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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(3月3日開催)議事録

日時

平成26年3月3日(月)10時00分から11時40分まで

場所

中央合同庁舎第2号館11階 第3特別会議室

出席者

(政策評価分科会所属委員)
谷藤悦史分科会長、藤井眞理子委員、小野達也臨時委員、加藤浩徳臨時委員、
門脇英晴臨時委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、清水涼子臨時委員、
白石小百合臨時委員、立花宏臨時委員、田中弥生臨時委員、堤盛人臨時委員、
中泉拓也臨時委員、森田朗臨時委員

(独立行政法人評価分科会所属委員)
大西昭郎臨時委員


(総務省行政評価局)
渡会行政評価局長、濱西官房審議官、岩田官房審議官、白岩総務課長、清水政策評価官、
井上評価監視官、生沼評価監視官、小原評価監視官、吉田評価監視官、矢田評価監視官、
松田政策評価審議室長、根上地方業務室長、古澤調査官

議題

  • 「平成26年度以降の行政評価局調査テーマ」について
  • 「政策評価と行政事業レビューの連携」について

資料

会議経過

【谷藤分科会長】  ただいまから、政策評価分科会を開会したいと思います。本日は、議題が二つございます。一つ目の議題は、「平成26年度以降の行政評価局調査テーマ」について、二つ目の議題は、「政策評価と行政事業レビューの連携」についてでございます。この二つの議題について審議したいと思います。
 それでは、一つ目の議題であります「平成26年度以降の行政評価局調査テーマ」について、白岩総務課長から説明をお願いいたします。

【白岩総務課長】  谷藤分科会長、ありがとうございます。行政評価局総務課長を務めております白岩と申します。御説明させていただきます。
 お手元の資料1は、かなりコンパクトにさせていただきましたが、「平成26年度以降の行政評価局調査テーマ」についてでございます。この資料が、どういうものかと申しますと、行政評価局が今後3年間の業務の中で調査すべきテーマ等をまとめた、言ってみれば自らの行動計画のようなものでございます。これはかなり長い歴史があるのですが、平成21年度の機能強化以降、特に調査すべきテーマについてこの委員会の御意見を伺って、さらに、中身の充実等を図っていこうという観点から、このように御審議いただいているものと理解しております。ちなみに、この中に一部政策評価に係る計画の部分がございますが、この部分は政策評価法第13条に基づいて行っているもので、まず当年度、それから翌年度、その翌年度の政策評価の計画について定めることになっておりますものですから、その部分が含まれているものでございます。
 まず、1ページはプログラムの決定日程ということで、どんな段取りで進んでいるかということでございます。実際問題、中身のテーマをどのようにやるかについては、昨年の夏から局内において相当の議論をしてまいりました。例えば、テーマとしての具体性、あるいは調査の可能性、あるいは他の制度との関係でどうであるか。ほかの政策日程との関係で、例えば、これから見直しがすぐ済むようなものについて、これから調査しても意味がないのではないかという議論をしながら、幾つかのテーマをまとめる作業をしてまいりまして、それについて部内で一定の、ある程度の意志決定がなされた後、先月2月4日にパブリックコメントにかける手順に入りました。現在、まだパブリックコメント期間中であり、3月5日までの予定でございます。本日こちらでも御審議いただきまして、御意見等を踏まえて中身の精査をいたしました後、3月中旬には政務三役にお諮りし、4月1日に大臣決定となりまして、来年度以降の活動を具体的に進めていこうという段取りを考えているところでございます。
 では、中身について説明させていただきたいと思います。2ページ以降でございますが、裏表に表にしてございます。2ページが来年度着手するものであり、かなり具体性が高くなっている調査が10件あります。3ページの14件、これは再来年度以降にこんなことが考えられるということで、局内でさらに周辺状況を調べていこうということで挙げているものでございます。
 まず、来年度の特徴として、政策評価につきましては、分科会でも御審議いただいておりますが、実は来年度、新たにお諮りするテーマではなく、既にやっているものでもございますのでこの表には入ってございません。「消費者取引に関する政策評価」はまさに今取りまとめており、来年度当初にその作業に入ります。もう一つは、「食育の推進に関する政策評価」でございまして、こちらも分科会に昨年末にお諮りして、今後の調査の考え方、方法等について御意見を賜っております。これらの作業が、来年度に重なってまいります。その関係もございまして、26年度中に新たに着手する政策評価のテーマは、10件の中には挙がっておりません。制度の実施状況そのものの問題点を探る、いわゆる伝統的な評価・監視の案件が10本あるというものでございます。
 3ページを御覧ください。こちらに27年度、28年度のテーマが14件挙がっておりますが、冒頭にあります「農林漁業・農山漁村の6次産業化の推進」、6段目にあります「クールジャパンにおけるコンテンツ等の海外展開の促進」、その3段下の「グローバル人材育成の推進」の三つが、政策の実施状況やスタート地点が重なっているもので、来年度には着手まではいきませんが、1年間様子を見て着手の方向に行けるのではないかと考えております政策評価のテーマ候補でございます。
 また戻っていただきまして、26年度実施予定の調査事項について個別に説明させていただきます。
 4ページ以降は、例年と異なり、先生方に私どもの思考経路を理解していただきたいと思いまして、26年度のテーマについては、10件とも部内的な検討資料の初期段階のものを掲げております。
 まず、「国の債権管理等に関する行政評価・監視」でございます。これは、基本的に国が何らかの収入、あるいは徴収債権を持っている場合に、その債権の徴収をきちんとしているかということでございます。(2)のとおり、総務省は、「国等の債権管理等に関する行政評価・監視」を平成19年に実施し、マニュアルの整備等を既に勧告しております。このような問題について、その後きちんと取組が行われているかという視点、フォローアップの視点での調査をやってみようということでございます。この問題の着眼としては、ちょうど来年度税制改正もございまして、国民のこういった点に対する厳しい目線があるのではないかということも考慮して、このようなテーマを考えております。
 5ページの「家畜伝染病対策に関する行政評価・監視」でございます。家畜伝染病対策はかなり話題になったものでございますが、(3)を御覧いただきますと、実際問題に、適切な飼養管理が行われていたという割合が、この数字自体をどのように考えたらいいのかという問題もあろうかと思いますが、牛・豚等農場で45%、家きん農場で65%にとどまっているというデータがあります。23年度に家畜伝染病予防法が改正され、その後、ちょうど26年度が3年目になるものですから、その状況を調査してはどうかということでテーマの候補として挙げているところでございます。
 6ページの「グローバル人材に資する海外子女・帰国子女等教育に関する実態調査」でございます。このグローバル人材につきましては、海外の子供の教育と、海外にいた経験のある人材の育成は似て非なるものであり、必ずしも一致しない可能性がございます。その辺りをどのように考えていったらいいのかという問題意識もあるのですが、日本人学校の状況、あるいは海外における日本人子女の教育状況等を実情に照らして調べてみたい。できれば、国際比較などもやってみたいということでございます。
 7ページの「職業能力開発の効果的な実施に関する行政評価・監視」でございます。職業能力開発の問題は、必ずしもそこら中で問題になっているという話ではないかと思いますが、ポイントは(2)のi、ii、iiiに、職業訓練の状況や、雇用保険を受給できない、いわゆる求職者支援制度などがございますが、これらの制度が、実際の労働市場のニーズと合っているのかどうか、ミスマッチがないかといったことについて、行政の実施状況から見てどんな問題があるのかを調査していきたいと考えております。あわせて、ジョブ・カードについてもこの中で把握できるかと思いますので、これについてもチェックしていきたいと思っております。
 8ページの「社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視」でございます。これはかなり時事的な話題かと思いますが、私ども行政評価局では、社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視を、言ってみればテーマとしてずっと続けているわけですが、特に昨年来話題になっております鉄道問題につきまして、全国的に見てどうなっているのかというところを調べたいと考えております。
 9ページの「再生可能エネルギーの利用促進に関する行政評価・監視」でございます。これは(5)を見ていただければ分かっていただけるかと思いますが、電気料金に賦課金を付けて再生エネルギーを推進しようという政策があるわけですが、それが実態の調査をした結果、どのように発電設備の整備などにいかされているか、あるいは再生可能エネルギーの関連補助事業の状況など、いろいろなニュースネタになっておりますけれども、そのようなものについて実態面から見てまいろうということでございます。
 10ページの「廃棄物処理施設整備の有効性及び効率性の確保に関する行政評価・監視」でございます。廃棄物処理施設、焼却場等について、これが実際問題、ストックマネジメントの観点でどうなっているのかということでございます。このようなところに問題意識を持ちまして、ダイオキシン以降、幾つかの整備がなされてからちょうど5、6年という時期になっておりますので、この時期をとらまえて見てみてはどうかということでございます。
 11ページの「地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査」でございます。各種施設の防災や管理の行政についてかなり話題になっておりますが、そのような中で地下街に着目してみてはどうかということです。(2)に制度面の説明がございますが、地下街は建築基準法、水防法、消防法等で安全対策が講じられています。つまり、地下街に着目した個別の特別な立法が見られないということですが、この場合に具体的にどのような管理がなされているのか。また、戦後の様々な災害の中でいろいろ政策も変わってきており、その監督者、規制者も地方分権の流れの中で変わってきております。そのような中で問題がないのかという調査をしていきたいと思っております。
 12ページの「世界文化遺産の保存・管理に関する実態調査」でございます。ここで世界文化遺産と申しているのは、世界遺産全体ではございませんが、日本でも各地に世界文化遺産が認められておりますけれども、実を申しますと、(2)のとおり、文化財保護法、森林法、自然公園法、景観法、歴史的景観法、古都法、景観保護条例、様々な法令に基づいて行われているということで、それを統合するような一貫した形にするのは各都道府県が定める計画に委ねられております。それによって行政上どのような問題が生じているのかに着目して、調査してまいりたいと考えております。
 最終ページ、13ページの「自動車運送事業における事故防止対策に関する行政評価・監視」でございます。自動車運送事業の安全対策は、どちらかというと労働安全の関係になろうかと思いますけれども、(3)を御覧いただきますと、事業用自動車の事故は決して減っておりません。バス事業を除きということになっておりますが、先だっての大変不幸な事故との関係で、バス事業にはかなり規制の目がいっておりますけれども、タクシー、その他運送用の自動車といったものも含めてかなり現場的なデータがあり、事業者も多い分、これらに関係する行政も複雑になっておりますので、実態を明らかにして問題点を探ろうということでございます。
 以上、内容的にも26年度に実施することが熟してきているテーマとして挙げさせていただきました。先ほどの3ページにあります14のテーマにつきましては、来年度以降に研究をさせていただこうということで挙げております。こちらのテーマにつきましては、ほかにもこのようなものがあるのではないかといった、いろいろな御意見があろうかと思いますので、この場でも御意見をいただければと思います。あわせて、パブリックコメントにかけていると先ほど申しましたが、パブリックコメントで意見募集の結果、現時点で17件ほど意見が出てきております。私どものこのプログラムでは意外に多いほうであり、大分知られてきているかなと思っております。大きな期待を寄せていただけるものもあれば、このようなテーマをやったらどうかといった提案も出てきているところです。これにつきましては、5日に締め切った段階で整理させていただきますが、全体としては御提案、御提言、もう少し頑張れという趣旨の意見でございました。私からの説明は以上でございます。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。行政評価局の調査テーマ候補として対象としておりますテーマは多岐にわたっておりますが、ただいまの白岩総務課長からの御説明につきまして、各委員から御質問などがございましたら、御発言をよろしくお願い申し上げます。26年度のテーマと併せて、27年度以降のものも御質問いただいて構いませんでしょうか。

