3 地方財源の状況
平成24年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。
（1）租税収入及び租税負担率［資料編：第17表〜第19表］
国税と地方税を合わせ租税として徴収された額は81兆5,100億円であり、前年度と比べると2.7％増（前年度1.7％増）となっている。
国民所得に対する租税総額の割合である租税負担率をみると、平成24年度においては前年度と比べると0.5ポイント上昇の23.2％となっている。なお、主な諸外国の租税負担率をみると、アメリカ22.6％（2010暦年計数）、英国36.4％（同）、ドイツ28.6％（同）、フランス35.2％（同）となっている。
次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税47兆492億円（対前年比4.1％増）、地方税34兆4,608億円（同0.8％増）となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第25図のとおりであり、国税57.7％（前年度56.9％）、地方税42.3％（同43.1％）となっている。また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国32.3％（同30.1％）、地方67.7％（同69.9％）となっている。なお、国税と地方税の推移は、第26図のとおりである。
（2）地方歳入
ア 地方税［資料編：第12表〜第15表］
地方税の決算額は34兆4,608億円で、前年度と比べると0.8％増（前年度0.4％減）となっている。
地方税収入額の57.4％を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第14表のとおりである。
住民税は、個人分が11兆6,239億円（対前年度比3.9％増）、法人分が2兆9,607億円（同5.9％増）、利子割が1,151億円（同9.1％減）となったことにより、全体として14兆6,996億円（同4.2％増）となっている。事業税は、その大部分を占める法人事業税が2兆3,537億円（対前年度比5.1％増）となったこと等により、全体として2兆5,313億円（同4.6％増）となっている。地方消費税は、2兆5,511億円で、前年度と比べると0.0％増となっている。なお、法人関係二税（住民税の法人分及び法人事業税）は5兆3,143億円で、前年度と比べると5.5％増となっている。
また、地方税総額に占める割合をみると、住民税の構成比は前年度（41.3％）と比べると1.4ポイント上昇の42.7％、事業税の構成比は前年度（7.1％）と比べると0.2ポイント上昇の7.3％、地方消費税の構成比は前年度（7.5％）と比べると0.1ポイント低下の7.4％となっている。なお、法人関係二税の構成比は、前年度（14.7％）と比べると0.7ポイント上昇の15.4％となっている。
地方税の収入状況を団体種類別にみると、都道府県が16兆1,167億円で、前年度と比べると2.4％増（前年度1.2％減）となっており、市町村は18兆3,440億円で、前年度と比べると0.5％減（同0.3％増）となっている。
また、歳入総額に占める割合は、都道府県が31.6％（前年度30.2％）、市町村が32.7％（同33.7％）となっており、全国平均（34.5％）より低い団体数は、全体の72.3％を占める1,294団体となっている。
地方税収（地方法人特別譲与税の額を含み、超過課税、法定外普通税及び法定外目的税を除いたもの。また、地方消費税精算後の数値。）について、全国平均を100として、都道府県別に人口1人当たり税収額を比較してみると、第27図のとおりであり、地方税収計については、東京都が164.6で最も大きく、次いで、愛知県が114.4となっている。一方、沖縄県が65.6で最も小さく、次いで秋田県の70.4となっている。東京都と沖縄県で比較すると、約2.5倍の格差となっている。
個別の税目ごとに比較してみると、法人関係二税については、東京都が226.2で最も大きく、次いで、大阪府が116.4となっている。一方、奈良県が53.3で最も小さく、次いで高知県の57.6となっている。東京都と奈良県を比較すると、約4.2倍の格差となっている。個人住民税については、最も大きい東京都が159.7、最も小さい沖縄県が59.0で、約2.7倍の格差となっている。地方消費税については、最も大きい東京都が138.6、最も小さい沖縄県が75.4で、約1.8倍の格差となっている。固定資産税については、最も大きい東京都が158.6、最も小さい長崎県が68.3で、約2.3倍の格差となっている。
