3 地方財源の状況

 平成16年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。

(1) 租税収入及び租税負担率[第17表〜第19表]

 国及び地方公共団体の行政活動に要する経費は、最終的にはその大部分が租税によって賄われている。国税と地方税を合わせ租税として徴収された額は81兆6,417億円であり、前年度と比べると4.6%増(前年度1.5%減)となっている。

 国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、平成16年度においては4年ぶりに増加に転じ、前年度と比べると0.8%ポイント上昇の22.6%となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ23.1%(2003暦年計数)、イギリス36.9%(同)、ドイツ28.6%(同)、フランス36.4%(同)となっている。

 次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税48兆1,029億円(6.0%増)、地方税33兆5,388億円(2.7%増)となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第26図のとおりであり、国税58.9%(前年度58.1%)、地方税41.1%(同41.9%)となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国35.3%(同32.8%)、地方64.7%(同67.2%)となっている。なお、国税と地方税の推移は、第27図のとおりである。

(2) 地方歳入

ア 地方税[第12表〜第15表]

 地方税の決算額は33兆5,388億円で、前年度と比べると2.7%増(前年度2.1%減)となっている。

 地方税収入額の53.7%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第16表のとおりである。住民税は、個人分(対前年度比1.8%減)が減少したものの、法人分(同10.3%増)及び利子割(同3.9%増)がそれぞれ増加したこと等により、全体として増加(同1.4%増)している。事業税は、その大部分を占める法人事業税が増加(同13.6%増)したこと等により、前年度と比べると12.8%増(前年度4.6%増)となっている。地方消費税は、前年度と比べると9.2%増(同1.3%減)となっている。

 なお、法人関係二税は7兆1,887億円で、前年度と比べると12.2%増(前年度5.8%増)となっている。

 また、地方税総額に占める割合をみると、住民税の構成比は前年度(33.4%)と比べると0.4%ポイント低下の33.0%となっている一方、事業税の構成比は前年度(11.8%)と比べると1.1%ポイント上昇の12.9%、地方消費税の構成比は前年度(7.3%)と比べると0.5%ポイント上昇の7.8%となっている。なお、法人関係二税の構成比は、前年度(19.6%)と比べると1.8%ポイント上昇の21.4%となっている。

 地方税の収入状況を団体種類別にみると、都道府県が16兆3,069億円で、前年度と比べると5.7%増(前年度0.8%減)となっており、市町村は17兆2,320億円で、前年度と比べると0.0%減(同3.3%減)となっている。

 また、歳入総額に占める割合は、都道府県が33.3%(前年度31.0%)、市町村が34.0%(同33.7%)となっており、全国平均(35.9%)より低い団体数は、全体の77.9%を占める2,018団体となっている。

 地方税収について、全国平均を100として、都道府県別に人口一人当たり税収額を比較してみると、第28図のとおりであり、地方税収計については、東京都が176.2で最も大きく、次いで、愛知県が123.4となっている。他方、沖縄県が57.5で最も小さく、次いで長崎県の65.1となっている。東京都と沖縄県で比較すると、約3.1倍の格差となっている。

 次に、個別の税目ごとに比較してみると、法人関係二税については、東京都が267.5で最も大きく、次いで、愛知県が147.5となっている一方、青森県が40.3で最も小さく、次いで長崎県の41.5となっている。東京都と青森県を比較してみると、約6.6倍の格差となっている。同様に、個人住民税については、最も大きい東京都が177.6、最も小さい沖縄県が54.6で、3倍以上の格差となっている。地方消費税については、最も大きい東京都が131.0、最も小さい沖縄県が75.6で、約1.7倍の格差となっている。固定資産税については、最も大きい東京都が152.8、最も小さい沖縄県が61.3で、約2.5倍の格差となっている。

 このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合については、法人関係二税の格差が特に大きく、地方消費税の偏在性は比較的小さくなっている。

(ア) 道府県税の収入状況

 道府県税(都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額)の収入額は14兆4,870億円で、前年度と比べると5.8%増(前年度0.8%減)となっている。

 道府県税収入額の税目別内訳は、第29図のとおりであり、事業税が30.0%(前年度28.1%)と最も大きな割合を占め、次いで道府県民税が23.5%(同23.9%)となっており、これら二税で道府県税総額の53.4%を占めている。

