会議資料・開催案内等

情報通信審議会電気通信事業部会(第44回)議事録




第1   開催日時及び場所
平成16年7月27日(火) 14時00分〜15時46分 於、総務省第1特別会議室

第2 出席委員(敬称略)
根岸 哲(部会長)、酒井 善則(部会長代理)、辻 正次、東海 幹夫、
村上 政敏
(以上5名)

第3 出席関係職員
(1)   総合通信基盤局
江嵜 正邦(電気通信事業部長)、武内 信博(総合通信基盤局総務課長)、
吉田 靖(事業政策課長)、大橋 秀行(事業政策課企画官)、
鈴木 茂樹(料金サービス課長)、泉 宏哉(料金サービス課企画官)、
金谷 学(電気通信技術システム課長)

(2)   事務局
福岡 徹(情報通信政策局総務課長)

第4 議題
(1)   平成13年総務省告示第243号(電気通信事業法第38条の2第1項の規定に基づく指定に関する件)の一部改正案について
【平成16年5月18日諮問第1116号】

(2)   平成17年度以降の接続料算定の在り方について
【諮問第1115号】

(3)   「平成15年度電気通信事業分野における競争状況の評価」について
【報告】

(4)   「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の日本電信電話株式会社等に関する法律第2条第5項に規定する業務の認可」について
【報告】






開会

根岸部会長  それでは、時間がまいりましたので、ただいまから情報通信審議会電気通信事業部会第44回会議を開催いたします。
  本日は、委員7名中5名が出席されておりますので、定足数を満たしております。
  本日は、公開して会議を行います。傍聴者の皆様は、「注意事項」を遵守いただきまして、静粛に傍聴くださいますようお願いいたします。

  議題
 
(1) 平成13年総務省告示第243号(電気通信事業法第38条の2第1項の規定に基づく指定に関する件)の一部改正案について
(平成16年5月18日諮問1116号)

