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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会委員懇談会(3月19日開催)議事録

日時

平成22年3月19日(金)13時00分から15時25分

場所

中央合同庁舎第2号館 総務省第3特別会議室

出席者

(政策評価分科会所属委員)
金本良嗣分科会長、森泉陽子委員、加藤浩徳臨時委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、白石小百合臨時委員、立花宏臨時委員、田辺国昭臨時委員、谷藤悦史臨時委員、堤盛人臨時委員
 (総務省行政評価局)
階総務大臣政務官、田中行政評価局長、新井官房審議官、江澤官房審議官、讃岐総務課長、佐伯政策評価官、椿評価監視官、羽室政策評価審議室長、荒木調査官

議題

  1. 行政評価機能強化の検討事項について
    (1)政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインについて
    (2)租税特別措置の政策評価について
    (3)規制における競争状況への影響分析について
    (4)平成22年度テーマ選定について
    (5)政策達成目標明示制度への対応について
  2. バイオマスの利活用に関する政策評価について
  3. 政策評価の点検活動について
    (1)政策評価の点検結果について
    (2)政策評価のチェックの重点化について
  4. 重要政策の評価のフォローアップについて

資料

会議経過

【金本分科会長】  それでは、時間が参りましたので、ただいまから政策評価分科会を開催させていただきます。
 本日は階政務官に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速始めさせていただきたいと思いますが、本日会議の前半は行政評価機能強化の検討事項について、前回いただいた議論を踏まえて御審議をいただきたいと思います。
 これについては3月26日に開催される第2回行政評価機能強化検討会において審議の上、行政評価等プログラムとして決定することとされてございます。
 それから、会議の後半にはバイオマスの利活用に関する政策評価、それから、政策評価の点検活動、それから、重要政策の評価のフォローアップ、この3つについて御審議をいただきたいと思います。
 それでは、まず議題1の行政評価機能強化の検討事項の政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインについて、事務局のほうから御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【佐伯政策評価官】  それでは、資料に沿って御説明させていただきます。
 資料1−(1)−(1)を御覧いただきたいと思います。「政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインのポイント」ということで資料を用意させていただいております。こちらを説明する形で進めたいと思います。
 まず、「評価書・要旨の作成等」ということで出ておりますけれども、こちらは政策評価法の第10条第2項で行政機関の長は評価書を作成したときは速やかに当該評価書及びその要旨を公表しなければならないということで、その公表の内容がここで決まってくるということで書かせていただいているということでございます。
 ポイントの1つ目でございますけれども、国民による様々な評価や判断に資するよう政策に関する情報を提供することは政策評価の主たる目的の一つであると。評価書については法定記載事項を明確に記載し、評価結果やそれに至るプロセスを行政の外部から検証できるようにすることに留意するということでございます。
 政策評価法の施行から8年が経ちましたが、自己評価ということでお手盛りではないかと言われることがよくあるわけですけれども、自己評価の信頼性を疑問視する傾向がまだ払拭できていないということは否定できないということであります。
 この行政情報の公開、提供を積極的に進めて、国民参加のオープンな政策決定を進めていくということは非常に重要なことでありまして、このガイドラインによりましてより積極的に情報の公表に取り組む姿勢を示すとともに、各行政機関がよるべき具体的な運用方針を定めるということでございます。
 それから、2つ目のポツのところでございますけれども、こちらは政策評価に使用したデータの取扱について述べさせていただいております。各行政機関にデータの名称、作成者、作成時期、調査方法、使用した集計表の所在情報などの記載を具体的に求めております。
 行政機関が自ら政策効果があると言っても、外部の人がそれを確かめるすべがなければその説明は説得力がないということでありまして、外部の人が検証しようとするときに、行政機関が使用したデータを特定することができるかどうかということに着目して情報を提供するということにしております。行政機関が自らを律するといいましょうか、緊張感を持って政策評価のデータも出していくということについて進めたいということでございます。
 3つ目のところですけれども、外部検証のための環境整備と研究者による公的統計の2次的な利用の推進についても述べさせていただいております。データが公表されましても、PDFやワードの形でありますと、後でデータをいろいろ分析しようとしても非常に不便であるというところがありますので、そこを解消したいということ。それから、研究者による公的統計の2次的利用というのは、専門家が行政機関が行ったこととは別に評価を行うことによって、全体として政策評価の質を向上させてくということにつながるのではないかということでございます。
 それから、2つ目の大きな事項といたしまして、「学識経験者等からなる政策評価に関する会議の公開等」について書かせていただいております。
 政策評価に関する会議を開催する場合には、その議事内容を公表するとともに、会議は原則公開とするということにしたいということでございます。この公開については一般傍聴を可能とすることや、インターネット配信等の工夫ができるのではないかということであります。
 それから、「その他」ということで書いてありますけれども、総務省がきちっとフォローアップを行うということでございますが、この取組に関連して、前回、堤委員のほうから各府省の公共事業評価マニュアルが散在して検証に不便というような御指摘をいただいております。それについてはこのガイドラインに載せてはおりませんが、早速これは取りまとめまして、年度内にも総務省のホームページで一括して公表するということを考えております。総務省においても主体的にやれることはやっていきたいと考えております。
 それから、このガイドラインの案につきましては、本日の分科会での御議論の後、今月下旬に開催予定の行政評価機能強化検討会に報告の上で、ひと月ほどパブリックコメントを行いたいと考えております。その上で、政策評価・独立行政法人評価委員会にお諮りして正式に決定したいと考えております。
 説明は以上です。

【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、御意見や御質問ございましたら、お願いをいたします。

【堤委員】  よろしいですか。

【金本分科会長】  はい。

【堤委員】  堤でございます。
 ちょっと日本語の揚げ足をとるようなことになってしまうかもしれないのですが、1の「評価書・要旨の作成等」の3つ目のポツの2段落目のところの「学識経験者等が実施する政策評価の研究に資する観点から」というところに関してちょっと御意見申します。
 何かこれだけ見ると、研究に資するということが目的のようで、当然読む人が読めば分かるのですけれども、せっかくですので、「評価の研究に資する」というところを、例えば「資することを容易とし、評価内容を批判的に検証、もしくは、吟味し」、ちょっと文章はごめんなさい、あれですが、「もって政策評価の高度化」という言葉を「政策評価の高度化に資する観点から」というふうに入れたほうがよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【佐伯政策評価官】  御指摘については、修正の方向で考えたいと思います。

【立花委員】  全体としては、私、大変結構なことで非常に是非実現していただきたいと思うのですが、要望というか、ちょっと私の不勉強だったらお詫びいたしますけれども、なろうことならば、ネット上にバーチャルな形で政策評価フォーラムともいうべきものを立ち上げて、こういった外部からの政策評価についての投稿を受け付けるとか、あるいは、それに刺激されて、私はこう思うと、私はこういうふうに評価すると、そこはそういう評価の仕方はおかしいのではないかとか、そういった議論がかみ合って、問題の所在なり、あるいは、そういった点が共有化されて議論が深まっていくのではないか。
 そういったことはもう既にそういったバーチャルな形で政策評価フォーラムともいうべきものをいろんな関係者からの投稿を受け付けて、それをオープンにしながら、さらにそれを見ていろいろまた問題提起していくという形で議論が深まっていく形が望ましいのではないかなと思いますので、もしそういった点がなければ、これからの御努力を期待したいし、もう既にあるのであれば、できるだけ利用しやすい形でさらに工夫していただきたいと、そういうお願いです。

【佐伯政策評価官】  本文の3ページを御覧いただきますと、この真ん中より下のところで、「各行政機関の国民の意見・要望を受け付けるための窓口については、その所在や受け付けることとする意見・要望の内容が国民にとって分かりやすいものとなるよう努めるとともに、意見・要望の活用の結果について公表するものとする」ということで、こういう取組をきちっと進めていきたいと思いますし、現在でも各行政機関でいろいろ国民の意見・要望を受け付けるというところは進めております。
 御指摘がありましたので、その取組をさらに充実させていくということで今後検討していきたいと思っております。

【金本分科会長】  よろしいでしょうか。ちょっと立花委員の言われていることと違うニュアンスのことかもしれませんが、よろしいですか。
 では、佐藤委員。

【佐藤委員】  1点、確認なのですが、これはタイムスケジュールというか公開のタイミングはどんな感じになるのでしょうか。つまり、政策評価が行われ、速やかな、半年以内とか、あるいは、1年以内とか、よくありますけど2年以内とか、そのスケジュール感はどんな感じですか。

【佐伯政策評価官】  評価書の公表ですか。

【佐藤委員】  データの公表です。

【柏尾上席評価監視調査官】  データにつきましては、すべて基礎的なデータについては、例えば公的統計については統計をとった時点で公表されます。評価書については、その裏付けデータの所在情報を記載することを基本としております。
 それで、求めがございましたらそれを開示すると、求められた人に開示するという形をとっております。やはり相当膨大なものですから、すべてをあらかじめ初めからホームページに掲載するというのはかなり容量的な問題がございますので、求めがありましたらそれを公開するという形でございます。

【佐藤委員】  では、基本的に既に各府省が公開しているデータのアドレスを教えてあげるというのをベースにしていて、あとは開示請求があればそのときに改めて開示するというやり方でしょうか。

【柏尾上席評価監視調査官】  はい。

【金本分科会長】  そのほか、よろしいでしょうか。何か。
 これは後ろのガイドラインが本文で、それを総務省と、行政評価局として分かりやすく説明するという文章という意味ですよね。

【佐伯政策評価官】  そうです。そういう資料でございます。

【金本分科会長】  そのほか、ございますでしょうか。では。

【小峰委員】  まだちょっとイメージがよく分からないところもあるのですが、例えばよく評価で住民へのアンケート調査とか、そういうのをやる場合があると思うのですけれども、こういったものはどういう扱いになるのですか。ここに行けばありますよという所在情報だけ伝えて、そこに行ったら必ず見せてもらえるというのはそれは確かなのでしょうか。ここにありますよということだけしか書いてないような気がするのですけど。

【佐伯政策評価官】  ありますということでお示しした上で、そこに行けば当然お見せするということかと思います。

【小峰委員】  でも、それは集計データですよね、きっとあるというのは。だから。

【柏尾上席評価監視調査官】  集計データです。

【佐伯政策評価官】  個別の調査票については個人名が入っていますので、それは無理だと思います。

【柏尾上席評価監視調査官】  個々の調査票情報につきましては、情報公開法で不開示であればそれはやむを得ないということです。

【金本分科会長】  そのほか、ございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。
 次は、租税特別措置の政策評価でございます。これにつきましても、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【佐伯政策評価官】  租税特別措置の政策評価の案件について御説明をさせていただきます。資料1−(2)−(1)から御説明をさせていただきたいと思います。
 国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与するということで、租税特別措置の透明化が進められているところであります。この取組はその一環として行うものでございます。
 前回の分科会では、特にガイドラインの内容についていろいろ御意見がございまして、そちらを反映させる形で評価の方法についてガイドラインの中で定め、案をつくって用意をさせていただいております。
 簡単にこの資料1−(2)−(1)に沿って説明させていただきますが、評価の方法で評価の対象、単位、実施主体についてここに記述があるとおりに定めさせていただこうということでございます。
 評価の内容については、まず1つ、事後評価によって必ず検証されることが重要だと、これは前回の指摘を踏まえて書かせていただいております。それから、事前評価については税制改正大綱において示された6つのテストを盛り込む形で必要性、有効性、相当性についてこういう形で決めさせていただきたいということであります。事後評価についても基本的には同じでございます。
 2ページに参りまして、評価の実施時期等につきましては、8月末に税制改正の要望が行われるということでございますので、それまでの適切なタイミングで行うということであります。
 それから、評価書の記載事項については様式を統一して比較可能な形にしていきたいということでございます。
 以上がこのガイドラインの内容でございます。
 続いて、資料1−(2)−(3)のほうで基本方針の改正案についても用意させていただいておりますが、こちらは前回御説明したとおりでありますので、説明は省略させていただきたいと思います。
 それから、前回の分科会の中で、どういう手順でこの租税特別措置に係る政策評価が活用されていくのかという御質問がございました。それが資料1−(2)−(4)で用意させていただいております「租税特別措置等に係る政策評価の実施スケジュール(想定)」であります。
 一番上に政府税調がありまして、こちらは租税特別措置に関する実質的な政策判断をしていくところということで書かせていただいておりますが、評価の実施主体は各府省でございまして、事前評価、事後評価を行い、8月末までに総務省に評価書を提出するということになっております。
 総務省では、これに対して税制改正作業に役に立つような点検活動をきちっと行って、適切な時期に評価情報を提供していきたいと考えております。
 その後、税調のほうで議論がされまして、大綱の決定ということで政策決定がされるということでございます。
 簡単でございますが、説明、以上でございます。

