市場の動向
インターネット・ブロードバンド市場
ブロードバンド回線数及び普及率は、2019年に一時的に低下したものの、その後は増加傾向にあるが、ブラジルやアルゼンチン、チリ等の近隣諸国と比べると及ばない状況にある。
2016年に700MHz帯の4G周波数オークションが行われ、その年にクラロ・ペルーとエンテル・ペルーがTD-LTEネットワークを使用したモバイル・ブロードバンド・サービスを開始したこと等が後押しとなり、固定ブロードバンド市場はワイヤレスへと移行し始めた。
固定ブロードバンド加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
固定BB加入数(千) | 2,310 | 2,582 | 2,399 | 2,763 | 3,063 |
固定BB加入率 | 7.3% | 8.0% | 7.3% | 8.3% | 9.1% |
移動電話市場
移動電話市場は、モビスター・ペルーとクラロ・ペルーの2強体制にあり、これに2013年8月に米NII Holdingsからネクステル・ペルーを買収したエンテル・ペルー(チリ資本)と、2014年7月に新規参入したベトナム国防省傘下のViettelが出資するBitelが対抗する形となっている。
移動電話加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
移動電話加入数(千) | 38,915 | 42,155 | 39,845 | 39,358 | 43,129 |
移動電話加入率 | 123.1% | 130.9% | 121.4% | 118.2% | 127.9% |
固定電話市場
固定電話の普及率は、地形的要因(国土の50%を占める密林地域や山岳地域)に加えて、VoIPや移動体通信サービスの普及拡大もあり、2017年以降減少傾向が続いている。
固定電話加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
固定電話加入数(千) | 3,082 | 2,889 | 2,618 | 2,405 | 2,266 |
固定電話加入率 | 9.8% | 9.0% | 8.0% | 7.2% | 6.7% |
放送市場
地上放送
地上放送は、国営放送のTV Peruと、商業放送のLatina Televisión、America TV、Panamericana TV、Andina de Televisión(ATV)がネットワーク局として全国放送を実施している。
有料放送
電気通信民間投資監督庁(OSIPTEL)によると、2021年末現在、有料放送加入世帯数は約221万で、世帯普及率は5.99%。衛星放送の加入世帯数は約47万で、有料放送全体のシェアの23.7%を占めている。ケーブルテレビの加入世帯数は約151万で、有料放送市場全体に占めるシェアは76.3%。
重要政策動向
ブロードバンド整備計画
ペルー政府は2013年6月、国家光ファイバ・バックボーン構築計画(National Fiber Optic Backbone:RDNFO)を発表した。同計画は、22州及び180郡を全長1万3,500kmの光ファイバ・バックボーンで結ぶもので、ユニバーサル・サービス基金(FITEL、現Pronatel)を通じて総額3億3,300万USDが投資された。
運輸通信省(MTC)は、敷設された光ファイバ網が十分に活用されていないことを、またインターネット接続性の向上、接続料の低廉化、デジタル・ディバイドの解消という本来の目的が達成されていないことを問題視し、低迷する利用率の向上を図るため、現行法(法律第29904号)の改正を2020年1月に実施した。
基礎データ集
国の基礎データ
- 政体
- 立憲共和制
- 面積
- 128万5,216㎢
- 人口
- 3,371万人
- 首都
- リマ
- 公用語
- スペイン語
経済関連データ
- 通貨単位
- 1ペルー・ヌエボ・ソル(PEN)=36.40円(2022年9月末)
- 会計年度
- 1月から1年間
- GDP
- 2,232億4,950万 USD(2021年)
法律
通信 | 1994年電気通信法の一般規則 |
---|---|
放送 | 2004年ラジオ・テレビ法、ラジオ・テレビ法の一般規則 |
監督機関
通信 | 運輸通信省、電気通信民間投資監督庁 |
---|---|
放送 | 運輸通信省 |