2 地方財政の概況

 地方公共団体の歳入及び歳出は、一般会計と特別会計に区分して経理されているが、特別会計の中には、一般行政活動に係るものと企業活動に係るものがある。

 このため、地方財政では、これらの会計を一定の基準によって、一般行政部門と水道、交通、病院等の企業活動部門に分け、前者を「普通会計」、後者を「地方公営事業会計」として区分している。

 以下、平成22年度の地方財政について、2から6までと9において普通会計の状況を、7において地方公営事業会計等の状況を、8において健全化判断比率等の状況を示すとともに、10において公共施設の状況を示す。

(1)決算規模[資料編:第1表第5表第10表第73表

 地方公共団体(47都道府県、1,727市町村、23特別区、1,269一部事務組合及び114広域連合(以下、一部事務組合及び広域連合を「一部事務組合等」という。))の普通会計の純計決算額は、第1表のとおり、歳入97兆5,115億円(前年度98兆3,657億円)、歳出94兆7,750億円(同96兆1,064億円)で、歳入、歳出いずれも減少している。

 また、前年度と比べると、歳入0.9%減(前年度6.7%増)、歳出1.4%減(同7.2%増)となっている。

 このように決算規模が前年度決算額を下回ったのは、歳入については、地方交付税や地方債が増加しているが、普通建設事業費支出金や各種交付金の減少等により国庫支出金が減少、また、個人住民税を中心に地方税が減少したこと等によるものである。歳出については、子ども手当の創設や生活保護費の増加等により扶助費が増加しているが、普通建設事業費、積立金、補助費等が減少したこと等によるものである。

 さらに、歳出から公債費及び公営企業繰出金のうち企業債の元利償還に係るものを除いた一般歳出は、70兆2,326億円(前年度69兆8,588億円)となっており、前年度と比べると0.5%増となっている。

 決算規模の状況を団体種類別にみると、第2表のとおりである。都道府県は、歳入、歳出ともに前年度決算額を下回り、市町村(特別区及び一部事務組合等を含む。特記がある場合を除き、以下同じ。)は、歳入、歳出ともに前年度決算額を上回っている。

 また、近年の決算規模の推移は、第7図のとおりである。

(2)決算収支

ア 実質収支[資料編:第7表

 実質収支(形式収支(歳入歳出差引額)から明許繰越等のために翌年度に繰り越すべき財源を控除した額)の状況は、第3表のとおりである。

 平成22年度の実質収支は、1兆6,702億円の黒字(前年度1兆4,447億円の黒字)で、昭和31年度以降黒字が続いている。

 実質収支を団体種類別にみると、都道府県においては3,546億円の黒字(前年度2,644億円の黒字)であり、平成12年度以降黒字となっている。

 また、市町村においては1兆3,156億円の黒字(前年度1兆1,803億円の黒字)であり、昭和31年度以降黒字となっている。

 実質収支が赤字である団体数をみると、平成21年度に赤字であった13団体(13市町村)のうち5団体(5市町)が引き続き赤字であり、3団体(3市町村)が新たに赤字団体となった結果、赤字団体数は8団体であり、前年度と比べると5団体減少している。

 さらに、近年の実質収支及び赤字団体の赤字額の推移は、第8図のとおりである。

 標準財政規模に対する実質収支額の割合である実質収支比率の推移は、第9図のとおりであり、平成22年度の実質収支比率(特別区及び一部事務組合等を除く加重平均)は0.4ポイント上昇の2.7%となっている。

 実質収支比率を団体種類別にみると、都道府県は0.3ポイント上昇の1.3%、市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。)は0.5ポイント上昇の4.1%となっている。

イ 単年度収支及び実質単年度収支[資料編:第7表

 平成22年度の単年度収支(実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額)は、2,258億円の黒字(前年度1,720億円の黒字)となっている。

 単年度収支を団体種類別にみると、都道府県においては909億円の黒字(前年度15億円の赤字)、市町村においては1,350億円の黒字(同1,735億円の黒字)となっている。

 また、実質単年度収支(単年度収支に財政調整基金への積立額及び地方債の繰上償還額を加え、財政調整基金の取崩し額を差し引いた額)は、1兆395億円の黒字(前年度2,382億円の黒字)となっている。

 実質単年度収支を団体種類別にみると、都道府県においては4,133億円の黒字(前年度153億円の赤字)、市町村においては6,263億円の黒字(同2,535億円の黒字)となっている。