根岸部会長  それでは、お手元の議事次第に従いまして議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題は答申案件1件、報告3件の4件でございます。
  初めに、諮問第1116号、平成13年総務省告示第243号(電気通信事業法第38条の2第1項の規定に基づく指定に関する件)の一部改正案について審議いたします。
  本件は、本年5月18日開催の当部会において総務大臣から諮問され、6月14日までの間、意見募集を行い、それを踏まえて接続委員会で検討いたしました。
  そこで、本日は、接続委員会から検討結果の報告を、主査であります東海委員からお願いいたします。
東海委員  代理の酒井委員からお願いします。
酒井部会長代理  それでは、ご報告いたします。
  本件は、先ほどありましたように243号の一部改正ということで、5月18日から6月14日までパブリックコメントに付されまして、それをもとにいたしまして、接続委員会で審議を行った結果をご報告いたします。
  最初に、この諮問案件でございますけれども、これは第一種指定電気通信設備、接続委員会ではこの設備との接続に関する約款の変更案について審議することが多いのですが、今回の変更は第一種指定電気通信設備そのものを具体的に規定している告示の一部改正になります。
  現在、この告示におきましては、ルータというパケットの交換をするものでございますが、この設備につきましては、他の電気通信事業者の電気通信設備への振り分けの機能を有するもの及びこれと相互に対向するもの、こういったものに限って、指定電気通信設備ということで指定をしております。
  本年4月、NTT東西は集合住宅向けIP電話サービスの提供を開始したいということで、これは活用業務の申請を行いまして、これに対しまして、本年7月に認可されました。この告示改正は、そのサービスの提供に必要なルータについて、現行規定のままでは、これは指定設備になってしまいますけれども、従来からの判断基準に従えば、これはボトルネック性があるとは必ずしも言えないものでございますから、告示を改正して、このような専らIP電話の用に供するルータを指定電気設備の規定から除外しよう、これが目的になっております。
  接続委員会からの報告書はお手元の資料1でございまして、次のページ、ページとしては1ページでございますが、そこのところに結論が出ております。この結論では、次の点が確保された場合には改正することが適当ということになっておりまして、告示案の修正を2点提案しております。
  これらにかかわる意見及び考え方をその後ろに別添資料ということで、いろいろパブリックコメントで出ました意見及び考え方が書いてございますので、これをもとに簡単に説明いたします。
  まず、意見1でございますけれども、これは要するに今回の見直しによりまして、現在の指定電気通信設備がなし崩し的に非指定設備として整理されてしまう、そういった点になるのではないかということを懸念するものです。
  これに対しまして、この考え方1では、指定電気通信設備か否かの判断は従来から一定の基準に従って、個々のケースに応じて判断しているものでございまして、なし崩し的に整理されているわけではありませんと。ただし、今回ボトルネック性がないと判断されたのは、あくまでも集合住宅向けIP電話サービスに用いられるルータ、こういうことになっておりまして、一戸建て向けサービスなどは現在のところ想定しておりません。そういったことから、審議の結果、告示で指定設備から除くものを集合住宅ユーザー向けIP電話サービスに用いられるルータ、こういう形で限定することで問題なかろうということで判断いたしました。
  第2番目に、意見の後ろのほうにあります5でございますが、これはコロケーションスペースあるいは中継光ファイバの空きがなくて、実際にIP電話サービスを提供できない場合がある。そういった場合は非常に困るのではないだろうかということでございます。
  これに対する考え方5が右に書いてございますけれども、今回指定電気通信設備から除こうとしているルータであっても、コロケーションが許容されない建物内に設置されていれば、不可欠設備としての性質を帯びるのは当然であるということで、他事業者が同種の設備を設置することができない場所に設置しているNTT東日本、西日本のルータについては、引き続き指定電気通信設備として取り扱うことが適当、そういった形で判断いたしました。
  以上をもとに、本件の告示改正案につきましては、これらの2つの点が確保された場合には改正することが適当ということで、接続委員会では結論づけました。
  接続委員会からの報告は以上でございます。
根岸部会長  ありがとうございます。
  それでは、今のご報告につきましてご意見、質問がありましたら、お願いします。
  今お話しいただきましたNTT東西の活用業務の認可については、後ほど報告ということで用意されているもの、きょうの議事次第の資料4というのがありまして、後ほど事務局のほうから報告いただくだろうと思います。
酒井部会長代理  わかりました。
辻委員  1点、よろしいですか。
根岸部会長  どうぞ。
辻委員  今の不可欠性はそれぞれの設備を見ていくということですね。ですから、局舎ごとのルータとか、そういうような単位になるわけですか。つまりルータということでなくて、どこの局のどの部屋のルータみたいに1個ずつ見ていって、指定になるのかならないかということを判断するということを意味されておるわけですか。
酒井部会長代理  正確に言うとそういうことになりますけれども、具体的には、多分一般論としてこれは指定設備から外しますと。ただし、事業者の方がNTTの局舎に自分のルータを置こうとしたところ、スペースがありません。そうなったら、戻って、自動的にそこに置いてあるルータは指定電気通信設備になるんだろうと解釈しております。
根岸部会長  今のは附帯条件2に関するものですね。
酒井部会長代理  そうですね。はい。
根岸部会長  1のほうは一般的というか、集合住宅向けに限定する、戸建てはここに入っていないということで、2番目のほうは、これだけ読むとケース・バイ・ケースという感じなんですけれども、しかし、そんなケースがどの程度あるかということにもかかわると思いますけれども。
酒井部会長代理  例えばこの局は指定電気通信設備でこの局は違うとか、そういうことを事前にするわけではなくて、結果的に、置く場所がなかったら、自動的に指定電気通信設備になってしまうというふうに解釈すればいいと思っております。
辻委員  わかりました。
根岸部会長  ほかにご意見、ご質問、ありますでしょうか。
  では、ほかに意見ございませんようでしたら、今の諮問第1116号につきましては、お手元の答申案どおり答申したいと思いますが、よろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
根岸部会長  ありがとうございます。それでは、案のとおり答申することといたします。

