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平成10年度第2回過疎問題懇談会の議事概要について
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1.日  時 平成10年6月5日(金)13:30〜15:30                          
2.場  所 中央合同庁舎5号館 24階 第1会議室                           
3.出 席 者 (委員)阿部(統)座長、阿部(孝)委員、五代委員、須佐委員、宮口委員        
(国土庁)中川局長、照井審議官、三宅室長                 
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4.議事概要                                                   

(事務局から前回議論の要旨説明)

(計画・調整局五十嵐計画官から「21世紀の国土のグランドデザイン」要旨説明)

以後、フリートーキング。

過疎地域の整備は、ナショナルミニマムというだけではなく、例えば交流施設等についてはむしろ交流を通じて他地域の人達のための施設でもあるという理解が必要。                 

「過疎」という言葉をそろそろ再検討してよい時期に来ているのかもしれない。これからは新しい生き方を創り上げる社会実験ぐらいのつもりで、国土のフロンティアとしての多自然居住地域を実現する場所として「過疎地域」の活性化の途を探ることが必要。「過疎」と言わないにしても、新しい生き方の開拓は困難なものであり、そのためには当然サポートが必要であり、国として支援していく必要があろう。                                                   

人口が減っているから過疎で、そのために支援しなければならないという考え方は再検討の必要があるのではないか。                                             

 過疎の意味合いとして、かつては意識の上で「心の過疎」の問題がひどかったが、それがかなり緩和されてきた。今の問題はチャンスの過疎ではないか。                        

 過疎地域の実情はあまりに多様であり、捉え方を検討する必要がある。                
  多自然居住地域として自然環境や農地など地域資源の価値を重視するというが、これまでの施策では、発電で川の水がなくなる、減反で田を耕作しなくなるなど地域の価値を下げることになっているものがあるのではないか。                                        

棚田はいったん耕作をやめると回復が困難であり、米の生産調整が過疎に拍車をかける。 

  過疎地域では大都市にはない価値があり、それを維持・保全するための施策を考えるべき。これも新たな過疎対策たり得る。                                              

 これまでの過疎対策の施策というコアに地域の価値を高める施策を追加していくこともできるのでは。                                                        

大都市居住者も、若者中心に、都市の生活がそう良い生活ではないと気が付き始めている。  

これからの過疎対策は誇りを持てる地域社会をつくることが重要。                  

 UJIターンいずれにしても、誇りが持てる場所として、自ら選択して田舎に住むようになることが重要。                                                        

 交流というとこれまでは都市住民が過疎地域を訪れるというイメージが強いが、過疎地域住民が都市を訪れる場合に泊まれる場所、落ち着ける場所が意外に存在しない。過疎地域から都市へも気軽に出られるようになってこそ本当の交流になる。                           

これまでの田舎居住者のコンプレックスは、大都市をうまく使いこなせないことに起因している。

過疎地域住民が都市の多様性を活用できるようにする施策が必要。                

 過疎地域では、配偶者の過疎問題も深刻である。                            

 社会論的アプローチが必要。人々の視野が広くなり、特に女性は伝統的な農村生活では不満。 

今となっては集落社会の枠をはずして生活を考えるべきでは。                    

大阪出身の大学新卒の女性が山菜の博物館、植物園に就職して定住してくれた例がある。  

兵庫県のある町でもCATVサービスの受けられるところを選んで若者が住み着いたという例がある。若者の定着には時代の文化がきちんと届いていることが必要。                   

自分でベンチャー企業を興すような人がUターンして、活性化に大きな役割を果たしている例がある。                                                         
 UJIターン施策は国も都道府県も熱心に取り組んでいるが、大都市でベンチャーに取り組むような人が過疎地域に飛び込むようなレベルまで強力な施策を講じる必要がある。             
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議事の概要は以下をクリックしてください。
  第1回 懇談会 議事の概要 (98/05/01)
  第2回 懇談会 議事の概要 (98/06/05)
  第3回 懇談会 議事の概要 (98/07/10)
  第4回 懇談会 議事の概要 (98/07/28)
  第5回 懇談会 議事の概要 (98/09/08)
  第6回 懇談会 議事の概要 (98/10/21)
  第7回 懇談会 議事の概要 (98/11/06)
  第8回 懇談会 議事の概要 (98/12/25)

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