 なお、実質収支、単年度収支及び実質単年度収支の赤字団体数の状況は、第4表のとおりである。

(3)歳入[資料編:第10表

 歳入純計決算額は97兆5,115億円で、前年度と比べると8,542億円減少(対前年度比0.9%減)となっている。

 決算額の主な内訳をみると、第5表のとおりである。

 地方税は、個人住民税の減少や地方法人特別税の平年度化等により、前年度に比べると8,666億円減少(同2.5%減)している。

 地方譲与税は、地方法人特別譲与税の平年度化等により、前年度と比べると7,726億円増加(同59.6%増)している。

 地方特例交付金等は、児童手当及び子ども手当特例交付金が増加したものの、特別交付金が終了したこと等により、前年度と比べると788億円減少(同17.1%減)している。

 地方交付税は、17兆1,936億円で、前年度と比べると1兆3,733億円増加(同8.7%増)している。また、地方交付税に臨時財政対策債を加えた額は、24兆2,929億円で、前年度と比べると3兆8,190億円増加(同18.7%増)している。

 国庫支出金は、普通建設事業費支出金や各種交付金の減少等により、前年度と比べると2兆5,339億円減少(同15.0%減)している。

 地方債は、臨時財政対策債の増加等により、前年度と比べると5,735億円増加(同4.6%増)している。

 歳入純計決算額の構成比の推移は、第10図のとおりである。

 地方税の構成比は、平成22年度は前年度と比べると0.6ポイント低下の35.2%となっている。

 地方交付税の構成比は、平成8年度から12年度までは上昇していたが、13年度以降、地方財政対策にあたり、交付税特別会計の借入金方式に代えて臨時財政対策債を発行し、基準財政需要額の一部を振り替えることとしたこと等から低下が続いていた。平成22年度においては上昇に転じ、前年度と比べると1.5ポイント上昇の17.6%となっている。

 国庫支出金の構成比は、平成15年度以降、三位一体の改革による国庫補助負担金の一般財源化、普通建設事業費支出金の減少等により低下してきたが、20年度、21年度は上昇した。平成22年度においては、普通建設事業費支出金や各種交付金の減少等により前年度と比べると2.4ポイント低下の14.7%となっている。

 地方債の構成比は、普通建設事業費の減少や平成16年度に臨時財政対策債の発行額が減少したこと等により低下していたが、21年度に続いて、22年度においても臨時財政対策債の増加等により、前年度と比べると0.7ポイント上昇の13.3%となっている。なお、臨時財政対策債の発行額を除いた構成比は、前年度と比べると1.9ポイント低下の6.0%となっている。

 一般財源の構成比は、平成19年度から国庫支出金、地方債等の増加に加え、地方税及び地方特例交付金等の減少などにより低下していたが、22年度は地方交付税等の増加及び国庫支出金等の減少により、前年度と比べると1.7ポイント上昇の55.3%となっている。

 歳入決算額の構成比を団体種類別にみると、第11図のとおりである。

 都道府県においては地方税が最も大きな割合(31.8%)を占め、以下、地方交付税(17.5%)、地方債(15.6%)の順となっている。

 市町村においても都道府県と同様に地方税が最も大きな割合(34.1%)を占め、以下、地方交付税(15.6%)、国庫支出金(14.9%)、の順となっている。

(4)歳出

 歳出の分類方法としては、行政目的に着目した「目的別分類」と経費の経済的な性質に着目した「性質別分類」が用いられるが、これらの分類による歳出の概要は、次のとおりである。

ア 目的別歳出

(ア) 目的別歳出[資料編:第34表

 地方公共団体の経費は、その行政目的によって、議会費、総務費、民生費、衛生費、労働費、農林水産業費、商工費、土木費、消防費、警察費、教育費、災害復旧費、公債費等に大別することができる。

 歳出純計決算額は94兆7,750億円で、前年度と比べると1兆3,314億円減少(対前年度比1.4%減)となっている。

 目的別歳出の構成比は、第6表のとおりであり、民生費(歳出総額の22.5%)、教育費(同17.4%)、公債費(同13.7%)、土木費(同12.6%)、総務費(同10.6%)の順となっている。

 民生費は、子ども手当の創設や生活保護費の増加等により、前年度と比べると1兆5,485億円増加(対前年度比7.8%増)している。

 教育費は、前年度と比べると86億円増加(同0.1%増)している。

 公債費は、前年度と比べると945億円増加(同0.7%増)している。

 土木費は、国直轄事業負担金の減少等により、前年度と比べると1兆3,329億円減少(同10.0%減)している。

 総務費は、定額給付金事業の終了等により、前年度と比べると7,186億円減少(同6.7%減)している。

 目的別歳出の構成比の推移は、第7表のとおりである。農林水産業費及び土木費の構成比がそれぞれ低下の傾向にある一方、民生費の構成比が上昇の傾向にある。

 目的別歳出の構成比を団体種類別にみると、第12図のとおりである。

 都道府県においては、市町村立義務教育諸学校教職員の人件費を負担していること等により教育費が最も大きな割合(22.2%)を占め、以下、公債費(13.9%)、民生費(13.1%)、土木費(11.7%)、商工費(9.0%)の順となっている。