 また、都道府県税の法人分と事業税の法人分を合計した法人関係二税は、道府県税総額の34.4%を占めている。なお、法人関係二税は、景気の動向の影響を受けやすい構造になっており、ピークである平成元年度決算額(7兆4,834億円)の66.6%にとどまっている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、収入の使途を特定せず、一般経費に充てるために課される税である普通税は6.5%増(前年度0.7%減)となっている。

 普通税のうち、主な税目についてみると、道府県民税については、法人分が10.8%増(前年度7.2%増)、個人分が1.4%増(同4.0%減)、利子割が3.9%増(同34.6%減)となっており、道府県民税全体では3.8%増(同5.2%減)となっている。

 また、事業税については、全体の95.0%を占める法人分が13.6%増(前年度5.1%増)となったことから、事業税全体では12.8%増(同4.6%増)となっている。

 なお、不動産取得税については5.0%減(前年度8.3%減)と8年連続で減収、地方消費税については9.2%増(同1.3%減)となっており、自動車税については1.9%減(同1.5%減)となっている。

 特定の費用に充てるために課される税である目的税は、0.2%増(前年度1.2%減)となっている。

 目的税のうち、主な税目についてみると、自動車取得税については0.8%増(前年度6.7%増)となっており、軽油引取税については0.2%減(同4.3%減)となっている。

 近年の道府県税収入額の推移は、第30図のとおりであり、景気の低迷等により、ピークである平成3年度の税収入額(16兆1,835億円)の89.5%となっている。

(イ) 市町村税の収入状況

 市町村税(市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた額をいう。)の収入額は19兆518億円で、前年度と比べると0.4%増(前年度3.1%減)となっている。

 市町村税収入額の税目別内訳は、第31図のとおりであり、固定資産税が46.2%(前年度46.2%)と最も大きな割合を占め、次いで市町村民税が40.3%(同40.3%)となっており、これら二税で市町村税総額の86.5%を占めている。

 各税目の収入額を前年度と比べると、普通税は0.5%増(前年度2.9%減)となっている。

 普通税のうち、主な税目についてみると、市町村民税については、法人分が10.1%増(前年度6.4%増)、個人分が3.0%減(同4.3%減)となり、この結果、市町村民税全体で0.4%増(同1.7%減)となっている。また、固定資産税については0.4%増(同4.2%減)となっている。

 目的税は、0.7%減(前年度5.5%減)となっている。

 目的税のうち、主な税目についてみると、都市計画税については0.2%減(前年度5.0%減)となり、事業所税については2.3%減(同7.9%減)となっている。

 近年の市町村税収入額の推移は、第32図のとおりである。

(ウ) 法定外普通税

 地方公共団体は、地方税法(昭和25年法律第226号)で規定されている税目のほかに、地方公共団体ごとの特有な財政需要を充足するため、法定外普通税を設けることができる。法定外普通税の収入額は461億円であり、前年度と比べると29.1%増(前年度50.3%増)となっている。

 法定外普通税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、核燃料税が11団体、石油価格調整税、核燃料物質等取扱税、核燃料等取扱税、臨時特例企業税が各1団体となっており、市町村税においては、砂利採取税が2団体、狭小住戸集合住宅税、別荘等所有税、山砂利採取税、歴史と文化の環境税、使用済核燃料税が各1団体となっている。

(エ) 法定外目的税

 法定外目的税の収入額は55億円(前年度34億円)となっている。道府県税においては、産業廃棄物関係税11団体、宿泊税、乗鞍環境保全税が各1団体となっており、市町村税においては、遊漁税、一般廃棄物埋立税、使用済核燃料税、環境未来税が各1団体となっている。

(オ) 超過課税

 地方公共団体は、地方税法で標準税率が定められている税目について、財政上その他の必要がある場合に、その税率を超える税率を定めることができる。この標準税率を超えて課税された部分である超過課税による収入額は4,814億円であり、前年度と比べると12.8%増(前年度6.5%増)となっている。