【白岩総務課長】  はい。

【谷藤分科会長】  それでは、26年度の御説明をいただきましたテーマと、3ページに書かれております27年度及び28年度に実施を検討しているテーマについて、御質問をいただければと思います。それでは、田中委員。

【田中(弥)臨時委員】  御説明ありがとうございました。大変分かりやすい説明だったのですけれども、個別の質問になってしまうのですが、グローバル人材について素朴な質問をさせてください。グローバル何とかと付いた政策や事業はとても多く、実は行政事業レビューでも随分とターゲットになっているのですが、何がグローバルなのか、その目的が何なのかよく分からないというコメントがついております。ここで言っているグローバル人材というのは、日本人の帰国子女と海外にいる日本人の子女のことを指しているのでしょうか。別のところで使われているグローバル人材とまた意味が随分違うというのが私の印象なのですが。

【白岩総務課長】  よろしいでしょうか。

【谷藤分科会長】  御説明よろしくお願い申し上げます。

【白岩総務課長】  担当に詳しく説明させたいと思いますが、私、先ほど説明を失敗したと思っておりまして、調査テーマではここの海外帰国子女等の教育に着目しておりますが、先生のおっしゃるグローバル人材の話は、先ほどの政策評価のテーマで考えております。御質問は2種類あったかと思います。まずグローバル人材と海外子女とを一緒にしているかでございますが、グローバル人材はいわゆる政策評価、あるいは文部科学省が政府全体で今取り組んでいる、世界で活躍できる人材としてのグローバル人材。それを視野に入れた場合に我が国の海外子女の教育状況を見てみたいということでございまして、それを一緒に扱っているわけではなく、グローバル人材の中の重要な要素として海外子女もあるのではないかという前提のもとに、海外子女の具体的な業務実施状況を見ることをこちらのテーマでは考えております。

【田中(弥)臨時委員】  よろしいですか。

【谷藤分科会長】  田中委員、どうぞ。

【田中(弥)臨時委員】  今の説明でよく分かったのですが、ただ、評価を行うとすると、まさにグローバル人材の育成という目標に帰国子女等の教育の状況を調査をしながら、それがどれだけ目標に資するのかを検証していくことになります。そうなりますと、グローバル人材の育成という目標そのものを、グローバル人材とは何かという点をかなり明確に定義して目標設定をしないと、何に資したのかを説明できなくなると思うのです。現在の問題は、その大きな目標の定義があまりはっきりしていないところではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。

【井上評価監視官】  担当の監視官をしております井上でございます。御指摘のとおり、グローバル人材の定義については文部科学省でも必ずしも明確にしているものではございません。ただ、文部科学省が考えているところでは、豊かな語学力、コミュニケーション能力、あるいは主体性、積極性、あわせまして日本人としてのアイデンティティーといったものを求められる能力としているようでございます。この辺りの定義につきましては、27年度以降の政策評価の対象として目指すということで考えておりますが、それをするに当たっては、きちんと明確にしていく必要があるということは御指摘のとおりかと思っております。
 あわせまして、現在、グローバル人材育成につきましては政府全体として取組を強めているわけですが、特に、現政権になり、昨年の6月に日本再興戦略を取りまとめております。ここで、グローバル化等に対応する人材力の強化を強く打ち出しており、あわせまして大学改革の中でも重点的な課題として取り上げているということでございます。
 グローバル人材は、このようなもので政策メニューとしてはかなり明確に示されつつあります。これらの施策につきましては、26年度以降具体的に実施に移されるということでありますので、その実施状況を踏まえながら、全体の政策体系をさらに明確にしつつ、27年度以降、政策評価を実施していきたいと考えております。