 また、市町村においては、生活保護に関する事務(町村については、福祉事務所を設置している町村に限る。)等の社会福祉事務の比重が高いこと等により民生費が最も大きな割合(32.6%)を占め、以下、総務費(13.0%)、土木費(12.3%)、公債費(12.0%)、教育費(10.7%)の順となっている。

(イ)一般財源の充当状況

 一般財源の目的別歳出に対する充当状況は、第8表のとおりである。

 一般財源総額(53兆9,622億円)に占める目的別歳出の割合をみると、民生費が最も大きな割合(20.0%)を占め、以下、公債費(18.4%)、教育費(18.3%)、総務費(12.6%)、土木費(9.1%)の順となっている。

 一般財源充当額の目的別構成比の推移は、第13図のとおりである。近年、民生費に充当された一般財源の構成比が上昇の傾向にあり、土木費に充当された一般財源の構成比が低下の傾向にある。

イ 性質別歳出

(ア) 性質別歳出[資料編:第73表

 地方公共団体の経費は、その経済的な性質によって、義務的経費、投資的経費及びその他の経費に大別することができる。

 義務的経費は、職員給与費等の人件費のほか、生活保護費等の扶助費及び地方債の元利償還金等の公債費からなっており、そのうち人件費が49.3%を占めている。また、投資的経費は、道路、橋りょう、公園、公営住宅、学校の建設等に要する普通建設事業費のほか、災害復旧事業費及び失業対策事業費からなっており、そのうち普通建設事業費が98.8%を占めている。

 歳出純計決算額の主な性質別内訳をみると、第9表のとおりである。

 義務的経費は47兆7,233億円で、前年度と比べると1兆8,082億円増加(対前年度比3.9%増)している。これは、各団体の歳出削減努力により人件費が減少(同1.8%減)したものの、子ども手当の創設や生活保護費の増加等に伴い扶助費が増加(同23.7%増)したこと及び公債費が増加(同0.8%増)したことによるものである。

 投資的経費は13兆4,961億円で、前年度と比べると1兆224億円減少(同7.0%減)している。これは、その大部分を占める普通建設事業費が、補助事業費、単独事業費ともに減少し(それぞれ同4.7%減、同4.7%減)、普通建設事業費全体で1兆475億円減少(同7.3%減)したことによるものである。

 また、その他の経費は33兆5,556億円で、前年度と比べると2兆1,172億円減少(同5.9%減)となっている。これは、定額給付金事業の終了等により、補助費等が1兆2,790億円減少(同12.0%減)したこと等によるものである。

 平成13年度以降の歳出決算増減額に占めるこれらの経費の推移は、第14図のとおりである。

 次に、性質別歳出の構成比の推移は、第15図のとおりである。

 投資的経費の構成比は、平成8年度以降低下しており、21年度は上昇に転じたものの、22年度においては前年度と比べると0.9ポイント低下の14.2%となっている。

 義務的経費の構成比は、平成8年度以降上昇の傾向にあり、20年度に低下に転じたものの、22年度においては前年度に比べると2.6ポイント上昇の50.4%となっている。

 性質別歳出決算額の構成比を団体種類別にみると、第16図のとおりである。

 人件費の構成比は、都道府県において市町村立義務教育諸学校教職員の人件費を負担していることなどから、都道府県が28.8%、市町村が18.1%となっている。また、扶助費の構成比は、市町村において、生活保護に関する事務(町村については、福祉事務所を設置している町村に限る。)等の社会福祉関係事務が行われていること等から、市町村が19.6%、都道府県が2.1%となっている。

 さらに、普通建設事業費のうち、補助事業費の構成比は、都道府県(6.0%)が市町村(5.6%)を上回る一方、単独事業費の構成比は、市町村(7.6%)が都道府県(6.4%)を上回っている。

(イ) 一般財源の充当状況[資料編:第75表

 一般財源の性質別歳出に対する充当状況は、第10表のとおりである。

 一般財源総額(53兆9,622億円)に占める性質別歳出の割合をみると、義務的経費が56.3%で最も大きな割合を占めている。また、投資的経費の割合は6.6%であり、歳出総額に占める投資的経費の割合(14.2%)に比べて小さくなっている。

 一般財源充当額の性質別構成比の推移は、第17図のとおりである。

 義務的経費に充当された一般財源の構成比は、平成3年度以降上昇の傾向にあったが、18年度以降低下してきており、22年度は前年度と比べると0.7ポイント低下の56.3%となっている。

 投資的経費に充当された一般財源の構成比は、平成3年度以降低下の傾向にあり、21年度は上昇したものの、22年度は前年度と比べると0.5ポイント低下の6.6%となっている。

(5)財政構造の弾力性

ア 経常収支比率[資料編:第8表

 地方公共団体が社会経済や行政需要の変化に適切に対応していくためには、財政構造の弾力性が確保されなければならない。財政構造の弾力性の度合いを判断する指標の一つとして、経常収支比率が用いられている。

