家庭で学ぶデジタル・シティズンシップ
~保護者向けワークショップ~
講師/ワークショップ運営者の皆さまへ
  • 本資料は、総務省が提供するオンライン教材「家庭で学ぶデジタル・シティズンシップ」を活用して、ワークショップを開催するためのヒントや素材をとりまとめたガイドです。
  • 「デジタル・シティズンシップ」をともに考え、身につけていく対話の機会として、参加者の多様な経験や課題、その解決に向けたアイデアを共有することが目的です。
  • 学校や図書館をはじめ、保護者や地域の方々が集うさまざまな場面で、ぜひ本ガイドをご活用ください。
参加対象者
  • 「家庭で学ぶデジタル・シティズンシップ」は、小学校低学年から高校生までの子どもの保護者を主な対象者として設計しています。
  • ワークショップの参加者は、次の要件を満たす人として募集することをおすすめします。
    • ① 小学校~高校生までの子どもをもつ「保護者」である
    • ② 子どもがデジタル端末(パソコン、タブレット、スマートフォン等)を利用している
ワークショップのモデルプログラム
  • 実施時間:2.5時間~3時間
  • 実施方法:対面(またはオンライン)
  • 募集人数:15名~30名(3名~5名のグループを複数作れる人数)
パート プログラム 動画 使用するスライド番号 所用時間の目安

1

解説

ワークショップの目的と進め方の説明

10-13

5分

2

解説

【導入編】デジタルシティズンシップとは?

14-25

15分

3

ワーク

グループワーク1:子ども×デジタル最近不安な出来事を共有しましょう

26

15分

4

解説

【実践編 テーマ1】デジタルをつかう時間は決めるべき?

27-41

20分

5

ワーク

グループワーク2:我が家のメディアバランスを振り返ってみましょう

42-45

20分

休憩

10分

6

解説

【実践編 テーマ2】ネットのやりとり、保護者は介入すべき?
【実践編 テーマ3】SNS投稿は「盛って」いい?将来への影響は?

46-66

20分

7

ワーク

グループワーク3:架空の家族をケースに家庭内でのアクションを考える

67-74

30分

8

ワーク

グループワーク発表・まとめ

15分

ワークショップ運営に必要な体制

円滑な運営のために、複数名による体制を整えたうえで実施することを推奨します。

  • 講師(ファシリテーター)・・・1名
    • ワークショップの進行役および内容の解説を行います。時間管理も担います。
  • 講師サポート・・・1名~
    • テーブルを回りながら、補足説明をするなど、円滑なグループワークをサポートします。グループ数が多い会場では、適宜増員します。会場全体を俯瞰して、時間配分などの必要な調整を講師に提案します。
  • 撮影・記録・・・1名
    • ワークショップの様子や、参加者のアウトプットの記録係として動画や写真の撮影を担当します。
会場設営について
  • ワークショップでは、参加者同士が意見交換をしたり、協働作業を行います。
  • 参加者が3~5名のグループで着席できるようテーブルで複数の島をつくります。
  • 心地よい距離感を保ちながら、安心して対話ができるよう、ランダムにテーブル配置が可能なスペースが確保できるとよいでしょう。
  • 会場の任意の位置に、講師が解説する際に使用する動画とスライドを投影するためのスクリーンを設置します。
  • オンラインで実施する際には、グループに分かれてディスカッションができる機能を活用しましょう。
事前準備①
文房具
品目 数量 利用方法

マーカーペン(6~12色、太字が書けるもの)

グループにつき1セット

ワークシート/名札の記入

名札(シール、またはネックストラップに白紙カード)

ひとり1枚(1セット)

グループで呼ばれたい名前を各自記入してもらう

付箋紙 ※なくても可

ひとり10枚程度

メモ用

ワークシート(印刷配布物)
グループワーク 印刷するワークシートの
スライド番号
推奨サイズ 印刷枚数

グループワーク1:子ども×デジタル最近不安な出来事を共有しましょう

なし

グループワーク2:我が家のメディアバランスを振り返ってみましょう

43、44

A4サイズ

ひとり1枚
×参加人数

グループワーク3:架空の家族をケースに家庭内でのアクションを考える

70、72、74、76

A3サイズ

グループ1枚
×グループ数

事前準備②
デジタル/オーディオ機材等
品目 数量 利用方法

パソコン/タブレット

1台

スライド(本PDF資料)を投影

プロジェクター/スクリーン または 大型モニター

1セット

スピーカー

1台

動画音声再生用
(モニター等の場合は不要)

