、その後も憲法裁判所での承認待ちの状態が続き、2014年5月になってようやく「地上デジタル法」(法律第20.750)が官報に掲載された。

2015年4月には運輸・電気通信省が地上デジタル放送への移行計画を発表した。同計画によると、2017年には全国15州の州都でデジタル放送が受信可能となる見込みで、2020年に全土でアナログ放送を終了してデジタル移行を完了する。辺境地域は衛星デジタル放送でカバーする予定で、その場合は受信装置を無償で配付する。

基礎データ集

国の基礎データ

政体

立憲共和制

面積

75万6,626㎢

人口

1,711万人(2015年)

首都

サンティアゴ

公用語

スペイン語

経済関連データ

通貨単位

1チリ・ペソ(CLP)=0.17円(2016年12月末)

会計年度

1月から1年間

GDP

2,407億9,639万USD(2015年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 1982年電気通信法
放送

監督機関

通信 電気通信総局
放送 電気通信総局、国家テレビ評議会
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