【金本分科会長】  ということでございます。
 これについては前回も御紹介いただきましたので、簡単に。
 では、立花委員、どうぞ。

【立花委員】  前回確か吉野先生が日本の国家としての競争力の低下といいましょうか、例えば標準化活動だとか、そういったことについてどう考えたらいいのだろうかという確か問題提起があったと思うのですが、私は基本的にこれで結構だと思うのですが、やはりこの租特についてはこの効果が単に国内だけではなくて、やはり特に企業の場合には競争がグローバルに展開していると。総理がおっしゃる東アジア経済との一体化とか、あるいは、これからの成長戦略の中でこういったグローバルな事業活動にどう対応していくかという面で税制は非常に大きな役割を持っているわけです。
 かつての産業政策というと独禁法の適用を除外するとか、あるいは、政策金融をつけるとか、あるいは、規制で産業を縛るとかいろいろ手立てがあったのですが、最近はこの租特が産業政策、競争力の大きな決め手になってきているので、やっぱりそういった点も是非考慮に。
 このポイントのところでは、波及効果や地域ごとの発現状況についても把握するように努めるということで、これは前回こういった提起があって、私も一部申し上げた点がありますが、是非グローバルな競争の中でのこの租特をどう評価するかという視点も、確か前回どなたかおっしゃったと思うのですが、その辺も是非お忘れなく御配慮いただきたいということだけ申し上げておきます。
 ありがとうございました。

【金本分科会長】  それは一応抽象的にいろんなことを書いてありますが、そういったことも入るということは当然のところですね。

【佐伯政策評価官】  はい。

【金本分科会長】  では、佐藤委員、どうぞ。

【佐藤委員】  前回休んでいるので、もしかしたら議論があったかもしれないですが、事後評価なのですけれども、どういうのをイメージしているのかと。つまり、サンプリングをかけていわゆるミクロベースで、個票ベースで。
 ただ、今の御指摘にあったように、例えばグローバルに展開する企業に対する効果としているんであれば、そういう例えば具体的な企業の個票ベースでこういう事後的な評価を、サンプリング調査をするのか、あるいは、結局、よくありますけれども、何か開発、R&Dの税額控除をやったら研究開発費全体でこれぐらい伸びますという、そういうマクロベースの評価にとどまるものなのか、何かそこのあたり、具体的な手法とかのアイデアはあるのでしょうか。

【佐伯政策評価官】  基本的には、租税特別措置の全体の効果の発現状況を見ていくということで考えております。
 なかなか個別のところまでの分析をしていくというのは大変なところもあるかと思いますが、できるだけ詳しい分析をしてもらえるように、各府省には言っていきたいと思っております。

【階政務官】  よろしいですか。

【金本分科会長】  どうぞ。

【階政務官】  今の御指摘、私、政府税調のメンバーでもあるので大事なところだと思うのですが、先生のお考えだと、マクロでやるのとミクロでやるのとどっちがいいとかというのがもしあれば、教えていただけますか。

【佐藤委員】  おそらく、よくある、まず何を求めているかだと思うのですね。つまり、最終的なのは経済政策で潜在的成長率云々とおっしゃるのであれば、マクロでもできると思います。
 ただ、マクロの場合は因果関係がはっきりしないというか、つまりいろんなファクターがありますので、よく出てくるのがR&D税額控除が増えましたと、その結果として研究開発費がこれぐらい増えましたというのですけど、別にほかの要因もあり得るわけです。たまたま景気がよかったとか。
 ですから、やっぱりそうなってくると、やっぱりマイクロベースに落として、それぞれの個票の企業の規模とか従業員の数とか収益、これまでの収益であるとか、そういった要素を加味した上で、じゃあ、ネットのインパクトはどれぐらいあったのかと、ほかの要素をコントロールした上で、というのであれば、これはデータの数の問題なのですが、やっぱりミクロベースで研究したほうが正確な結果は出てきやすいということになると思います。
 あと、よくあるのは大企業に対する効果なのか、中小企業に対する効果なのか、その効果の波及するところを見るという上でも、あと、地域的な、という場合はやっぱりミクロベースのほうが正確に知ることはできる。
 ただ、先ほど指摘がありました、当たり前ですが、データを集めるのが大変という、そこのコストがあります。

【階政務官】  ただ、そのデータを集めることについては、今回租特の適用を受けようというところには別途資料を出させるというふうにしていますので、データを集める体制は整備されてきているので、今おっしゃったようなことも少し考えながら、どのように事後評価をしていくかというのを少し考えたいと思います。
 ありがとうございます。

【金本分科会長】  この辺、アメリカと日本と非常に違うのは、アメリカの場合ですと税に関してかなりミクロなデータを、公表、公開ではないですが、研究者あるいは政府の中のエコノミスト等が使って、ミクロベースの分析をして効果を見ているというのがあります。その点が日本は全くしていないと。データは国税庁の中にあるのですけれども、使われてないと。そんなところだと思います。

【森泉委員】  よろしいですか。

【金本分科会長】  どうぞ。

【森泉委員】  今、政務官がおっしゃっていましたけど、データの件と、それから、マイクロベースというのは今、分科会長と、それから、佐藤先生がおっしゃったように非常に重要で、少し統計的な処理をしたほうがよろしいと私は思います。
 データはたくさんあるとおっしゃっていましたけど、実はいつもデータは半分しかないのです。要するに、種類にもよりますけど、既に租税特別措置があって額を増やすという場合は、それはデータは簡単なものです。しかし、初めて導入した場合には、それを受けなかった人と受けた人というのを、ランダムに両方データとしてとっていただかないと効果の発現の程度は分からないのです。これはよく統計的なことで言われることなので、是非ランダムに両方とっていただきたいということを要望したいと思います。

【金本分科会長】  では、どうぞ。

【谷藤委員】  こういう政策評価そのものが最終的な税制改正作業と言われるようなものにきちんと反映させていくという観点から少し申し上げたいと思うのですが、各府省が事前評価、事後評価をやりますね。その後に総務省が評価の点検をやりますね。その事前評価に対して、総務省がある種の意見と言われるようなものを出しますね。
 それをあわせて、それを並列的に税制改正作業のところに上げていくのですか。あるいは、各府省と総務省の点検と言われるようなものをもう一回突き返して、それによって各府省とのこういったところからもう一回見直せというような作業をやって、最終的な報告書として税制改正作業のところに上げていくのかというようなこと。
 それから、ガイドラインの中には、総務省の位置付けと言われるようなものが必ずしもここは明示的ではないですね。各府省で事前評価と事後評価をやれということを書いていますね。その後の点検作業がどうなって、それがどういうふうにして統合されていくかというふうなことが必ずしもガイドラインでは明示的ではない。
 このいわばスケジュールでは何となく分かりますよ。だけど、最終的なでき上がってくる成果物がどうなるのかというようなことがもう少しここのところではイメージがされないということなのですね。ここはどういうふうにイメージしたらよろしいですか。

【佐伯政策評価官】  まず、各府省に対しての点検の結果どうするかということですけれども、もちろん各府省に対して、効果とその手段の関係がはっきりしないとか、そういう点の指摘は当然していきたいと思いますし、そういう中で、各府省がそれを修正するということになればそれでよろしいかと思います。
 やはりこの実際の税制改正作業に役に立つということで考えますと、それだけのことをやって返してまたやりとりをやってというのはかなり時間がタイトであるということはありますので、そういう問題点があるということに関して、税務当局、税調等に各府省と調整がついていなかったとしても、我々の発見した問題点はきちんと伝えていくという形で、両方向でやっていくのかなと考えています。

【山口総括評価監視調査官】  2点目の御指摘については、これまでの政策評価の実施のガイドラインにつきましては、私どもの活動についてはあまり書いていないのです。各府省の自己評価の取組を規律するものとして書いているわけですけれども、確かに我々の点検活動については政務官からもしっかりやるようにという御指示を受けておりますし、御指摘を踏まえてどういうふうにこのガイドラインをつくるに当たって書き込むことができるか、できないか、あるいは、別途出すことが適切か、そこは少し検討させていただきたいと思います。御指摘を踏まえて、早急に検討したいと思います。

【金本分科会長】  要するに、このガイドラインは各府省がやることについてのガイドラインで、行政評価局がやることについてのガイドラインではないという。

【山口総括評価監視調査官】  そうです。

【谷藤委員】  それは分かっているのですけれども。

【山口総括評価監視調査官】  その上で、盛り込むべきであるというお考えと理解します。

【谷藤委員】  その上で一体何なのかという、ここの位置付けがきちっと明確になっていかないと、統合した政策評価にならないでしょうということになってくる。ある点検だけだったら、いわゆる税制改正作業にも役立つような十分な意味を持ち得ないだろうというふうなことを考えているわけです。

【山口総括評価監視調査官】  検討の上、御報告をさせていただきます。

【金本分科会長】  そのほか、ございましょうか。では、田辺委員、どうぞ。

【田辺委員】  今との絡みなのですけれども、透明化法で確か政務官がおっしゃられたように、法人から出させてそのデータが行くと。ただ、そこの部分が何もこのガイドラインに書いてないというところがありまして。
 つまり、評価法の中のガイドラインで書いてはいるのですが、透明化法で例えばそのデータが法人に関して国税庁のほうに行ったと。これ、国税庁に行くのは書いてあるのですが、そこから先、やれと言われている各府省にどういう形でそのデータが渡っていくのか、それをどういう形で利用していただくのかということに関しては、特に事後に関してはそれが必ずできるはずなのですが、あまり書いてないですよね。それはいいのかなというところがございます。
 抽象的に書いてあれば分かるといえば、分かる人には分かるのだろうと思いますけれども、ただ、分からない人、つまり国民からどういう形でこれをやっているのだというところで、正確性とか何とかいっても、どういうデータが流れていくのだというその流れを見せるというのはガイドラインの中にもある程度書いておいたほうがいいのではないのかなと皆様方の議論を聞いて感じたものですから、一言発言させていただきました。

【佐伯政策評価官】  その点に関して、透明化法の中で、各行政機関の長は政策評価を行うため、財務大臣に対して適用実態調査により収集した情報の提供を求めることができるという規定がございまして、各行政機関にそういう情報がきちっと行くということは担保されております。

【階政務官】  いいですか。
 先ほど佐藤先生がおっしゃったどのような調査をするかということとも絡めて、ちゃんとガイドラインに書き込んだほうがいいなと確かに思いましたので、ちょっとそれは検討させてください。

【金本分科会長】  そのほか、では、白石先生、どうぞ。

【白石委員】  ちょっと余計なことかもしれないのですけれども、各府省が行う事前評価、事後評価にしろ、総務省の点検活動にしろ、しっかりしたものを、効果をちゃんと調査しましょうとか、評価しましょうということをやろうとすればするほど、それなりの体制なり、予算なりが必要になってくるかと思います。
 非常に皆様、頑張って仕事をなさるとは思うのですが、体制作りなり、予算なりがなければしっかりしたものはできないのではないかと思いますので、この辺の検討もよろしくお願いしたいと思います。

【金本分科会長】  その辺は事務局が分かっているとは思いますが。どうぞ。

【階政務官】  今のことは予算のほうは政治が責任を持つ分野だと思うのですが、考えておりますのは、租特というのは予算の裏側の話であって、予算と同じように大事だと思っているのです。この租特の分野についてはなるべくこの評価局の中でも重点的に取り組めるように、これから体制などを構築していきたいなと思っております。
 その上で、予算を増やせるかどうかというのは、こういう御時世ですのでちょっとそれは持ち帰り、検討させてください。

【金本分科会長】  そのほか、ございますでしょうか。では、堤委員、どうぞ。

【堤委員】  1点確認なのですが、今回、増収になる場合は完全に排除してというふうに読めたのですが、そういう理解でよろしいですか。

【佐伯政策評価官】  そういう理解で結構です。

【金本分科会長】  では、加藤委員。

【加藤委員】  複数の租特が同じものに影響を与える場合、つまり、租特間の相互関係がある場合には、どういう評価をする方針でいるのでしょうか。

【佐伯政策評価官】  基本的には個別に評価をして、その中でそれぞれの措置の効果の発現状況を見るということで考えています。ほかの措置が別の措置に影響を与えるということが考えられる場合には、それについても分析をして情報として出すことになると思います。

【金本分科会長】  制度上、建前の構造は要求官庁が評価をするというのが基礎にあって、その場合に、ほかの官庁の要求が効果を及ぼしている場合には、その要求を行った官庁の責任でそれも考慮しろというのが基本的な今の姿だと思います。
 もし、うまく話がつけば、複数府省で合同で評価というのもしてもいいということはあるんでしょうね、多分。ただ、その辺はまだこのガイドラインの中では細かくスペックは決まっているわけではない。各府省がこれから頑張っていく、そういう構造だと思います。

