昭和61年版 通信白書(資料編)

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9 その他の技術

(1)電話サービスの多様化技術

 ニーズの高度化・多様化に対応し,新しい電話サービスの実用化が進められている。

 

資料6-31 電話サービスの多様化

 

(2)通信網の信頼性向上技術

 情報化の進展に伴い,そのインフラストラクチャーとして電気通信ネットワークの安全・信頼性対策がますます重要となってきており,その対策として,種々の技術的検討及び施策が進められてきた。
 地域災害,ビル単位の災害等による通信の途絶を回避するため,通信施設の分散設置,伝送路の多ルート化等の施策が進められている。
 特定加入者への着信ふくそうや,災害時等における特定地域への電話の異常ふくそうに対し,網機能が最大限に発揮できるように,通過するトラヒックを制御するトラヒック制御方式が導入されている。
 また,難燃化ケーブル,非常用可搬型交換装置,孤立防止用衛星通信方式等の開発も行われている。電気通信技術審議会から「電気通信システムの安全・信頼性対策の在り方」についてのガイドラインが61年6月に答申され,今後はこれに沿った技術開発も行われることとなろう。

(3)通信用電源

 電気通信ネットワークのディジタル化の進展に対応して,より高品質で信頼性の高い電力が必要とされるとともに,省資源・省エネルギーの見地から通信用電源システムの変換効率の向上,小型・軽量化も強く要望されている。

 

資料6-32 通信用電源の技術開発

 

(4)通信用土木

 通信用ケーブル等を収容し保護するための通信土木施設には,管路,マンホール,ハンドホール,とう道等がある。これらに関しては,通信事業の進展に伴う量的拡大に加えて,光ファイバケーブル等の新しい技術の導入に伴って,今後とも社会環境との調和,信頼性の向上,経済性の向上等を図る必要があり,それらに対応した通信土木技術の開発が行われている。

 

資料6-33 通信用土木の技術開発

 

(5)電波予報・警報

 電波研究所は,平磯支所において,太陽電波,地磁気等の常時観測,国内5電波観測所(稚内,秋田,東京,山川,沖縄)及び南極昭和基地において15分ごとの電離層観測を行い,これらの資料に基づく電波予報・警報的中率向上のための研究及び週間予報・月間電波予報・電離層月報の公表を行った。
 また,61年4月1日に電波予報について自動応答式の電話サービスを開始した。

(6)周波数,時刻及び時間間隔の標準

 時間間隔及び周波数は,物理基本量の一つであることと,これらの標準が他の標準に比べ,高確度化が達成されていることから,科学,産業,通信,交通,測地等多くの分野での利用も高度化しつつある。電波研究所では,国家標準である原子周波数標準及び標準時(協定世界時,日本標準時)を維持し,これらの高確度・高安定化と精密計測及び国際比較法,標準電波その他による高精度供給並びに利用法等の研究開発を引き続き行っている。

(7)型式検定・較正・性能試験

 無線機器の型式検定は,無線設備の機器の性能に対して,定められた技術的条件を満足するか否かを試験によって確認し検定するものであり,製造技術の向上,能率的な電波管理の遂行に寄与している。
 また,無線測定器の較正及び性能試験は,無線局検査用,型式検定用及び一般からの委託によるものなどを対象としており,較正範囲の拡大と精度の向上はますます必要となっている。

 

資料6-34 型式検定・較正・性能試験の処理件数(60年度)

 

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