 超過課税に係る収入のあった団体数を税目別にみると、道府県税においては、道府県民税個人均等割が2団体、同法人均等割が3団体、同法人税割が46団体、法人事業税が7団体、自動車税が1団体となっており、市町村税においては、市町村民税法人均等割が491団体、同法人税割が1,214団体、固定資産税が207団体、軽自動車税が24団体等となっている。

イ 地方譲与税[第20表]

 地方譲与税には、個人の所得課税に係る国から地方公共団体への本格的な税源の移譲を行うまでの間の暫定措置として所得税の収入額の一部が都道府県及び市町村(一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)に譲与される所得譲与税、道路経費の財源とし、市町村に譲与される自動車重量譲与税、都道府県及び市町村に譲与される地方道路譲与税、都道府県及び大都市に譲与される石油ガス譲与税、空港の騒音対策等の財源として空港関係都道府県及び市町村に譲与される航空機燃料譲与税、一般財源として開港所在市町村に譲与される特別とん譲与税がある。

 地方譲与税の決算額は1兆1,641億円で、前年度と比べると67.7%増(前年度9.4%増)となっている。これは主に、平成16年度において所得譲与税が創設されたためである。また、歳入総額に占める割合は1.2%(同0.7%)となっている。

 地方譲与税の内訳をみると、所得譲与税は4,249億円、自動車重量譲与税が3,753億円(対前年度比4.3%増)、地方道路譲与税は3,205億円(同9.0%増)、航空機燃料譲与税は173億円(同12.8%増)、石油ガス譲与税は148億円(同7.8%増)及び特別とん譲与税は112億円(同2.4%増)となっている。

ウ 地方特例交付金

 平成16年度の地方特例交付金の決算額は1兆1,048億円で、前年度と比べると9.8%増(前年度11.4%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は1.2%(同1.1%)となっている。平成16年度においては、恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするための減税補てん特例交付金に加え、義務教育費国庫負担金等の暫定的な一般財源化に伴う税源移譲予定特例交付金が新たに創設されたことが、主な増加の要因となっている。

エ 地方交付税[第21表第128表]

 地方交付税は、地方公共団体の税源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方共有の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。

 平成16年度の地方交付税の総額については、地方財政計画においては、国税5税(国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税)のそれぞれの収入見込額に一定割合を乗じて算出した額(平成16年度においては、所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ32%に相当する額、法人税の収入見込額の35.8%に相当する額、消費税の収入見込額の29.5%に相当する額並びにたばこ税収入見込額の25%に相当する額)11兆3,304億円から、平成9年度及び10年度に係る精算金のうち16年度において精算すべき額870億円並びに14年度に係る精算額874億円を減額し、「地方交付税法等の一部を改正する法律」(平成16年法律第18号)法附則第4条第1項第2号に規定する通常の法定加算額1,246億円及び同項第3号に規定する通常収支に係る国負担借入金の利子相当額の加算額1,685億円、同項第4号に規定する恒久的な減税に係る国負担借入金の利子相当額の加算額508億円及び同項第5号に規定する国庫補助負担金の見直しに係る国負担借入金の利子相当額の加算額11億円を加算し、法附則第4条第1項第6号に規定する臨時財政対策のための特例加算額3兆8,876億円を加算した額の15兆3,886億円に返還金1億円及び交付税特別会計借入金1兆7,755億円を加算し、交付税特別会計における借入金償還額(平成14年度補正対策に係る分)799億円及び交付税特別会計における借入金の利子支払額6,382億円を控除し、交付税特別会計における剰余金4,400億円を加算した額の16兆8,861億円が平成16年度当初において地方公共団体に交付される地方交付税の総額とされた。これに加え、平成16年度補正予算(第1号)の編成により、普通交付税の調整額の復活に要する額639億円及び特別交付税の増加に要する額701億円を加え、1,340億円を加算する措置が講じられたことから、平成16年度地方交付税の総額は、17兆201億円となっている。

 その結果、前年度と比べると5.8%減(前年度7.5%減)となっており、4年連続で前年度決算額を下回っている。その内訳は、普通交付税が15兆9,368億円、特別交付税が1兆833億円となっている。また、歳入総額に占める割合は18.2%(同19.0%)となっている。