【佐藤委員】  全く同じ考えなのですが、そうしないと、案外縦割りでほかの府省のことは考えないぞというような立場をとるのは嫌だなと思ったので、是非とも複数の府省で話を聞いて、まとめて評価するというような体制もある程度入れておくというのがいいのかなという気がしました。
 以上です。

【佐伯政策評価官】  そちらについては、その中身について検討させていただきます。

【金本分科会長】  もしほかに御意見がある場合にはまた後ほど事務局のほうにお願いして、次の「規制における競争状況への影響分析について」のところに入りたいと思います。
 事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【佐伯政策評価官】  資料1−(3)−(1)の資料を御覧いただきたいと思います。「規制の事前評価における競争状況への影響の把握・分析の活用(例)」ということで挙げさせていただいております。
 規制も政策の一つということでございまして、政策決定プロセスをこの表の真ん中に置かせていただいておりますけれども、企画・立案、パブコメ、各府省の中での意思決定等を経て、内閣によって閣議決定という形で意思決定がされるということでございます。
 今回お諮りしておりますのは、規制の事前評価におきまして、この競争状況に関する具体的なデータの把握・分析を試行的に行っていってはどうかということでございますけれども、こういう分析を行って客観的なデータを得ていくことによりまして、スムーズで客観的な政策決定に貢献できるのではないかということでございます。併せて、国民に対して評価書が出されることによりまして、説明責任が果たされていくということで、そういう効果もあろうかと思います。
 実際は、資料1−(3)−(2)を御覧いただきたいのですけれども、対応方針としましては、公正取引委員会と協力をいたしまして作りましたチェックリスト、チェックリストは1−(3)−(4)でございますけれども、15項目ほどで簡易なものとなっております。規制に関する事前評価を行う場合にはこちらを作成するという取組をきちっとやってもらう形で試行は進めていきたいと考えております。
 説明は、簡単ですが、以上でございます。

【金本分科会長】  それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問と御意見がございましたら、お願いをいたします。では、まず小峰委員、どうぞ。

【小峰委員】  すみません。直接これの問題ではないのですけれども、規制の事前評価ということで、ついでにと言っては申し訳ないのですけれども、今、労働法制の規制について派遣等の規制が検討されていると思うのですけれども、こういったものについては事前の評価、これをやることによって雇用にどういう影響が出るのかということは何かまだあまり見たことがないような気がするのですけれども、やることになっているのかどうかということを教えてください。

【佐伯政策評価官】  やることになっておりまして、我々のほうにもその評価書が来ております。

【柏尾上席評価監視調査官】  昨日届きました。本日閣議決定でございまして、昨日私どものほうに評価書が届けられまして、ホームページにはまだちょっと出ていませんで、近日中に載る予定です。

【階政務官】  ちょっと関連して。このポンチ絵を見ていただくと、その政策決定の前に今のような評価を、評価というかデータというか、そういうのを国民に公表することになっているのですけれども、今おっしゃったのだと、閣議決定がもうなされるかどうかというタイミングで出されてもあまり意味がないような気がするのですけれども、そこはちゃんとこのポンチ絵のように改善はできるという理解でよろしいですか。

【佐伯政策評価官】  これについては従来から指摘を受けているところでございまして、各府省に対して政策決定プロセスの中の初期の段階で評価をしていくようにということは常に言ってきているわけなのですけれども、なかなか実態としてそれはできていないというところであります。
 各府省に対してはそういう早い段階でやっていくことを徹底していくということを今後続けていきたいと思います。

【金本分科会長】  という、法制度上は最後の閣議決定の前に出せということしか言えないと、権限上言えないということになっておりまして、各府省の自主的な対応に任せざるを得ないというのが現状でございます。

【小峰委員】  ただ、政治的に最後の段階で急に決まったりすると、事実上全く余裕ないですよね、事前評価をして公表しても。だから、そもそも何かできないんじゃないかと。いろんな形で政策決定されますけれども。

【金本分科会長】  政治的な形で最後に決まるというのも、その前にいろいろ検討はされていますので、イギリスのように3段階に分けて最初のステージ、中間ステージ、ファイナルとかそういう格好で評価をしていくというのは可能ではあるとは思います。現状ではそれをやることは義務付けられてはいないので、行政評価局として直接対応するのはなかなか難しいという状況だと思います。
 では、立花委員、どうぞ。

【立花委員】  まず、今、階政務官がおっしゃった点は非常に私、大事で、是非本当にこれは長年の課題なものですから、お力添えいただきたいなと思っております、ただいま御指摘のあった点は。
 それから、ちょっと2、3、この規制の事前評価に関連して質問と、それから、ちょっとコメントを申し上げたいと思うのですが、1つは、今、規制の新設あるいは改廃によって何らかの影響、インパクトをもたらすことはこれはプラス、マイナス、避けられないわけですが、要はイノベーションの妨げにならないような配慮が必要だろうという感じがするのですね。
 それに関連して、このチェックリストを見ると、公正取引委員会は日本の国内の事業環境の整備というか、公正な競争、あるいは、不公正な取引の防止ということが主眼にあるわけですが、事業活動は御案内のとおり国内で終始するのではなくて、当然グローバルに展開するわけで、規制緩和が場合によってはいろいろ国内的にはフリクションを起こす、だけれども、それによってグローバルな競争力を持ち得るということが大いにあり得るわけです。
 その辺の矛盾といいましょうか、場合によってはその辺はこれまでの政権のように放らないで、社会的政策としてそういった競争の痛みをどうやって緩和していくかということと同時に、規制緩和によってイノベーションをもたらし、それによって国際的な競争力を持つという点、この視点は非常に大事なわけで、両方必要だろうと思うのですが。
 このチェックリストを見ると、やはり公正取引委員会がお考えになったのがどうか分かりませんけれども、非常に国内競争、国内のマーケットを中心に見ているような感じで、やはりグローバルな国際競争への展開への対応という視点も是非盛り込んでいただきたいなという点が1つ。
 それから、2つ目が、イノベーションの激しい分野というと当然通信の分野、ITの分野、ICTの分野がそうなわけですが、この場合、情報通信の場合には日本だけちょっと特殊な規制をとっていまして、規制形態といいましょうかね。アメリカ、ヨーロッパはいわゆる公正取引委員会、アメリカの場合には連邦取引委員会、そういった公取とは別の組織がこの非常に今イノベーションの激しい分野だけに第三者委員会的な感じで規制の評価、それから、場合によっては政省令に当たるルールメーキングを担っているわけで、日本はこの辺は、この点は改革の途上にあるのだろうと思うのです。
 その場合、現状では私ども、総務省に伺いますと、「日本は情報通信の分野の振興部門と規制部門といいましょうかね、レギュレーションの部門は、確かに一体のほうがプラスが多いという評価をしているのだけれども、それでも、総務省としては通信については確か苦情処理委員会もつくって、第三者的な委員会をつくって、そこで規制のこういった導入の評価もやっている」ということなので、総務省行政評価局と公正取引委員会ということがありましたけれども、通信分野、場合によっては放送も入るかもしれませんが、この点についてはそういった第三者的な委員会への発展途上にあるのだと思うのですが、今の苦情処理委員会、あの機能もどう評価するかという点も、あるいは、この機能をどう使うのかという点もちょっと頭の隅に置かれたほうがいいのではないかなという点と。
 それから、3つ目は、今の小峰先生の御質問と関連しますが、かつて国営企業だったものが民営化されたと。民営化途上にあるものがいろいろ政策決定によって場合によってはまた規制を強化する、あるいは、規制を緩和するという、そういったテーマがあるわけですが、こういった国営事業絡みの今改革の途上にあるものについても、この検討対象になるのかならないのか、その辺をちょっとお聞きしたいのですが。

【佐伯政策評価官】  それでは、お答えいたします。
 チェックリストについて、国内の競争について特化しているのではないかというお話がありました。このチェックリスト、公正取引委員会と協議して作っておりますので、向こうとも相談しながら、国際競争の観点からチェック事項を入れることができるかどうか、これを検討させていただきたいと思います。
 それから、2つ目の点は、ちょっと我々の所掌を越えているようなお話かと思いますので、ここではなかなかお答えできないかなということがございます。
 それから、3つ目のかつて国営企業であったものが民営化された場合にどういう扱いになるかということでございますけれども、その点については、この「政策評価に関する基礎資料集」という青い冊子があるかと思いますけれども、こちらの25ページに、事前評価が義務付けの対象になるものはどういうものかということで、その義務付けの対象外となるものとして、IIの1の(1)の(1)の真ん中あたり、この2つ目のポツで書かせていただいておりますけれども、「法令上国との間で一般国民とは異なる特別の関係に立つ法人に対し、当該法人のみに適用される規定」というのは、それを改正したりする場合には規制の事前評価の義務付けの対象にはなっていないということであります。
 それで、その国営企業だったものがその後民営化されてという場合には、こういう特別な関係にあるかどうかというあたりがその判断の基準になるかと思います。国が100%株式を持っていて、一般の企業とは違う関係にあるというような場合には、おそらくその事前評価の義務付けの対象からは外れてくるのかなということです。

【金本分科会長】  ちょっと今の話は、基本的にこの規制については法令、規制の法令に関して評価をするという話ですので、その法令を、例えば民営化したときに民営化された企業に対する何らかの法令を多分つくりますが、その法令について評価をするというのは基本的にあると見ていいのではないかと思います。
 では。

【森泉委員】  ちょっとお聞きしたいのですが。このチェックリストはこういう形で最終的に既に決まっていて、例えば公取でもどこでも、規制に関する何かをしようとする部署がこのチェックリストをどこかへ投げかけてチェックしてもらい、それをそこの府省がまとめたのを総務省で評価すると、そういう形なのでしょうか。

【佐伯政策評価官】  このチェックリスト自体、まだどこかで決めるとかそういうものではありませんで、公正取引委員会が中心になっていろいろな海外の先行事例などを見ながら作らせていただいたものであります。ですから、これでもう全然変わらないとか、そういうものではありません。

【森泉委員】  記入は。

【金本分科会長】  記入は各府省がやる。

【森泉委員】  各府省がやるわけですか。

【佐伯政策評価官】  記入は各府省で。

【森泉委員】  そうですか。

【佐伯政策評価官】  規制に関する事前評価を行う各府省が。

【森泉委員】  そうすると、個別の業界が例えばこれに答えるということではないのですね。

【佐伯政策評価官】  違います。そういうことではなくて、各府省のほうで記入をすると。

【森泉委員】  そうすると、全部予想して記入するのですか。

【佐伯政策評価官】  予想するか、調査をかけるかというのはありますが。

【森泉委員】  予想ですか。

【佐伯政策評価官】  はい。

【森泉委員】  要するに、心配しているのは次のことです。全部、イエスのほうで1、ノーで0の答えを書くと、まずそこは1、0で数量化をされています。次に、いろいろの理由が書いてありますが、それについては、どのようにして評価するかという手法が分からなかったのです。

【佐伯政策評価官】  おっしゃるとおりで、はい、いいえで答えられないものがあると思いますので、ちょっとこの作りがこれでいいのかどうかというところも含めて検討したいと思います。

【金本分科会長】  では、田辺委員、どうぞ。

【田辺委員】  2点か3点だと思いましたけれども、1点目は全体の話なのですけれども、こちらの資料1−(3)−(1)のところで出ていますけれども、これは一般的にはパブリックコメントのときにそのRIAの結果というのを関連資料として添付するということになっていると思いますので、できるだけ早期にというと何もやらないので、最低限ここのところだけは守るようにというところはチェックして徹底いただきたいというのが1点目でございます。
 これ、例えばRIAの中にこの競争評価というのを入れたときも、同じようにこのパブコメの段階でこの文書というのが見られるようしておくというのは最低限必要なのではないのかなと思っているので、そこのところの徹底をお願いしたい。

【佐伯政策評価官】  徹底をしていきたいと思います。

【田辺委員】  それが1点。
 2番目は、チェックリストなのですけれども、私、これ、ありていに言うと、今大体RIAにかかってくるのは年間100件ないのではないかと思うのですけれども。

【佐伯政策評価官】  21年で106件ということになっております。

【田辺委員】  106件、100件前後ですよね。

【佐伯政策評価官】  はい。

【田辺委員】  大体これ、ほとんどのものは簡単に言うといいえで終わってしまうものなのだと思うのですね。これ、本当に問題になるのは3件ぐらいですし、本当に問題のあるのは非常に分析が難しいところなので、結局これの持っている意味というのは、規制を入れるときにそれが市場に影響があって、それが独占市場をつくってしまってマイナスになるというところを各規制をかける側は考えてくださいと、そこの自覚を促すものなので、細かくやるというところよりも、むしろその状況に関して一応考えてみましたよというところで、あとは非常に将来的な競争状態がどうなるかというのは不確実性が高いものですし、あと、それをやるのだったら、RIAの実際のところでも2次マーケットの影響を全部コストとベネフィットのところに入れないといけない分析になるので、そもそも難しくなるのですね。
 そこのところは、あまり過大な、要するにこのチェックリストを長くすればいいというのではなくて、短く、ただ考えましたよというところを埋めるような、手続として埋め込むというところが一番大切なのではないかなと思っていますので、そこのところをあまり過大な期待をかけずにやっていただきたいということでございます。
 以上、2点です。

