(1)デジタルデバイドの解消に向けた取組み
ICTを活用した住民参画を進める際には、実質的に参加の機会を均等に提供することが求められ、デジタルデバイドへの対策が必要となります。デジタルディバイドとは、家にパソコンのない人、パソコンを使えないお年寄り、目の不自由な方などがICTの活用から排除されるという問題です。
デジタルデバイド対策には、大きく分けて、パソコンなどの情報機器の操作が苦手な高齢者や身体の不自由な方等への対策と、ブロードバンドなどの情報サービスが提供されていない地域の情報サービス格差への対策があります。
前者に対しては、楽しく関心を持てるような研修会の実施、研修後のサポート体制の整備、高齢者が相互に教え合う仕組みづくりや、ホームページ上の行政のお知らせを紙に打ち出して配布したり、インターネット等を上手く使えない人のために本人に代わって発言をできるようにしたりする運用方法の工夫などが考えられます。また、携帯電話やテレビからの利用など多様な端末への対応や、パソコンにおけるタッチパネルや音声対話技術の採用など、バリアフリー技術の開発、活用も有効です。
後者に対しては、ブロードバンドなど通信基盤の整備を進めるとともに、近隣の公共施設などへの公共端末の設置など自宅以外からでも気軽に利用できる環境の整備が必要と考えられます。
(2)情報セキュリティ対策
ICTを活用する上で特に留意しなければならない問題として、個人情報保護や成りすまし防止などの、情報セキュリティ対策が挙げられます。
個人情報保護に関しては、個人情報保護条例の制定や、職員研修による運用の徹底など、個人情報を適切に管理するための仕組みづくりと的確な運用が必要となります。また、個人情報を取得する際には、利用目的や情報管理主体を明確にした上で本人の同意を得るなど、必要な手続きを踏むことが必要となります。こうした手続を経て、使う人自身が情報セキュリティ対策の重要性を理解できるようにすることが求められます。
情報システムに関しては、情報セキュリティを強化し、個人情報などの漏洩対策や、外部からの不法なアクセスを制限する対策を講じる必要があります。また、例えば、パブリックコメントでは、フリーメールアドレスの利用等により特定の意見が同じような文面で大量に寄せられることがありますが、メールの意見の多さが必ずしも全体的な住民の意向を反映しているとは言い難いケースも見受けられます。そこで、公的個人認証サービスの活用により、本人確認を厳格に行うことで、成りすましや改ざんなどを防止し、一人一票を担保した電子アンケートを行うといったことも考えられます。
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