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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(6月26日開催)議事録

日時

平成21年6月26日(金)16時00分から17時00分

場所

中央合同庁舎第2号館 総務省第1特別会議室

出席者

  • (分科会所属委員)
  • 金本良嗣分科会長、森泉陽子委員、青山彰久臨時委員、大村昭人臨時委員、小峰隆夫臨時委員、清水雄輔臨時委員、白石小百合臨時委員、立花宏臨時委員、田中常雅臨時委員、田辺国昭臨時委員、中泉拓也臨時委員、森田朗臨時委員、吉野直行臨時委員、木村陽子専門委員
  • (財務省)
  • 大臣官房文書課 北浦政策評価室長、主計局司計課 田部課長補佐、主税局総務課 和田課長補佐、関税局関税課 寺田関税企画調整室長、理財局財政投融資総括課 深澤課長補佐
  • (総務省行政管理局)
  • 企画調整課 武藤企画官
  • (総務省自治税務局)
  • 企画課 山口税務企画官
  • (総務省行政評価局)
  • 関行政評価局長、渡会審議官、新井総務課長、松林政策評価官、羽室政策評価審議室長

議題

  1. 平成21年度予算編成等への政策評価の活用状況について
  2. 平成21年度機構・定員審査に当たっての政策評価結果の活用状況について
  3. 平成21年度地方税制改正に当たっての政策評価結果の活用状況について
  4. 平成20年度における各府省の政策評価の取組状況について
  5. その他

資料

会議経過

【金本分科会長】      それでは、時間ですので、ただいまから政策評価分科会を開会させていただきます。
   まず初めに、今回新たに臨時委員に御就任いただきました、株式会社キッツ最高顧問の清水雄輔委員を御紹介させていただきます。清水委員におかれましては、これまでに経済同友会において行政改革委員長などを歴任されております。それでは清水委員、一言お願いできますでしょうか。

【清水委員】      ただいま御紹介いただきました清水雄輔でございます。経済同友会でそのようなことをやっておりますけれども、私自身は事業経営をずっとやってまいりました。政策評価については文字どおり素人でございますけれども、事業経営の観点から見て何らかのお役に立てればと思っております。どうぞ御指導のほどよろしくお願いします。

【金本分科会長】      それでは、早速でございますが議題1で平成21年度予算編成への政策評価の活用状況について、予算、国税、関税、財政投融資への政策評価結果の活用状況や今後の課題等につきまして、財務省の北浦政策評価室長から20分ほど御説明をいただいて、その後質疑応答を行いたいと思います。
   それでは、御説明をよろしくお願いいたします。