【佐伯政策評価官】  2点目につきましてはできることからやっていくと、負担の小さい形でやっていくということで進めていきたいと思います。

【金本分科会長】  次のテーマに進みたいと思いますが、御意見、御質問ございましたときは、事務局のほうにお願いいたします。
 続きまして、平成22年度に総務省が行う評価のテーマ選定について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【讃岐総務課長】  それでは、次、1−(4)という資料、「平成22年度における政策評価テーマ選定について」、併せて、机上にお配りしているA3の非常に大きな紙、左上に席上配付、本日委員限りということで、本日は回収させていただく、こういう前提の資料、この両方の資料で御説明させていただきたいと思います。
 まず、資料1−(4)の束のほうですけれども、1枚おめくりいただきますが、「政策評価テーマについて」と書いてございます。本日御議論いただきますのは、総務省行政評価局が自ら行う政策の評価、これは各府省では取り組めない、府省横断的な政策について統一性、総合性を確保するために行う、そしてまた、当局の出先機関の調査、実態把握を通じて行う、そういう評価のテーマとその計画についてということでございます。
 これは最初の3行に書いてございますが、1行目に、毎年度、当該年度以降3年間についての計画を定めるということで、これは政策評価法に基づいて3年計画として定めるという仕組みになっております。
 今大体、私どもの体制の関係から、年金記録確認第三者委員会に人がとられているということから、政策評価については大体1本、毎年新規に着手するテーマは1本ぐらい、3年間ということですので3、4本ということで御議論いただいてきたということでございます。
 この場での御議論を踏まえ、また、本年は冒頭、金本分科会長からございましたけど、3月26日、行政評価機能強化検討会という有識者会議、金本分科会長、田辺先生、岡委員長にも加わっていただいておりますけれども、その場でのオープンな議論を踏まえて決定していくということです。この2にございますように、そうして決定していくプログラムが、当局の様々な業務の基本的な方針を定めるものとして総務大臣が決定する行政評価等プログラムということで、新年度からの計画として決めさせていただくということでございます。
 それでは、中身ですけれども、2ページ以降がいわばその計画の文章の形でございます。
 2ページから4ページまでは総論的なものでございます。これは、今年度は行政評価局の機能強化が求められているということで、それぞれの評価の実施に当たってはそれぞれの政策の公開度、説明度の徹底であるとか、あるいは、国民との対話というようなことを念頭に置きながら、また、行政のパフォーマンスの改革、改善に資するような取組を推進していく、そのために、調査機能を非常に実効性のあるものとして活用していくと、こういう趣旨を記載しているものでございます。細かい文章についてはここでは時間の関係等から説明はいたしません。
 それで、具体的なテーマについては5ページ以降でございます。
 5ページのところで箱の中に書いているものが、総務省が行う各府省横断的な政策についての統一性・総合性確保のための評価の、向こう3年間のテーマとして考えているものでございます。
 ここに4つございますけれども、黒丸のところは既に昨年の3か年計画に入っていて、これからの3か年計画ということでまた計画として載せていくかということです。白丸のところが本年度新しくテーマとして入れていくと考えているものでございます。星印にありますとおり、バイオマスと児童虐待については今既に実施中でございます。
 6ページ以降が今の詳細設計ということでございますけれども、A3の紙のほうを御覧いただければと思います。これがいわば政策評価のみならず、私どもの行政評価局で調査機能を使ってやろうとしている調査テーマとして検討をしているものの全体像でございまして、この全体像をまた3月26日の行政評価機能強化検討会にかけて、ご議論いただきながら決めていくというふうに考えているものでございます。
 この中から、政策評価についてという先ほどの4つ挙がったテーマを黄色のマーカーで引かせていただいているところでございます。
 上にありますとおり、大きなテーマ、柱立てとして税金の無駄遣いの排除、それから、国民の命と生活という大きな政権の方針に沿ってそれを推進していくためにどのようなテーマが適当かということでございまして、マーカーを引いてあるテーマについて、この紙で簡単にコメントしながら御説明したいと思います。
 改めて、資料1−(4)のほうは6ページ以降でございますので、両方御覧いただきながらと思います。
 第1に挙げているテーマですけれども、これは昨年から挙げているテーマですが、法科大学院の教育と司法試験等との連携等による法曹の養成でございます。法科大学院の教育についてはなかなか合格率にばらつきがあるとか、当初の想定どおりでない様々な問題が指摘されているところでございます。
 これにつきましては、法務省と、教育という面では文部科学省ということで、その教育内容について法務省と文部科学省の連携が十分に図られているのか、さらに、その後の法曹の養成という意味でも連携が図られているのかということの効果を十分に把握する必要があるのではないかということで、検討テーマとして挙げさせていただいております。
 一方で、2つ目のポツにありますとおり、法務・文科両省でやはり問題意識を持って今年の2月から検討ワーキンググループを定めていて、本年半ばを目途に問題点・論点を整理中という状況でもございます。昨年から、教育内容の評価となることについてはどうか、さらに、評価実施時期、制度の何らかの見直しに向けて一番適切な時期はいつなのかというようなことについて御議論があったところでございます。
 2つ目が食育の推進でございますけれども、これにつきましては資料1−(4)では7ページです。ポツの2つ目にありますとおり、平成18年3月に立てた食育推進基本計画が22年度中に改定予定という見直しの時期を迎えておりますけれども、一方で、昨年の事業仕分けを踏まえて、これに関連する様々な事業の見直しを行っているという状況でありますので、それを踏まえて今どうとらえるのかということでございます。
 ヒートアイランド対策についても同様にヒートアイランド対策大綱が平成16年3月につくられ、22年度中に改定予定でありますけれども、同じように仕分けの中で様々な議論があったということでございます。
 4つ目、これが白丸ということで今年初めて挙げさせていただくテーマ、テレワークの推進ということで、資料1−(4)は9ページでございますけれども、御存じのとおり、テレワーク、ICTを活用した自宅での勤務等々ができるような仕組み作りということでございまして、これを推進するための様々な施策、これは通信を所管する総務省、それ以外にも、ほとんど全府省に及ぶような政策体系の下で目標が定められております。今の目標は平成22年度までにテレワーク人口を20%にすることで、その目標期間は本年度中でございますが、一方で、「子ども・子育てビジョン」の中で既に次の一定の目標も示されている、こういう状況でありますが、なかなか20%の推進も十分に図られていない、こういう指摘もございます。
 実際にどのように効果が本当に出ているのか、それぞれの施策の効果が出ているのか、何らかの改善というものが必要なのか、こういったことを横断的な評価の中でとらえていく必要があるのではないかという問題意識で検討テーマとして挙げさせていただいたものということでございます。
 この4テーマについて、本日御議論をいただければと思っております。
 私からの説明は以上です。

【金本分科会長】  残念でございますが、政務官、公務の御都合で御退席のようでございます。どうもありがとうございました。
                          (階政務官退席)

【金本分科会長】  それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、お願いをいたします。どうぞ。

【小峰委員】  テレワークのことなのですけれども、資料の9ページに目標が20%に対して現代というか平成20年で15.2%がテレワーカーという記述が出ているのですが、何かすごく既に多いなという感じがするのですが。
 この定義だと思うのですけれども、モバイルみたいなものを使って勤務地以外で仕事するのを8時間以上ということだと、例えば私なんかもそうですよね。自宅で研究することが多いので、それで、パソコンを使ってネットワークを使っていますから。そうすると、ここら辺に座っている人、みんなテレワーカーかということになって。
 何かそもそもそういう人を増やして政策目的に何か沿っているのだろうかという。もともとの20%というそのもとがどうなっているのかというのに大変疑問があるのですけれども、どうでしょうか。

【讃岐総務課長】  正に先生がおっしゃったとおり、この15.2%とは実感ともかなり乖離しているような気がします。先生がおっしゃったとおり、今、1日8時間以上モバイル等を使って仕事をしている人を幅広くテレワーカーととらえた指標によって、こういう目標が公表されているわけですけれども、そういった目標の是非というようなことも当然あると思います。また、実際に本当の意味で実質的なテレワーク推進を図っていくためにどのような政策が本当に効果が上がって、実質的にどのように推進していったらいいのか、あるいは、推進に当たっての問題点があるのかといったことをよくデータをとりながら把握し、分析していこう、こういう問題意識で取り上げたものです。

【金本分科会長】  そのほかに何かいかがでしょうか。
 今日これについて何を議論する予定だったのでしょうか。

【讃岐総務課長】  このテーマを選んだ上で、また、さらに実際の設計のときには実際この場で御議論いただくようなことになりますけれども、このようなテーマで今の3か年計画、3か年で取り組む予定テーマとして挙げるということについてどうかということと、もう一つは、それを挙げる場合のこの6、7、8、9ページに書いてあるような視点、今の段階での視点について何か深めるようなものがありや、なしやというようなこと、そのほかいろいろ御意見があれば御自由にいただければと。

【田辺委員】  すごく、今までの経験から言うと、これ、例えば22年度着手するといたしますと、報告して勧告するのは23年。

【讃岐総務課長】  22年度のいつぐらいの時期から着手するかということにもよりますけれども、報告時期をもっと早めないと、タイムリーに報告できるよう一生懸命早めないといけない、こういうことでもありますけれども、22年度に着手するということですので、22年度、一番早くから着手しても今の標準的なやり方だと最初に業務開発として当省での勉強期間、次の4か月で実地調査を含めたデータ収集と、それからの取りまとめということになりますので、23年度のどこかの時期というのがこれまでの通常の時期だと思います。

【田辺委員】  それをお伺いすると、その上にある児童虐待防止とか自殺対策というのは今のタイミングで出すということはすごくベストで、なかなかいい予見をしたなという感じがするのでありますが、その次の4つの、特に前の3つはこれは23年にやってもおそらく22年度中に各府省で結論を出してしまって、もう次こうやりますよで、その後、後の祭りみたいに評価の報告が行くような気がしていまして、あまりそのタイミングがよくないなという感じがしているのですけれども。

【讃岐総務課長】  正に2つ目、3つ目、食育やヒートアイランドの仕分けを含めた非常に大きな見直し、予算措置、それを踏まえたかなりのいろいろな方向性などが議論されているということかと思います。
 法科大学院については正に今議論が始まったところですが、実質的に本当に意味のある見直しが行われるのかということを見ていくというのもあるのかと思います。
 よく御議論を踏まえて検討したいと。

【金本分科会長】  そのほか、ございますでしょうか。では。

【加藤委員】  テレワークをするとよく交通需要が減ると言われるのですが、結果的には逆に交通需要が増えるとも言われています。その結果、CO2は逆に増えるかもしれません。原案では、テレワークがよいことだという前提で書かれているのですが、テレワークがネガティブな影響を与えるという観点からも是非とも評価をしていただけるとありがたいと思いました。

【金本分科会長】  お答えする必要はないかと思いますが。

【讃岐総務課長】  正にいろいろな視点を中に盛り込んで考えていきたいと思います。

【金本分科会長】  もし何もなければ。では、局長からどうぞ。

【田中行政評価局長】  ちょっと私からこんなことを申し上げるのは何なのですけれども、先ほど先生御指摘のとおり、法科大学院からヒートアイランドについては、去年のこの分科会での御議論であるとか、先ほど課長が言いましたように、政権交代後のいろいろな政策論議の中で、確かにちょっと今年度やるにはどうかなという議論の方向じゃなかったかと思います。
 したがって、テレワークはそれを埋めるものとして実は実務で整理をして準備してきたというものなのですが、実は今この法科大学院について、これからどうもいろいろ動きそうですね、いろいろと。ここにも記載がございますように、ちょうど法務・文科両省のワーキンググループで議論している最中なのですね。
 そうしますと、一方で、ちょっと省内では、今議論しているからこそ逆にこういうときに政策評価を打ってみたらどうかという強い御意見が一つございます。
 その次の食育とヒートアイランドは、正直言って22年度に着手するといっても、先ほどの御指摘の点もありましてなかなかこれはしづらい。テレワークは一応準備ができていますと。大体そういうふうな枝ぶりになっております。

