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IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会第6回会合議事概要

日時

平成21年12月2日(水) 14:00〜16:00

場所

総務省 8階 第1特別会議室

出席者(敬称略)

(1) 座長
齊藤忠夫(東京大学)

(2) 構成員
会津泉(多摩大学)、荒野高志(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、依田高典(京都大学)、井筒郁夫(社団法人電気通信事業者協会)、今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、熊田和仁(財団法人日本データ通信協会)、高橋徹(財団法人インターネット協会)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、中村修(慶應義塾大学)、中村正孝(日本ケーブルラボ)、松村敏弘(東京大学)、吉田清司(代理:寺田氏)(財団法人電気通信端末機器審査協会)

(3) オブザーバー
林一司(ニフティ株式会社)、真田教志(NTTコミュニケーションズ株式会社)

(4) 総務省
内藤総務副大臣、長谷川総務大臣政務官、桜井総合通信基盤局長、福岡電気通信事業部長、山田総合通信基盤局総務課長、長塩データ通信課長、中沢データ通信課企画官、武馬データ通信課課長補佐

議題

  1. ワーキンググループからの報告
  2. 構成員/オブザーバーからのプレゼンテーション
  3. IPv4在庫枯渇に関する現状について
  4. 自由討議
  5. その他

議事要旨

【構成員/オブザーバーからのプレゼンテーション】
・構成員/オブザーバーより資料6-3〜資料6-6について説明。
○WGのとりまとめについて、クラウドとIPv6のつながりが良く分からない。クラウドの裏側は複雑だがインターネットに接続している部分ではないため、IPv4プライベートアドレスでも運用が可能ではないか。
○クラウドについては、WGで様々な議論があった。今後のクラウドサービスにおいては、拡張性などを考慮するとIPv4でネットワークを組むよりもIPv6で組んだ方が良いと思う。

○資料6-3のP8に、「ユーザーから見て不明な点がまだまだ多い」とあるが、IPv4アドレス枯渇タスクフォースにおいては、まずISPがIPv6対応していくと認識している。そのために、タスクフォースとして何をすべきか、ISPとしての考えはあるのか。
○一般ユーザーの窓口としてISPが対応すべきこともあるだろう。しかし、アクセス網の部分など、ISPが対応できない部分もある。まずは、何をするかを洗い出し、徐々に解決していくことになるのではないか。
○広報戦略WGにおいても、まずはISPから広報のきっかけを作るのが良いのではないかという結論になったと思う。
○ISPと一般ユーザーをつなぐアクセス部分のIPv6対応については、まだ方向性が決まっていないところも多い。ADSL等のNGN以外の回線も含めた全てのアクセス部分をIPv6対応させるかどうかという議論は、まだしっかりとできていないと思う。

○資料6-4に「地方のPOIまでIPv6のネイティブトランジットが来ていない」とあるが、どういうことか。
○POIまでの回線はISPが自分で用意しないといけない。顧客が増えるのであればそれができるかもしれないが、地方のISPは顧客が増えていないという現状においては、回線の調達が難しいということである。

