ロシア(最終更新:平成29年度) Russian Federation

各市場の主な動向 :
主要基礎データ集 :
より詳細な監督機関・法律・政策等の情報 :

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

ブロードバンド接続加入者数は、2016年12月末現在、2,759万である。2011年4月、ロステレコムがスヴャジインベスト系事業者と合併した後、ロステレコムが5割弱の市場シェアを有する。ついで、ERテレコム、MTS、ビンペルコムが10%前後の市場シェアを有している。

ケーブル・ブロードバンドについては、多くのケーブル事業者がブロードバンドとVoIPの提供を目指してネットワークのアップグレードを行っている。

固定ブロードバンド加入者及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定BB加入者数(千) 20,923 23,745 24,951 26,881 27,589
固定BB普及率 14.6% 16.6% 17.5% 18.9% 19.5%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2016

携帯電話市場

(1)加入者数と市場シェア

2016年12月末現在、移動電話加入者数は2億3,139万、普及率は163.3%である。プリペイド式SIMカードが販売され、SIMロックフリー端末が幅広く提供されている。

MTS、メガフォン、ビンペルコム、テレ2ロシアの4社で市場シェアの99%を占める。なお、シェア4位のテレ2ロシアと5位のロステレコムが2014年8月に合併し、国営の移動体通信事業者テレ2ロシア(T2 モバイル)が設立された。

(2)3Gサービス

3G免許については、2007年4月、主要3社に比較審査方式で免許が付与され、2008年、主要地方都市でのサービスが開始された。モスクワでは、軍用周波数移転の調整の目途が立たず、地下鉄駅や国際会議場屋内等でサービスが行われるのみだったが、2009年11月、国防省が3G目的でモスクワ市屋外で周波数を利用することに同意し、 同12月、3社とも最高速度3.6MbpsのHSDPAサービスを開始した。

(3)LTE、LTE-Aサービス

2017年6月末現在、LTEサービス加入者数は5,000万を超えている。大手4社がサービスを提供しており、MTSがLTE加入者数で首位である。

LTE-Aに関しては、2014年2月にメガフォン、8月にビンペルコム、2015年5月にMTSが商用サービスを開始している。

携帯電話加入者数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
携帯電話加入者数(千) 208,065 218,300 221,030 227,288 231,394
携帯電話普及率 145.3% 152.8% 155.1% 160.0% 163.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2016

固定電話市場

固定電話加入者数は2008年をピークに減少している。一方、IP電話加入者数は増加している。事業者別で見ると、国営事業者ロステレコムの加入者数が最も多く、MTSが続いている。

(1)市内通信

ロステレコムと、首都及び周辺で市内通信を提供していたMoscow City Telephone Network(MGTS)を買収したMTSが全国回線数の90%以上を所有する。

(2)長距離・国際通信

ロステレコムがほぼ独占していたが、2006年1月、市場が自由化された。2013年現在、ビンペルコム、TTK、ER-Telecom、MTS等も長距離・国際通信サービスを提供している。

固定電話加入者数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定電話加入者数(千) 42,168 40,473 38,213 35,553 32,277
固定電話普及率 29.5% 28.3% 26.8% 25.0% 22.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database, 2016

放送市場

ラジオ

国営放送については、VGTRKが運営する全国放送として、ラジオ・ロシア(Radio Rossii)、ラジオ・マヤーク(Radio Mayak)、若者向けのユーノスチ(Yunost)、ニュース専門のヴェスチFM(Vesti FM)、ラジオ・クリトゥーラ(Radio Kultura)がある。ラジオ・ロシアは旧ソ連時代の第3放送、ラジオ・マヤークは第2放送の後継である。

商業放送については、ヨーロッパ・プラス(Europe plus)などがある。1990年4月、ロシア初の商業FM局としてフランスとの合弁で設立されたヨーロッパ・プラスは、音楽番組を中心に24時間放送や旧ソ連圏での放送を行っている。1995年8月にスタートしたロシア・ラジオ(Russkoe Radio)は、ロシア語の歌謡曲のみをロシアや旧ソ連圏、北米で放送する。1990年8月開局の「モスクワのこだま(Ekho Moskvy)」は、ニュース、情報・討論番組中心。政府と密接な関係を持つガスプロム・メディア(Gazprom Media)傘下だが、政府批判も行う。

国際放送については、VGTRK系列で1929年設立の国営放送ロシアの声(Golos Rossii)が38言語で放送を行っていたが、2013年12月末で終了した。2014年11月からRadio Sputnikとして再び20か国以上で放送をスタートした。

2009年6月の大統領令で、VGTRKの放送局3局が地上デジタル放送対象局とされている。

テレビ

国営放送については、政府が株式の75%を保有する第1チャンネル、1990年に設立されたVGTRK(ロシア-1(旧RTR)、ロシア-K(旧Kultura[カルチャー])などを放送)、2013年5月に放送を開始したPTRなどが全国放送を行う。

商業放送については、ガスプロムが運営するNTVとTNT、National Media Group(NMG)が所有する第5チャンネルやRen TV等がある。

国際放送については、第1チャンネル国際放送及びVGTRKのロシア-Kの国際放送として、RTR-Planetaが欧州、中東、北アフリカ、アメリカなどでロシア語で放送している。NTVミール(NTV-mir)もロシア語放送を行っている。