【金本分科会長】  では。

【谷藤委員】  率直な感想を言わせていただきますと、正に行政評価局の存置そのものが問われている中で、テレワークというふうなことになりますと、私はややテーマが、これ、逆に言えばすごく大きくなるか、手堅くやろうとすればものすごく小さくなってしまうかのいずれかだと思います。
 先ほどこれは全部いいふうに考えられているというふうなことになっていますけれども、ワーク・ライフ・バランスとテレワークがどんな意味を持つのかなんていうふうなことがものすごく大きな議論の対象になっていまして、こういう雇用の形態が社会的にどんな意味を持つのかということも正に今問われているのですね。
 それを全部議論していって政策評価をやっていくということになると大変大きなテーマになります。それは僕はちょっと難しいだろうと思いますね。
 だとすると、先ほど言ったいわゆる数値的には何%達成したかというふうなことで、それがどんな社会的意味を持ったのかということを議論しないままでいわば政策評価になるという、手堅くなればそうなってしまうと。そうなると、すごく私は総合評価の意味は何かということを逆に問われてくるような感じがしてしまうのですね。
 ですから、あえて言えば、大変難しいと思いますけれども、法科大学院の教育云々なんていうのはチャレンジングだと思いますけれども、それにはまた文科省とか別の観点を突きつけるとかということでしたら、これは少し政策的に総務省の政策評価と言われるようなものの正に位置付けが、存在意義と言われるようなものが付加されてくるのではないかなと思うのですが、これ、感想だと思って受け止めてください。

【讃岐総務課長】  改めて、次週はまた有識者の検討会がございますが、そこでの議論も踏まえて省内でよく議論して、テーマ候補として取りまとめていきたいと思います。また引き続き御意見をいただければと思います。

【金本分科会長】  では、まだいっぱい議題が残っておりますので、次に参りたいと思います。
 どうぞ。

【田中行政評価局長】  正に時間が押しているときに大変恐縮なのですが、政務官がいらっしゃらなくて残念なのですけど、先ほど各府省からの評価書の提出時期の御議論がありました。それで、ありていに言えば、そんなころに評価書を受け取っても役立たないじゃないかという御指摘があったかと思いますけれども、分科会長から若干論点を提示していただいたのですが、論点として非常に重要だと思っております。
 しかし、今現状はどうかということを少し御参考までに御紹介しておきたいと思うのですけれども、現在の政策評価法によりますと、各府省が政策決定に当たって評価をしなければならないということになっていまして、実務的に言いますと、例えば閣議決定をするのであればその前にやるということ、それは直前であろうが何であろうが、前にやれば一応形式的には要件が整う。
 その一方、その評価の中身がいい、悪いの総務省のチェックは実は政策評価法には何も書いていないのです。書いていないものを、その下のガイドラインレベルで何とか政策評価を導入して走り出したときに質がいいものにしようと思って我々がチェックあるいは点検活動をしようということであったわけです。
 政策評価法が施行されてこの8年間何をしてきたかといったら、ちょっと笑われるかもしれませんが、とにかく法律に書いてあるようにまず政策評価をさせるということをやってきたわけです。ずっとそれをやってきた。
 たまたまさきほどの御議論にも関係があるのですけれども、したがって、予算要求に当たっては評価書を出さなくてはいけない。それがやられていなかったので、それをとにかくやらせるということをずっとやってまいりまして、大体8年経ってそれはできるようになった。
 ところが、昨年は8月31日に出した予算要求を10月15日にもう一回出し直しました。先ほどの御議論ではないですが、とてもそんなもの、事前に評価を改めて出すのは実務上難しかったです。しかし、我々は出してくれと言いました。それで、ありていに言いますと時期は遅れたのですが、とにかく癖をつけるということでそういうことはやりました。
 ですから、政策立案に当たって事前に評価をするということは一応定着しましたので、これまで曲がりなりにもその内容についてもチェックはしてまいりましたが、これからはとりわけ予算に重点化を図りつつも、我々がチェックできるようにしてもっと質がいいものにしたいと思いますから、そうであるならば、自ずといつまでに各府省の評価書を出させなければいけないという話になる。
 したがって、何か法律改正をして直ちにぱっと仕切るという段階ではないのですけれども、論点としては非常に重要でございまして、我々がきちんとしたチェックができて、そのチェックによって要するにいい政策ができるということであるわけですから、それに間に合うようなタイミングで評価を行うにはどうしたらいいか、重要な宿題ということで受け止めさせていただきたいと思います。

【金本分科会長】  ということでございます。
 それでは、次の議題で、政策達成目標明示制度の対応について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【佐伯政策評価官】  資料1−(5)−(1)で、ポンチ絵を1枚つけさせていただいておりますけれども、前回分科会で御報告した以上のことはまだ御報告できる状況にございません。それで、この点についてはまた改めてということにさせていただきたいと思います。

【金本分科会長】  ということで、まだ中身が詰まっていないので議論していただいてもしようがないということで、次に送るということにさせていただければと思います。
 それで、次のテーマでございますが、次、議題2のバイオマスの利活用に関する政策評価に関しまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【椿評価監視官】  それでは、バイオマスの利活用に関する政策評価について御説明いたします。
 恐縮ですが、お手元の資料2−2のほうを御覧いただけますか。「バイオマスってなに?」ということで簡単に御説明いたします。
 バイオマスは動植物から生まれた再生可能な有機資源ということで、ここに書いてございますように、廃棄物系バイオマスといいますのが家畜の排せつ物とか生ごみ等、それから、その右の未利用バイオマスというのが林地残材、山に残っている間伐材とか稲わら、もみがら、それから、資源作物としてサトウキビ、テンサイといったものを、利活用としては、下に書いてありますようにたい肥、木質ペレット、バイオエタノール、発電、熱、こういったものに利用するということでございます。
 恐縮ですが、資料2−1のほうにお戻りいただきたいと思います。一番上のA3版の紙でございます。少し細かい字で恐縮ですが、この資料2−1に沿って御説明をいたします。この資料、現在まだ取りまとめの途中の未定稿ということで御説明をさせていただきます。
 大きく一番上のところです。1の(1)バイオマス・ニッポン総合戦略と書いてございますが、平成14年にこのバイオマス・ニッポン総合戦略が閣議決定されております。目標年度が(1)のところにございますが、平成22年度になっておりまして、1府6省でこの推進会議を開催しながら進めているという状況でございます。
 数値目標が11項目ありまして、そのうち技術的観点から設定されている5項目につきましては達成度を継続的に検証していないという状況でございます。それから、iiでございますが、バイオマスタウンを300程度全国に構築するという目標に対しまして、現状237ということでバイオマスタウンの数としては順調に推移をしておりますが、構想の取組項目について見ますと約6割が進捗していないという状況がございます。
 それから、iiiでございますが、未利用バイオマス、林地残材や稲わらの利活用率を25%以上という目標に対しまして、20年度で17%であり、なかなかこの数字が向上していないという状況でございます。
 その下の注で小さな字で書いてございますが、昨年、バイオマス活用推進基本法を策定いたしまして、それに基づき、現在バイオマス活用推進基本計画を新たに策定中でございます。いつできるかということは今照会中でありますが、6月頃ではないかということを伺っております。
 (2)の総合戦略の実施による効果の発現状況ということで、この総合戦略、4つの効果ということでi、ii、iii、ivにそれぞれ書いてございますが、最初の地球温暖化の防止につきまして、バイオマスの関連施設においてCO2の削減量と増加量、この収支がほとんど把握されていないという状況がございます。
 それから、iiの循環型社会の形成につきましては、廃棄物系バイオマスの利活用率が80%という目標に対して74%まで来ておりまして、ここは順調に推移しているところでございますが、その要因といたしましては、各法、例えば建設リサイクル法等の個別法で工事の受注者に対して資材の再資源化を義務付けているといったような影響があると考えられます。
 それから、iiiですが、競争力のある新たな戦略的産業の育成ということで、新しい環境調和型産業、新たな雇用の創出ということが総合戦略に書かれております。
 ただ、個別のバイオマス関連施設を見ますと、施設の中には事業を中止した例とか、稼働が低調な例がございまして、資料にございませんが、口頭で2点ほど例を申し上げますと、例えば食品廃棄物を飼料化する施設、食品残さ飼料化施設と言っておりますが、ここの施設の整備に対して国の交付金を16億円入れて整備をしたのですが、計画どおりに廃棄食品が集まらなかったということが原因で経営状況が悪化して、2年で事業を中止したというような例がございます。
 それから、別の例でございますが、もう一例申し上げますと、木質のバイオマスについて、ガス化とか発電をする施設、これも施設整備費として国の交付金を2億円交付したという事業につきまして、3年程度は木質のバイオマスのガス化のほうについて稼働していたのですが、ガス化のほうにつきましては稼働を停止しております。発電のほうは動いているようですが、ガス化施設は停止をしております。その理由を施設に聞いたところ、人員を配置してまでその施設を稼働するメリットがないので、そのガス化施設については停止したというようなことを言っていたというような例もございました。というのがiiiのところでございます。
 次のivの農林漁業、農山漁村の活性化ということで、これにつきましては農山村にある未利用のバイオマスの利活用率がほとんど向上していないとか、定量的な指標をもって効果を把握しているものがあまり見られないという状況がございました。
 (3)の政策のコストや効果を把握、検証する仕組みということで、iのところにございますが、検証を行う仕組みが必ずしも明確でないということで、政策全体の効果が不明な部分がございます。
 それから、iiのところでございますが、予算として平成15年度から20年度まで6年間トータルで見たときに、こちらのバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議では6年間で予算総額6兆円ということで集計されていますが、バイオマスに少しでも関連のあるものはすべて含めております。そこで、内数としてそのバイオマスに特化した部分がどれぐらいかということを私どものほうで各府省ヒアリングをしました。
 全体の事業が200事業ある中で、111事業まで特定をできまして、6年間で1,177億円ということで、特定していくとバイオマスに特化した部分というのは、分かった範囲ではこの程度だったということでございます。
 それから、下の部分の大きな2の「各種施策・事業等の現況」について御説明いたします。
 (1)の「総合戦略の基本的戦略事項別の効果の発現状況」ということで、この総合戦略におきまして15事項の基本的戦略事項を示しております。片や、総合戦略会議の中で、バイオマスの関連事業が(1)にございますように218事業でありまして、その実現目的となる基本的戦略事項が不明なものが57事業、27%ありました。また、その戦略事項がはっきりしているものについて、私どもが戦略事項に寄与しているかどうかを見ましたところ、8割程度は戦略事項に寄与しているか不明というものがございました。
 (2)のほうで個別に書いてございます。
 i、個別の戦略事項のうち3つだけピックアップして書いておりますが、システム全体の設計につきましてはバイオマスの利活用による環境への影響を評価するLCA手法というライフサイクルアセスメントという手法がありまして、この手法の確立をうたっておるのですが、なかなかこの確立が十分でないという現状がございます。
 それから、iiでありますが、バイオマスの収集・輸送の経済性の向上につきましては、収集・輸送のコストが高いということを理由に、林地残材等の未利用バイオマスの利活用がほとんど進展していないという状況がございます。
 iiiのバイオマスの変換に関する経済性の向上につきまして、バイオマスタウンの構想が進捗していない理由としまして、利用技術が確立しているとは言い難いという意見が多かったということを書いてございます。
 それから、(2)のほうでございます。「バイオマス関連事業個別の効果の発現状況等」ということで、212のバイオマス関連事業を見てみますと、効果が発現しているものが30事業、14%程度ございました。片や、効果が発現しているか不明というものが8割程度あったという状況でございます。
 それから、(3)のところにありますように、複数の省や部局等が別々に類似の事業を実施しているといったような例も見受けられました。
 それから、(3)の「バイオマスタウン調査」ということで、バイオマスタウン構想を見てみますと、構想の数としては順調に推移をしております。ただ、取組項目の6割が進捗していないとか、構想自体が頓挫している市町村もございました。
 それから、(4)でございますが、バイオマス関連施設をピックアップして137施設の調査を行いました。バイオマス関連施設の設置数を見ますと、平成15年度に木質ペレットの製造施設数が10基だったのですが、20年度には63基に増加しているということで、バイオマスの関連施設数は増加しており、これはプラス部分だと思います。
 しかしながら、個別の稼働状況を見ますと、例えば(1)のマテリアルといいまして、たい肥とかペレットの生産の計画に対する実績を見ますと、計画どおりのものが16施設、2割程度、(2)のエネルギー、発電の計画に対する実績を見ますと、計画どおりのものが3施設、9%程度、(3)の採算性につきましては55%が赤字という状況にございました。
 最後のバイオマスの利活用におけるCO2収支の把握ということで、私どもで112の施設についてCO2の削減量と増加量の比較を試算してみましたところ、57施設の半分ぐらいが増加量のほうが多いという試算が出ております。
 以上、ちょっと早口でしたが、説明は以上です。