 経常収支比率は、経常経費充当一般財源(人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費に充当された一般財源)が、経常一般財源(一般財源総額のうち地方税、普通交付税のように毎年度経常的に収入される一般財源)、減収補填債特例分及び臨時財政対策債の合計額に対し、どの程度の割合となっているかをみることにより財政構造の弾力性を判断するものである。

 平成22年度の経常収支比率(特別区及び一部事務組合等を除く加重平均)は、前年度より3.3ポイント低下して90.5%となり、前年度を下回った。主な内訳をみると、人件費充当分が32.9%(前年度34.8%)、公債費充当分が20.7%(同21.5%)となっている。なお、減収補填債特例分及び臨時財政対策債の発行額を経常収支比率算出上の分母から除いた場合の経常収支比率は、103.4%となっている。

 なお、第18図(その1)のように、分子である経常経費充当一般財源については、人件費が減少したものの、扶助費、公債費等の増加により分子全体として増加した。一方、分母である経常一般財源については、普通交付税の増加や臨時財政対策債発行額の増加により分母全体として増加している。

 経常収支比率を団体種類別にみると、都道府県は前年度より4.0ポイント低下し91.9%(前年度95.9%)、市町村(特別区及び一部事務組合等を除く。以下この項において同じ。)は前年度より2.6ポイント低下し89.2%(同91.8%)となっている。

 経常収支比率の段階別分布状況をみると、第12表のとおりである。経常収支比率が80%以上の団体数は、都道府県においては47団体の全ての団体(前年度同数)、市町村においては全体の80.7%を占める1,393団体(同1,559団体)となっている。

イ 実質公債費比率及び公債費負担比率[資料編:第8表

 公債費による負担度合いを判断するための指標として、実質公債費比率及び公債費負担比率が用いられている。

 実質公債費比率は、地方債の元利償還金(繰上償還等を除く。)や公営企業債に対する繰出金などの公債費に準ずるものを含めた実質的な公債費相当額から、これに充当された特定財源及び一般財源のうち普通交付税の算定において基準財政需要額に算入されたものを除いたものが、標準財政規模(普通交付税の算定において基準財政需要額に算入された公債費等を除く。)に対し、どの程度の割合となっているかをみるものである。

 平成22年度の実質公債費比率(全団体の加重平均)は、前年度と比べて0.1ポイント低下の12.0%(前年度12.1%)となっている。

 実質公債費比率は、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(平成19年法律第94号。以下「地方公共団体財政健全化法」という。)において、健全化判断比率の一つとして位置付けられている。なお、実質公債費比率の状況は、「第1部 8 平成22年度決算に基づく健全化判断比率等の状況」のとおりである。

 公債費負担比率は、公債費充当一般財源(地方債の元利償還金等の公債費に充当された一般財源)が一般財源総額に対し、どの程度の割合となっているかを示す指標であり、公債費がどの程度一般財源の使途の自由度を制約しているかをみることにより、財政構造の弾力性を判断するものである。

 平成22年度の公債費負担比率(全団体の加重平均)は、前年度と比べて0.2ポイント低下の18.4%(前年度18.6%)となっている。

 近年の公債費負担比率の推移は、第19図のとおりである。

(6)将来の財政負担

 地方公共団体の財政状況をみるには、単年度の収支状況のみでなく、地方債、債務負担行為等のように将来の財政負担となるものや、財政調整基金等の積立金のように年度間の財源調整を図り将来における弾力的な財政運営に資するために財源を留保するものの状況についても、併せて把握する必要がある。これらの状況は、次のとおりである。

ア 地方債現在高[資料編:第100表

 平成22年度末における地方債現在高は142兆803億円で、前年度末と比べると1.6%増(前年度末1.7%増)となっている。

 地方債現在高の歳入総額及び一般財源総額に対するそれぞれの割合の推移は、第20図のとおりである。

 地方債現在高は、昭和50年度末では歳入総額の0.44倍、一般財源総額の0.88倍であったが、地方税収等の落込みや減税に伴う減収の補填、経済対策に伴う公共投資の追加等により地方債が急増したことに伴い、平成4年度末以降急増した。さらに、平成13年度からの臨時財政対策債の発行等があったが近年は横ばいで推移しており、22年度末には歳入総額の1.46倍、一般財源総額の2.63倍となっている。

 近年の地方債現在高の目的別構成比及び借入先別構成比の推移は、第21図のとおりである。地方債現在高の借入先別の構成比は、市場公募債(27.4%)、政府資金(25.8%)、市中銀行資金(25.1%)、旧郵政公社資金(6.8%)の順となっている。前年度末の割合と比べると、近年の公的資金の縮減及び市場における地方債資金の調達の推進等に伴い、政府資金が0.7ポイント低下する一方、市場公募債は1.2ポイント上昇している。