【北浦政策評価室長】      ただいま御紹介いただきました、財務省文書課政策評価室長の北浦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。恐縮ですが座って御説明させていただきます。
   本日は、平成21年度予算編成等への政策評価の活用状況について御説明させていただきます。お手元に資料を2つ用意させていただいております。資料1−1といたしまして「平成21年度予算編成等への政策評価の活用状況」、資料1−2といたしまして「参考資料(政策評価の活用状況事例)」という2つの資料を配付させていただいております。このうちの資料1−1に即しまして説明させていただきます。
   まず予算編成への政策評価の活用状況についてでございますが、1ページ目でございます。政策評価法で規定されておりますとおり、政策評価は各行政機関がその所掌する政策について自ら評価を行い、財政当局はその結果を予算編成に適切に活用するという関係を踏まえまして、主計局では概算要求時に各府省から評価の単位となる政策ごとに政策評価調書の提出を求めており、財政当局としての考え方も示しつつ必要な調整を行い、メリハリの効いた効率的で無駄のない予算とするよう取り組んでいるところでございます。
   以下では、21年度予算における政策評価の具体的な活用事例を御紹介させていただきます。
   環境省の地球温暖化対策の推進という政策を取り上げさせていただいております。環境省予算では、地球温暖化対策の推進関連といたしまして21年度に一般会計で35億円、エネルギー対策特別会計で約418億円を計上させていただいております。
   「要求・要望に当たって明示された目標」といたしましては、1990年対比で温室効果ガス排出量を6%削減という京都議定書における削減約束を達成するために、具体的には1ページ目の下の囲いの中の1つ目の丸でございますが、温室効果ガスの総排出量を20年から24年度の5年間の平均として11億8,600万トンに抑えること、それから森林吸収量として同5年間の平均で4,767万トンを得ること、さらに国内で目標が達成できない未達部分として、同5年間分に相当する海外からの排出量クレジットを18年から24年度の間で約1億トン購入することを政府としてあらかじめ取り決め、環境省は各府省と共同して必要な政策を推進してきております。
   資料の2ページ目になりますが、一方、我が国の実際の平成19年の温室効果ガス排出量については9%増となっており、京都議定書目標達成のために国内で大きな削減が必要な情勢となっております。とりわけ政府や店舗等サービス業を含む業務部門については、1990年以降4割以上も排出量が増加しており、24年度に向けて10%程度の削減はどうしても必要な状況になっております。また、海外から購入する排出量クレジットについても、着実な購入が期待されているところでございます。
   こうしたことを背景に、環境省は国内の業務部門対策として、「排出削減効果の高い施設・装置を導入する事業」を補助する制度を実施するとともに、排出量クレジットの購入については、開発途上国における排出量削減投資プロジェクトの成果として生み出された排出権であるクリーン開発メカニズム、いわゆるCDMの購入に取り組んできているところでございます。
   財務省といたしましては、国内業務部門対策の事業については、環境省の政策評価においてエネルギー対策特別会計を活用して、費用対効果の観点を重視したエネルギー起源、二酸化炭素排出抑制対策を推進するという趣旨を踏まえまして、エネルギー対策特別会計の共管省庁であり、かつ従来より主に民間向けの支援を行っている経済産業省に民間部門を委ねることとし、二酸化炭素排出量抑制対策事業の重複排除を徹底する観点から、補助対象を公的部門、地方自治体向け事業に特化することといたしております。
   また、排出量クレジット購入事業につきましては、「リスクの低減を図りつつ費用対効果を考慮したクレジットの取得を図る」、「直接取得、間接取得、現物クレジットの取得の形態から適切な手法を用い、京都メカニズムクレジットを効果的に取得していく」等の政策評価の指摘を踏まえることといたしまして、具体的には環境省と議論を重ねた上で、これまで購入していたクレジットであるCDMに比べて政府間の相対取引として我が国の顔が見える、コストが安いなどといった利点を有し、新たに東欧等経済移行国を対象とした排出量取引であるグリーン投資スキーム、GISによりクレジットを購入することといたしました。
   こうした準備の結果、GISにつきましては注にございますように、今年3月にウクライナと3,000万トン、4月にチェコと4,000万トンの購入契約が成立し、購入必要量1億トンのうち、全体ではCDM購入分と合わせまして約9,500万トンの手当を終了することができております。
   他の府省の具体例につきましては、お手元の参考資料1−2に記載させていただいておりますが、本日は時間の都合もありますのでこの場での説明は省略させていただきたいと存じます。
   続きまして、平成21年度税制改正における政策評価の活用事例について御説明させていただきます。資料の3ページ目を御覧いただきたいと存じます。租税特別措置は、税制上の特例を設けることにより一定の政策目的の実現を図ることを主眼としておるものでございまして、この政策目的や効果、政策手段としての適正性を踏まえ、常に見直しを行っていく必要があるものと考えております。
   主税局では、こうした租税特別措置を含めた税制改正を行うに当たって、各府省の政策評価の結果を活用しているところでございまして、1つ目の丸に書いておりますとおり、要望時において各府省に対し各府省が行った政策評価の結果を記載した要望書の提出を求め、税制改正案の立案に向けた各府省との議論の材料としているところでございます。また、各府省からヒアリング等においても必要に応じ参考となる資料の提出を求め、議論の材料としているところでございます。
   平成21年度税制改正においては、2つ目の丸に書いてありますように、こうした議論を通じて現下の経済・財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、各税目にわたり所要の措置を講ずることといたしました。具体例として4ページから5ページにかけて御紹介させていただいておりますが、中小企業の事業承継を円滑化するため、非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度を創設する等の改正を行うこととしております。
   この改正は、具体的には中小企業の事業承継の際に後継者が事業を一定期間継続し、相続した株式を保有し続けることを要件に、相続する株式に係る相続税額の一部の納税を猶予することにより、相続税の納税が事業の承継や継続に与える影響を回避する制度であります。この導入により、円滑に事業承継が行われ、雇用の確保や地域経済の活力の維持等の効果が期待されているところでございます。今後とも政策評価の活用の取組を行うことにより、税制改正のプロセスにおける各府省や財務省における政策評価の積極的な活用に努めてまいりたいと考えております。
   続きまして、21年度関税改正における政策評価の活用状況について御説明させていただきます。6ページ目を御覧いただきたいと存じます。関税局では、関税率の設定及び関税制度の見直しに当たり、関係府省から提出される関税改正要望について、その政策目標や効果等を踏まえ個々の措置に応じた検討を行うなど、関税改正において政策評価の活用を図っているところであります。
   まず、関税改正要望に当たっては、従来より政策目的、施策の必要性、要望の措置の適正性、効果等について記載を求め関税改正作業を行っているところであり、また、関税改正要望書の具体的な記載項目については、新規施策と既存施策の延長とに分け、それぞれ御覧のような項目の説明を求めてきたところであります。
   次に、関税改正の審査に当たっての政策評価の活用についてでありますが、21年度関税改正においては、関税改正要望書の記載内容について当該措置が客観的に見て真に必要なものか、当該措置の効果がどの程度見込めるものかといった観点から精査するとともに、ヒアリングにおいて追加資料の提出及び説明を求めてきたところであります。
   具体例といたしまして、絹紡糸・絹紡紬糸の関税無税化に係る税制改正要望書の例を挙げさせていただいております。当該改正を行うに当たりましては、7ページ目の真ん中よりやや下の丸のところの記載でございますが、要望書の精査、さらにはその後のヒアリングを通じた検討の結果としまして、1つ目に輸入実績が安定しており、堅調な需要の存在が推定されること、2つ目として特恵関税適用による輸入が必要でなくなるために原産地証明書発給に係る手続やコストが軽減され、約0.2億円の減税効果があり、これらが一定程度消費者へ還元されること、3つ目としまして国内の絹紡糸製造業者が海外に生産拠点を移転し、産業保護の必要性がないこと等を確認いたしました。このように、当該施策の実施に当たっては十分に政策評価を活用し、その基本税率を無税とすることとしたところでございます。
   次に、今後に向けてでございますが、各府省から提出される関税改正要望書については、その施策の目的、必要性等の記述は政策評価の活用に資する観点で充実したものとなってきているところでございます。今後とも施策の効果を客観的基準に基づいて検証するための指標等の提示を求めつつ、その積極的な活用を進め、毎年度の関税改正作業においてより多角的な検討をしていきたいと考えております。
   最後に、平成21年度財政投融資計画編成における政策評価の活用について御説明させていただきます。8ページ目を御覧いただきたいと存じます。理財局では、財政投融資計画の編成に当たり、要求時に各府省に対して各財政投融資機関が実施する施策の意図・目的、施策の公益性・民業補完性等について政策評価を行うよう求めているほか、事業規模や制度改正等要求事項についても民業補完性、有効性、財務の健全性等の観点から政策評価を実施するよう求め、これらの内容を記載した資料の提出がなされているところであります。
   21年度財投計画の編成過程においてもこれらの政策評価を活用しており、主な活用例として2例を掲げております。1つ目は、株式会社日本政策金融公庫の国民一般向け業務及び中小企業者向けの業務におけるセーフティネット貸付の拡充でございます。現下の厳しい経済金融情勢により資金繰りに困難を来している中小企業者を支援することの必要性や、民間金融機関では対応が困難なことを確認した上で、金利引き下げや貸し付け条件の見直しを含めたセーフティネット貸付の拡充を行うことといたしております。
   2つ目は9ページ目のほうに参りまして、独立行政法人日本学生支援機構の第二種奨学金貸与事業の入学時増額貸与奨学金の拡充であります。入学時増額貸与奨学金については、従来は一律30万円といたしておりましたが、21年度からは10万、20万、30万、40万、50万円からの選択を可能とすることといたしております。
   これは、入学時における一時的な出費の増大に対応し、学生等のニーズに適した貸与額の選択を可能とするとともに、従来より低い額の選択肢を設けることにより過大な借り入れを抑止する効果も期待できるという点で、政策的意義が認められると判断したものでございます。ただし、その一方で、卒業時点の借り入れ総額や卒業後の返済負担に対する学生等の自覚を促すことも重要であると考え、必要に応じて学校等から必要最小限の貸与月額を選択するよう指導を行う制度を導入することなどを文部科学省及び日本学生支援機構に求めております。
   以上のように、政策評価を編成作業に活かしながら財投計画を作成してまいりました。今後とも財政投融資要求に際し、財政投融資事業に係る政策評価に加え、個別制度要求ごとに民業補完性、有効性、財務の健全性への影響等の観点から検討した政策評価の提出を求め、これを審査において積極的に活用してまいりたいと考えております。
   以上が平成21年度予算編成等への政策評価の活用状況についてでございます。