【金本分科会長】  それでは、御質問、御意見ございましたら、お願いをいたします。よろしゅうございますか。バイオマス関係、関係者がいないという。

【田辺委員】  とても詳細な調査で、惨たんたる結果に近いのかなという感じはわりと分かる、非常に数値ではっきり示していただいているという感じはするのですが、ここから具体的に報告書をどう取りまとめていくのでしょう。
 結果を出すだけじゃなくて、やっぱり要因分析とは言いませんけれども、ここのところが悪くてこれは進展できなかったという、そこのところがまだ見えてないし、また、そこをお伝えしないと各府省でもどう受け取っていいかの方向が分からないと思いますので、そこら辺、何かございましたらお願いいたします。

【椿評価監視官】  今日は現状の御報告ということで、先生がおっしゃるとおり、これを分析してこれから勧告に向けて作業をしていこうと考えております。
 現段階で一つ言えるのは、政策のコストや効果を把握、検証する仕組みというのが十分でないというところで、バイオマス・ニッポン総合戦略の中でも確かに施策の効果を評価して必要な見直しを適切に行うと書かれているのですが、それに沿ってしっかりと施策の効果を評価したり、それによる見直しというのが本当に行われているのかというところをよく見て、それが不足していれば、今度新しい基本計画を施策として行うときに、そこを踏まえてしっかりと検証をしていってくださいというような方向が一つあるのかなと思っております。

【金本分科会長】  これまで日本のこういう補助制度、施設補助とか建設補助とかそういうイニシャルコストの補助というのが多くて、かなりの場合、こういう農水畑以外にも惨たんたるものがたくさんあります。
 それで、もう少しそういうものの評価をちゃんとやらないといけなくて、何か総務省行政評価局としてフォローアップとかチェックのシステムがないといったぐらいで終わっているというのはかなり恥ずかしいなといった感じがございます。
 どうぞ。

【加藤委員】  総合性確保の評価ということが書いてあるのですが、どのように総合性の確保が評価されていると見たらいいのでしょうか。個別でも同じようなものが出ると思うので、あえて総合性と言っているところをどう理解すればいいのか、お教えいただけないでしょうか。

【椿評価監視官】  この施策につきましては、1府6省の総合戦略推進会議でトータルで行っているというところですが、そこの各府省の取組が総合的にきっちり進んでいるかどうかというところを評価しようという点で、総合性確保の評価となっているのだと思います。

【金本分科会長】  これは制度の担当者が御説明したほうがいいかと思うのですが。

【加藤委員】  分からずに言っているかもしれません。教えてください。

【羽室政策評価審議室長】  総合性確保評価でございますけれども、これは基本方針の中に書かれておりますけれども、複数府省に関係する政策については、法令や閣議決定で全体の施策を決定して、それを各府省が分担していると。
 その総合性というのは、1つは全体、各府省のそれぞれの施策を束ねたところがどういうふうになっているかというのを横断的に見ていくというのが、そのそれぞれの分担している各施策については各府省が責任を持ってやりますけれども、それを束ねたところ、これを総合的に全体を見ていくというのがこの総合性の確保という評価であるということでございます。
 ちょっと具体性がなくて申し訳ありませんが。

【金本分科会長】  基本的に、政策評価は各府省が行うことになっていて、担当者が行うことになっていて、行政評価局が行うものではないという法律のつくりになっています。行政評価局が主体的に行えるものはいろんなものがある、点検活動とかいろんなものが幾つかつくられておりまして、その一つがこの総合性確保評価で、複数府省にまたがるものについてはその総合性の観点から行政評価局が独自の評価を行うと、そういったことになっていると、そんなことでございます。

【加藤委員】  例えばある省とある省とが協力する場合、一方の省がある行動をすることを前提に他方の省が行動するという約束なのに、前者はやっていたけど後者はやっていない、というような評価は、総合的評価の例として分かりやすいと思います。もしくは、連携するということが前提なのに、そもそも連携自体がされていないというようなことが書かれてあったりすると、総合性を評価しているのだなと思えます。しかし、今のところは、そうではなくて、個別に評価されているように見えます。私の印象が間違っているのでしょうか。

【羽室政策評価審議室長】  この点でいきますと、一番多いのはバイオマス・ニッポン総合戦略というところが各府省がばらばらでやってはいけないというので総合的にやる部分かと。これを全体で評価をしていくということだと思います。
 例えば、そのために連携をしていかなくてはいけないというところがございまして、それはここでいうと総合戦略推進会議というものがございまして、そこでどういう連携を図っているのかということも踏まえて、この全体の政策が行われるということで、それを全体的に見ていくということであります。

【加藤委員】  分かりました。横断的なものを全体して見ることを総合性と今ここはおっしゃっておられるのですね。

【羽室政策評価審議室長】  はい。

【加藤委員】  了解です。

【金本分科会長】  では、谷藤委員、どうぞ。

【谷藤委員】  先ほどの一つの効果が発現できなかったという原因分析のほうは是非その報告書の中に盛り込んでもらいたいのですが、同時に、併せてこのバイオマスタウン構想だとか、あるいは、バイオマスの関連施設の中でのおそらく少ない、現状では少ないとは思うのですが、ある種のベストプラクティスと言われるものもあるんでしょう。
 そういうものを抽出していって、逆に言えば、効果が発現できなかったということと逆の意味で、なぜそこで効果が発現できたのかというようなことのベストプラクティスの抽出と、そのいわば原因と言われるようなものを併せて提起すること、最終的な報告書の中に盛り込むということが必要なんじゃないかと。それはその政策と言われるようなものの転移と言われるようなものを推進する意味でも必要ではないかと思うのですが。

【椿評価監視官】  御指摘のとおりだと思います。私どももそういったベストプラクティスを抽出して、その要因等も探りながら報告書を作成してまいりたいと考えております。

【金本分科会長】  時間も超過をしてございますが、何か特にということで。では、佐藤委員、手短にお願いします。

【佐藤委員】  すみません。ちょっと教えていただきたいのは、今後これが要因分析に入ると思うのですけど、ポイントとして何か例えばバイオマスタウンが普及していない理由としてということで、例えば利用技術が確立していないというのは、これはそもそも論としてこれはこの目標自体に無理があったのか、あるいは、やり方が悪いだけなのかと。
 その上にある、その同じ指摘の上のほうにもあるのですけど、輸送コストが高い、未利用バイオマスについてなのですけれども、これも、じゃあ、もともとやり方が悪いのか、もともとこの目標そのものが何か無理があったのかという、このあたりを何か区別して評価されないといけないと思うのですが、その点、どういう見通しなのでしょうか。

【椿評価監視官】  原因分析、これから詳細に行ってまいりたいと思っております。
 先ほどの谷藤先生のお話にありましたように、うまくいっているところもありますので、それだけをもって目標が一律無理だったかと言い切れるかどうかというところもありますので、そこも含めて分析をしてまいりたいと思っております。