 なお、基準財政需要額は40兆5,204億円(財源不足団体分35兆8,518億円、財源超過団体分4兆6,686億円)、基準財政収入額は25兆6,796億円(財源不足団体分19兆9,151億円、財源超過団体分5兆7,645億円)で、財源不足額は15兆9,368億円となっている。

 普通交付税の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県においては前年度と同じく東京都1団体となっており、市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下、この項において同じ。)においては前年度(114団体)より19団体増加の133団体となっている。

 一方、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の平成16年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては2,521団体に、それぞれ交付されている。

 地方交付税の収入状況を団体種類別にみると、道府県においては9兆3,082億円で前年度と比べると6.7%減(前年度7.8%減)、市町村においては7兆7,119億円で4.7%減(同7.3%減)となっており、その地方交付税総額に占める割合は、道府県においては54.7%(同55.2%)、市町村においては45.3%(同44.8%)となっている。

オ 一般財源[第22表〜第24表]

 一般財源は、地方税、地方譲与税、地方特例交付金及び地方交付税の合計額(市町村決算においては、これらに加えて、都道府県から交付される地方消費税交付金等各種交付金を加えた合計額)であり、使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源である。

 この一般財源の決算額は52兆8,278億円であり、前年度と比べると0.7%増(前年度3.7%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は、56.5%(同55.3%)となっている。

 なお、一般財源に臨時財政対策債発行額3兆7,687億円を加えた決算額は、56兆5,965億円であり、前年度と比べると1.9%減(前年度1.1%増)となっている。また、歳入総額に占める割合は、60.6%(同60.8%)となっている。

 次に、歳入総額に占める一般財源の割合を、道府県においては財政力指数段階グループ別、市町村(大都市、特別区及び一部事務組合等を除く。)においては類型別にみると、第33図のとおりである。これによると、歳入総額に占める一般財源の割合は、地方交付税が財源調整機能を果たしている結果、各団体区分間に大きな違いはないものとなっていることがうかがえる。

 なお、地方交付税の決算額が地方税の決算額を上回っている団体数は1,605団体(前年度2,154団体)で、全体の61.9%に及んでいる。

カ 国庫支出金[第25表]

 国庫支出金は、国と地方公共団体の経費負担区分に基づき国が地方公共団体に対して支出する負担金、委託費、特定の施策の奨励又は財政援助のための補助金等である。

 国庫支出金の決算額は、平成16年度における三位一体の改革による義務教育費負担金、児童保護費負担金、普通建設事業費支出金の減少等に伴い、前年度と比べると5.2%減(前年度0.2%減)の12兆4,598億円となっており、3年連続の減少となっている。また、歳入総額に占める割合も13.3%(同13.9%)と2年ぶりに減少に転じている。

 次に、国庫支出金の内訳をみると、普通建設事業費支出金が3兆5,761億円で最も大きな割合(国庫支出金総額の28.7%)を占め、以下、義務教育費負担金が2兆5,456億円(同20.4%)、生活保護費負担金が1兆9,331億円(同15.5%)となっており、これらの支出金等で国庫支出金総額の64.6%を占めている。

 さらに、国庫支出金の内訳を団体種類別にみると、都道府県においては普通建設事業費支出金2兆5,633億円(国庫支出金総額の35.5%)、義務教育費負担金2兆5,456億円(同35.3%)の順となっている。

 また、市町村においては生活保護費負担金1兆7,323億円(国庫支出金総額の33.1%)、普通建設事業費支出金1兆128億円(同19.3%)の順となっている。

 また、国庫支出金の主な内訳を前年度と比べると、公立保育所運営費分等の国庫補助負担金の一般財源化等により児童保護費負担金が21.6%減(前年度1.0%減)、公共事業関係の国庫補助負担金の削減等により普通建設事業費支出金が14.7%減(同2.0%増)、義務教育費負担金(退職手当及び児童手当に係る部分)の暫定的な一般財源化により義務教育費負担金が7.0%減(同8.3%減)、被生活保護者数の増加等を背景に生活保護費負担金が7.2%増(同8.0%増)等となっている。

キ 都道府県支出金[第25表]

 都道府県支出金の決算額は2兆1,066億円で、前年度と比べると6.6%減(前年度0.6%減)となっている。

 都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが54.2%(前年度56.3%)、都道府県費のみのものが45.8%(同43.7%)となっている。