 地方債現在高を団体種類別にみると、都道府県においては85兆6,837億円、市町村においては56兆3,967億円で、前年度末と比べるとそれぞれ2.9%増(前年度末3.8%増)、0.2%減(同1.1%減)となっている。

イ 債務負担行為額[資料編:第101表

 地方公共団体は、将来の支出を約束するために、債務負担行為を行うことができる。

 この債務負担行為は、数年度にわたる建設工事、土地の購入等の場合のように翌年度以降の経費支出が予定されているものと、債務保証又は損失補償のように債務不履行等の一定の事実が発生したときに支出されるものとに大別することができる。

 これらの債務負担行為に基づく翌年度以降支出予定額をみると、平成22年度末では12兆2,810億円で、前年度末と比べると0.9%増(前年度末2.3%減)となっている。

 翌年度以降支出予定額を目的別にみると、第22図のとおりである。

 翌年度以降支出予定額を団体種類別にみると、都道府県においては5兆2,886億円、市町村においては6兆9,924億円で、前年度末と比べるとそれぞれ1.8%減(前年度末2.5%減)、3.0%増(同2.1%減)となっている。

ウ 積立金現在高[資料編:第102表

 地方公共団体の積立金現在高の状況は、第13表のとおりである。

 平成22年度末における積立金現在高は17兆9,022億円となっており、前年度末と比べると7,250億円増加(対前年度末比4.2%増)している。

 積立金現在高の内訳をみると、年度間の財源調整を行うために積み立てられている財政調整基金は前年度末と比べると17.0%増となっている。地方債の将来の償還費に充てるために積み立てられている減債基金は前年度末と比べると23.4%増となっている。将来の特定の財政需要に備えて積み立てられているその他特定目的基金は前年度末と比べると3.9%減となっている。

 積立金現在高を団体種類別にみると、前年度末と比べ、都道府県においては全体で1,416億円減少(対前年度末比2.0%減)しており、市町村においては全体で8,666億円増加(同8.6%増)している。

エ 地方債及び債務負担行為による実質的な将来の財政負担[資料編:第100表第102表

 地方債現在高に債務負担行為に基づく翌年度以降支出予定額を加え、積立金現在高を差し引いた地方公共団体の地方債及び債務負担行為による実質的な将来の財政負担の推移は、第23図のとおりである。

 平成22年度末における地方債及び債務負担行為による実質的な将来の財政負担は136兆4,592億円で、前年度末と比べると1.2%増(前年度末0.2%増)となっている。

 団体種類別にみると、都道府県においては83兆9,993億円、市町村においては52兆4,599億円であり、前年度末と比べるとそれぞれ3.0%増(前年度末1.3%増)、1.4%減(同1.5%減)となっている。

オ 普通会計が負担すべき借入金残高[資料編:第100表第133表

 普通会計が将来にわたって負担すべき借入金という観点からは、地方債現在高のほか、交付税及び譲与税配付金特別会計(以下「交付税特別会計」という。)借入金及び地方公営企業において償還する企業債のうち、経費負担区分の原則等に基づき、普通会計がその償還財源を負担するものについても併せて考慮する必要がある。

 この観点から、交付税特別会計借入金残高と企業債現在高のうち普通会計が負担することとなるものを地方債現在高に加えた普通会計が負担すべき借入金残高の推移をみると、第24図のとおりである。

 これをみると、平成22年度末には、普通会計が負担すべき借入金残高は199兆7,933億円となっており、前年度末と比べると0.6%増(前年度0.8%増)となっている。

 また、その内訳は、地方債現在高が142兆803億円、交付税特別会計借入金残高が33兆6,173億円、企業債現在高のうち普通会計が負担することとなるものが24兆957億円となっている。

(7)決算の背景

ア 平成22年度の経済見通しと国の予算

(ア)経済見通しと経済財政運営の基本的態度

 「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」は、平成21年12月25日に閣議了解、平成22年1月22日に閣議決定された。この中で、平成21年度の我が国経済は、失業率が高水準で推移するなど厳しい状況にあるとされた。特に、平成21年度の国内総生産の実質成長率は、成長の発射台が極めて低いことなどから、前年度より改善するものの、マイナス2.6%程度にとどまるものと見込まれており、また、国民の景気実感に近い名目成長率は、マイナス4.3%程度と2年連続の急速な減少が見込まれた。