【谷藤分科会長】  田中委員、よろしいですか。

【田中(弥)臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員からどうぞ。白石委員、どうぞ。

【白石臨時委員】  すみません、同じグローバル人材に関連した質問なのですが、グローバル人材の育成をしていこうということになりますと、通常日本の中にいる学生、生徒の教育になると思うのですね。このテーマに取り組むに当たって、なぜ海外子女とか帰国子女等の教育を選んだのかが、最初に聞いたときの私の疑問でした。
 この行政評価局の調査ですが、随分回数を重ねていて、同じグローバル人材育成の関連では例えば英語教育といった調査テーマを過去に実施しているので、少し違う視点で海外子女、帰国子女の教育に取り組むということがあるのだとしたら、毎年の調査テーマが積み上げできていることが分かりやすくなればいいのではないかというのが感想です。以上です。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。白岩課長、何かありますか。

【白岩総務課長】  ありがとうございます。まさにそのとおりだと思います。英語教育についてという具体的な個別の単科の評価・監視があったか、私は今記憶にないのですが、そのような形で今回のものも直接グローバル人材までいかないくとも、いろいろなものを積み重ねて問題点を整理していく一つの過程なのではないかと思っております。先生の御意見を踏まえながら、今後整理ができるところはしていきたいと思います。

【谷藤分科会長】  では、そのほかの委員の方々から御発言ございますか。堤委員、どうぞ。

【堤臨時委員】  今回の資料で、各テーマについての背景は示されているのですが、テーマ自体を選定した背景が書かれていないと思いました。これはかなり難しいので、今すぐというよりは、次年度同じようにテーマを選定する際に御用意いただきたいと思うのですが、どのような理由でこのテーマを選ぶかということに関してです。もちろんテーマ自体が喫緊の課題として重要なものもあればそれで結構なのですが、この行政評価という中での類型化に基づくものとか、これまで議論した中で何か特徴的であるとか、複数の省庁にまたがっているとか、人に焦点が当たっているとか、いろいろな選定理由の特徴があると思います。それを整理してほしいというのは大変な作業になるので、申し上げるのはどうかと思ったのですが、いきなり正解が出なくてもいいと思うので、そのようなことを1年間かけて整理をしながら、もちろん時間とか予算が限られていますので、全部できないので来年はこういう形でやりましょう、再来年はこのようにやりましょうと、中・長期のものも含めて方向性を示していただければ非常に良いのではないかと感じました。
 一つの例としまして、私の興味が近いところでは社会資本の維持管理のような話で申し上げます。今回は鉄道施設だというお話ですが、これがなぜ鉄道なのか、というところが明確でありません。もちろん事故があったからという話も分かるのですが、かたやなぜ道路じゃないのか。あるいは道路か橋梁か、のような話です。そのようなものがあったときに、維持管理で、例えば今年は鉄道をやって来年は橋梁をやりますという形で選ぶという話もあれば、維持管理ばかりやっていられないので、維持管理としては一つ典型的なトピックとしてこれをやってという形の説明が、これからこういう調査を継続するときに大事になるかと思います。是非、その辺りをよろしくお願いしたいと思います。

【谷藤分科会長】  テーマに関わる長期的な見通しとの関係でございますが、白岩課長、お願いいたします。

【白岩総務課長】  既に先生は、かなり読み込まれていらっしゃるような気がしまして、なかなかつらいのですが、正直申し上げて、各テーマの背景は多種多様でございます。ですが、来年説明をする際に、いろいろなところから、もう少し説明が系統立ててできないか検討させていただきます。概して言えば、幾つかの省庁にまたがるテーマでございますので、調査客体の事情も個々であり、政府全体が取り組んでいるテーマが個々でありというところを、実際の調査の可能性と調査の必要性と、我々のスタッフの能力の問題とを考えて、決まってきているところも、実はございます。しかしながら、もう少し制度的な、あるいは問題の質からアプローチした説明もできないか、整理させていただきたいと思っております。
 ちなみに、御質問の最中に社会資本の維持管理とおっしゃいましたが、私は先ほどの説明で、維持管理、ずっと取り組んできておりますがと申しました。21年度に道路橋、23年度に港湾、航空、上下水道、河川管理施設。25年度に農業水利施設と取り組んでまいりました。それで26年度という形で考えております。そのような意味で言いますと、先ほど白石先生がおっしゃったように蓄積の問題、できるところはこのような形で進めてきているものでございます。以上でございます。

【谷藤分科会長】  ありがとうございました。堤委員、よろしいでしょうか。ほかの委員の方々から御発言お願いいたします。では清水委員、どうぞ。

【清水臨時委員】  質問ですが、最初の国の債権管理というテーマは、ほかのものと毛色が違っているといいますか、ほかのものはある特定の政策についての有効性の評価だと思うのですが、これはある意味形態に着目したテーマの設定だと思います。このような形態に着目したテーマの設定が出てくる背景といいますか、過去にあまり記憶になかったもので、どちらかというと会計検査院的なテーマではないかと思っているのですが、6年前に実施されたということではありましたけれども、このような形態に着目したテーマが結構あるものなのかどうか。例えば、基金であるとか負債を対象とするというものがあるのかどうか。また、今回6年目でテーマとして浮上したという背景の説明が若干ありましたけれども、それについて補足で御説明いただけますでしょうか。

【谷藤分科会長】  よろしくお願いいたします。

【白岩総務課長】  個別のテーマそのものは後で補足させますが、私ども行政評価局はもともと行政監察と申しておりましたけれども、行政監察局は、個別の政策に着目してその実施状況を見るという機能と、もう一つ、言ってみれば共通制度という表現をしておりましたけれども、例えば許認可、法律上の用語で言うところの許可・認可等の用語を用いて作られている仕組み、法律上の書き方で共通性があるものを横並びで見る場合、あるいは特殊法人や、国の関与、地方公共団体における必置規制といった、法制上共通的に見られる、いわゆる行政手法を横並びで見たらどうだろうかという手法を昔から開発してきております。今回債権管理もその一環として今回テーマとして挙げているものでございます。
 例えば今年度ですと、認可法人に関して、設立時に認可を要する法人という横並びで見て、その監督業務を行う行政はどうあるべきか。横並び、共通で見ておりますので、個別の法人の特別な制度の深掘りはしないのですが、一方、制度共通の、少なくとも行政法上同じような手法を使っているものですから、そこについてどこか問題はないかという着眼でいろいろ実施してきております。その一環としてお考えいただければと思います。今回のテーマの背景につきましては、担当の調査官の古澤から御説明いたします。

【古澤調査官】  今回の調査は、前回平成19年に調査したときに初めて担当する者が半分ほどいて、マニュアルなどが整備されていなかったものですから、当然やるべき資力調査や、時効の中断措置を実施せずに、債権の時効が到来しているものもありましたので、そのフォローアップをぜひやってみたいということと、もう一つ、一番問題なのは、4ページの(3)に書いておりますけれども、債権自体は減少しているのですけれども、履行期限が到来していて債権になっている、いわば不良債権が11%も増加しているという状況がありましたので、あわせてこの調査を選んだということでございます。

【谷藤分科会長】  清水委員、どうぞ。

【清水臨時委員】  分かりました。横断的なテーマもやっていらっしゃるということで、お話に出なかったテーマで思いついたことを申し上げるのですが、私は今、地方自治体で監査をやっています。その中で、国が造成している基金のほうから更に自治体が貸すという制度が結構あります。そのような国の基金の活用方策で、延滞がありまして、その辺りも一つの着眼点ではないかと思います。今回、あるいは中期的にはそのようなテーマが取り上げられることはないのかもしれませんけれども、一つ参考として検討いただければ有り難いと思います。

