9 公共施設の状況
地方公共団体は、住民の生活や福祉の向上を図り、個性豊かで魅力ある地域づくりを推進するため、道路や公営住宅等の公共施設の整備に努めている。これら主要な公共施設の整備状況は、次のとおりである。
なお、平成14年度分調査以降、公共施設状況調査は3年に一度詳細な調査を行うこととしたため、今般の調査は項目を限定した縮小調査となっている。次回の詳細な調査は平成17年度分について実施する予定である。
(1) 道路[第101表]
平成17年4月1日現在における地方道の実延長は1,130,170km(対前年同期比0.5%増)、面積は8,077km2(同0.9%増)となっている。10年前(平成7年4月1日現在)と比べると、実延長は4.5%増、面積は11.3%増となっている。
これを主要地方道(道路法第56条の規定に基づき国土交通大臣の指定する都道府県道)、一般都道府県道(主要地方道以外の都道府県道)及び市町村道別にみると、主要地方道の実延長は56,721km(対前年同期比0.2%減)、面積は830km2(同0.9%増)、一般都道府県道の実延長は70,533km(同0.1%増)、面積は879km2(同0.9%増)、市町村道の実延長は1,002,915km(同0.5%増)、面積は6,368km2(同0.9%増)となっている。
また、これらの状況を10年前(平成7年4月1日現在)と比べると、主要地方道の実延長は1.2%増、面積は12.8%増、一般都道府県道の実延長は4.2%増、面積は14.3%増、市町村道の実延長は4.7%増、面積は10.7%増となっている。
(2) 公営住宅等[第102表]
平成16年度末現在における公営住宅等(公営住宅法(昭和26年法律第193号)に基づく公営住宅、住宅地区改良法(昭和35年法律第84号)に基づく改良住宅及び地方公共団体が独自に建設する単独住宅)の総戸数は2,425,872戸であり、前年度と比べると13,498戸増加(0.6%増)している。この状況を10年前(平成6年度)と比べると、138,012戸増加(6.0%増)している。
このうち公営住宅の戸数は2,186,574戸であり、前年度と比べると3,908戸増加(0.2%増)、10年前(平成6年度)と比べると94,803戸増加(4.5%増)している。また、公営住宅等総戸数に占める公営住宅の割合は90.1%(前年度90.5%)となっている。
なお、公営住宅等の総戸数の推移は、第94図のとおりである。
(3) 公園[第103表]
平成16年度末現在における都市公園等(地方公共団体等が都市計画区域内において設置し、管理している施設で、公園としての実態を備え、一般の利用に供しているものを含む。なお、児童遊園は除く。)の数は107,297箇所(対前年度比2.8%増)で、その面積は1,173.9km2(同2.5%増)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、都市公園等の箇所数は27,094箇所増加(33.8%増)しているとともに、その面積も310.5km2増加(36.0%増)している。
都市公園等を設置者別にみると、市町村が設置したものが106,479箇所(対前年度比2.8%増)、944.7km2(同2.6%増)で、総箇所数の99.2%、総面積の80.5%を占めている。
また、その他の公園(都市計画区域外に設置されている児童公園、運動公園等の公園。なお、自然公園は除く。)の数は5,321箇所(対前年度比9.8%増)で、その面積は166.9km2(同2.4%減)となっている。このうち市町村立の公園の数は5,056箇所(同10.4%増)で、その面積は126.4km2(同1.5%減)となっている。
なお、公園の面積の推移は、第95図のとおりである。
(4) 下水処理施設[第104表〜第105表]
汚水(し尿及び生活雑排水)及び雨水を処理する施設としては、公共下水道(特定環境保全公共下水道を含む。以下、この項において同じ。)、農業集落排水施設、漁業集落排水施設等があり、また、汚水を処理する施設としては、合併処理浄化槽等がある。これらの下水処理施設については、財政措置の充実が図られていることもあり、近年の環境保全意識の向上とともに、各地域の実態に即した整備が進められている。
これらの下水処理施設の中でも中心的な施設である公共下水道についてみると、平成16年度末における現在排水人口(供用開始している排水区域内の人口)は、87,735千人で、前年度と比べると2.2%増となっている。この状況を10年前(平成6年度)と比べると、23,353千人増加(36.3%増)している。
次に、農業集落排水施設及び漁業集落排水施設についてみると、平成16年度末における現在排水人口(うち汚水に係るもの)は、それぞれ3,300千人、151千人で、前年度と比べるとそれぞれ5.2%増、9.3%増となっている。これらの状況を10年前(平成6年度)と比べると、それぞれ299.0%増、297.4%増となっている。
また、平成16年度末におけるコミュニティ・プラントの処理人口は361千人(対前年度比1.2%減)、合併処理浄化槽の処理人口は10,872千人(同3.4%増)となっている。これらの状況を10年前(平成6年度)と比べると、コミュニティ・プラントの処理人口は118千人減少(24.6%減)、合併処理浄化槽の処理人口は4,305千人増加(65.6%増)している。