【金本分科会長】      よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
   それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見がございましたらお願いいたします。では小峰委員、どうぞ。

【小峰委員】      2点お聞きしたいと思います。1つは最初の温室効果ガスの件ですが、実績として19年までの排出量について記述されていますが、御承知のように20年度後半に経済がものすごく落ち込んで、これによって相当排出ガスが減少しているのではないかと思います。これは全体のプランに相当大きく影響するのではないかと思うのですが、その辺を弾力的に見直すことは考えているんでしょうかというのが第1点です。
   2番目は、3ページの税制改正の政策評価と関税についての政策評価を比べてみますと、関税のほうがより踏み込んで丁寧に書いてあるような気がします。例えば関税については、7ページに「施策の効果を客観的基準に基づいて検証するための指標等の提示を求める」といった記述があるのですが、税制のほうは、比較的簡単に3ページの上から2行目に「各府省庁が行った政策評価の結果を記載した要望書」と書いてあるだけです。これは各府省庁が租税特別措置について政策評価を行ったものを提出してもらっていると考えればいいんでしょうか。それから、関税のほうで書いてあるような事後検証のために必要な指標の提示を求めるとかいったことは、租税特別措置については考えていないのでしょうか。この2点です。

【田部主計局司計課課長補佐】      では、まず主計局のほうからお答えさせていただきます。1点目でございますが、私は必ずしも環境省を担当している者ではございませんのでやや不正確な部分があるかもしれませんが、そこは御容赦いただきたいと思います。
   御質問の点でございますけれども、今御説明させていただきましたのは21年度予算における取り組みでございますので、20年度後半に起こった出来事は必ずしもそこで十分に考慮されているわけではないと考えております。今後実際のデータがそろってきた過程で環境省においてまず御検討いただき、それを踏まえて主計局のほうでも予算編成に活用していくということだと思っております。