【古澤調査官】  ただ、すみません、今回は国の債権は、歳入金債権と歳入外、積立金、資金と4種類あるのですが、今回は歳入金債権を、債権管理法自体は。

【清水臨時委員】  すみません、今回のではなくてよいです。別の。

【白岩総務課長】  私ども行政評価局の今後の取組方のご示唆について、勉強させていただきたいと思います。また、造成した基金がある地方の現場でどのような話があるかということも、私どもが取り組む際の良い資料になると思いますので、また先生にも実情などを教えていただきたいと思います。

【谷藤分科会長】  清水委員、よろしいでしょうか。

【清水臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。そのほかの委員の方々から御質問をお願いいたします。加藤委員、どうぞ。

【加藤臨時委員】  ありがとうございます。10個のテーマの多くにおいて、複数の省庁にまたがる横断的なテーマが選ばれているのだと理解しました。ただし、よく見ると、その中に三つだけ、具体的には、社会資本の維持管理と廃棄物と自動車の運送事業は、いずれも一つの省だけに関わるイシューのようです。社会的に重要なイシューであれば、一つの省のものでもテーマとして取り上げて良いとは思うのですが、ただし、こうしたテーマは、各担当省の中でも既に評価がなされている可能性があります。そのような個別の省の評価と、ここで行う評価はどのように違うのでしょうか。そのような個別の省についてのテーマを選んだ背景と、その方法、アプローチの違いについて、もし考えがおありでしたら教えていただけると有り難いです。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。白岩総務課長、よろしくお願いいたします。

【白岩総務課長】  御質問ありがとうございます。実は先生、評価・監視の場合には必ずしも各府省横断的である必要はないので、単独でも私どもはアプローチいたします。私どものポイントは、むしろ現場、1都1道2府43県、北海道ですとさらに分室が3つございますが、50の出先機関が現場の行政の個別の実情、行政の個々を調べます。実は、先ほど御指摘の1省でやっているものでも、中央省庁はどちらかというと本省としてなので、あるいは出先でも、指導する側になるので、実際に行政作業を行うのは自治体であったり、あるいは委託を受けた民間企業であったりいたします。それらの情報を、それこそ本当に個別の些末な具体的なところから調査して、そこから問題を説き起こすというアプローチをいたします。これが、私どもの基本でございます。その点、各府省が監督官庁として把握しているのとは、少し異なります。あるいは、ユーザーサイドから見られるとか、俗な言葉でございますが岡目八目的な形でものを見ることができるということで、監察というのはもともと、自分がやっている、あるいはやられているという立場から離れて行政の実務をさっと見させていただいて、そこから問題点を掌握して指摘するアプローチでございます。そのような見方になりますと、先ほどおっしゃった1省のテーマでしてもかなり関与者が多くなります。私どもは、そこを調べながら、問題点を指摘できればと思っております。各府省が評価しているかという点については、おそらく事業評価をしているものは実施していると思いますが、私どもの行政評価・監視はどちらかというと、非違であったり抜けていたりというものについて、個別に指摘していくようなところがあろうかと思います。よろしいでしょうか。

【谷藤分科会長】  加藤委員、御意見ございますか。

【加藤臨時委員】  そうだろうと理解しております。既に評価しているものでも、違った視点から評価することはもちろん大事なのですが、評価内容が重複して無駄が生じる可能性もあります。評価の無駄がないように、効率的に実施していただけると有り難いです。

【谷藤分科会長】  白岩課長、何かございますか。

【白岩総務課長】  その点については、十分考慮して実施させていただきたいと思っております。

【加藤臨時委員】  よろしくお願いします。以上です。

【谷藤分科会長】  では藤井委員、どうぞ。

【藤井委員】  三つのテーマについて教えていただければと思います。1点目は、4ページの、「国の債権管理等に関する行政評価・監視」で、先ほどの御説明も伺っておりまして、フォローアップが重要だと思います。もう既に具体的に問題点を把握されているのではないかと思うのですが、調査等対象機関が漠然と書いてありますが、債権管理上このような点に重点を置いているということがお決まりでしたら教えていただければと思います。
 2点目は、7ページの「職業能力開発の効果的な実施に関する行政評価・監視」で、このテーマも重要だと思います。背景事情では、(1)ですと大変に大きな問題と関係しておりまして、対象機関も非常に多くの機関にわたっているようでございますが、中段ですと、中心は厚生労働省の施策に言及されておられます。この問題をどのような視点から捉えるのかは、おそらく今回の評価の特色とも関連し、年齢別とか幾つかのキーポイントがあるのではないかと思うのですが、視点として重要だとお考えになっていることを表すようなキーワードとか、視点が整理されていれば、効果的に実施していくためにも教えていただければと思います。
 3点目は、11ページの「地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査」ですが、重要な問題だと思いますし、いろいろな状況があるのではないかと推察されます。これはテーマ名が実態調査となっていて、先ほど別のところで御説明があったような、おそらく実態を明らかにして課題を具体的に探るというタイプのテーマに入るのではないかと思うのですが、地下街の安全対策がどこまでできたらよいのかというのはなかなか難しい問題で、適当な基準などがあるのかどうか、あるいは、それよりもまさに実態調査ということで、管理の主体間の取組ですとか、関係も含めて調査に取り組んでいかれるのか、重点を教えていただければと思います。

【古澤調査官】  まず国の債権管理の関係ですけれども、債権の残額は府省別には公表されているのですが、機関別に公表されておりませんので、現時点では機関ごとに債権の額、特に履行期限の到来した債権をどのぐらい持っているかという調査をかけております。その結果に基づいて系統別に、例えば、地方整備局や労働局など、全国で10個あれば四つとか五つとか選んでいくという手法で満遍なく選んでいこうと思っております。

【谷藤分科会長】  残り、まだ二つあったと思いますけれども。

【小原評価監視官】  職業能力開発について御質問いただきました。こちらにつきましては、7ページの(1)にございますように、「日本再興戦略」で言われております、全ての人材が能力を高め、能力を存分に発揮できる全員参加の社会という観点から調査を行いたいと思っております。具体的には、求職者のニーズ、求人側のニーズ、そしてマッチングをするときに使われていると言われているジョブ・カードといったところ、双方のニーズ、その間のマッチングがうまくいっているかどうかという観点から、関係省庁について調査してまいりたいと考えております。

【矢田評価監視官】  三つ目でございます。地下街のところは資料にも書かせていただきましたけれども、昭和30年代から50年代に整備された地下街が多くございます。一時、非常に大きな災害があったことを契機にしばらく建設が止まっていた時代があるものですから、比較的新しいものと古いものが混在している。特に、古いものが多くあるというのが現状としてございます。
 もう一つ、先ほど総務課長から御説明申し上げましたとおり、地下街を専門に扱う法律がございませんで、建築基準法、消防法、水防法と、幾つかの法律がそれぞれ関係してくる形になっております。また、実際これらの業務を行っておりますのが地方自治体で、ある意味自治事務として行っているということがございます。そして昨今では、一つは震災、首都直下型地震のようなことが非常に多く言われるようになっていて、老朽化した地下街の耐震性が大きく取り上げられるようになってきているということ。また、非常に気候が変わってきておりまして、ゲリラ豪雨のようなときに浸水が言われるようになってきているということがございます。
 ところが、先ほどから申し上げておりますように、これは地方自治体が行っているということ、それから法律が縦割りになっておりまして、それぞれの法律が関係してくるということで、実態がよく分からないのが現状でございます。我々もここのところはいろいろ問題がありそうだと書いてあるわけですけれども、データとして分からないところがあって、いろいろな研究者の方がこのことをおっしゃっているという実態がございます。このようなこともあるものですから、今回一つのテーマとして取り上げて、地下街と言われるところが全国に70ぐらいあるわけですけれども、特に管理者が多岐にわたっているところもございますので、そのようなところの管理がどうなっているのか、地方自治体との関連がどうなっているのか、防災対策がどう取り組まれているかという実態を、多角的に明らかにするような調査ができないかということで企画しているものでございます。
 実際、調査に入るのは来年の第3期を考えているところなのですが、それまでの間にいろいろな情報などをできるだけ集めて調査設計をし、多角的に見ていきたいのですが、そのようなところを広く勉強しながら、調査項目の詰めなどを行っていきたいと考えております。