 都道府県支出金の主な内訳を前年度と比べると、国庫財源を伴うものについては普通建設事業費支出金が24.0%減(前年度17.6%減)、児童保護費負担金が33.8%減(同3.1%減)、災害復旧事業費支出金が33.2%増(同11.1%増)等となっており、また、都道府県費のみのものについては、普通建設事業費支出金が10.0%減(同8.8%減)、災害復旧事業費支出金が88.4%減(同421.9%増)となっている。

ク 地方債[第26表]

 地方債は、普通建設事業等に充てるため、その償還が次年度以降にわたる債務を負うことによって調達される財源である。

 地方債の決算額は12兆3,753億円で、臨時財政対策債の発行が減少したこと等により前年度と比べると10.3%減(前年度3.5%増)となっている。なお、臨時財政対策債を除いた額は8兆6,066億円で、前年度と比べると1.0%増(同20.4%減)となっている。

 地方債依存度(歳入総額に占める地方債の割合)を前年度と比べると1.3%ポイント低下の13.2%となっている。近年の地方債依存度の推移は、第34図のとおりである。

 地方債の決算額を団体種類別にみると、都道府県においては7兆1,596億円で、前年度と比べると6.4%減(前年度1.6%増)、市町村においては5兆2,834億円で、前年度と比べると14.9%減(同6.1%増)となっている。

 地方債の目的別の発行状況をみると、臨時財政対策債が3兆7,687億円で最も大きな割合(地方債発行総額の30.5%)を占め、以下、一般単独事業債が3兆6,772億円(同29.7%)、一般公共事業債が2兆2,923億円(同18.5%)、減税補てん債が7,755億円(同6.3%)、過疎対策事業債が2,508億円(同2.0%)、義務教育施設整備事業債が2,401億円(同1.9%)、財源対策債が1,896億円(同1.5%)の順となっている。

ケ その他の収入

(ア) 使用料、手数料[第28表]

 使用料は、地方公共団体の公の施設の利用等の対価としてその利用者等から徴収するものであり、手数料は、特定の者のために行う当該地方公共団体の事務に要する費用に充てるために徴収するものである。

 使用料及び手数料の決算額は2兆4,917億円で、前年度と比べると0.0%減(前年度0.3%増)となっている。また歳入総額に占める割合は、前年度と比べると0.1%ポイント上昇の2.7%となっている。

 使用料の決算額は1兆8,915億円で、前年度と比べると0.8%減(前年度0.5%増)となっている。その内訳をみると、公営住宅使用料が5,488億円(対前年度比1.7%減)で最も大きな割合を占め、以下、授業料が3,675億円(同1.4%減)、保育所使用料が2,237億円(同0.2%増)の順となっている。

 また、手数料の決算額は6,002億円で、前年度と比べると2.5%増(前年度0.4%減)となっている。その内訳をみると、法定受託事務に係るものが871億円(対前年度比4.9%増)、自治事務に係るものが5,131億円(同2.1%増)となっている。

(イ) 繰入金[第29表]

 繰入金は、基金、地方公営事業会計等からの受入金である。

 繰入金の決算額は3兆2,080億円で、前年度と比べると9.1%増(前年度3.6%減)となっており、歳入総額に占める割合は、3.4%(同3.1%)となっている。

 繰入金の内訳をみると、繰入金総額の94.0%(前年度93.7%)を占める積立金の取崩し等による基金からの繰入金は3兆150億円で、前年度と比べると9.5%増(同4.4%減)となっており、2年ぶりに増加に転じている。

 また、地方公営事業会計からの繰入金は1,862億円で、前年度と比べると3.8%増(前年度8.0%増)となっている。

(ウ) その他[第11表第30表]

 その他の収入の決算額は10兆796億円で、前年度と比べると0.1%減(前年度5.5%減)となっており、歳入総額に占める割合は10.8%(同10.6%)となっている。

 その内訳をみると、貸付金元利収入等の諸収入が6兆6,373億円(対前年度比0.4%増)、繰越金が2兆1,817億円(同2.0%減)、財産収入が6,326億円(同5.4%増)、分担金、負担金が5,329億円(同5.6%減)、寄附金が951億円(同6.7%増)となっている。