【金本分科会長】  もうちょっとちゃんと分析をしていただかないと、という感じで、うまくいっているところがあるからオーケーなのかとかいうふうなレベルの分析だとちょっと恥ずかしいなと思いますので、というところで。
 次に進みたいと思います。
 次が議題3ですね。「政策評価の点検結果」について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【荒木調査官】  続きまして、政策評価の点検活動について御報告させていただきたいと思います。
 3.「政策評価の点検活動」につきましては、まず(1)政策評価の点検結果につきましては2つございまして、資料3−(1)−(1)「政策評価の内容点検の結果」と、資料3−(1)−(2)「平成19年度重要対象分野のフォローアップについて」がございます。
 まずは、資料3−(1)−(1)のほうを御覧いただきたいと思います。
 これは平成21年に総務省において公共事業と各府省の主要な行政目的を達成するための政策であるところの一般政策に係る評価を対象として行いました内容点検の結果を取りまとめさせていただいたものでございます。
 政策評価は各府省において実施されるものなのですが、総務省では各府省が実施する政策評価の質を向上させ、その実効性を確保することを目的としまして、各府省により政策評価がきちんと行われているかどうか、その内容を点検することにより、問題点などがあればそれについて指摘を行いまして、各府省に対して評価をやり直すなど、必要な改善を行うよう求めております。
 平成21年におきましては、公共事業に関しましては、評価の数が非常に多く、約5,000件ございました。もう一方の一般政策につきましては、約900件行われました。これらにつきまして、内容を点検した結果、公共事業に係る評価につきましては18事例、一般政策に係る評価につきましては17事例につきまして、関係府省に対して改善の方向性等の指摘を行いました。
 2ページにお進みいただきたいと思います。
 今年度の評価について、疑問があるというような何らかの指摘をしたものは35事例なのですけれども、まず、公共事業に関しましては、指摘したものを内容的に大別しますと、(1)から(5)のとおりに分けることができます。
 まず、(1)としまして、費用対効果分析マニュアルに不備があるものが2事例です。(2)の費用対効果分析の前提となる需要推計に疑義があるものが6事例ありました。(3)の費用対効果分析に当たり一部費用が未計上であるものが4事例ございました。(4)の費用対効果分析の評価方法に疑義があるものは数が多くて11事例です。最後に、(5)のその他費用対効果分析に用いられるデータの信頼性に疑義があるものが2事例ありました。ただし、複数の事例に該当するものがございますので、これらを単純に足しますと25になります。
 このような疑義の結果としまして、その結論、決着点としましては、マニュアルの修正や訂正の検討を行うとするものが2件、評価をやり直したり評価書の修正を行うとするものが9件などとなっております。
 また、次の一般政策に関しましても同様に指摘の内容を分類いたしますと、(6)から(10)のように大分することができます。
 まず、(6)の目標の達成状況が低調であるにもかかわらず、原因分析等を行っていないものが5事例です。(7)の目標の達成見込みがないにもかかわらず、対応方針等の検討を行っていないものが1事例でした。(8)の評価結果の判定根拠の説明が不十分であるものが2事例でございます。(9)のあらかじめ設定した指標と異なる指標で評価しているものが2事例です。(10)の政策効果を判定するために十分な指標が設定されていないなど指標の改善等が必要であるものが7事例でございます。
 一般政策につきましては、公共事業と異なりまして、複数の事例に該当するものはございませんでした。
 最終的な決着点としまして、評価書の修正を行うとするものが7事例、今後適切な指標を設定することを検討するなどというものが7事例となっております。
 次に、3ページにお進みいただきたいと思います。「各事例の概要」という表題がついておりますが、ここに記載してあるものが今回の具体的な事例の一覧になります。
 公共事業に関しての内訳を見てみますと、厚生労働省関係の水道水源開発施設整備事業、いわゆる上水道の事業が4事例、農林水産省の森林環境保全整備事業が1事例、国土交通省関係が13事例でございます。国土交通省関係の内訳は、河川関係が4事例、道路関係が1事例、港湾整備関係が1事例、市街地再開発関係が2事例、都市公園関係が1事例、下水道整備関係が4事例となっております。
 このうち、先ほど御説明させていただきました2ページに記載しております(1)から(5)までの疑問の5つの分類につきまして、それぞれに該当するものを簡単に御説明させていただきたいと思います。
 まず、4ページにお進みいただきたいと思います。
 水道水源開発施設整備事業、サンルダムでございます。これは北海道で行われている事業です。この事例に関しての疑問の類型としましては、(1)の費用対効果分析マニュアルに不備等がある、(2)の費用対効果分析の前提となる需要推計に疑義があるとの2点が含まれておるものでございます。
 この事業につきましては、北海道名寄市が事業主体となりまして、風連地区及び自衛隊専用水道などにおける水質の改善や水源からの取水の不安定さを解消するため、サンルダムに参画し、1日当たり1,510立法メートルの新規水源を求めるというものでございます。
 指摘が非常に多いのですが、この中の特に主なものとして、5ページを御覧いただきたいと思います。5ページの3行目あたりからなのですけれども、丸ポツがついておりまして、指摘の内容で言いますと、(1)の費用対効果分析のマニュアルに不備等があるものに関する指摘になっております。
 この事例におきましては、平成17年度の再評価におきましては、B/Cの算出に当たりまして渇水被害の回避額というのを便益として計上していたのですけれども、今回行われました再評価におきましては、風連地区等における上水施設に係る施設更新等の回避費用を便益としています。
 このように、17年度に行われました評価時点と、平成21年に行われた評価時点において、便益の算定の仕方が変わっている。ただし、政策評価の継続性というような観点から考えますと、その便益の算定の仕方を変えたということに関して十分な説明がないままにするということは望ましいことではないのではないか。また、関連施設の整備費や維持管理費を読み込んだ上、回避支出法として整理することは困難ではないかということを疑問として持ちました。
 この事業につきましては、当初からいわゆる渇水被害の便益のみではなくて、給水統合などがなされない場合の上水施設更新や維持管理等の回避も重要な便益としておりました。このような事情があるため、今回便益の算出方法を変更したということなのですけれども、このような経緯につきまして評価書において説明していなかったのですが、その説明はやはりすべきであると考えておりまして、そのような記述の必要性についてはマニュアルの中で明記するように改定するようにしたい旨が示されました。
 また、算出方法につきましては、マニュアルにおいて回避支出法の記載を準用していたのですが、いわゆる回避支出法と代替費用法の区分につきまして、マニュアルを今後改定する作業の中で改めて整理していく旨が示されているという事例でございます。
 このように、本事例につきましてはマニュアルの改定などに至ったという事例と考えられます。
 次に、12ページを御覧いただきたいと思います。
 これは高知県の舟入川の地震・高潮等対策河川事業でございます。疑問の類型としては、(3)の費用対効果分析に当たり一部費用が未計上ではないか、(4)の費用対効果分析の評価方法に疑義があるという2点でございます。
 その中でも、指摘は3つに大きく分かれるのですけれども、その2番目のところを御覧いただきたいのですが、この事業は高潮より背後地を防御するとともに、河道の改修、法線是正により浸水軽減を図る。現在残事業として南海地震への対応を図るため、既設堤防の地震対策工、いわゆる耐震工事を実施してきたというものでございます。
 いわゆる既設堤防の地震対策工を行っているのですけれども、その地震対策工に伴って発現する効果につきましては、現在のマニュアルには算定手法が定められていないので、B/Cなどの計算をするに当たりまして、年平均被害軽減期待額の算出に当たり、当該効果をどのように考慮しているのかという1つの疑問点がありました。
 これについて確認した結果がその隣に書いてあるのですが、現マニュアルには既設堤防の地震対策工に伴い発現する効果の算出方法は定められていないということですから、年平均被害期待額の算定に当たりましては、当該効果は見込まれていないということが確認されたということでございます。
 もう1点としまして、当該効果を適切に算出・評価する手法を確立する必要があるのではないかということについて確認した結果、当該効果を適切に算定・評価する手法を確立していくことが重要であると考えていますが、現時点においては技術的知見が不足していることから、今後もその蓄積等に努めていく旨が示されたという事例になっております。
 次は17ページを御覧いただきたいと思います。これは道路の事業でして、一般国道434号線、徳山−錦バイパスでございます。これについての疑問の類型としましては、(3)の費用対効果分析に当たり一部費用が未計上であるものでございます。
 徳山−錦バイパスなのですけれども、B/Cの計算に当たりまして、便益は徳山−錦バイパスの部分供用及び全線供用の開始年次ごと、平成12年度と15年度と17年度と20年度と23年度の5回に分かれまして、それぞれを起点として40年間計上しているのですが、費用につきましては維持管理費をその一番最後の全線供用の開始の年次から、つまり23年度からしか計上しておりませんでした。
 ただし、部分供用されたことに伴いまして発現した便益に対応する維持管理費というのはやはり計上する必要があるのではないかという疑問点について確認した結果、部分供用に伴い発現した便益に対応して、平成12年度から維持修繕費を費用に計上する必要があるだろうという認識が示されまして、平成12年度から修繕維持費を計上した場合においては費用が170億円から172億円に増加すると。ただし、B/Cの数値で変わらないということになりました。
 次は18ページの事例を御覧いただきたいと思います。これは小本港の小本浜地区国内物流ターミナル整備事業です。疑問の類型としましては、(2)の費用対効果分析の前提となる需要推計に疑義があるものでございます。
 この事業につきましては、この港ができたら港を利用することが予定されておりました唯一の採石生産・販売会社が平成20年10月以降、撤退してしまいましたので、そのようなものがあるという前提で行われた評価につきましてはやはり評価をやり直す必要があるのではないかという疑問点を持ちました。
 これについて、確認をした結果としましては、当初の需要予測の前提としてヒアリングを行った対象の企業以外にも、企業が新たに進出するという動きがあるということですので、平成22年度に開催される岩手県大規模事業評価委員会専門委員会に現状について報告し、委員会からの意見を踏まえ再評価を実施するか否かの検討を行う旨が示されたということになりました。
 次が24ページの事例なのですけれども、今度は下水道事業でございます。本宮市流域関連公共下水道事業でございます。疑問の類型としましては、(5)のその他費用対効果分析に用いられるデータ等の信頼性の疑義があるものでございます。
 この事業内容ですけれども、公衆衛生の向上や公共用域の水質保全など生活環境の改善を目的として行う下水道事業です。
 この場合において計算する居住環境の改善効果の便益算定に当たりまして、家庭用浄化槽というものの種類を5人槽でなくてより設置単価が高い7人槽で計算しているのですけれども、その理由が明らかではなかったということを疑問点として持ちました。
 これについての確認結果としましては、この本宮市においての平成19年度の浄化槽設置実績は5人槽が17.4%、7人槽が50.4%、8〜10人槽が32.2%であるということが分かりましたので、7人槽を採用したということが分かりました。
 ただし、下水道事業のマニュアルである下水道事業における費用効果分析マニュアルにおきましては、単独浄化槽の数値を用いて便益を算出することとなっておりますが、誤って合併浄化槽の数値を採用しておりました。単独浄化槽というのは汚水だけを処理する浄化槽で、合併というのは汚水と雨水を一緒にやるような浄化槽のことです。
 このため、もともと合併浄化槽ということで計算していたのですが、単独浄化槽の場合で計算し直したところ、B/Cが当初の2.4から1.7程度に減少するということになりましたので、評価書を修正するということにつながったという事例でございます。
 以上が公共事業に関する(1)から(5)について、順番は前後していますが、それぞれについての1つずつ事例を挙げさせていただきました。
 次に、一般政策のほうでございます。一般政策につきましては、まず、31ページを御覧いただきたいと思います。この事例は利用者保護のための情報提供・相談等の枠組みを充実させるという金融庁の実績評価でございます。
 疑問の類型としましては、(8)の評価結果の判定根拠の説明が不十分ではないかということでございます。
 この事業につきましては、測定指標である国民の金融知識の状況の分析について、金融広報中央委員会が実施している家計の金融行動に関する世論調査における生活設計の有無についての設問結果をもとにして行っております。
 この評価書によると、当該設問に対して生活設計を立てているという回答をした世帯の比率が平成20年には36.6%あって、平成15年度以降増加傾向にあるとしてありました。
 しかしながら、実際には平成18年度以降はほぼ横ばいの状況となっておりまして、具体的にどういう点から国民の金融知識への関心が高まっているかと判断できるかにつきまして、評価書上は明記されておりませんでした。
 このため、国民の金融知識への関心が高まっていると判断した合理的な理由について評価書に明記すべきではないかという疑問点について確認した結果が、隣に書いてあります。
 その結果につきましては、家計の金融行動に関する世論調査における当該設問に対して、生活設計を立てていると回答した世帯の比率は、平成20年度には0.9ポイントわずかに減少しているのですけれども、平成15年度以降19年度までの間は微増ながら一貫して増加傾向にあるという点を総合的に勘案して、総じて国民の金融知識への関心は高まっていると評価したということが明らかになりました。
 ただし、今後の評価におきましては、測定結果を分析した内容について国民に分かりやすい説明をするよう努力していくという旨が示されたという事例でございます。
 次は34ページを御覧いただきたいと思います。女性医師支援センター事業でございます。
 この事業につきましては、平成17年度に事前評価を行っておりまして、その際には目標として再就業件数などを設定していたのですが、平成21年に行われました事後評価では、再就業件数ではなくて別の指標を用いて判断がなされていました。このため、説明が不十分ではないかという疑問を持ちました。
 これについての確認結果としましては、再就業支援の効果につきましてはより的確な評価が可能となるよう、再就業件数を指標に加えることを含め、どのような指標を用いることが適正か検討する旨が示されたという内容になっております。
 次は38ページの事例を御覧いただきたいと思います。流通・物流基盤整備(商品データ共有化システムの構築事業、受発注〜決済までの次世代EDI標準化事業)で、事後評価でございます。
 疑問類型としては、(9)のあらかじめ設定した指標と異なる指標で評価しているというものでございます。
 主な疑問点としましては、平成20年度の事業評価書では平成18年度の事業評価書であらかじめ設定されていた指標であるところの企業における商品情報共有システムの利用者数や、企業におけるインターネットEDI標準の普及率を用いないで、新たに別の指標として導入業態数、業界数、企業数というものを用いて達成状況を分析しておりました。
 ただし、事業評価ではあらかじめ設定した指標について評価を行うということが必要ですので、あらかじめ設定した指標を用いて評価を行っていない理由や、あらかじめ設定した指標の実績について明らかにすべきではないかという疑問点があります。
 これについての確認結果としましては、評価書の記載に不明確な点が見られたが、事前評価書であらかじめ設定した指標を用いて評価を行っていないのではなくて、事後評価書ではより明確に評価を行うことが可能な指標に修正したことなどが明らかになりました。
 今後は、事業評価等であらかじめ指標を設定する場合におきましては、適切な評価の実施のために評価方法とか測定方法について十分に検討し、あらかじめ設定した指標を用いていないと誤解されないように努める旨が示された事例でございます。
 続いて、43ページに移っていただきたいのですが、大気・水・土壌環境等の保全(大気環境の保全)でございます。これは実績評価方式による評価でございます。(7)の目標の達成見込みがないにもかかわらず、対応方針等の検討を行っていないのではないかという疑問の類型でございます。
 主な疑問の内容としましては、この評価において指標として設定されている燃料電池自動車の普及台数、目標年次が平成22年度で5万台について、平成19年度時点における実績値が42台と達成度合が非常に低調です。また、これに限らず、直近5年間での実績値もほぼ横ばいで推移する結果となっているのですけれども、その結果についての分析がなされておりません。
 目標の達成度合が低調である原因を分析した上で、分析結果を適切に反映して今後の方策を検討すべきではないかという疑問についての確認結果として、実績値が目標に達せず低調である原因分析と今後の方策について評価書に追記する旨が示されたという事例でございます。
 最後に44ページを御覧いただきたいのですが、大気・水・土壌環境等の保全(大気生活環境の保全)です。これも実績評価方式による評価です。(6)の目標の達成状況が低調であるにもかかわらず、原因分析を行っていないのではないかという疑問です。
 具体的な疑問内容としましては、指標として設定されている航空機騒音に係る環境基準達成状況とか新幹線鉄道騒音に係る環境基準達成状況につきましては、平成19年度時点で実績値がそれぞれ73.8%、42.2%であって、それぞれ目標値が100%ですのでその達成度合は非常に低調なものになっています。
 ただし、評価書におきましては、航空機及び新幹線鉄道騒音の音源周囲の土地利用の改善及び音源対策を推進するとともに、騒音モニタリングのあり方を検討すると書かれているにとどまっておりまして、実績値が目標値に達せず低調である原因を分析した上で、分析結果を適切に反映した今後の方策を検討すべきではないかという疑問点でございます。
 これについての確認結果として、実績値が目標値に達せず低調である原因の分析と今後の方策について評価書に追記する旨が示されたという事例となっております。
 以上、簡単でございますが、事例の紹介をそれぞれ5件ずつさせていただきました。これが第1点目の「政策評価の内容点検の結果」の非常に簡単な概要でございます。
 次に、もう1点の議題として、資料3−(1)−(2)を御覧いただきたいと思います。これは平成19年度において政策評価の重要対象分野として取組が行われたものに関するものでございます。
 平成19年度におきましては少子化対策と若年者雇用が重要対象分野として提示されまして、これに関して関係府省は内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省ですが、これらの府省による評価について政策評価・独立行政法人評価委員会において御審議いただきました。
 その結果、平成20年11月にそれぞれについての課題等を取りまとめて総務大臣に答申を行っていただきました。
 今回のこれは、平成21年に関係府省が実施した政策評価について、当該答申において示されていました課題等への対応状況をフォローアップしたものとなっております。
 具体的なフォローアップ事項は資料の2ページ目以降に書いておりまして、当該答申において示された20の課題につきまして、答申における指摘事項、平成21年に関係府省が実施した評価書における記述の概要、当該評価書における指摘事項への対応状況に関する記述を踏まえた総務省から関係府省への照会事項、当該照会事項に関しての関係府省からの確認結果をそれぞれ取りまとめさせていただいております。
 これは20個あるのですが、そのうちの幾つかについて簡単に内容を御説明させていただきたいと思います。
 資料は1ページ目にお戻りいただきたいと思います。この資料の真ん中のところのフォローアップ結果の主な具体例と書いてあるところでございます。
 まず、第1の例としまして、厚生労働省が所管となります少子化対策のうちの待機児童解消についてでありまして、答申における課題は家族類型などを考慮した潜在需要の推計が求められるということでした。
 これにつきましては、市町村が家族類型ごとなどの潜在需要の把握を実施した。また、子ども・子育てビジョンを平成22年1月に閣議決定し、26年度までの目標値として認可保育所などの受入れ児童数241万人、3歳未満児の保育サービス提供割合を35%と設定したという状況にあることが分かりました。
 第2の例としまして、文部科学省が所管となる同じく少子化対策のうちの預かり保育の実施についてであります。これに関しましては、預かり保育の実施率は71%となっているのですけれども、公立幼稚園に限りますとその実施率が46%となっておりましたので、答申における課題としまして、公立幼稚園などにおいて預かり保育が未実施となっている理由の把握・検証が求められるということでした。
 これにつきましては、当初、送付を受けた評価書にはこの点についての言及がなかったものですので、その対応状況を確認したところ、平成22年度に行う幼児教育実態調査において預かり保育が未実施となっている理由を調査する予定であるということが示されました。
 第3の例としまして、厚生労働省が所管となります若年者雇用対策のうちのフリーター支援についてであります。これに関しましては、年長化に伴いフリーターの常用雇用化がより困難となる中で、より多くのフリーター及び30歳代後半の不安定就労者に支援を提供していくこと、また、就職後の職場への定着を図る効果の高い支援策を見極めることが課題となっておりますので、答申における課題としましては、フリーター支援のサービスの充足状況や、サービス対象者の属性の把握などが求められるということでした。
 これにつきまして確認した結果、支援サービスの充足状況とか効果的な支援策の検討につきましては、既存調査を活用したフリーターの分析などを踏まえて、平成22年度中を目途としまして、支援サービス対象者の属性把握も含めて分析を進める予定であるということが分かりました。
 以上、平成19年度重要対象分野のフォローアップを行ったのですが、その結果としまして、平成20年11月の答申において示された課題に対しましては、必ずしも十分ではないにしても、関係府省において今後の行動計画、例えば子ども・子育てビジョンを平成20年1月29日に閣議決定するなど一定の取組はなされているのではないかと考えられます。
 ただし、必ずしも十分ではございませんので、今後とも引き続き内容の確認を行っていきたいと考えております。
 以上で、3の点検活動のうちの(1)の点検結果についての説明を終わらせていただきます。
 ただいま御説明させていただきました2件につきましては、平成21年度における内容点検の結果として年度内に公表させていただきたいと考えております。
 以上でございます。