このように、地方税収については、各税目とも都道府県ごとに偏在性があるが、その度合いについては、法人関係二税の格差が特に大きく、地方消費税（清算後）の偏在性は比較的小さくなっている。
（ア）道府県税の収入状況
道府県税（都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額をいう。）の収入額は14兆1,456億円で、前年度と比べると2.5％増（前年度1.7％減）となっている。
道府県税収入額の税目別内訳は、第28図のとおりであり、道府県民税が5兆6,288億円で道府県税総額の39.8％（前年度39.2％）と最も大きな割合を占め、次いで地方消費税が2兆5,511億円で18.0％（同18.5％）となっており、これら二税で道府県税総額の57.8％（同57.7％）を占めている。
また、法人関係二税（道府県民税の法人分及び法人事業税）は3兆1,857億円で、道府県税総額に占める割合は、22.5％（前年度21.9％）となっている。
各税目の収入額を前年度と比べると、収入の使途を特定せず、一般経費に充てるために課される税である普通税（14兆1,357億円）は2.6％増（前年度1.7％減）となっている。
普通税のうち、道府県民税については、個人分（4兆6,817億円）が4.1％増（前年度1.6％減）、法人分（8,320億円）が5.9％増（同3.6％増）、利子割（1,151億円）が9.1％減（同15.7％減）となっており、道府県民税全体では4.1％増（同1.3％減）となっている。
また、事業税については、全体の93.0％を占める法人分（2兆3,537億円）が5.1％増（前年度0.6％減）となったこと等から、事業税全体（2兆5,313億円）では4.6％増（同0.7％減）となっている。
なお、地方消費税（2兆5,511億円）は0.0％増（前年度3.5％減）、自動車税（1兆5,860億円）は0.7％減（同1.1％減）、不動産取得税（3,356億円）は1.7％減（同9.9％減）となっている。
特定の費用に充てるために課される税である目的税（97億円）は1.1％減（前年度0.9％減）となっている。
近年の道府県税収入額の推移は、第29図のとおりである。
（イ）市町村税の収入状況
市町村税（市町村の地方税の決算額に東京都が徴収した市町村税相当額を加えた額をいう。）の収入額は20兆3,152億円で、前年度と比べると0.3％減（前年度0.4％増）となっている。
市町村税収入額の税目別内訳は、第30図のとおりであり、市町村民税が9兆708億円で市町村税総額の44.7％（前年度42.7％）と最も大きな割合を占め、次いで固定資産税が8兆5,804億円で42.2％（同44.0％）となっており、これら二税で市町村税総額の86.9％（同86.7％）を占めている。
各税目の収入額を前年度と比べると、普通税（18兆7,267億円）は0.1％減（前年度0.4％増）となっている。
普通税のうち、市町村民税については、個人分（6兆9,421億円）が3.8％増（前年度1.6％減）、法人分（2兆1,287億円）が5.9％増（同2.9％増）となっており、市町村民税全体（9兆708億円）では4.3％増（同0.6％減）となっている。また、固定資産税（8兆5,804億円）は4.3％減（前年度0.1％増）となっている。
目的税（1兆5,885億円）は2.5％減（前年度1.3％増）となっている。
目的税のうち、都市計画税（1兆2,155億円）は4.1％減（前年度1.0％増）となり、事業所税（3,498億円）は3.2％増（同2.9％増）となっている。
近年の市町村税収入額の推移は、第31図のとおりである。
（ウ）法定外普通税
地方公共団体は、「地方税法」で規定されている税目のほかに、地方公共団体ごとの特有な財政需要を充足するため、法定外普通税を設けることができる。法定外普通税の収入額は270億円であり、前年度と比べると25.0％増（前年度48.4％減）となっている。これを団体種類別にみると、都道府県が256億円で、前年度と比べると26.7％増（前年度50.0％減）、市町村が14億円で、前年度と比べると0.9％増（同2.3％減）となっている。
（エ）法定外目的税
地方公共団体は、「地方税法」で規定されている税目のほかに、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を設けることができる。法定外目的税の収入額は94億円であり、前年度と比べると5.9％減（前年度2.3％増）となっている。これを団体種類別にみると、都道府県が80億円で、前年度と比べると0.2％減（前年度0.0％増）、市町村が14億円で、前年度と比べると28.9％減（同12.8％増）となっている。
（オ）超過課税