【和田主税局総務課課長補佐】      引き続きまして、財務省主税局から御説明させていただきます。資料の記述が簡素であったということにつきましては、お詫び申し上げることといたしまして、御説明させていただきます。
租税特別措置を含む税制改正につきましては、まず通常の手続としまして各府省でしっかり要望をつくって、それを財務省に提出していただいて内容を検証し、税制の企画立案につなげていくということでございます。これまでも、税制改正の要望時には、租税特別措置としてどういう政策効果があったか、もしくは租税特別措置があってそれがどれほど政策に寄与してきたか、どれだけの達成度があったかといったことを要望元省庁に書いていただいており、それを財務省として受け取って、その妥当性などをきっちり検証してきたわけでございます。
   さらに、平成20年度からの取組といたしまして、これまでも過去の実績等を出していただいていたわけではございますが、若干要望書の体裁等がきっちりしていなかったということがございまして、平成20年度からは、各府省の要望書の中に、各府省の政策評価体系の中での位置付けやその効果、目標、達成度などを記載していただいた上で、財務省に提出していただき、それで1つ1つの租税特別措置等の意義、達成度等の検証に努めるという形で税制改正のプロセスを行っているところでございます。
   さらに、事後的な検証はないのかという御指摘でございました。租税特別措置につきましては、まずは各府省が所管する租税特別措置等についてどの程度活用されていて、どの程度意義を持っているかといったことを評価していただくことが必要なわけでございます。
   先ほど申し上げたように、通常期限が来まして、それをもう一度延長するのかどうするのかという要望を出す際に、まず各府省の中でこれまでの適用件数や意義を一旦評価していただいて、それを財務省に提出していただく形となっておりますので、そのようなプロセスの中で租税特別措置等について検証され、そういった中で政策評価も活用させていただいているというところでございます。
   以上でございます。

【金本分科会長】      小峰委員、今のはよろしゅうございますか。これは政策評価の活用ではあるんですが、租税特別措置の政策評価をそのものとして行うということにはなっていないと私は理解していて、小峰委員の御質問がそういう意味合いだったので、今のところそういうものとしては位置付けられていないということでよろしいですね。

【和田主税局総務課課長補佐】      財務省として主税局全体の政策評価はもちろん行っており、その中で租税特別措置の整理合理化状況を参考指標として掲げさせていただいているのですが、租税特別措置全体に何か目的があるというよりは、やはり1つ1つの租税特別措置にどういった目的があってというところは各府省のほうで見ていただくべきものと考えていますので、現在このようなプロセスで政策評価を活用させていただいているということでございます。

【金本分科会長】      言わずもがなかもしれませんが、政策評価法上の政策評価については、公共事業とか規制はそれぞれについてやるということになっていますが、租税特別措置についてはそういう義務付けはないということでいいのではないかと思います。

【田辺委員】      今との絡みで、租税特別措置についてお伺いしたいんですけれども、租税特別措置を一番初めに出してくるときは、租税特別措置を利用することによってどのくらいの減収があるのかという数字は具体的に出てきて、それを判断して効果と意味合いをチェックするということだとは思うんですが、ただ、事後的にどこまで把握しているのかということは、例えば各府省ですと、租税特別措置ですから利用したかどうかというのは、結局法人税を支払うときのデータを持っているかというと、持っていないのではないかと思うんですけれども、他方、国税庁から各適用対象になっているもののどれを使っているというデータが主税局もしくは各府省に回っているかというと、どこまでそこができるんでしょうか。
   例えば租税特別措置を実際に使っていて、事後的に5年時限でそのときまでに適用件数が何件というのが本当に分かるのか。例えば今の例だと、中小企業の相続税の納税猶予ですからかなりの件数になって、事前にどのくらい減るというのはある程度の掛け算で出てくると思うんですけれども、事後的にどこがどういう形で利用して、かつその分布が政策のターゲットに本当に集中しているのかどうか等に関して、どこまで本当に確認できるんでしょうかというのは、かなり難しい問題として出てくると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

【和田主税局総務課課長補佐】      大変難しい御指摘をいただいたのかなと同じように考えております。説明の繰り返しになるかもしれませんが、租税特別措置の適用につきまして、財務省としましては、基本的にはやはり各府省のヒアリングの際に、各府省が各関係団体から適用実績をヒアリングしたものを提出していただいて把握するという形になります。一定の標本調査ができる場合もあり得ますけれども、全数についてできているかというと、それはなかなか難しい場合もあると思います。
   いずれにしましても、財務省としては可能な範囲でできる限りのデータをとって、適用実態等を把握しているわけでございまして、それをどの程度、今後さらに全数を把握するようにすべきかどうかというところは、かなり事務負担の問題等も出てくるかとは思いますけれども、現状としましては、各府省を通じて関係団体からのヒアリング等を基にした適用実態で判断しているというところでございます。

【立花委員】      私も小峰先生、あるいは今の御質問とも関係するんですが、関税のほうの政策要望についてその必要性、適正性、効果等について非常に分かりやすく書かれていて、これが私は普通の出し方だと思うんですが、租税特別措置については、確かに各府省がそれぞれ施策のニーズ、現場のニーズに基づいてやっているんでしょうけれども、いずれにせよ財務省は要望書の提出を求めて、それをベースにしながら、もちろん与党の関与が大きいんでしょうが、税制改正に向けて各省庁との議論の材料にしているというのであれば、この程度じゃなくて、できれば要望書に政策の必要性、あるいはこういった財政をやることによる効果を明らかにするべきです。
   要するに、みんな必要だということは分かるんですけれども、その施策が目的を達成するために十分なのかという必要十分条件がどうも必ずしもチェックされていなくて、必要性、あるいは効果だけが強調されていて、その辺が政策評価を見る場合には十分ではないので、おっしゃるように租特を要望したのは関係府省だから関係府省の問題だと言ってしまえばそこで止まってしまうわけで、それを取りまとめているのが財務省主税局でしょうから、ぜひ関税改正と同じような、目的、必要性、十分性、適正性、効果といった一覧性のある形で出していただくと、逆に要望する各府省のほうもその辺がオープンにされるという前提で分かりやすくやることで相乗効果といいましょうか、税制改正の透明性を要望するという意見も政党のほうから出ているという話も聞くだけに、その辺は再考いただく必要があるんじゃないかなという感じがいたします。
   以上です。