【金本分科会長】  それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問とか御意見ございましたら、お願いいたします。どうぞ。

【堤委員】  (1)の資料のほうの2ページ目のところなのですけれども、この分類は将来的な使い方としてある種のチェックリストとかそれの対策の手引きみたいなものになっていくのだろうと思うのですね。そういう意味では、今回のこの分類が少し大ざっぱな気がして気になります。
 例えば、公共事業のほうで申し上げますと、(4)で評価方法に疑義があるというふうに書いているのですけれども、評価方法といっても、例えば選択的に評価できる場合にはどれを選んでいるかとか、期間の設定がマニュアルにあるときに、その期間の50年というところのとり方の問題とか、いろんなものを含めて評価方法というふうになっているので、もう少しこの類型化のところを丁寧にしていただいて、それが先ほど申し上げたように将来的にチェックリストとか、その場合にどういうふうにしていくかという手引き書みたいになるような、そういう活用の仕方を念頭に置かれた分類をしていただきたいと思います。
 以上です。

【荒木調査官】  分類につきまして、今後また検討させていただきたいと思います。

【金本分科会長】  質問、何かございますでしょうか。
 何か全体として、こういう細かい話で各府省がこう言ってきてということを延々とこういう場で説明していただくのかなという感じがいたしました。かなりの方々、あまりこれにコミットされている方ではないので、ちょっと時間の使い方を工夫していただいたほうがいいのかなという感じがいたします。

【荒木調査官】  今後考えさせていただきます。

【佐伯政策評価官】  全体の時間の使い方が有効になるように考えたいと思います。

【金本分科会長】  一応、だから、ちゃんとそれなりに決着がついたものを一々聞いて委員の方々に何の意見を求めているのかなというふうな案件については、省略をしていただいたほうがいいのかなという感じがいたしました。
 そのほか、何かございますでしょうか。

【谷藤委員】  少し長い時間軸をとって、総合的に政策評価の内容がよくなってきているのかどうかというようないわゆる点検をしてもらいたいというか、個々の事業の細かいことの御説明ではなくて、例えば3年とか5年というふうな時間軸でとったときに、政策評価の内容はよくなってきているのかどうかということを総合的にちょっと記述するような、いわばこの点検結果の報告書の中に盛り込んでもらいたいというふうな私の意向ですね。

【田辺委員】  今との絡みなのですけれども、確か私の記憶が正しければというどこかのせりふがありましたけれども、去年確か六十何件じゃなかったかな、ここで全体の出てきたやつは。

【荒木調査官】  去年は50件ぐらいです。

【田辺委員】  50件弱ですね。1つは、減ったということ自体が悪いことではないのだとは思うのですけれども、それがどういう減り方なのかなというところが一つ分からないというのと。
 あと、もう一つは、これは割と細かい作業なのですけれども、例えば、これまた記憶が危ないのであれでしたけれども、例えば厚労のこの水道というのは昔何回かたたいた記憶がありますし、あと、経産のほうの工業団地の水道なんかもたたいて、かなりよくなったというのが私の実感なのですけれども、1回たたくとマニュアル等で下のほうまで行きますけれども。
 それで同じことが起きているのだったら、何度も、言葉は悪いですけれどもぶったたかす必要はあるのだと思うのですけど、それで割とうまくいっているのか、いってないのかといったところは、長期的とは言いませんけれども、前年度のこちらの点検対応と相変わらず反省なしなのかどうか分かりませんけど、やっているところはそこは重点的にやる。
 そこのところを、最後にやはり何かの形でまとめていただきたいと思うのですね。例年この内容点検のところは、こちらの2ページのところにある公共事業と一般政策の分類型みたいなのでは出していますけれども、その後、ある種の教訓みたいな紙を1枚ぐらいばっとつけていて、こういうふうなことを今後気をつけてくださいというのをやっていたと思いますので、こういったところのメッセージは、この類型は類型でまた構わないとは思うのですけれども、何らかの形で発していって、同じことは何回も起きてないような形にしていただければと思います。
 以上です。

【荒木調査官】  毎年点検させていただいておりますので、毎年やはり各府省、前年に比べれば一般的にはよくなっているという印象はあります。それを数値化するというのはなかなか難しいところなのですけれども。

【金本分科会長】  点検のやり方に対する戦略の問題でもあるかと思うのですが、モグラたたきをやっていいとしているというところがあるのかなと。各府省のほうも総務省が落ち穂拾いをしてくれるから自分たちはあんまりちゃんと見なくていいといった雰囲気もあるかもしれないといったところがあって、落ち穂拾いをずっと続けている、続けるのかといったこともあろうかなという感じがいたします。
 これ、何をやるかというところについてもっと、大の大人が何人もかかってやっているので、一番有効なものは何かということは考えるべきかなという気がいたします。

【荒木調査官】  今後どういう方法をとればもっと効果的なのかにつきましては引き続き検討させていただきたいと思います。

【金本分科会長】  立花委員、どうぞ。

【立花委員】  全体の感じは今冒頭、金本先生がおっしゃったような感じで、私も全く同感でございますが、ちょっと私は聞いていてちょっといらいらさせられたのは、例えばこの評価点検、内容点検の結果の例えば38ページをわざわざピックアップされて御報告いただいたわけですが、主な疑問点と確認結果というので。
 要するに、これは経産省なのでしょうけれども、何だか向こうが下世話で言うと要するにおれたちは正しいんだと、何をおまえたち、けちつけてきているんだという感じで、この確認結果で、行政評価局のほうが、そうですかというふうに引き下がったような感じでとれるのですが。
 だけど、当初掲げた評価のポイントを勝手に変えて、その変えたのだという理由も説明しないで、それで、勝手に変えて、それで、誤解されぬように努めるというのは、何かちょっと私、この説明、この文字面だけ見ると、ちょっと弱腰というのはちょっと言葉が不適切かもしれませんが、何かちょっと腑に落ちないというか、ちょっといらいらさせられるというか、そんな印象を受けたものですから。ちょっと余計なことかもしれませんが。

【荒木調査官】  これにつきましては、一応文言としては企業における商品情報の共有システムの利用者数というものから導入業態数などに変わっているのですけれども、それらが全く違うものというわけではありませんで、内容としましては、より詳しく、よりふさわしく説明できるものになったということです。
 しかし、やはり途中で変えるというのはおかしいですので、今後はそのようなことがないように留意していきましょうという内容になっています。

【金本分科会長】  そのほか、何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 まだまだ議題がございまして、では、次に行かせていただきたいと。
 次は「政策評価のチェックの重点化について」ということで、これについて事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【荒木調査官】  政策評価のチェックの重点化について御説明させていただきたいと思います。
 政策評価の点検につきましては、先ほども少し御説明申し上げたのですが、現在はいわゆるやり方点検というものと内容点検というものを全体的に実施しております。
 今回、行政評価機能の機能強化策の一環としまして、今後はこの予算編成に関連が深い評価に基本的に点検対象を特化したいと考えておりまして、具体的には(1)から(5)の評価について重点的に点検を行うことにしたいと考えております。
 その(1)として公共事業に係る評価、(2)としてまだ制度自体がどうなるかはっきりしないところはあるのですけれども、政策達成目標明示制度の下で定められた政策達成目標に密接に関連する政策についての評価、(3)として成果重視事業に係る評価、(4)として租税特別措置に係る評価、(5)として規制の事前評価でございます。
 (5)の規制の事前評価というのは予算編成とは直接は関連しないのですけれども、これは別の意味において非常に大きな影響を与えることになりますので、そういったものに点検の対象を重点化していきたいと思います。
 また、点検を行うに当たりまして、どのような点検をすれば効果的なものになるかということについての方策につきましては、引き続き検討させていただきたいと考えております。
 以上です。

【金本分科会長】  ということでございますが、何か御質問、御意見ございましたら、お願いをいたします。よろしいですか。
 では、次に参らせていただきます。
 次は議題4に参りまして、「重要政策の評価のフォローアップ」について御説明をお願いいたします。

【佐伯政策評価官】  それでは、資料4に関して御説明をさせていただきたいと思います。
 こちらは昨年12月に地震対策と医療確保対策の評価についてこの委員会のほうで答申をいただきましたが、こちらの関係のフォローアップということでございます。答申をいただいた後、財務省、国交省、厚労省、文科省に総務大臣から通知を行いまして、答申において指摘された課題を踏まえ、来年度以降、政策評価を実施するとともに、その結果を評価に反映させてくださいということでお願いをしております。
 お手元のこのフォローアップ事項、いろいろ書いてありますけれども、当委員会の答申の内容を政策評価に反映してもらうための留意事項として関係各省に示すものということでございます。
 委員の皆様にはもう事前にこの案をお送りしておりまして、ここで改めて御説明することはいたしませんが、年度内に関係各省に送付したいと考えております。
 以上です。

【金本分科会長】  ということでございますが、何かお気付きの点とか御質問とか御意見等ございましたら、お願いいたします。では、どうぞ。

【佐藤委員】  単純な質問なのですが、これ、大体はチェック、これからもう少し調べてくださいよ、要因分析なので基本的に全体的にもうちょっと調べてくださいよというお願いになっているんだと思うのですけれども、どれくらいの何かタイムスケジュールで出てくる、結果は、来年度中という理解でよろしいですか。

【柏尾上席評価監視調査官】  来年度中に評価をお願いしたいということでございますが、答申自体がなかなか重い課題というものも中にございますので、そういうものにつきましてはまだ経過の報告というものに、中身によってはそういうものもあろうかと存じますけれども、評価書自体は来年度でまず出していただくということになってございます。

【金本分科会長】  そのほか、ございますでしょうか。
 この重要政策の評価に入っていただいたチームの方々、大分抜けられていますが、そういう方々にも後、御相談をいただいて、フォローアップよろしくお願いしたいと思いますが。
 よろしゅうございますか。
 それでは、この議題もこれで終わりということにさせていただきます。
 次回の日程等は未定ということでございますね。

【佐伯政策評価官】  はい。まだ未定でございますので、調整いたしまして、また御連絡したいと思います。

【金本分科会長】  それでは、これで今日の政策評価分科会を……。

【佐伯政策評価官】  分科会長、すみません、1点だけ。
 先ほどの租税特別措置の評価の関係でございますけれど、情報の公開と同様に、3月26日の検討会に報告した上で、パブリックコメントを行いまして、政策評価・独立行政法人評価委員会のほうに諮らせていただいて、その上で決定をするということで考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【金本分科会長】  ということでございます。
 それでは、これをもちまして分科会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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