地方公共団体は、「地方税法」で標準税率が定められている税目について、財政上その他の必要がある場合に、その税率を超える税率を定めることができる。この標準税率を超えて課税された部分である超過課税による収入額は、5,019億円で、前年度と比べると6.4％増（前年度0.9％増）となっている。これを団体種類別にみると、道府県税が2,222億円で、前年度と比べると7.1％増（前年度0.8％減）、市町村税が2,797億円で、前年度と比べると5.7％増（同2.2％増）となっている。
イ 地方譲与税［資料編：第20表］
地方譲与税には、市町村（一部事務組合等を除く。以下この項において同じ。）に譲与される自動車重量譲与税、都道府県及び市町村に譲与される地方揮発油譲与税、都道府県及び政令指定都市に譲与される石油ガス譲与税、空港の騒音対策等の財源として空港関係都道府県及び市町村に譲与される航空機燃料譲与税、開港所在市町村に譲与される特別とん譲与税、地方法人特別税の税収の全額が都道府県に譲与される地方法人特別譲与税がある。
地方譲与税の決算額は2兆2,715億円で、前年度と比べると4.7％増（前年度4.9％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は2.3％（前年度2.2％）となっている。
地方譲与税の内訳をみると、自動車重量譲与税が2,806億円（対前年度比8.9％減）、地方揮発油譲与税が2,828億円（同0.1％増）、石油ガス譲与税が109億円（同3.8％減）、航空機燃料譲与税が140億円（同7.3％増）、特別とん譲与税が122億円（同1.0％増）及び地方法人特別譲与税が1兆6,709億円（同8.3％増）となっている。
ウ 地方特例交付金
平成24年度における地方特例交付金は、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除の実施に伴う地方公共団体の減収分を補填するために交付される減収補填特例交付金である。
平成24年度の地方特例交付金の決算額は1,275億円で、前年度と比べると65.0％減（前年度5.0％減）となっている。また、歳入総額に占める割合は0.1％（前年度0.4％）となっている。
エ 地方交付税［資料編：第21表、第129表］
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。
平成24年度の地方交付税の決算額は、18兆2,898億円で、前年度と比べると2.5％減（前年度9.1％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は18.3％（前年度18.7％）となっている。
地方交付税の決算状況を団体種類別にみると、都道府県においては9兆3,171億円で前年度と比べると3.9％減（前年度10.6％増）、市町村においては8兆9,727億円で前年度と比べると0.9％減（同7.4％増）となっており、その地方交付税総額に占める割合は、都道府県においては50.9％（同51.7％）、市町村においては49.1％（同48.3％）となっている。
平成24年度当初において地方公共団体に交付される通常収支分の地方交付税の総額は、地方財政計画において、前年度と比べて811億円増（0.5％増）の17兆4,545億円とされた。その算定基礎は、
（ア）国税五税（国税のうち所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税）のそれぞれの収入見込額に一定割合を乗じて算出した額（平成24年度においては、所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ32％に相当する額、法人税の収入見込額の34％に相当する額、消費税の収入見込額の29.5％に相当する額並びにたばこ税収入見込額の25％に相当する額）11兆517億円から、19、20年度に係る精算額のうち24年度に精算すべき額及び20年度補正における臨時財政対策債振替加算相当額の24年度減額分4,464億円を減額した国税五税の法定率分10兆6,053億円に、
（イ）「地方交付税法等の一部を改正する法律」（平成24年法律第18号）による改正前の「地方交付税法」附則第4条の2第2項の規定により、国から地方への税源の移譲に伴う交付税の総額の減少を緩和するため交付税総額に加算することとされていた額867億円、
（ウ）同条第3項の規定により加算することとされていた額2,150億円、
（エ）同条第4項の規定により加算することとされていた額6,235億円、
（オ）平成22年12月22日付け総務・財務両大臣覚書に基づく決算かい離是正加算500億円、
（カ）地方の財源不足の状況等を踏まえた別枠加算1兆500億円及び