 このような情勢認識から、景気の持ち直しの動きを確かなものとするため、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(平成21年12月8日閣議決定)を着実に実施し、これに伴う平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を一体として切れ目なく執行することとされた。平成22年度予算においては、子育て、雇用、環境、科学・技術に特に重点を置き、国民の付託に応えて主要施策の実施に取り組むとともに、「新成長戦略(基本方針)」(平成21年12月30日閣議決定)の推進を通じて、成長のフロンティアを拡大し、新たな需要と雇用を創造していくこととされた。さらに、経済成長と財政規律を両立させ、経済成長や国民生活の安定、セーフティネットの強化という観点からも、財政の持続可能性を高めていくこととされた。

 以上のような経済財政運営を前提として、平成22年度においては、景気は緩やかに回復していくと期待され、平成22年度の国内総生産の実質成長率は1.4%程度と3年ぶりのプラス成長が見込まれ、また、名目成長率も0.4%程度のプラスに転じると見込まれた。

(イ)国の予算

 平成21年12月15日、「平成22年度予算編成の基本方針」が閣議決定された。その中で、平成22年度予算編成にあたっては、以下のような基本的考え方に基づくものとされた。

a 予算編成とは、貴重な国民の税金をどのように用いるか、選択を行う作業に他ならない。現在の国民のみならず、未来の国民に対しても責任を持つ選択を行うのが政治の役割である。未来を創る子ども達のために必要な政策を実行するため、政治が最大限の努力を行わなければならない。以下のような基本理念に立ち、全閣僚、全政務三役が一丸となって、責任ある予算編成に取り組む。

(a)「コンクリートから人へ」

(b)「新しい公共」

(c)「未来への責任」

(d)「地域主権」

(e)「経済成長と財政規律の両立」

 以上の基本理念のもとで予算を編成した上で、今後の経済運営に当たっては、国民の暮らしに直結する名目の経済指標を重視するとともに、デフレの克服に向けて日本銀行と一体となって強力かつ総合的な取組を行う。また、平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を一体として切れ目なく執行することにより、景気が再び落ち込むことを回避し、着実に回復させるとともに、将来の安定的な成長につながる予算としていく。これにより、民需は底堅く推移し、自律的な成長軌道に向けて、景気は緩やかに回復していくものとみられる。

b 何よりも人のいのちを大切にし、国民の生活を守る政治を行う。国民の暮らしを犠牲にしても経済合理性を追求するという発想をとらず、国民の暮らしの豊かさに力点を置いた経済・社会に転換していく。こうした観点から、平成22年度予算においては、子育て、雇用、環境、科学・技術に特に重点を置く。

c 国民主権とは、国民自らが国の政策決定に責任を持つことであり、物言えぬ将来の国民にツケを回すような無責任な財政運営を行ってはならない。同時に、「依らしむべし、知らしむべからず」といった独善的な発想で、財政規律の確保に失敗を重ねてきたことを、ほかならぬ政治と行政が深く反省しなければならない。国民・納税者の視点に立ち、国民が自らの税金の使い途を自ら精査し、自ら主体的に決定する、国民中心の予算編成を行い、予算の効率化と財政の健全化を目指す。

 平成22年度予算は、以上のような方針により編成され、平成21年12月25日に政府案の閣議決定が行われた後、平成22年1月22日に第174回国会に提出され、平成22年3月24日に政府案どおり成立した。

 これによると、平成22年度の国の一般会計予算の規模は92兆2,992億円で、前年度当初予算と比べると3兆7,512億円の増加(4.2%増)となっており、うち一般歳出の規模は53兆4,542億円で、前年度当初予算と比べると1兆7,233億円の増加(3.3%増)となった。なお、公債の発行予定額は44兆3,030億円で、前年度当初発行予定額と比べると11兆90億円の増加(33.1%増)となっており、公債依存度は48.0%となった。他方、財政投融資計画の規模は18兆3,569億円で、前年度計画額と比べると2兆4,937億円の増加(15.7%増)となった。

イ 地方財政計画

 平成22年度は、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、「地域のことは、地域で決める」、地域主権の確立に向けた制度改革に取り組むとともに、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財政の所要の財源を確保することで、住民生活の安心と安全を守るとともに地方経済を支え、地域の活力を回復させていくとの基本理念に立ち、歳出面では、経費全般について徹底した節減合理化に努める一方、当面の地方単独事業等の実施に必要な歳出及び地域のニーズに適切に応えるために必要な経費を計上するほか、歳入面では、安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額の確保を図ることを基本として、過去最大規模の財源不足に対して、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補填措置を講じることとし、次の方針に基づき平成22年度の歳入歳出総額の見込額を策定した。

(ア) 地方税については、支え合う社会を実現するとともに、経済・社会の構造変化に対応し、国民が信頼できる税制を構築する観点からの税制全般にわたる改革の一環として、個人住民税における扶養控除の見直し、軽油引取税等の現行の10年間の暫定税率を廃止した上で、当分の間、現在の税率水準の維持、地方のたばこ税の税率の引上げ、地方税における税負担軽減措置等の適用状況等に関する報告書を国会に提出する措置の創設を行うとともに、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととし、所要の措置を講じることとする。