【和田主税局総務課課長補佐】      先ほども御説明させていただきましたけれども、財務省としてもいろいろな取組は進めておりまして、まさに平成20年度からの取組といたしまして、まず要望書の中に政策評価での位置付けを書くこととしていただいております。各府省の要望書は、税制改正のプロセスの中でまず財務省に提出され、各省庁のホームページと財務省のホームページの中で基本的に全部原則公開となっておりますので、そこの中に、政策評価上の位置付け等が書かれるようになっております。
   もちろん税制改正は政治のプロセスという側面も一方でございますので、どれだけできるかということで我々も試行錯誤を続けているところでもございますが、今年、平成20年度からはそういった取組も進めているということを御紹介させていただきたいと思います。

【清水委員】      今と同じような話になって大変恐縮でございますけれども、租税特別措置の問題は極めて政治性が強いという要素があるから、今おっしゃったような説明が誠にもっともだとも聞こえますが、これを見るとどちらかというとそっち側の要請で結果としてこういうことをやりましたという形が強くて、むしろ政治的なものよりも、各府省がやった政策評価に対して財務省としてどういう評価をしたんだというのを明確にしたほうがよい。その上で、実際は確かに政治的に判断されてこれをやるんだという話になりますから。ですが、まず府省間での政策評価に対する考え方を明確にして、それを明らかにしたというほうが、これからの論議にずっとつながっていくんじゃないかと私自身は考えます。

【金本分科会長】      どうぞ。財務省のコメントが出ていたものがあったような気がしましたけれども、今これは無いのでしょうか。

【和田主税局総務課課長補佐】      1つ1つのものに対してコメントを出しているということはなく、要望書が提出された後は、基本的には政府ないし与党の税制改正のプロセスの中で検討されており、その中で要望の可否について判断されているというのが現状の姿でございます。そういった中で政府としてできることはできる限りやっていきたいというところでございます。

【金本分科会長】      そのほか何か。では、中泉委員、先にお願いします。時間も大分迫っていますので、お願いします。

【中泉委員】      1点だけ御質問と確認なんですけれども、田辺先生の御意見に関連することですが、自己評価をするときに各府省は実際の実績値の税務データ等をほとんど利用できないというのが現状だと思います。本当に政策評価を例えば事後的にも正確にやっていこうとしたときに、そういったデータは非常に有効だと思うんですけれども、それを各府省が利用できる方向にできるのか、もしくはデータが利用できる財務省の中で自己評価を厳密に行うという方向を検討されているかどうかをお聞きしたいと思います。

【和田主税局総務課課長補佐】      租税特別措置の中にもいろいろな種類があると考えておりまして、実績データが利用できるものもあれば、もともとなかなか難しいものもあると承知しております。そういった実績データをすべて取るように義務付けられるかというと、逆にそのための事務負担等も増えてくるわけでございまして、そこはなかなか難しいので、利用できる範囲で申告に基づく標本調査の結果なども活用しているのが現状であると御理解いただければと思っております。

【金本分科会長】      では、吉野委員、どうぞ。

【吉野委員】      1つだけ。相続税の納税猶予に関する4ページのところですけれども、事業継承のためにはこういう制度はいいことだと思うんですが、例えばシャッター通りのままほとんど事業をしないで相続税だけ払わないお店もあり得るわけです。そういうことを排除するための事後的なチェックは財務省がやられるんですか。それとも各府省がやられるようにきちんとなっているんでしょうか。

【和田主税局総務課課長補佐】      今回の相続税の納税猶予の制度でございますけれども、要望段階でも経済産業省等とも随分議論したわけでございますが、適用のための要件があり、何段階かのチェックを経て適用という形になっております。
   1点は、しっかり事業承継の計画が立てられているか等について経済産業大臣が確認するということがまず第1のステップになるわけでございます。その上で、事業がしっかり継続されているかどうかについて、適用を受ける人が代表者なのか、株式の保有を継続しているのか、あと、一番大事なのは雇用の維持であるということで、雇用の8割維持という要件をかけておりまして、これが満たされない場合には逆に相続税を納めていただくという仕組みとなっているわけでございます。
   まだ4月に始まったばかりの制度でございまして、どれだけ件数があるとかその実態はまだ手元に上がっていないんですけれども、そういった仕組みでありますので、これをしっかりと運用していきたいと考えているところでございます。

【金本分科会長】      よろしゅうございますか。では、田中委員、どうぞ。

【田中委員】      今の相続税の問題なんですけれども、使いにくいという意見もあるんです。かなり使いにくくしているのではないかといった実態の調査もすべきだと思います。両方で評価すべきだろうと思います。
   それから、環境のCO2の話なんですけれども、これを読ませていただくと、例えば「環境省は評価結果も踏まえ、業務部門では、排出削減効果の高い施設・装置を導入する事業などの促進を図ることとした」ということが唐突に出てきているような気がするんです。全体の目標が6%で、業務部門はどういう可能性があるのかといった検証が要るのではないかなと思います。

【和田主税局総務課課長補佐】      使いにくいという御指摘につきましては、4月からスタートしたばかりで、まだこちらとしても実績の把握という段階には至っていないということでございまして、今後しかるべき時期に検証させていただきたいと思っております。