（キ）財源不足に対応して折半ルールに基づき国の負担分として加算する臨時財政対策加算3兆8,361億円
を加算した額である16兆4,665億円から
（ク）交付税特別会計における借入金償還額1,000億円及び利子支払額2,428億円
を控除し、
（ケ）同会計における剰余金5,200億円、
（コ）地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用3,500億円及び
（サ）平成23年度からの繰越金4,608億円
を加算した額の17兆4,545億円である。
これに、平成24年度補正予算（第1号）による、23年度の精算額及び24年度の国税収入の増額補正に伴う地方交付税の法定率分の増加額（2,906億円）のうち、普通交付税の調整減額分（707億円）が追加交付され（その残余の額（2,199億円）は25年度に交付すべき地方交付税に加算）、また、同補正予算により、「9月以降の一般会計の執行について」（平成24年9月7日閣議決定）に基づく普通交付税の交付に伴い道府県において生じた追加的な金利負担に対応するため、24年度分の地方交付税の総額に0.5億円が加算され、その全額が特例として特別交付税として交付された。さらに、東日本大震災分として、東日本大震災に係る復旧・復興事業等の実施のため、震災復興特別交付税が7,645億円交付された。これらの結果、平成24年度の地方交付税の総額は18兆2,898億円となり、その内訳は普通交付税16兆4,780億円、特別交付税1兆473億円、震災復興特別交付税7,645億円となっている。
なお、基準財政需要額は43兆1,388億円（財源不足団体分39兆1,935億円、財源超過団体分3兆9,453億円）、基準財政収入額は26兆9,821億円（財源不足団体分22兆7,155億円、財源超過団体4兆2,665億円）で、財源不足額は16兆4,780億円となっている。
普通交付税の交付状況をみると、不交付団体は、都道府県では東京都の1団体である。他方、市町村では前年度（58団体）より4団体減少し、54団体となっている。
一方、災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税の平成24年度の交付状況をみると、都道府県においては東京都を除く全団体に、市町村においては1,719団体に、それぞれ交付されており、震災復興特別交付税は、東日本大震災の被災地方公共団体等に交付されている。
オ 一般財源［資料編：第22表〜第23表］
一般財源は、地方税、地方譲与税、地方特例交付金及び地方交付税の合計額（これらに加え、都道府県においては、市町村から交付される市町村たばこ税都道府県交付金、市町村においては、都道府県から交付される地方消費税交付金等各種交付金を加えた合計額）であり、使途が特定されず、どのような経費にも使用できる財源である。
一般財源の決算額は55兆1,495億円であり、前年度と比べると0.6％減（前年度2.8％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は55.2％（前年度55.4％）となっている。
なお、一般財源に臨時財政対策債（5兆9,158億円）を加えた決算額は、61兆653億円であり、前年度と比べると0.4％減（前年度0.4％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は61.2％（前年度61.3％）となっている。
また、地方交付税の決算額が地方税の決算額を上回っている団体数は1,051団体（前年度1,052団体）で、全体の59.5％に及んでいる。
カ 国庫支出金［資料編：第25表］
国庫支出金の決算額は15兆5,271億円で、前年度と比べると3.1％減（前年度12.1％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は15.6％（前年度16.0％）となっている。
国庫支出金の内訳をみると、生活保護費負担金が2兆7,638億円で最も大きな割合（国庫支出金総額の17.8％）を占め、以下、義務教育費負担金が1兆5,300億円（同9.9％）、子どものための金銭の給付交付金が1兆4,761億円（同9.5％）、東日本大震災復興交付金が1兆3,127億円（同8.5％）、普通建設事業費支出金が1兆2,953億円（同8.3％）となっており、これらの支出金等で国庫支出金総額の54.0％を占めている。
さらに、国庫支出金の内訳を団体種類別にみると、都道府県においては義務教育費負担金1兆5,300億円（国庫支出金総額の23.1％）、普通建設事業費支出金7,737億円（同11.7％）の順となっている。