なお、し尿については、上記の下水処理施設による処理のほか、し尿処理施設処理、下水道マンホール投入等による収集処理及び単独浄化槽等による自家処理が行われている。平成16年度末のし尿処理施設処理人口は15,984千人(対前年度比6.1%減)、し尿処理施設年間総収集量は13,129千kL(同6.5%減)となっている。これらの状況を10年前(平成6年度)と比べると、し尿処理施設処理人口は16,221千人減少(50.4%減)、し尿処理施設年間総収集量は7,884千kL減少(37.5%減)している。下水処理施設等による処理の増加により、し尿処理施設処理人口・年間総収集量はともに年々減少している。
なお、下水道処理人口の推移は、第96図のとおりである。
(5) ごみ処理施設[第105表]
ごみの処理は、焼却処理、埋立処理、高速堆肥化処理等の収集処理のほか、自家処理により行われている。平成16年度末における収集処理人口は128,979千人(対前年度比0.1%増)で、その年間総収集量は49,339千t(同2.4%減)となっている。
また、これらの状況を10年前(平成6年度)と比べると、収集処理人口は3,342千人増加(2.7%増)し、年間総収集量は1,977千t減少(3.9%減)している。
なお、ごみ処理施設における年間総収集量の推移は、第97図のとおりである。
(6) 保育所[第106表]
平成16年10月1日現在における公立の保育所数(季節保育所を除く。)は13,517箇所、延面積は8,899千m2となっており、前年同期と比べると276箇所減少(2.0%減)、19千m2減少(0.2%減)している。
また、これらの状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は1,430箇所減少(9.6%減)、延面積は174千m2増加(2.0%増)している。
(7) 高齢者福祉施設[第107表]
平成16年10月1日現在における公立の老人ホーム数は1,209箇所で、前年同期と比べると30箇所減少(2.4%減)している。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は63箇所増加(5.5%増)している。
老人ホームの箇所数を種類別にみると、居宅において養護を受けることが困難な65歳以上の者を養護する養護老人ホームは老人ホーム総数の45.7%(対前年同期比0.7%ポイント低下)、常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な65歳以上の者を養護する特別養護老人ホームは44.7%(同0.5%ポイント上昇)、無料又は低額な料金で老人に食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与する軽費老人ホームは9.6%(同0.2%ポイント上昇)を占めている。
なお、公立の老人ホームの状況は、第98図のとおりである。
(8) 高等学校[第108表]
平成17年5月1日現在における公立高等学校数は4,071校で、前年同期と比べると22校減少(0.5%減)となっている。また、この状況を10年前(平成7年5月1日現在)と比べると、92校減少(2.2%減)している。
(9) 文化及び体育施設
ア 文化施設[第109表]
平成16年度末現在の公立の文化施設の状況は、次のとおりである。
県民会館、市民会館及び公会堂は3,200箇所(対前年度比0.2%増)で、延面積は13,240千m2(同1.0%増)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は664箇所増加(26.2%増)、延面積は4,188千m2増加(46.3%増)している。
図書館は2,875館(対前年度比4.6%増)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は652館増加(29.3%増)している。
博物館(美術館、動物園、水族館等を含む。)は743館(対前年度比0.1%減)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は221館増加(42.3%増)している。
イ 体育施設[第109表]
平成16年度末現在の公立の体育施設の状況は、次のとおりである。
体育館は6,208箇所(前年度同数)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は738箇所増加(13.5%増)している。
陸上競技場は1,122箇所(対前年度比1.3%減)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は32箇所増加(2.9%増)している。
野球場は4,129箇所(対前年度比0.3%減)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は138箇所増加(3.5%増)している。
プールは4,517箇所(対前年度比1.6%減)となっている。また、この状況を10年前(平成6年度)と比べると、箇所数は81箇所増加(1.8%増)している。