【田部主計局司計課課長補佐】      主計局でございますけれども、多少資料が包括的でないというところは私どもとしても反省しなければいけないところだと思います。今回の資料につきましては、具体的に施策の評価を私どもの予算編成の過程で活用させていただいた点にやや絞った形で記載しておりますので、全体的な評価等の観点が十分に説明されていない資料になっているということでございますが、申し訳ございません。

【金本分科会長】      よろしゅうございますでしょうか。
   それでは、財務省の皆様方には御多用のところ当分科会に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。今日の御説明を我々のほうの調査、審議の参考にさせていただきます。どうもありがとうございました。

【北浦政策評価室長】      どうもありがとうございました。

(財務省 退室)

(総務省行政管理局、自治税務局 入室)

【金本分科会長】      続きまして、平成21年度機構・定員審査に当たっての政策評価結果の活用状況について、総務省行政管理局の武藤企画官から5分ほど御説明いただきます。続きまして、平成21年度地方税制改正に当たっての政策評価結果の活用状況について、総務省自治税務局の山口企画官から5分ほど御説明いただきます。その上で質疑応答を行いたいと思います。
   それでは、まず武藤企画官、よろしくお願いいたします。

【行政管理局武藤企画官】      総務省行政管理局の武藤と申します。よろしくお願いいたします。
   それでは、お手元に資料2ということでお配りしてあるかと思いますが、平成21年度機構・定員審査に当たっての政策評価結果活用状況について御説明申し上げます。表紙をおめくりいただきますと、1枚レジュメ的なものをつけております。
   まず「1 機構・定員要求に当たっての反映状況」でございますけれども、政策評価法に基づきまして、予算の作成に当たっては当該政策に評価結果を適切に反映させるということが決められておりまして、機構・定員も予算の一環でございますので、当然ながら必要に応じて評価結果を活用していくということになってございます。御承知かと思いますが、行政管理局は各行政機関の機構・定員の審査権限を持っておりまして、各府省に対しまして機構・定員要求に当たっては政策評価の結果を適切に反映して、要求時に評価結果が記載されている評価書を添付していただくように求めているところでございます。
   評価結果の活用事例を各府省から1事例ずつ程度抽出しておりますが、2ページ以降につけてございます。後ほど触れたいと思います。
   今回改めまして機構・定員審査に関する政策評価結果の活用状況について検討してみましたが、幾つか課題があると考えてございます。3のところでございます。まず、そもそも機構・定員要求に反映したとして、各府省から提出された評価結果で機構・定員について触れられているものが非常に少ないという現状にございます。
   数字的なものを申し上げますと、今回平成21年度予算要求に政策評価結果を活用した総数が964件と行政評価局のほうでまとめておられますけれども、そのうち21年度の機構・定員要求に反映した件数は181件、2割弱という数字にとどまっております。もちろん政策評価でございますので、なかなかストレートに機構・定員に結びつくというものではございませんけれども、それにしても、予算要求の反映状況で言いますと9割程度は使っているという数字もございますので、若干少ないかなという気はしております。
   また、2点目といたしまして、政策の目的や目標を達成するために体制強化が必要であるという評価結果が出ておるんですけれども、機構・定員の査定の要件といたしまして何点かあるんですが、1つ申し上げますと代替可能性というものを要件にしております。要するに、ここに書いておりますけれども、必要なのは分かったけれども、それは既存体制を見直して体制強化に代わる手段としてできるんじゃないかという代替可能性の観点があるんですが、そういった手法との比較が評価書の中ではされていないことから、評価結果と機構・定員要求がなかなかストレートに結びついていないという現状がございます。
   また、3点目といたしまして、実績評価の単位がほとんど施策レベルで出してきておられますけれども、機構・定員要求、特に定員要求につきましては事務事業レベル、もう少し小さい単位での要求が多うございます。したがいまして、要求内容に比べて評価書の範囲が広いということがございまして、もちろん当該政策全体の内容、進捗状況、背景を知るのには有用な資料ではございますけれども、機構・定員審査にそのままストレートに、これだけで十分に使えるものにはなっていないというのが現状でございます。
   何点か使いづらいということばかり申し上げましたけれども、中にはストレートに結びつきやすいものもございまして、10例程度、各府省から1例程度2ページ以降につけておりますが、このうちの13ページをお開きいただきたいと思います。
   法務省入国管理局がやっている政策といたしまして、出入国の公正な管理という政策評価が行われております。この中で達成目標とかそれに使う指標が挙げられておりますけれども、出入国管理という業務でありますとまさにマンパワーが勝負というところもございまして、もう1枚おめくりいただきまして14ページを御覧いただきますと、摘発体制の強化として入国警備官を60人とか22人増員措置した。また、水際対策として入国審査官を増員した。これによって不法残留者が非常に減少したであるとか、入国審査時の待ち時間の短縮の効果があらわれたという指標、政策評価の結果の政策効果が明らかにされているところでございます。
   こういうマンパワーが直接政策の効果に結びつくところでありますと、まさに機構・定員審査にも比較的使いやすいということでございまして、15ページをお開きいただきますと、「3.機構・定員審査への評価結果の活用」という欄がございますけれども、まさに増員措置を講じることによってこういった効果があらわれているという評価結果が出ておりますので、体制整備は毎年少しずつやっているんですが、体制整備の取組の効果が確認されて、今年も引き続きやっていこうという機構・定員審査への反映ができるような形になっております。
   こういう非常にまとまった使いやすい評価結果もございますけれども、先ほど申し上げましたようになかなか使いづらい部分もあるというのが現状でございます。
   以上、非常に簡単でございますが、私からの御説明でございます。

