トピックス


平成10年5月
郵  政  省


情報通信の多面的展開とサイバー社会

−通信・放送の融合を超えて−

(案)



通信・放送の融合と展開を考える懇談会


は じ め に

 本懇談会は、平成8年10月に発足し、「21世紀に向けた通信・放送の融合に関する懇談会」報告書(平成8年6月)において整理された論点及び今後の通信・放送の展開を視野に入れた課題について、具体的な対応の在り方につき総合的に検討を行ってきたところである。

 前回の懇談会以降、国境や業種を越えた競争の進展など世界的な大競争時代を迎えており、また、インターネットの急速な普及、デジタル放送の展開は、情報通信革命ともいうべき情報通信の新たな時代の幕開けを十分に実感させるものである。

 この様な情報通信を取り巻く環境変化の中で、個々人が世界中に散在する膨大かつ多彩な情報を即時に享受することが可能となり、またこれまでの受動的立場から、自ら情報を発信し、選択する能動的な情報活動主体に生まれ変わりつつあるなど、情報通信は確実に我々の社会経済全般に変化をもたらしつつある。

 現在起こりつつある情報通信革命による社会変革は、我が国のみならず国際的にも、人々の生活様式の変化や、産業構造の転換を促進するとともに、既存秩序の再構築を余儀なくさせる可能性を有している。とりわけ、情報通信の高度利用により距離・時間の制約を取り払い、現実社会の活動を補完、代替し、全体として新しい社会経済活動が実現している社会として定義されるサイバー社会は、人類未踏の領域でありこれから切り拓き創造してゆくべきものである。

 本懇談会においては、情報通信全般を展望するとともに、情報通信の多方面にわたる利用、社会的な背景など、広い視野をもって議論を重ねてきた。本報告書は、これまでの論議の結果を取りまとめたものである。




目    次


第1部:情報通信の多面的な展開
 第1節 情報通信分野における環境変化
   (1)
(2)
(3)
(4)
技術革新
インターネットの爆発的普及
放送のデジタル化
情報環境の変化
 第2節 情報通信分野の課題と対応
   (1) 情報通信産業の展望
ア 成長牽引役としての情報通信産業
イ 情報通信産業の構造
ウ 他分野への広がり
   (2) 分野別課題と対応
ア 情報通信基盤の整備等
イ アプリケーションの開発・普及
ウ コンテント振興
エ ベンチャー企業の振興による市場の活性化
オ 技術開発の推進
カ 国際化への対応
キ 地球環境問題と情報通信
   (3) 通信・放送の融合
ア 状況と考え方
イ 「融合」と「多様化」

第2部:サイバー社会の課題と展望
 第1節 サイバー社会とは
   (1)
(2)
(3)
(4)
サイバー社会の出現
サイバー社会のインパクト
サイバー社会における社会経済活動
通信・放送の融合を越えた情報通信の展開とサイバー社会
 第2節 サイバー社会に向けての環境整備
   (1) 利用者の能力向上
   (2) 利用者の権利・利益の保護と関係制度の整備・見直しについて
ア 違法・有害情報の流通
イ ネットワークの安全性・信頼性の確保
ウ 個人情報保護
エ 苦情対応体制の整備
オ 暗号政策・認証制度
カ 知的所有権の保護
キ 関連諸制度の整備・見直し
   (3) 高齢者・障害者への支援
   (4) 通信料金の低廉化
   (5) 次世代ネットワークの研究開発推進と整備
 第3節 サイバー社会に対応した調整のとれた多元的な情報通信政策・法制の必要性
   (1)
(2)
情報通信の基本理念の提示の必要性について
情報通信の基本理念と政策軸について

懇談会委員名簿