マイク

1本~2本

講師(講師サポート)用

ビデオカメラ/スチールカメラ

適宜

記録用

ストップウオッチ

1台

講師によるワーク時間の管理

事前準備③
動画データ
→各スライドのリンクからオンライン動画を再生いただけます。
コミュニケーションの約束/雰囲気づくり
  • ワークショップの目的は、参加者同士の対話です。
  • お互いの考えをリラックスして自由に話し、多様な意見を共有していくための心理的な安全性に配慮しましょう。
  • 参加者には、「正しい答えはない」ことを前提に、「お互いの発言を決して否定せず、傾聴する」ことを促しましょう。
  • 考えを伝えて共感を得たり、人の意見との違いを明らかにしながら、考えを深める、あるいは変化させていく対話プロセスの重要性を体験し、家庭での子どもとの対話に生かします。
  • BGMを流したり、講師自らがフレンドリーな話し方をするなどして、参加者同士も話がしやすいカジュアルな雰囲気づくりに努めましょう。
解説パートの進め方
  • 資料スライドの解説は、参加者同士の対話にインスピレーションを与えるためのインプットとして捉えましょう。
  • 参加者(オーディエンス)の反応を見ながら、適宜身近な例を出して言い換えたり、ゆっくり丁寧に説明するなど、臨機応変な解説を心がけましょう。
  • 友だちに話しかけるような声のトーンを意識しましょう。声の大きさも重要です。適宜マイクを使用して、会場参加者に届くように配慮しましょう。
  • 話すときには参加者ひとりひとりの目をみながら話すようにします。特定の参加者に集中することのないようにアイコンタクトをとりながら、質問を振る場面で協力してくれそうな参加者を見極めておくこともポイントになります。
  • 飽きてきているなと感じた時は、意図的に休憩をはさむ、プログラムの順番を変えるなどして参加者の集中を保てるようにしましょう。
グループワークの進め方①
  • グループをつくる際は、ジェンダーや年齢層および、幅広い学齢の子どもの保護者が参加している場合には偏りが出ないよう、バランスに配慮しましょう。
  • 参加者全員が議論に参加できるように配慮します。例えば、グループワークの冒頭に「好きなおにぎりの具について話しあってみましょう」などアイスブレイクを挟むことで、「何でも自由に発言してよいのだ」という雰囲気を体験してもらうのもおすすめです。
  • グループワーク中は、残り時間を定期的にアナウンスして、テーブルの参加者すべてが話す時間を得られるように配慮します。ワークの様子をみながら時間配分を変えてもよいでしょう。
  • 各テーブルを見回り、話し合いが停滞しているグループを見つけたらサポートしましょう。まだあまり発言していない人に話しかけたり、質問を投げかけるなどして、テーブル内の議論をリードしてくれる人を見つける手助けをします。
  • ひとつのテーブルに張り付いて講師自らが議論をリードしようとするのではなく、あくまでも議論が進むようサポート役に徹しましょう。
グループワークの進め方②
  • グループワークが盛り上がりすぎて講師の話を聞いてくれない等、進行を妨げるときには、黙って手をあげて、参加者全員が同じように静かに手を挙げるまで待つ「お手上げルール」が有効です。ワークショップの最初に練習しておくとよいでしょう。
  • 家庭でのアクション(解決策)を考えるグループワーク3のアウトプットは、最後に全体発表の時間を設けます。グループワーク3のディスカッションの中盤あたりの時間帯で、グループ発表時に、プレゼンテーションを行う代表者を1名を決めるよう伝えてください。
  • プログラム最後に行うグループワーク3の発表時には、グループ全員がステージにあがり、作成したワークシートを参加者全員に共有しながら、代表者1名がプレゼンテーションするよう促してください。
  • グループ発表を終えて、時間に余裕があれば、参加者全員で円陣を組み、ワークショップを終えた感想を「ひと言」で述べあう振り返りの時間を設けてみましょう。長くならないように、最初に講師が「ひと言」の例を発することをおすすめします。

    例:「子どもとの対話で悩んでいるのは私だけではないと気づきました」等)

保護者向けワークショップ
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