【金本分科会長】     どうもありがとうございます。それでは続きまして、山口企画官のほうにお願いいたします。

【自治税務局山口税務企画官】     総務省自治税務局山口でございます。よろしくお願いいたします。お手元の右上に資料3とございます「平成21年度税制改正(地方税)における施策評価の活用について(総務省自治税務局)」というペーパーをお願いいたします。
   まず、「1.各省庁から提出された政策評価資料の概要」ということでございます。税制改正でございますけれども、毎年予算とほぼ同様のスケジュールで進んでおりまして、各府省の予算要求と時期を同じくしまして、税制改正要望を8月末に総務省、財務省に国税、地方税とそれぞれ提出していただくということになっております。
   従来から要望書の中では改正による効果、増減収額等の記載をお願いしてきたところでございますけれども、2つ目の丸にありますように、16年度の税制改正要望から施策の必要性、要望の措置の適正性、これまでの政策効果等を具体的に記載するということをお願いしております。21年度税制改正におきましても、同様の様式による要望書の提出をお願いしているところです。また、各府省から提出された要望書につきましては、透明性の向上を図るという観点から、平成17年から要望書を総務省のホームページで秋から3月、年度末まで公表する形にしております。
   2ページ目以降に、平成21年度税制改正に当たりまして要望書として出していただいたものの例をつけさせていただいております。これは、総務省のテレコムのところから地上放送施設デジタル化の促進に係る課税標準の特例措置の拡充及び延長の要望として出てきたものでございます。2ページ目、3ページ目にございます要望事項とあわせまして、4ページ目、5ページ目に別表という形で若干細かい資料の提出をお願いしているところでございます。
   2ページ目にございますけれども、要望理由のところでもできるだけ定量的にねらいとする政策効果を書いていただくということをお願いしておりまして、例えば要望理由の2段落目のところですけれども、2008年3月末時点での世帯カバー率が93%である。ただ、100%カバーするために今後2011年にかけて集中して投資を行う必要がある。特に残り7%の地域は条件不利地域が多く含まれております。また、小規模中継局を多数整備するということも言われておりまして、ちなみにこの要望につきましては、こういった要望の理由、ねらい等を勘案しまして、結果としては縮減の対象とする施設を重点化する、すなわち小規模な施設に限った上で、小規模な施設については特例率をかさ上げしてより優遇する形で延長するということで決着を見たところでございます。
   1ページ目に戻っていただきまして、「2.政策評価資料の活用状況」というところでございますけれども、今もちょっと申し上げましたが、できるだけ要望書の内容においては計数的な指標等を用いて具体的に示すことをお願いしておるというところでございます。今後も常に見直しを図りながら改善に努めていきたいと考えております。
   各税目の特例のことを非課税等特別措置と言っておりますけれども、21年度税制改正におきましては、さまざまな観点から、27項目の廃止・縮減を行った。これまでの廃止・縮減、あるいは新設・拡充の状況につきましては、6ページにございますような件数で過去推移してきているところでございます。非課税等特別措置については、今後とも整理・合理化を進める必要があると認識しているところでございます。
   また、税制改正に関して1点留意事項のようなものとして申し上げておくべきこととすると、税制改正に関しましては政府の中における議論だけで終結するものではございませんので、与党における議論で与党税制改正大綱がつくられまして、それがその年度の税制改正の決着点になり、最終的には政治的な決着になるというところでございます。ただ、当然それに至る作業の中では、できるだけこういった具体的な計数、指標をもとに各省庁と議論をさせていただいているところでございます。
   私のほうからは以上でございます。

【金本分科会長】     どうもありがとうございました。
   それでは、御質問等ございましたら、どなたからでも結構でございますのでお願いいたします。清水委員どうぞ。

【清水委員】     機構・定員審査に当たってというお話で御質問したいと思いますが、1ページに今後の課題というところをお書きになって、先ほどの御説明では21年度の予算編成269件のうち機構・定員については181件、20%弱だと。現実は多分、いろいろな施策が行われればもっと高いんだと思うんです。本来反映されなければならない。そういう問題意識でお書きになっていると思いますが。
   最後のところで、機構・定員審査に活用するために必要な情報を各府省が出してこないということだと思うんですが、この辺については、一体今後どうやってこういう情報を得られるようにし、かつ予算編成時の機構・定員問題に反映させるような打つ手はどうお考えになっていらっしゃるんですか。