【谷藤分科会長】  藤井委員、いかがでしょうか。

【藤井委員】  多角的であることは重要だと思います。地下街のほうは分かりましたが、雇用のほうはまさに全員参加の社会というのが非常に大きい目的であり、こちらはデータはたくさんあると思いますので、データをうまく使っていただいて、効果的、効率的な検証をお願いしたいと存じます。以上です。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員はどうでしょうか。立花委員、どうぞ。

【立花臨時委員】  26年度と翌年度以降の、行政評価のテーマとして、基本的には今日的な意義といいますか、政策テーマとしても、国民の関心事項という視点から見ても大事な問題を網羅しており、これはもうやめたほうがいいとかいうことはありません。ただ、できるだけスピードアップして、政治の関心と合って評価結果が政府に出されるように、評価の出し遅れになってしまってはもったいないので、そのような問題意識を持って東京の方々や地方の出先の方々が協力して取り組んでいただきたいと、応援したいと思います。
 その中でも特に、例えば職業能力開発ですが。これは前の第1次安倍政権、あるいはその後の福田・麻生政権のときもジョブ・カードなどがいろいろと話題になって、果たしてそれがどうなったのか、笛、かね、太鼓のわりには、正規・非正規の問題の混在状況を見ますと、木に竹を接いだような形で難しいという感じがしますので、ぜひタイミング良くその結果を、全てまとまらなくても、一部だけでも結構ですから出して、政策、政治、あるいは国民の関心に応えるような、臨機応変な対応をしていただきたいと思います。
 地下街などは、私も伺っていて、全くそのとおりで、企業の御専門の安全防災の方々の話を聞いても、例えば、虎ノ門の西新橋の交差点で、JXホールディングの跡地の再開発をされていますけれども、JXビル自体、新日本石油が入っていたのですが、防災担当者から聞くと、日比谷あたりは昔は海岸だったので、一番心配しているのは津波による地下浸水ですね。彼らはビルを建て替える前から、従来は発電機とか排水機のプラントや防災の器具や食料品も地下2階や3階に、不要不急のものを置くフロアにまとめておいたのですが、これは危ないということで、大震災が起こる前から3階、4階に安全関係の統括本部や発電プラント、排水プラント等々の施設を移したということで、おそらく、大規模なビルはそのようなことをやっているのだと思うのですが、共通の地下街では、大阪でもありましたけれども、浸水して排水ができなかったということで、その辺りは分かっていても費用の関係があってできないという点もあるでしょうから、そのような問題意識で早め早めに、ワンセットで全部できないと勧告できないというのではなくて、パーツでもいいから関心に応えるように問題提起していただきたいなと、繰り返しですけれども、お願い申し上げたいと思います。以上です。

【谷藤分科会長】  白岩総務課長、御返答はございますか。

【白岩総務課長】  厳しい、また応援のお言葉だと思います。私どもも可能なところは工夫させていただきたいと思っております。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員から。小峰委員、どうぞ。

【小峰臨時委員】  国の債権管理のところですけれども、この中で数字が出てきて、4ページの上の(3)で、履行期限が到来している債権額が現在3兆円ぐらいということで、これは相当大きいです。しかも債権総額の3分の1ほどになるという。もちろんこれが全部不良債権ではないのでしょうが、このような問題は、今までどの程度議論されてきたのでしょうか。私は随分大きいと思って、非常にびっくりして、冗談じゃないという感じがするのですが、これは今までどれぐらい公になっていて、問題視されていたのでしょうか。また、典型的な大口のものにはどのようなものがあるのかも教えていただきたいと思います。

【谷藤分科会長】  それでは御返答願います。

【古澤調査官】  まず1点目ですけれども、財務省の主計局から、債権の総額については毎年公表されておりまして、本資料についても主計局の公表資料を基に記載したものです。どのような議論があったかは、申し訳ございませんが、今まで把握していないのですが、これからいろいろ調べていこうとは思っております。
 履行期限が到来している中で一番大きなものは、国民年金の債権で2兆円ほどあります。それ以外には厚生年金などの保険料債権が4,000億円ほどです。大きなものは、厚生労働省関係の保険料の債権です。

【谷藤分科会長】  門脇委員、どうぞ。

【門脇臨時委員】  この調査の主目的は、履行期限が到来している債権を把握し、その不良化を阻止することだと理解して宜しいのでしょうか。民間におります私共からすれば、役所全体として、各債務の金額もその中身もわかっていれば、責任のある部所で具体的な回収の対策を打って実行しているはずだと考えます。そういう意味で、この調査は、既にわかっていることを調査するのではないかという違和感を覚えます。

【白岩総務課長】  ごもっともでございまして、もう既に把握していて行政執行などの形にできるものであれば、今回の調査の対象から外していきます。具体的に中小企業に対して貸し付けるなどした債権が多種多様ありまして、そのようなものについて、実際問題としてどのように行政執行するのか、私ども行政の世界では、融資することが仮にあったとしても、それは政策的な融資で、もともとなかなか信用を得にくい人たちを支援するものですから、それをどのように強制的に執行するのか、なかなか難しい問題がございます。先ほどの年金一つとってみても、一人一人の小さな零細債権、それであっても、それはそれぞれやっていかなければならないことで、そちらはおそらく今回調査していってもすぐ出てくるのだと思います。そのような意味では、先生のおっしゃるように、あえて調査するような話ではないのではないかといのは、そのとおりだと思います。そうではなくて、先ほど少し申しました政策金融などの分野について、現場できちんと管理しているのかという問題が、ここでの問題でございますので、額的に言うとここで言っている履行期限到来債権がどの程度のパーセンテージかというと、パーセンテージ的には大きくないかもしれませんが、そのような分野について、特に問題意識を持って今回把握していこうと考えている次第でございます。

【門脇臨時委員】  さらに申し上げれば、基本的に債権の詳細を把握できていて、回収方法も分かっているのに、改めて調査の対象とすることについては、その必要性に疑問を感じるわけです。それとも、全体の調査を実施し、改めて実情を明示することによって、全体の状況の改善に資する手段になりうるということでしょうか。それはそれで全体としての組織に問題があるのではないかと思います。

【白岩総務課長】  おそらくそういう意味で言うと、先ほど申しましたとおりパーセンテージ的に大きなものではないだろうと思います。ただ、それでも分かっていないところもしっかり見ていこうということだと思います。

【谷藤分科会長】  よろしいでしょうか。

【門脇臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員から御意見ございますでしょうか。中泉委員、どうぞ。

【中泉臨時委員】  一般論からですが、府省横断的な調査の重要な意義の一つは、各府省で比較するということです。特に、個々の府省の縦割りの弊害の一つとして、特定の利害関係者にのみ着目し過ぎることがあるかと存じます。それに対して、政策評価は特定の利害関係者にのみフォーカスしないで、より一般的な国民に視点を向けるということが、非常に重要な意義だと思います。そういう観点から、府省横断的な調査で比較して評価していくのも非常に重要なことだと思います。
 皆さん、27年度以降の調査について言及されていないので、例に出して恐縮ですけれども、3ページの一番上に「農林漁業・農山漁村の6次産業化の推進」がありますが、これも、例えば工業や、消費者が必要としているニーズとしての農業の規模や需要と、実際に農林水産省の関係者の皆さんが考えている規模や需要と、どれぐらいギャップがあるかを調査するには非常によいケースだと思います。
 その下の、「農業の担い手対策」も、実際に農業の関係者の皆さんが考えているものと日本全体の国民が考えているものとを比較していただくのに非常に良い機会だと思います。その辺りを中心に調査していただければと思います。
 もう一つ、これは一般論の2点目ですが、6次産業化をするといっても行政の関与すべきところと民間が担当するところとの区別をこのような調査でもしっかりと分けていただきたいと思います。特に、農林漁業について重要なのは、経済学でコモンズといいますけれども、希少資源の部分です。漁業だと幼魚の管理や、水利権の管理といった、まさに市場の失敗で、完全にマーケットに任せておくとうまくいかないところです。このようなところも農業の場合たくさんあるので、それをやみくもに6次産業化で消費するのは、当然問題があると思います。そのような意味で、2点目は市場の失敗という観点からの分析という意味でもいい例だと思います。そのようなことも踏まえてやっていただきたいと思います。

