カナダの規制影響評価における規制策定プロセスを特性ごとに分類すると、規制の影響度を概算し、低・中・高に分類する「規制のトリアージ」、影響度の詳細な算出を行い、費用便益分析等を実施する「規制影響分析」、規制の影響を受ける事業者などから意見聴取を行う「利害関係者からの意見聴取」の3つに大きく分類することができる。
各規制所管省庁が提示した政策案に対し、影響評価における利害関係者からの意見聴取を通じて、新たな意見の反映や政策が選択された事例は、影響評価が意思決定に結び付いている優良事例として位置付けることができる。
・優良事例(1):種子法における規制の改正(農務・農産食品省)分析対象の特性により定量評価が困難な事例では柔軟に定性評価を取り入れて連携するなど、定性評価の質が高い事例は、影響評価手法自体の優良事例として位置付けることができる。
・優良事例(2):食品・医薬品規制の改正(ビール)(食品検査庁)影響評価における定量評価の質が高い事例、定量化が困難な指標を可能な限り定量化し分野を超えた影響を比較した事例、必要に応じて定性評価と連携することで、より正確に影響評価をした事例は、影響評価手法自体の優良事例として位置付けることができる。
・優良事例(4):複数セクターにおける大気汚染物質の規制の改正(環境省)