【行政管理局武藤企画官】     1つは、政策評価を何のためにやっているのかというところに大きく関係するかと思いますけれども、おそらく各府省の意識としては、特に機構・定員要求に活用するためというのをまさに念頭に置いてやっていることはなくて、もう少し広い観点といいますか、高い観点からやっていると思います。
   今後どうするかというところですけれども、一方で政策評価書の中に機構・定員要求に必要なデータを全部盛り込んでくれというのは、それはそれで非現実的な話かと思いますし、それであれば、極端な話、機構・定員部局がなくても行政評価局の中でも機構・定員審査ができるということにもなるでしょうし、そこはある程度役割分担があってもいいのかなと思っています。
   もちろん、資料の一覧性とか重複した作業を排除するという意味からはどちらかに寄せていくということもあり得るかもしれませんが、こういうふうに文言上はやや批判的な受け取られ方をしたかもしれませんけれども、必ずしも政策評価書の中に全部盛り込んでほしいと考えているわけではなくて、例えばこの中にも書きましたが、政策自体の有効性、進捗状況の確認ということには現在でも比較的使われておりますので。
   一方で、先ほどちょっと申し上げました代替可能性であるとか、あともう一点申し上げますと緊急性といいまして、何で21年度に増員措置をしなきゃいけないのかという観点の審査もやっておるんですが、そういったものまで評価書の中に盛り込むのもなかなか難しいでしょうし、そこは役割分担しながらやっていけばいいのかなとは考えております。

【金本分科会長】     よろしゅうございますか。そのほか何かございますでしょうか。

【吉野委員】     1つだけよろしいでしょうか。

【金本分科会長】     どうぞ。

【吉野委員】     民間ですと、どの部署がどれぐらい利潤を上げているかということでどんどん機構の定員というか、部署の定員を自由に動かしながら利潤極大化をやってくると思うんですけれども、政府の場合にはそこに人がいれば仕事をつくるという面もできてしまうわけです。そうしますと、しっかり政策評価を見て、本当にうまい形でサービスが提供できるようになっているんでしょうか。また、そうするためにはさらにどういう改善が必要でしょうか。

【行政管理局武藤企画官】     現状から申し上げますと、確かに御指摘のような部分は否めないところがあるかもしれません。ただ、政策評価のほうで全政策をカバーして、どこかの部局でやっているこういった業務は不要であるというデータが仮にあるとすれば、実際にそういう評価書もあると思いますけれども、そういったものはこちらとしても参考にしているつもりですし、各府省からの要求では絶対出てこない部分ではありますので、そこは行政評価局と連携をとりながら各府省の評価書なんかもこちらも入手して、不要不急といいますか、行政需要の減った部門での減員は適切に反映していく必要はあると思っております。
   ただ、実際問題として、こちらからそこの部署はもう要らないでしょうということまで言うのはなかなか難しいんですが、そこはまさに増員要求と絡めて、おっしゃられたような不要不急の部署から行政需要の増加している部署への振り替えは、現状でもできる限りやっているところではございます。

【金本分科会長】     そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。ちょうど時間でもございますので、これまでにさせていただきます。
   それでは、武藤企画官、山口企画官、御多用のところ当分科会に御出席いただきまして、大変ありがとうございました。今日の御説明を今後の審議の参考にさせていただきます。どうもありがとうございました。

(総務省行政管理局、自治税務局 退室)

【金本分科会長】     続きまして、平成20年度における各府省の政策評価の取組状況と、もう一つ質の行政改革に関する取組について、事務局のほうから御紹介いただきたいと思います。また、連絡事項についても一緒にお願いいたします。

【松林政策評価官】     それでは、お手元の資料4と資料5として配付させていただいておりますものについて御紹介させていただきます。
   まず、資料4の「平成20年度における各府省の政策評価への取組状況」でございますが、これは平成20年度における各府省の政策評価に関する実施体制、調査研究、職員研修への取り組み状況を取りまとめたものでございます。細かい内容については省略させていただきますが、各府省の政策評価の実施体制につきましては、既に適切に整備されてきているところであります。また、例年同様調査研究とか職員研修につきましては、各府省独自の取組が見られております。
   また、この資料の14ページでございますけれども、平成21年度を始期として策定した基本計画に関しまして、警察庁、金融庁において政策評価と予算の連携強化を図るために計画期間の見直しを行ってきております。警察庁では従来暦年単位、金融庁では従来事務年度単位であったものをそれぞれ会計年度に改めております。
   次に、資料5の「『質の行政改革』に関する取組方針」でありますけれども、去る6月19日に総理出席のもとで、政策評価を担当する官房の審議官である各府省の政策評価審議官によって構成されます業務改革推進協議会が開催されました。お手元の「『質の行政改革』に関する取組方針」がその場で決定されまして、これまでの量を減らすいわゆる量の行政改革に加え今後は質の行政改革を図っていこう、顧客満足度等を向上させていこうということで、質の行政改革も量の行政改革に加えて取り組んでいこうという内容になっております。
   その中で、政策評価との連携を図っていく、業務工程改革の目標設定や達成状況の把握、公表について実績評価方式を積極的に活用していくこととされております。今後各府省がどのような目標を掲げて取り組んでいくかということにかかってくると思いますけれども、実績評価方式の活用につきましては、行政評価局としても積極的に各府省と協力してまいりたいと考えているところでございます。
   以上が資料の御紹介でございます。
   日程のほうでございますけれども、今後重要対象分野に関する御審議に移ってまいります。6月29日月曜日にワーキンググループ第1回目で、新しいテーマ選定の御議論をいただく予定です。それから順次7月13日、16日、21日にそれぞれワーキンググループ、7月29日水曜日に分科会を開催する予定としております。
   以上でございます。

【金本分科会長】     どうもありがとうございました。それでは、以上をもちまして今日の政策評価分科会を終了させていただきます。本日は大変ありがとうございました。

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政策評価・独立行政法人評価委員会
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