【谷藤分科会長】  これは御回答は必要でしょうか。

【中泉臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  白岩課長、何かございますか。

【白岩総務課長】  私どものテーマの検討過程でも中泉先生のような問題意識がございましたので、十分これから詰めさせていただきたいと思います。

【谷藤分科会長】  今回の政策評価分科会には、独立行政法人評価分科会から臨時委員であります大西委員が参加されております。大西委員から何か御質問ございますでしょうか。

【大西臨時委員】  発言の機会をありがとうございます。私どもは普段は独立行政法人のレビューを担当させていただいておりまして、この分野については直接参加したのは初めてでございますので、いろいろな議論をお聞かせいただいて、大変幅広い視点からいろいろな調査事項、テーマなどを議論されていることをじかに見聞きさせていただきました。
 既に議論されておりますけれども、たくさんある施策、または制度の中からこのようなものを体系的に取り上げて調査をされており、また、向こう3年、数年を見通して計画を立てておられるということで、取組の方向などについても今日はいろいろと学ばせていただきました。特段個別のことについてのコメントはございませんが、順次施行していただければと思います。ありがとうございました。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。それでは大体時間がまいりましたので、2番目の議題に移ってもよろしいでしょうか。まだ御意見があると思いますので、追って事務局にお伝えいただければと思います。
 この資料のプレゼンテーションの在り方につきまして、政策評価に近いものと、行政評価・監視に近いものと、先ほどありました実態調査に近いものが混在しておりますので、実態調査に近いものは実態調査に近いものだと、まとめて提起していただけると少し見やすいかと思います。

【白岩総務課長】  次回させていただきます。

【谷藤分科会長】  どうぞよろしくお願い申し上げます。それだけ付け加えまして、続いての議題である「政策評価と行政事業レビューの連携」について、清水政策評価官から御説明をお願いいたします。

【清水政策評価官】  御説明させていただきます。資料2にフォローアップの結果を付けております。おさらいになりますけれども、政策評価と行政事業レビューとの連携につきましては、今年度から取り組んできたものでございます。政府全体としてのPDCAサイクルの強化、あるいは行政事業レビューを現政権でどのように扱うかといった議論が昨年の今頃行われまして、その結果、政策評価と行政事業レビューを連携させて、より一層施策・事業の見直しに役立てようということでございました。
 行政事業レビューは御承知のように、約5,000の事業、予算事業一つ一つについてレビューシートをつくって検証していきます。それに対しまして政策評価、特に各府省が主要な政策について行っている事後評価は、一昨年、その前と、この分科会でも十分に御審議をいただいて目標管理型の政策評価ということで事前分析表を作り、これらをうまく連携させようと言うことで取り組んできたところでございました。
 具体的には、行政事業レビューの対象になる個々の事業が、政策評価でいう一段上の大きなくくりの施策、政府全体で500程度ございますが、この達成手段になっているはずだということで、その施策の目標とそのための達成手段が個々の事業ということで、この連携をはっきりさせることといたしました。そして、行政事業レビューと連携させるということですので、事業名・事業番号を統一して、相互に関係が明らかになるようにいたしました。さらに、レビューの対象となる事業については、事前分析表にもきっちり書いていただいて、お互い、政策評価を行う際にも行政事業レビューの情報が、行政事業レビューを行う際にも一つ一つの事業が何を目指しているか、施策レベルの目標との関連性が明らかになるといったことを目的として、事業名・事業番号の統一と、事前分析表において関係をはっきり書いていただくという取組を一つ行いました。
 もう一つは、行政事業レビューは、どちらかというと予算に近い取組として、予算の取りまとめをしている、各府省の官房会計課といったところが担当しています。一方で、政策評価については、評価制度を全政府的に入れたときからきちんとした評価担当組織を作ろうということで、政策評価を担当する政策評価広報課や政策評価官といった課レベルの政策評価をもっぱら担当する組織がございます。別々の組織でこの二つの仕事が動いているわけですけれども、個々の連携をプロセスの連携に取り組んでいこうということで、一つには事務的な連携、もう一つはどちらも外部の有識者の方が参画されるプロセスがございますので、そういったところでの連携をできる限りとっていただこうということが、今年度の政策評価と行政事業レビューの連携で取組を始めたものでございます。
 これにつきまして、実際に一度やってみてどうであったかを取りまとめたものが、資料2でございます。まず施策と事務事業との対応関係の整理ですけれども、記載すべき事業は、一部を除き適切に記載されているけれども、改善を要するものも見られたとまとめているところでございます。
 書かれていなかったものにはどんなものがあったのかということで、大きく三つですが、移替え予算として、要求府省に一括計上し他府省で執行する事業で、復興予算については、復興庁に一括計上されているものでございます。行政事業レビューの段階では、復興庁でレビューシートをつくり、行政事業レビューを行いましたが、一方、具体的なこの事業は復興庁から各府省に予算を移し替えた上で各府省が執行することになっておりまして、各府省では、もともと大きな全国的な事業があって、その中で震災復興分がある事業も多くございまして、この辺りを、全体の中でやったもの、あるいは個別に移し替えられたものを一つの達成手段として挙げたところで、取り扱いが各府省によってばらばらであったということが、フォローアップした結果分かったことでございます。
 そのほかに単純な記載漏れや記載を省略したものがございました。いまだに共通化した事前分析表が公表されていない事例もありまして、改善を要する部分がございます。
 次のページに移りまして、今度は実施過程でどのような連携が行われたかに着目して、各府省の状況をお聞きしたものでございます。
 まず、外部の有識者の方々に参画していただく部分については、私どもも申し合わせなどの中で合同会議を開催することを推奨いたしました。その結果、合同会議が実際に開催されたところが3省ほどありましたほか、参加される先生方に、両方に参加、兼務していただくような工夫をされたところも5、6省あったということでした。それ以外にも、それぞれの会議でそれぞれの資料を配ったり、説明をしたり、あるいはそれぞれの会議に別の会議の担当課の職員が参加したということでプロセスの連携を図っていったということです。また、事務の話では、一つ一つの評価、あるいはレビューの作業、これも事業を担当しているところで行うわけですが、そこに向けて作業の依頼をするときに連名で行う、あるいは取りまとめのプロセスで両方の取りまとめた側の合同で行っていく、あるいは一緒に決裁をとるといったことで連携を図るなど、こちらはそれぞれ初年度としてできる限りの工夫をしていただいたのかなということでございます。
 全体の今後の対応でございますが、別紙2で各府省の取組事例をまとめておりますけれども、まずはこういったものを政府全体で共有して、できる限り、さらなる取組をお願いしていきたいと思います。もう一つ、記載漏れが散見されたということですので、フォローアップの時期を早めていきたいと考えております。最後に、移し替え予算の話については、なかなか想定していなかったものですから、来年度の実施に向けて関係部局とも相談をして標準的な取組を取りまとめて全省で共有していきたいと考えております。
 別紙1ですけれども、左側が行政事業レビューシートが作られている件数、右側が事前分析表に書かれていた件数でございます。この中で行政事業レビューについては、前年度限りで終わった仕事についても作成されています。一方で、事前分析表にはその年度に行う仕事が書かれているということで、もともと完全に1対1で対応するものではありませんが、1件1件突合していった結果、記載漏れとか記載を省略したものが87件ほど確認できたということで、来年度に向けてしっかり対応していきたいと思います。また、来年度からは、今年度の後半にずっと御審議をいただいてきました目標管理型の政策評価の標準化・重点化の取組も始まります。行政事業レビューと連携し、標準化・重点化も図っていくということで、この目標管理型の政策評価がより使いやすくなる、分かりやすくなるように引き続き取組を進めていきたいと考えているところでございます。以上、御報告させていただきました。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。本年度精力的に取り組んでまいりました目標管理型の政策評価と行政事業レビューの実施に当たりまして、その連携をきちんと図っていかなければいけないということが結論として出されていたわけですけれども、それがどのような形でその後取り組まれているかという御報告であったと思います。それを踏まえまして各委員から御質問などがございましたら御発言願います。少し分からないということも。田中委員、どうぞ。