一方、市町村においては生活保護費負担金2兆6,210億円（国庫支出金総額の29.4％）、子どものための金銭の給付交付金1兆4,761億円（同16.6％）、東日本大震災復興交付金1兆859億円（同12.2％）の順となっている。
また、国庫支出金の主な内訳を前年度と比べると、生活保護受給者数の増加等を背景に生活保護費負担金が1.6％増（前年度11.0％増）、義務教育費負担金が0.6％減（同1.3％減）、子どものための金銭の給付交付金が16.8％減（同9.4％増）、東日本大震災復興交付金が424.6％増、普通建設事業費支出金が21.5％減（同34.0％減）等となっている。また、災害復旧事業費支出金は、東日本大震災の災害復旧事業等のため、58.9％増（前年度351.9％増）となっている。
キ 都道府県支出金［資料編：第25表］
都道府県支出金の決算額は3兆4,369億円で、前年度と比べると2.3％増（前年度12.3％増）となっている。
都道府県支出金の内訳をみると、国庫財源を伴うものが61.8％（前年度60.6％）、都道府県費のみのものが38.2％（同39.4％）となっている。
都道府県支出金の主な内訳を前年度と比べると、国庫財源を伴うものについては、障害者自立支援給付費等負担金が16.8％増（前年度9.8％増）、子どものための金銭の給付交付金が16.3％増（同1.1％増）、普通建設事業費支出金が8.1％減（同5.0％減）、災害復旧事業費支出金が81.3％増（同213.2％増）等となっており、また、都道府県費のみのものについては、普通建設事業費支出金が3.1％減（同1.7％減）、災害復旧事業費支出金が57.3％減（同671.1％増）となっている。
ク 地方債［資料編：第26表］
地方債は、その償還が次年度以降にわたる債務を負うことによって調達される財源である。
地方債の決算額は12兆3,388億円で、緊急防災・減災事業債、公共事業等債、臨時財政対策債の増加等により前年度と比べると4.9％増（前年度9.3％減）となっている。また、地方債依存度（歳入総額に占める地方債の割合）は、12.4％（前年度11.8％）となっている。近年の地方債依存度の推移は、第32図のとおりである。
地方債の決算額を団体種類別にみると、都道府県においては7兆1,737億円で、前年度と比べると2.2％増（前年度10.1％減）、市町村においては5兆1,954億円で、前年度と比べると8.7％増（同7.8％減）となっている。
ケ その他の収入
（ア）使用料、手数料［資料編：第28表］
使用料は、地方公共団体の公の施設の利用等の対価としてその利用者等から徴収するものであり、手数料は、特定の者のために行う当該地方公共団体の事務に要する費用に充てるために徴収するものである。
使用料及び手数料の決算額は2兆155億円で、前年度と比べると0.3％増（前年度1.3％減）となっている。また、歳入総額に占める割合は2.0％（前年度2.0％）となっている。
使用料の決算額は1兆4,431億円で、前年度と比べると0.3％増（前年度1.3％減）となっている。その内訳をみると、公営住宅使用料が5,564億円（対前年度比1.1％増）で最も大きな割合を占め、以下、保育所使用料が2,045億円（同0.3％減）、授業料が441億円（同3.7％減）の順となっている。
また、手数料の決算額は5,723億円で、前年度と比べると0.3％増（前年度1.3％減）となっている。その内訳をみると、法定受託事務に係るものが727億円（対前年度比5.4％減）、自治事務に係るものが4,996億円（同1.2％増）となっている。
（イ）繰入金［資料編：第29表］
基金、地方公営事業会計等からの繰入金の決算額は3兆6,725億円で、前年度と比べると7.4％増（前年度2.8％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は、3.7％（前年度3.4％）となっている。
繰入金の内訳をみると、繰入金総額の96.1％（前年度97.1％）を占める積立金の取崩し等による基金からの繰入金は3兆5,290億円で、前年度と比べると6.2％増（同3.3％増）となっている。
また、地方公営事業会計からの繰入金は1,369億円で、前年度と比べると48.6％増（前年度13.1％減）となっている。
（ウ）その他［資料編：第10表、第30表］
その他の収入の決算額は11兆1,403億円で、前年度と比べると2.2％減（前年度4.4％増）となっている。また、歳入総額に占める割合は11.2％（前年度11.4％）となっている。
その内訳をみると、貸付金元利収入等の諸収入が7兆540億円（対前年度比7.4％減）、繰越金が2兆8,096億円（同12.5％増）、分担金、負担金が5,978億円（同3.5％増）、財産収入が5,788億円（同9.6％増）、寄附金が1,000億円（同42.5％減）となっている。