(イ) 地方が自由に使える財源を増やすため、地方財源不足見込額について、地方財政の運営に支障が生じることのないよう、次の措置を講じることとする。

a 平成22年度単年度の措置として、平成21年度までと同様、財源不足のうち建設地方債(財源対策債)の増発等を除いた残余については国と地方が折半して補填することとし、国負担分については、国の一般会計の加算等により、地方負担分については、「地方財政法」(昭和23年法律第109号)第5条の特例となる地方債(臨時財政対策債)により補填措置を講じる。臨時財政対策債の元利償還金相当額については、その全額を後年度地方交付税の基準財政需要額に算入する。なお、平成5年度の投資的経費に係る国庫補助負担率の見直しに関し一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしていた額等1,761億円については、法律の定めるところにより平成28年度以降の地方交付税の総額に加算する。

b これに基づき、平成22年度の財源不足見込額18兆2,168億円については、次により完全に補填する。

(a)地方交付税は、平成20年度分の精算による6,596億円の減額を繰り延べるほか、国の一般会計加算により7兆6,291億円(うち「地域活性化・雇用等臨時特例費」の創設による別枠の加算額9,850億円、平成21年度において別枠で加算した1兆円のうち平成22年度に協議することとされていた地域雇用創出推進費以外の加算額5,000億円(平成20年12月18日付け総務・財務両大臣覚書第3項)、「地方交付税法」(昭和25年法律第211号)附則第4条の2第3項の加算額866億円、同条第4項の加算額6,695億円、臨時財政対策特例加算額5兆3,880億円)増額する。また、平成22年度に予定されていた交付税特別会計借入金の償還7,812億円を後年度へ繰り延べるとともに、交付税特別会計剰余金3,700億円を活用する。

(b)「地方財政法」第5条の特例となる地方債(臨時財政対策債)を7兆7,069億円発行する。

(c)建設地方債(財源対策債)を1兆700億円増発する。

c 上記の結果、平成22年度の地方交付税は、16兆8,935億円(前年度に比し1兆733億円、6.8%の増)を確保する。

(ウ) 地方債については、極めて厳しい地方財政の状況の下で、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財源の不足に対処するための措置を講じるとともに、地方公共団体が、必要性の高い分野への重点的な投資を行えるよう、所要の地方債資金を確保する。

(エ) 地域主権の確立に向け、地域経済の振興や雇用創出を図りつつ、個性と活力ある地域社会の構築、住民に身近な社会資本の整備、災害に強い安心安全なまちづくり、総合的な地域福祉施策の充実、農山漁村地域の活性化等を図ることとし、財源の重点的配分を行う。

a 当面の地方単独事業等の実施に必要な歳出を計上し、地域のニーズに適切に応えるために必要な特別枠「地域活性化・雇用等臨時特例費」9,850億円を計上する。

b 投資的経費に係る地方単独事業費については、「コンクリートから人へ」の理念を踏まえた国の公共投資関係費の取扱い等も勘案しつつ、前年度に比し15.0%減額することとする一方で、引き続き、地域の自立や活性化につながる基盤整備を重点的・効率的に推進する。

c 一般行政経費に係る地方単独事業費については、地方公共団体の自助努力を促す観点から既定の行政経費の縮減を図る一方、地域主権の確立に向けて地方が自主的・主体的に取り組む地域活性化施策等に財源の重点的配分を図るとともに、地域において必要な行政課題に対して適切に対処する。

d 消防力の充実、自然災害の防止、震災対策の推進及び治安維持対策等住民生活の安心安全を確保するための施策を推進する。

e 過疎地域の自立促進のための施策等に対し所要の財政措置を講じる。

(オ) 公的資金補償金免除繰上償還については、深刻な地域経済の低迷等の事態を踏まえ、3年間延長することとし、財政健全化計画又は公営企業経営健全化計画を策定し、徹底した行政改革・経営改革を行う地方公共団体を対象に、平成22年度から3年間で、1.1兆円規模の公的資金(旧資金運用部資金、旧簡易生命保険資金及び旧公営企業金融公庫資金)の補償金免除繰上償還を行い、高金利の地方債の公債費負担を軽減する措置を講じる。

(カ) 地方公営企業の経営基盤の強化、上・下水道、交通、病院等住民生活に密接に関連した社会資本の整備の推進、公立病院における医療の提供体制の整備をはじめとする社会経済情勢の変化に対応した新たな事業の展開等を図るため、経費負担区分等に基づき、一般会計から公営企業会計に対し所要の繰出しを行うこととする。

(キ) 地方行財政運営の合理化を図ることとし、引き続き職員数の純減や給与構造改革等に取り組むとともに、事務事業の見直し、民間委託等の推進など行財政運営全般にわたる改革を推進する。