【田中(弥)臨時委員】  御説明ありがとうございました。これだけの作業を、一つ一つ点検されたのは相当な御苦労があったと思いますので、その作業に対しては敬意を表したいと思います。その上で、辛めのことを言わせてください。今さっき冒頭で清水政策評価官が、政策と事業の関係はまさに目的とその達成手段だと明確におっしゃっていて、それが恐らく真の連携の意味だと思うんですけれども、今御説明されたことはそこからまだ距離があるように感じます。
 例えば別紙2ですが、レビューと政策評価委員の方が合同で評価をしたということが、あたかもそれが目的のように書かれているんですけれども、それを合同で開催したことではなくて、その結果、政策体系をどのように改善したらいいのかという議論があったとしたらまだしもなんですが、この資料のポイントを見ますと、連携を一層図ったということで、連携のために連携をしているようにしか見えないので、これは政策評価らしくないというか、インプットのレベルで説明が終わっているので、あまりこれを表に出さないほうがいいのではないかと感じました。
 それから、繰り返しになりますけれども、行政事業レビューと政策評価の両方に関わっている人間から見ますと、体系性がないというのが非常に心配になります。幾らナンバーでくくったとしても、非常に多くの政策を抱えている、例えば、この省や、経済産業省には6個とか10個の少ない政策しかありませんが、本当にそれで沢山の数の事業をくくれるのかというところからも見直していただきたいと思います。実際にシートを書かれている役人の皆さんが、それをその政策の下に書くので、理屈を作るので苦労しているのをよく見ますので、そこを抜本的に見直す議論をしないと本当の連携にはなっていかないのではないかと思います。さらに言えば、これだけの作業をマニュアルでされたのはほんとうに大変だと思うのですが、まさにここに電子化をいち早く導入していただければと思います。すみません、ちょっと厳しいことを申し上げました。失礼します。

【谷藤分科会長】  清水政策評価官、何かございますか。

【清水政策評価官】  御指摘ありがとうございます。御指摘のとおりではありますが、とりあえず今年初年度だったということでしたので、どのような取組がされたかということにとりあえず重点を置いて作業をし、報告させていただいたということでございます。この取組をした結果、どのようなことが分かったか、フォローアップももちろんやっていかなければいけないと思っているわけですけれども、来年度の実施が迫っていることでもありますので、まずどのようなことが実際に行われたかに重点を置いて作業をさせていただいたということで、その点だけ御理解いただければと思います。
 体系の話は御指摘のとおりだと思います。御指摘の経済産業省については、資料の別紙1にも書いておりますけれども、政策体系の再構築という作業をされていると聞いております。実際に行政事業レビューを行う際にも、政策評価の政策体系ごとに個々の事務事業を整理・公表していくように取り組まれていると承知しておりまして、取組を重ねていく中で、次第に説明のしやすさや、目標の設定といった関係で、各府省それぞれ工夫していただけるようになっていくのではないかと期待しているところでございます。
 なお、来年度、標準化・重点化ということを政策評価では取り組んでいくわけですけれども、その実施状況と併せて、その辺りも分析をしてみたいと思っているところでございます。
 電子化については、各府省それぞれ一度作れば大丈夫かと考えてはおりましたけれども、実情を各府省からも改めてお聞きしてみて、工夫ができないかどうか検討していきたいと思います。ありがとうございます。

【谷藤分科会長】  田中委員、よろしいでしょうか。

【田中(弥)臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  そのほか、小野委員、どうぞ。

【小野臨時委員】  御説明ありがとうございました。大変緻密な作業をされて敬意を表したいと思います。私も田中委員の御指摘に近いような話で、付け加えるような格好になりますけれども、これは提案というか要望というか、お願いのようなことなのですけれども、政策のロジックではまだアウトプットレベルといいますか、もちろんアウトプットのところの作業をやって連携をとるような取組を広めないとアウトカムも出てこないと思いますが、行政事業レビューと目標管理型の政策評価を一体化することによってPDCAサイクルがよりきちんと回るようになるといいますか、その辺りの、この取組自体のアウトカムの評価といいますか確認をぜひ考えていただきたいと思います。行政事業レビュー担当は行政改革推進会議であり、推進する母体が違うわけですのでなおさら難しいわけですけれども、ただ、各府省も膨大な作業をしていることでもありますし、来年すぐという意味ではなくて、とりあえずアウトプットの方の徹底度合いをチェックしていただくのは非常に重要だと思います。結局のところ、両者の連携で各府省におけるPDCAサイクルが実際にどのように回るようになったのか、あるいは回っていない部分があるのかという観点からの評価といいましょうか。もともと政策評価制度の中でも複数の省庁にまたがる政策は総務省の行政評価局がチェックすることになっていると思いますので、この点についてもおそらくは行政評価局の仕事だと思いますが、行政事業レビューそのものも含めて、政策レベルと事業レビューを連携させて評価する。アウトプットがある程度広まった段階で本当のところはどうなのかということをどう評価すべきか、それは今のうちから考えたほうがいいと思いますので、その辺りをぜひお願いしたいと思います。

【谷藤分科会長】  佐藤委員、どうぞ。

【佐藤臨時委員】  私も政策評価と行政事業レビューの両方を見ている人間なので関心があるのですが、行政事業レビュー、有識者会合との合同開催、これは具体的にどのような開催でどのような内容のことを議論されたのかについて紹介いただければと思います。特に総務省は恐らくやっていらっしゃったんだと思うんですけれども、「合同開催:有」となっていますので、具体的にどのように有って、行政事業レビューの有識者というのも、実は内閣府サイドが指名する人と各府省が指名する人がいるので、どんな人がここに出てきて、具体的に今後どういう形になって、議論していてかみ合った部分とかみ合わなかった部分はどういうところがあったのかについて、もし紹介いただければと思います。

【清水政策評価官】  大変申し訳ございませんが、総務省のものも総務省の施策ということで行っておりまして、私どもは直接参加しておりませんでした。ただ、合同開催していただいたところはレビューのプロセスの中で有識者の意見を聞くプロセスと、政策評価の結果について有識者の皆様の御意見を聞く場が双方あるということですので、両方の素材を出して全体的に御議論いただいたのではないかと考えているところでございます。
 それぞれが連携して作業をやっていく中で、両方の情報を相互に使っていただいて、それぞれの指摘をしていただく。まさに行政事業レビューの結果が政策評価にもきちんと使えるようになっていくことが想定している形ですので、そのようなところで両方に参画していただける有識者の方が、両方の情報を基にあるべき姿を議論していただくところに持っていけないかということで、ここのプロセスの連携を考えてきたということでございます。