衛星放送

衛星放送サービスはIPTVと共に国内で急速に普及している。トリコロールTV(Tricolor TV)、オリオン・エクスプレス(Orion Express)、NTVプラス(NTV Plus)などが主要事業者である。

2005年11月に開局したトリコロールTVは、主にロシアの欧州部、シベリア、ウラル、極東地域で放送している。2016年現在、衛星放送加入者数全体の75%のシェアを持つ。2016年8月現在、約250系統を提供している。2010年にガスプロム・メディアが子会社化している。

オリオン・エクスプレスは、2007年7月に放送を開始した。国内全域をカバーし、無料の国内30系統を含む100以上のチャンネルを放送している。

ケーブルテレビ

ロシアの有料テレビ放送は全世帯の約68%に普及しており、その約半数(34%)をケーブルテレビが占めるがシェアは減少しており、衛星放送とIPTVが成長を続けている。

ロステレコムが、2011年にNTKを買収し、国内最大のケーブルテレビ事業者になった。11のデジタルチャンネルを提供している。2013年にスヴャジインベストを買収し、融合サービスを加え事業を拡大している。

MTSはMultiregionやコムスターUTSといった大手事業者との合併と、地方の小規模ケーブルテレビ事業者の買収により事業を拡大した。約190系統を提供している。ER Telecomは、2001年3月に設立され、現在は56都市でケーブルテレビ、IP電話、インターネットなどのサービスを提供している。

重要政策動向

民営化

1993年、政府は電気通信の現業部門を分離し、長距離・国際通信を行う国営事業者ロステレコム(Rostelecom)、市内通信事業者、ロシア衛星通信会社(Russian Satellite Communications Company:RSCC)等を設立した。1995年、市内通信事業者72社の持株会社としてスヴャジインベスト(Svyazinvest)を設立し、政府保有株を同社に移管した。

2009年5月、運輸・通信政府委員会は、スヴャジインベスト傘下の地域固定回線事業社7社と長距離通信事業者ロステレコムを合併し、1社(新「ロステレコム」)にする再編案を承認した。再編第1段階として、2011年4月、地域事業者7社の清算と、7社とロステレコムの合併の手続が行われた。第2段階として、2013年10月、スヴャジインベストと、ロステレコムやスヴャジインベストが管理する20の合資会社が連邦法人登記から解除され、ロステレコムと合併された。これによりスヴャジインベストの全活動が終了し、ロステレコムが合併企業の全権利・責任を引き受けた。

ロステレコムは、再編により、事業者間のクロス・オーナーシップが除かれ、企業グループの株主構成が透明化したとしている。2013年10月から、連邦財産管理局とロシア開発対外経済銀行(VEB)に代表されるロシア政府が、ロステレコムの普通株式の53%を所有し、ロステレコムの株式所有率は9.3%に減少した。

クリミア半島での移動体通信サービス

2014年、Kyivstar、MTSウクライナ、Lifecelなど、ウクライナの全移動体通信事業者がクリミア半島の市場から撤退した。同年8月、新たに誕生した移動体通信事業者K-Telecom(ブランド名WIN Mobile)が、MTSウクライナのGSM周波数とネットワーク事業を引き継ぎ、商用サービスを開始した。また12月には、スタートアップKTK Telecomが、トルコの通信事業者LifecelのGSM周波数を含む、クリミア半島の事業免許を取得し、2016年6月に、2G・3G・4Gサービスを開始している。

2015年6月から7月にかけて、通信・情報技術・マスコミ監督庁と国家周波数委員会(SRFC)は政府が支援し、Kyivstarの周波数や資産を利用する通信事業者KrymTelekomとSevtelecomに、事業免許とGSM・3G周波数帯の認可を与えた。2016年2月、クリミア共和国の通信省が所有するKrymTelekomは、Sevtelecomと共に、クリミア共和国とセバストポリ市で移動体通信事業を開始した。クリミア問題に対するロシアへの国際的な経済制裁の結果、従来Kyivstarと取引していた端末事業者からは離れることになり、遅延が生じたが、中国の華為技術などに乗り換えることでこの問題は解決された。

ロシア公共テレビ(PTR)の創設

2011年12月の下院選挙後の反体制運動で、言論や報道の自由に対する規制への批判が広がる中、連邦政府は公共テレビ「PTR」の設立を決め、2012年の大統領令に基づいてPTRを設立し、2013年5月から放送を開始した。全国民に共通の倫理的価値を普及すること、国内情勢に関する迅速かつ信頼できる情報を全国民に提供することを目的としている。地方からのニュースやドキュメンタリー、教養番組を中心に24時間のデジタル放送を行う。会長は連邦大統領により任免される。また、組織内部には民間の監督機関が設置されており、組織はその監視の下に置かれている。

基礎データ集

国の基礎データ

政体

共和制、連邦制

面積

1,707万5,400㎢

人口

1億4,173万人(2016年)

首都

モスクワ

公用語

ロシア語

経済関連データ

通貨単位

1ルーブル(RUB)=1.96円(2017年10月末)

会計年度

1月から1年間

GDP

1兆2,832億USD(2016年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2003年通信法 等
放送 1991年マスメディアに関するロシア連邦法 等

監督機関

通信 通信・マスコミ省、連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁、連邦通信局
放送 通信・マスコミ省、連邦出版・マスコミ局、連邦通信局
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