スペイン(最終更新:平成29年度) Spain

各市場の主な動向 :
主要基礎データ集 :
より詳細な監督機関・法律・政策等の情報 :

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

ブロードバンド・サービス加入者数は、2016年末現在で1,394万である。普及率は30.5%で、OECD加盟35か国中20位である。事業者別シェアについては、2017年6月末現在、テレフォニカが全体の4割強のシェアを占める。

モバイル・ブロードバンド加入者数は、2016年末現在で4,147万である。普及率は85.6%で、OECD加盟国35か国中15位である。

固定ブロードバンド加入者及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定BB加入者数(千) 11,525 12,252 13,005 13,543 13,941
固定BB普及率 24.6% 26.1% 27.6% 28.7% 29.5%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

携帯電話市場

移動電話普及率は2005年に100%を超え、2016年は109.7%である。2009年以降に加入者数が伸び悩んだ背景には、プリペイド加入者の情報登録義務化がある。

主な事業者はオレンジ・スペイン、テレフォニカ(ブランド名:モビスター)、ボーダフォン・スペイン、Masmovil Groupである。長らくテレフォニカが市場シェアで首位であったが、2017年6月にオレンジ・スペインが初めて逆転している。

3G、LTEについては、4社ともサービスを提供している。LTE-Aについては、ボーダフォン・スペインとテレフォニカが2014年10月に、オレンジ・スペインが2015年2月に商用サービスを開始している。

携帯電話加入者数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
携帯電話加入者数(千) 50,665 50,159 50,806 51,068 51,943
携帯電話普及率 108.4% 106.9% 107.9% 108.2% 109.7%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

固定電話普及率は2008年に45.6%だったが、2016年には41.3%まで減少している。

電気通信市場は、1998年1月に完全自由化された。オノ(ONO)、オレンジ・スペイン、エウスカルテル(Euskaltel)、ジャズテル(Jazztel/Jazz Telecom、オレンジが2015年5月に買収)などの新規参入事業者が事業を展開している。

市場では旧国営事業者テレフォニカが強力な市場支配力を有する。しかしそのシェアは年々低下している。

VoIP加入者数は増加を続け、2014年以降はVoIP加入者数がPSTN回線加入者数を上回っている。

固定電話加入者数及び普及率(2012-2016年)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
固定電話加入者数(千) 19,575 19,384 19,378 19,599 19,557
固定電話普及率 41.9% 41.3% 41.2% 41.5% 41.3%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

ラジオ

公共放送RTVE傘下のスペイン・ナショナル・ラジオ(Radio Nacional de España:RNE)が4系統の全国放送及び1系統のカタルーニャ自治州向け放送を実施している。

商業放送では、PrisaグループのラジオネットワークSER(1日当たり平均聴取者数国内最多)、テレビ局Atresmedia系列のラジオ局OCR、キリスト教系ラジオ局COPEが、全国放送を実施している。

地域放送は、多くの地方自治体と商業放送事業者が実施している。また国際放送は、RTVEが「REE」の名称で、7言語で衛星・インターネット・短波で放送・配信している。

デジタル放送については、1998年4月にマドリード、バルセロナ、バレンシアでDAB方式のデジタルラジオ放送が始まった。現在ではマドリードとバルセロナの2都市圏だけで放送され、人口カバレッジは20%にとどまる。

テレビ

公共放送については、RTVE傘下のTVE(Televisión Española)が7系統の放送を行う。このうち、「TVE La Primera」(総合編成)は、商業放送各局を抑え、最高視聴率を得ていたが、番組編成費削減などで視聴率が低下し、2015年10~12月期の平均視聴シェアでも3位になっている。TVNは全国放送のほかに、地方局制作の独自番組を放送している。また、「TVE Internacional」という国際放送も放映している。

商業放送については、Mediaset España、Atresmediaなどが放送を行っている。最大の商業放送局で、Telecinco社を所有していたMediaset Españaは、2010年12月にTV Cuatroを吸収合併した。無料DTT放送9系統を全国向けに放送している。

2012年10月、La Sextaを吸収合併したAntena 3は、2013年3月、Atresmediaに企業名を改称した。DTT放送8系統を全国向けに放送している。また、南北アメリカ大陸やイギリス向けに有料の国際放送を行っている。

地方公営放送については、スペイン17自治州のうち12州が公営放送機関を持ち、地域放送を行っている。このうち11州の放送機関がFORTA(自治州放送機構連合)を組織し、放送権の共同購入、番組の共同制作、外国通信社からの共同受信と分配、各局の番組素材交換等を行っている。しかし、経済危機で州政府の資金援助が削減されたことからいずれも財政難で、チャンネル数や従業員を削減している。2013年11月、FORTAの構成局であったバレンシア自治州のRTVVの累積債務が12億EURに達し、国内で初めて閉鎖された。しかし2016年7月、同自治州は新たな公営放送局を立ち上げることを決定した。

衛星放送

衛星放送は、2014年上半期まで最大のプラットフォームであったが、現在はIPTV、ケーブルテレビの加入者数を下回っている。

テレフォニカが有料放送「Movistar+」を提供している。同社はIPTVサービス「Movistar」を提供していたが、2015年4月にメディア企業グループPrisaから「Canal+」を買収し、7月にCanal+とMovistarを統合して名称を「Movistar+」とした。

ケーブルテレビ

1996年に事業免許が交付されて放送が開始された。最大手事業者はオノであるが、ボーダフォンが同社の全株式を取得している。

重要政策動向

ICT政策

国家安全保障と外交政策について議論するために2013年7月に設立された国家安全保障会議(National Security Council)は、12月の会議後に、将来的なオンライン上の脅威から国を守るためのサイバーセキュリティ戦略を発表した。同戦略は、サイバー脅威に対する予防、防衛、検出、対応活動を実現するため、政府がサイバー空間保護のための国家安全保障戦略規定を作成することを支援するものである。国家サイバーセキュリティ会議(National Cybersecurity Council)が戦略実行を監督することを念頭に、制作枠組みが作成されている。同会議の長は毎年交代し、内閣、内務省、エネルギー・観光・デジタルアジェンダ省、国防省、外務省各局の代表から選ばれる。また副会長は国家安全保障局の代表が務める。

公共放送関連政策

テレビ・ラジオとも受信料制度はない。公共放送RTVEは、広告収入と国庫補助金を財源としていたが、2009年7月、国会でRTVEの広告放送の全面廃止を盛り込んだ法律が可決、2010年1月よりRTVEの広告放送は廃止された。代わりに、商業放送事業者・通信事業者が、年間売上高の一部(0.9~3%)をRTVEの財源として拠出することになった。国からの補助は、従来の国庫補助金に加え、電波税の8割(現在は10割)がRTVEの財源に充当されることになった。

広告放送の廃止以来、RTVEは赤字経営が続いている。RTVEの2016年予算は9億7,390万EURで、2015年より2.2%増加した。一方、2014年の付加価値税に関する法律の改正により、2015年からRTVEと各自治州の公営放送局は付加価値税の支払いを免除されている

基礎データ集

国の基礎データ

政体

議会君主制

面積

50万5,992㎢

人口

4,733万人(2016年)

首都

マドリード

公用語

スペイン語

経済関連データ

通貨単位

1ユーロ(€)=131.79円(2017年10月末)

会計年度

1月から1年間

GDP

1兆2,373億USD

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 2003年11月3日の法律第32号 等
放送 2010年3月31日の法律第7号

監督機関

通信 エネルギー・観光・デジタルアジェンダ省、国家市場競争委員会
放送 エネルギー・観光・デジタルアジェンダ省、国家市場競争委員会
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