【自由討議】
○どういう広報戦略を立てるかは大きなテーマなので難しいことだが、ISPがきっかけ作りをするのが良いだろうという議論がWGであったと思う。ISPが本気にならないとIPv6対応は進まないだろう。
○資料6-7のユーザー予測については、新規ユーザーのうちNGNに接続する部分はある程度合っているだろう。問題はそれ以外の部分をどうするかだと思う。そもそもの目的が、トランスレーターでIPv4とIPv6を変換して通信できる環境を実現する程度で良いのか、インターネット全体をIPv6に移行するところまでするのか、当面の新規ユーザーのみIPv6対応するところまででよいのか、いずれであるかの認識をまず合わせるべきだと思う。
○ISPから始めるとなった場合でもISPだけではなく他の関係者もIPv6対応について検討はすべきである。
○最初は混乱があるかもしれないが、それが徐々に落ち着く可能性もある。そうなると、個々の関係者は、IPv6対応にかかる設備投資コスト等を考慮してIPv4を使い続ける可能性も出てくるだろう。
○ユーザー予測については、数百万程度はずれることもあるため、今からIPv6対応のシナリオを作るのは難しいのではないか。アドレス移転ができるようになるという話も聞いているし、買ってくれるなら返却するという話もある。アドレスの割り振りと実需を調べることは難しいが、移転等の話も考慮していく必要があるだろう。個々の関係者が判断できるだけの情報はまだないと思う。
○今後はISPだけでなくCSPのIPv6対応が必要だと思う。IPv4との併存期間が長いほど経済的な損失が出てしまうため、早く進めた方が良いだろう。また、LSNについては、ユーザーにある程度のセッションを割り当てて通信できるようにすることは可能だと思う。しかし、何か問題が起きたときに、LSNでアドレス変換していると通信ログから通信経路を追跡することができない可能性がある。そのため、今後もインターネットが健全に発展していくためにはIPv6への移行を推進することが必要だと思う。例えば、マイクロソフト社は、OSのIPv6機能をOFFにした状態で試験をしていないため、ユーザー自身がOFFにした場合の動作は保証できないと発表しているが、それはIPv6を後押しする良い事例だと思う。
○IPv6に円滑に移行して行くにはどうしたら良いのかというのは、これまで経験したことのない複雑な問題である。事業競争上、早く対応しすぎると損をしてしまうこともあるし、遅くても他社に負けてしまうということもある。また、グローバルでIPv6対応が進まないと日本だけIPv6に移行すると言うわけにもいかない。無理をして一つのシナリオを作るというのも難しい。2011年までに、ここまでやっておけば大丈夫という条件を作っておく必要があるだろう。この研究会の場を利用して、様々な情報を集めるのが良いと思う。
○これまでは、IPv6対応を進めようという話が多いが、韓国ではまだ様子見の状況の部分もあるようだ。日本が先行してIPv6対応を進めることが参考になるという意見もある。グローバルで見た場合、少しでも長くIPv4の使用を引き延ばすという考え方があるので、広く目配りをしておく必要があるだろう。
○IPv6対応しないことも含め、それぞれのISPがどういう戦略を立てるかについては、各ISPが判断することだろう。
○広報戦略は大事だと思っている。取り残されるのは、情報を持っていないところだが、大きな変化が起きる可能性はあると思う。例えば、アクセス回線のIPv6対応について方針が決まっているのは、現在NGNの部分しかないため、今後何が起こるか分からない。そのため、多くの人に今後IPv4アドレスが枯渇することを広報する必要があると思う。何か問題が起きたときに、知らなかったでは済まされないのではないか。
○ISPに話を聞いていて感じるのは、枯渇問題を検討すればするほど、IPv6対応が必要だということである。それは、日本以外の国でも同じではないか。
○もう少し早くからIPv6対応を進めておけば良かったと思うことがある。つまり、IPv4アドレスが枯渇してからIPv6対応を始めるというのは技術的にかなり大変なことは明らかだが、IPv4、IPv6併存期間の間にIPv6をバックアップ的に使っている間に、IPv6対応の準備を整えていくという方針を取るためには、もう少し早くからの方が良かったかもしれないということである。
○JPNICでの枯渇後あたりから、ビジネス的にひずみが出てくるだろう。IPv4グローバルアドレスを持っているところが強引なビジネスをしても許されてしまうことが想定される。それを防ぐためにも、必要な社会コストとして、今からIPv6対応を進めておく方が良いと思う。
○IPv4グローバルアドレスを多く持っていてユーザーも増えているような事業者はIPv4で事業を続けていくということになるかもしれない。現在の個々の事業環境によって、IPv6への期待感も違ってくるだろう。

○APNICのジェフヒューストンとIPv4を利用するユーザーはいつまでいるか、という話をしたときに、20年くらいだろうということだった。成り行きに任せれば良いだろうという意見だったと思う。

【その他】
○次回の開催日時(12月17日10時〜)について連絡。

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