【谷藤分科会長】  佐藤委員、何かありますか。

【佐藤臨時委員】  かなり有識者の方が大変ではないかと思っただけなのですが、もう少し事務方でうまく連携してほしいというのが正直なところだと思います。私も委員をしていていつも不思議なのは、政策評価は各府省の政策評価担当者、行政事業レビューは官房の会計課の方が出てくるので、そこのところでうまく話がかみ合っているのだろうかというところです。

【清水政策評価官】  そこはそこでまとめていますが、両者合同ヒアリングを部内でしていただいたり、取りまとめプロセスを一緒に行っていただいたという報告をいただいているわけですけれども、事務方同士の連携は非常に重要だと思いますので、来年に向けてさらにお願いしていこうと思っています。

【谷藤分科会長】  ほかの委員からの御意見はございますか。中泉委員、どうぞ。

【中泉臨時委員】  今までの御意見に補足ですけれども、現状はまだ初期の段階で慣れていないということもあると思います。というのは、田中委員が言われたことで、実際に目標と手段との間の理屈をつけるのに苦労されているという話があったのが非常に気になっているのですが、それは最初の段階だからというのもあると思います。ただ、こういった分析に習熟化し、恒常化してきて、しかも理屈をつけるのに苦労しているということであれば、ある意味で本当に必要性があるのだろうかという印象を受けてしまいます。ブレーンストーミングと考えて頂いてかまいませんので、本当に必要性の観点から、どのようなところに予算をつけるのか、事業の必要性はどうなのかを考えていただければと思います。

【谷藤分科会長】  御返答は必要でしょうか。

【中泉臨時委員】  どちらでもいいです。

【谷藤分科会長】  清水政策評価官。

【清水政策評価官】  このように連携をしてシートを作って公表していく中で、政府全体として各府省それぞれ一つの担当課のシート1枚としているところがあります。目標とそれを実現するための達成手段を整理していくということで、以前から当然取り組まれていたといえばそうなのでしょうけれども、それをきちんと整理して公表するところで、各府省もそれぞれ説明責任を果たしていくということで工夫されていく。どうしても今の体系の中で説明が難しければ体系の整理も行われていくでしょうし、各府省で自分たちのマネジメントとして最適な方向を模索していかれると思います。一方で、せっかく出てきた情報を先生方も含めていろいろなところで活用していただいて御指摘をいただいて、そういったことからもまた改善が図られていくということだろうと思いますので、情報を使っていただくことについて、我々としても宣伝の努力を引き続き進めていきたいと思いますし、先生方のほうでもいろいろ素材にしていただいて、御指摘いただくことで改善が図られていくと思います。

【谷藤分科会長】  森田委員、どうぞ。

【森田臨時委員】  私もこちらと行政改革推進会議と両方関わっている者ですが、これまでにそれぞれのところでなされたこの大変な作業については、本当に敬意を表したいと思いますし、連携を図っていくことについて大変な努力をされていることも評価したいと思います。ここにいらっしゃる方、あるいは担当されている方は何をしているかをよく御存じだと思いますが、国民の視点から見たときになかなか理解しにくいところがあるように思います。政策評価とは一体何をしているのか、そして行政事業レビューとはどういうことなのか、その両者がどう違うのか、どのように役割分担をしているのか、そもそも何のために二つやっているのかということも含めて、そうした意味での説明を社会に対してはっきりとしていく必要があると思います。
 さらに申し上げますと、我が国の政府としてそのような仕組みを作っているわけですけれども、その結果、何が変わったのかというメッセージがもう一段分かりにくくなる可能性があると思っています。それによって大幅な予算の無駄遣いが削減されたのか、あるいは行政の効率性が向上したのか、国民に対してサービスの質が良くなってきたのか、それが一般国民にはっきりと分かる形で成果を発表していくことが必要ではないかと思っています。そうでないと、いろいろ大変な作業をされているのですが、それがどのような意味を持つのか、それ自体をレビューしてみたらどうか、といった話になりかねないと思いますので、その辺りを、いろいろな方とこの件についてお話ししておりまして耳にしましたので、お伝えしておきたいと思います。お答えは結構でございます。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございます。ここについては従前からかなり指摘されておりましたもので、目標管理型の政策評価システムを導入する意味は一体何なのかということと、それによって何が変わるか、私たち自身も説明責任が求められていると思います。そのほかの委員の方、御意見ございますか。
 これは確認ですけれども、事業名及び事業番号を共通化した事前分析表を未作成の省庁があるということですが、本年度中にこの作業は全部完了するのでしょうか。

【清水政策評価官】  別紙1に書いてありますけれども、経済産業省が未作成ということで、今年度中には出していただけると聞いております。

【谷藤分科会長】  それからもう一つ、これも確認ですが、行政事業レビューに関わる担当課ないしはそこに関わる有識者の方々が、いわゆる目標管理型の政策評価システムはどのようなことを狙いとしているのか、十分な御理解は得られたのかどうか、感触でもいいですから、どのような段階にあるのかをお伺いしたいと思います。

【清水政策評価官】  連携の取組をしてきていますので、ある程度はきちんと御理解いただけていると思っておりますが、そのような質問を各府省に直接したことはありませんので、改めて各府省に聞いてみたいと思います。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員から御質問ございますか。よろしいでしょうか。では、現在の言わば目標管理型の政策評価システム以降の行政事業レビューとの連携につきまして、このような段階にあるということを御理解いただいたと思います。ほかにも御意見がございましたら、いつものように追って事務局へお伝え願えればと思います。
 本日の議題についての審議は以上で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
 最後になりますが、各委員にお伝えしたいことがございます。長年この委員会に御参加いただきまして、精力的に御貢献いただきました立花宏臨時委員におかれましては、4月から人事院の人事官に任命されることに伴い、本委員会の臨時委員を退任される予定となりました。これまで分科会に精力的に御参加いただいた上、専門的な立場から幅広く重要な御意見をいただき、誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 離任に際しまして立花委員から一言お願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【立花臨時委員】  谷藤分科会長をはじめ、この分科会のメンバーの方々、それから先ほど共通制度という懐かしい言葉をお聞きしましたが、総務省の行政評価局で幹部として第一線で頑張っている方々に教えていただいて、本当に有り難く思っております。私は民間の立場で公共政策の立案からその実現に携わってまいったわけですが、まさにそういったことでいろいろ私を育てていただいた方や、土光臨調以来のベテランの方々が現場に入って許認可等の実態も含めて教えていただいたことを、懐かしく今思い出しておりました。
 先ほど御紹介がありましたとおり、内閣から人事院の人事官に起用したいということで、国会での参考人陳述と質疑が終わって、先々週何とか御同意いただいたということでございます。私自身は政策評価が自分のライフワークでもありますが、不本意ながら、人事官は兼職禁止で職務専念義務がかかるということで辞任せざるを得ないということで、委員の方々、事務局の方々の奮闘を期待しております。
 それから、これはイタチの最後っぺみたいなことですけれども、先ほどグローバル人材の育成というテーマもありましたけれども、私はぜひ、役所の方々、行政評価局の方々が、年に1回はアメリカ、ヨーロッパ、あるいはアジアを含めて途上国に、政策評価の最新の知見、動向を、このメンバーの方々と一緒でもいいですし、単独でも結構ですけれども、定点観測的に調べていただいて、政策評価のレベルも、グローバルなレベルと比べてどうなのかということを絶えず意識しながら仕事に専念して、専門人材といいますか、プロとしてますます活躍されることを期待しております。どうもお世話になりました。ありがとうございました。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。人事院での御活躍を心から期待申し上げております。
 以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会政策評価分科会の本日の分科会を終了したいと思います。本日は御多忙の中御参加いただきまして、どうもありがとうございます。これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

以上

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