 以上のような方針に基づいて策定した平成22年度の地方財政計画の規模は、82兆1,268億円で、前年度と比べると4,289億円減少(0.5%減)となっている。

 歳入についてみると、地方税は32兆5,096億円で、前年度と比べると3兆6,764億円減少(10.2%減)(道府県税16.2%減、市町村税5.7%減)、地方譲与税は1兆9,171億円で、前年度と比べると4,553億円増加(31.1%増)、地方特例交付金は3,832億円で、前年度と比べると788億円減少(17.1%減。なお、平成21年度には特別交付金を含んでいた。)、地方交付税は16兆8,935億円で、前年度と比べると1兆733億円増加(6.8%増)、国庫支出金は11兆5,663億円で、前年度と比べると1兆2,647億円増加(12.3%増)、地方債(普通会計分)は13兆4,939億円で、前年度と比べると1兆6,610億円増加(14.0%増)となっている。

 一方、歳出についてみると、給与関係経費は21兆6,864億円で、前年度と比べると4,407億円減少(2.0%減)となっている。なお、地方財政計画における職員数については、引き続き定員の純減を進め20,666人の純減(公立保育所保育士人件費を一般行政経費(単独)から移し替えたことにより、給与関係経費としては4,143人の増)としている。一般行政経費は29兆4,331億円で、前年度と比べると2兆1,723億円増加(8.0%増)となり、一般行政経費にかかる地方単独事業費は13兆8,285億円で、前年度と同額となっている。公債費は13兆4,025億円で、前年度と比べると1,070億円増加(0.8%増)、投資的経費のうち、公共事業費中の普通建設事業費は4兆2,806億円で、前年度と比べると6,160億円減少(12.6%減)となっている。なお、投資的経費に係る地方単独事業費は6兆8,683億円で、前年度と比べると1兆2,125億円減少(15.0%減)となっている。

 他方、平成22年度の地方債計画の規模は15兆8,976億円で、前年度当初計画と比べて1兆7,132億円増(12.1%増)となっている。

ウ 財政運営の経過

(ア)平成22年度補正予算(第1号)

 平成22年度補正予算(第1号)は、平成22年10月26日に閣議決定、平成22年10月29日に第176回国会に提出され、11月26日に成立した。

 同補正予算においては、歳出面で、「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(平成22年10月8日閣議決定)を実施するための円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策4兆8,513億円等を追加計上しているほか、既定経費の減額1兆4,313億円の修正減少額が計上された。また、歳入面で、税収2兆2,470億円、前年度剰余金受入2兆2,005億円を増額計上している一方で、税外収入183億円が減額計上された。

 この結果、一般会計予算の規模は、歳入歳出とも平成22年度当初予算に対し、4兆4,292億円増加し96兆7,284億円となった。

(イ)平成22年度補正予算(第1号)に係る地方財政補正措置

 同補正予算の編成により、国税の増収見込み等に伴い地方交付税の増が見込まれるとともに、歳出の追加に伴う地方負担が生じたところであるが、これに関連して次のとおり地方財政措置を講じた。

ア 地方交付税の追加等

a 補正予算(第1号)により増額された平成22年度分の地方交付税の額1兆3,126億円(平成21年度精算分5,758億円、平成22年度国税五税の自然増に伴うもの7,368億円)については、「地方交付税法等の一部を改正する法律」(平成22年法律第63号)等に基づき、1兆126億円を平成23年度分として交付すべき地方交付税の総額に加算して交付するとともに、3,000億円を平成22年度に交付する措置を講じた。

b 上記の措置に伴い、平成22年度の普通交付税は2,820億円、特別交付税は180億円を増額交付した。

 これに対応して基準財政需要額の「雇用対策・地域資源活用臨時特例費」を増額する再算定を行うとともに、調整額を復活した。

イ 追加の財政需要等に対する財政措置

 補正予算(第1号)により平成22年度に追加された地方負担額(普通会計分5,670億円)については、補正予算にあわせた地方独自の地域活性化施策の実施も想定して、地方交付税を交付(3,000億円)した。

 あわせて、国の補正予算のうち公立学校施設の耐震化事業等投資的経費に係る地方負担額(普通会計分4,613億円)については、原則として、地方負担額の100%まで地方債を充当できることとし、後年度においてその元利償還金の全額を基準財政需要額に算入することとした。その際、元利償還金の45%(当初における地方負担額に対する算入率が45%を超えるものについては、原則として当初の算入率)については、公債費方式により各団体の地方債発行額に応じて基準財政需要額に算入することを予定し、残余については単位費用により措置することとした。

ウ その他地方公共団体に係る補正予算

 「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」として、補正予算(第1号)において、「きめ細かな交付金」(2,500億円)及び「住民生活に光をそそぐ交付金」(1,000億円)からなる「地域活性化交付金」(3,500億円)が計上された。