会議資料・開催案内等



「電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会」(第1回会合)
議事要旨



1  日時
 平成15年2月24日(月) 1800分〜2000
2  場所
 総務省地下2階第2・第3会議室
3  出席者
(1 ) 構成員(五十音順、敬称略)
大谷和子、桑子博行、弘灰和憲、多賀谷一照、田島正広、手塚信夫、平野晋、別所直哉、堀部政男、松井茂記、三木浩一、村上透、吉岡初子
(2 ) 総務省
有冨総合通信基盤局長、鈴木電気通信事業部長、山田電気通信利用環境整備室長、大須賀電気通信利用環境整備室課長補佐
4  議事概要
(1)  開会挨拶
(2)  委員の紹介
(3)  開催要綱の説明等
  ・  開催要綱の承認の後、座長に堀部政男委員が選出され、座長代理に多賀谷一照委員が指名された。
(4)  通信の秘密とプライバシー情報の保護の現状と論点整理
(5)  議論
(6)  閉会
5  主な議論
事務局から席上配布資料について説明がなされた後、以下のような全体議論がおこなわれた。
 ・  通信の秘密の取扱いについて、例えば、会社が従業員の私用の電話を盗聴することは許されないが、私用のメールを見ても許されるのではないかとの考えもあり、電話とメールとの通信の秘密の保護の考え方の違いについても議論になり得る。
 ・  会社によるメールチェックは、通信の秘密の問題というよりも、企業の管理権行使の問題ではないのか。
 ・  誹謗中傷の絶えない著名な匿名掲示板においては、ログの開示を求めようにもその記録自体が残されておらず、紛争を誹謗投稿者と誹謗を受けた者との間で解決することが不可能である。
 ・  オークション詐欺における発信者情報の開示については、直接にはプロバイダ責任制限法の対象とならないが、これについても発信者情報の開示を認めるような検討をするべきではないか。
 ・  匿名による表現の是非については、企業内の内部告発のケースもあり、個別具体的な事例に応じた検討を行う必要があるのではないか。
 ・  我が国では通信の秘密について、諸外国と比べてもかなり強く保護されているような印象も受ける。
 ・  諸外国における通信記録の保存に関する認識については、我が国と同様に、懸念している点は変わらないのではないか。
 ・  ネットオークションのトラブルについては、通信の秘密と公共の福祉のバランスが問題というよりも、取引当事者の取引に対する意識構造が問題なのではないか。
 ・  民民間の通信の秘密の取扱いに関して、通信の秘密の保護の程度、匿名性の表現の保護の程度について、詳細に海外調査をすべきではないか。
 ・  インターネット活用の多様化に伴い、ウエブ・ホスティングやウエブ・サイト、電子掲示板や一対多数の同報メールなども出現して様々な問題を提起しているので、通信の秘密の取扱いについても、「公然性のある通信」のような考え方の適用も含めて、IT社会に対応した個別の事例ごとの検討を行う必要があるのではないか。
 ・  通信事業者はプライバシー保護の程度を段階的に分けたサービスを考えてはどうか。
 ・  ファイル交換ソフトにより個人情報が流出している問題に関し、プロバイダとしては、違法な行為を行っている利用者の開示ができないため、やむをえず利用者に注意喚起をするなどの対応を取っているところ。
 ・  ネットオークションにおける偽ブランド品の確認のためにまで、プロバイダが発信者情報の開示をする必要があるのか。請求する側が自らやるべきことを尽くしているのか疑問に思うことがある。
 ・  サイバー犯罪に関する刑事訴訟法上の捜査手続きについては、サイバー犯罪条約の批准に向けて、刑事訴訟法の改正も含めた国内法整備の検討をしている。
 ・  通信の秘密やプライバシー保護の問題を議論する場合は、憲法論に発展することもあるが、時間をかけて議論すべき問題である。

  (了)


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