(2) 平成17年度以降の接続料算定の在り方について(諮問1115号)

根岸部会長  それでは、続きまして、諮問第1115号、平成17年度以降の接続料算定の在り方について審議したいと思います。
  本件は、本年4月20日開催の当部会におきまして総務大臣から諮問され、接続委員会において検討いただきましたとともに、基本料及び施設設置負担金の在り方につきましては、基本料等委員会というのが設置されまして、そこで検討いただきました。
  そこで、本日は、接続委員会から検討結果の報告を主査であります東海委員から、基本料等委員会から検討結果の報告を主査であります辻委員から、それぞれお願いしたいと思います。
  では、東海委員、お願いいたします。
東海委員  資料2でご報告をさせていただきます。
  資料2のクリップを外していただきますと、表紙の次に、平成17年度以降の接続料算定の在り方について答申(案)概要というのがございます。数ページにわたるものでございますけれども、これはこれからごらんいただきます答申案を要約したものでございます。これでも構わないかとも思いますけれども、大変重要な案件でございますので、本文のほうをごらんいただきながら、ご説明を申し上げたいと思っております。平成17年度以降の接続料算定のあり方について答申(案)、68ページにわたる報告案でございます。少しお時間をちょうだいしたいと思います。
  接続委員会におきましては、平成17年度以降の接続料の算定方法について、延べ11回の委員会を開催いたしまして、精力的に審議を行ってまいりました。その間、電気通信事業部会との合同の関係事業者からのヒアリング、それから関東、関西を含む消費者団体等からのヒアリングも実施いたしました。これらの結果といたしまして、これから8月約1カ月間パブリックコメントに付する答申(案)ということで、接続料の算定方法の部分について、本日、接続委員会を代表いたしまして、私が報告をいたします。
  なお、本答申案は第一部が接続料の算定方法、それから第二部が基本料・施設設置負担金という構成になっております。第一部を私が、第二部を辻委員がご報告するという形にさせていただくことにいたしております。
  それでは、目次をめくっていただいて、その次の序章、「はじめに」というところから簡単にご説明を申し上げたいと思います。序章の部分は12ページにわたっております。この部分は、第一部と第二部共通でございます。ここでは具体的な諮問事項を検討する前に、第1節といたしましてこれまでの経緯、それから第2節といたしまして電気通信市場における環境変化ということをしっかり踏まえようということで、記述させていただいたわけでございます。
  第1節、これまでの経緯、1ページでは(1)接続料の創設、それから(2)指定電気通信設備制度の導入、(3)長期増分費用方式の導入、(4)長期増分費用モデルの見直しにおいて、電話サービスに競争が導入されまして、そして、NCCNTTと同様にエンド・エンドでサービス提供ができるよう、接続料というものが創設され、その後、適正な原価算定を追求して、長期増分費用方式、いわゆるLRIC方式にたどり着いたこれまでの経緯を記述させていただきました。
  そして(5)、4ページでございますが、平成17年度以降の接続料の算定においては、前回の審議会答申が、料金とコストとの関係が必ずしも明確となっていない現行の料金体系のもとで、NTSコストを基本料に転嫁することはなお慎重な検討を必要とし、社会的合意も困難と指摘した上で、総務省に対して、NTSコストの取り扱いを現行の基本料、施設設置負担金、各種の付加機能使用料の取り扱いとあわせて、抜本的、体系的に再検討する場を早急に設けて、そこでの検討結果を踏まえて、可及的速やかに現行の電気通信料金体系の見直しを図るよう要望を行った経緯を記述させていただいております。これが第二部の基本料や施設設置負担金の在り方の検討の契機となったものでございます。
  さらに、審議会の指摘事項を踏まえまして、総務省において、基本料等に関するスタディグループ及び長期増分費用モデル研究会を開催した経緯を記述いたしております。
  それから、5ページから12ページは第2節でございます。電気通信市場における環境変化では、固定電話サービスを取り巻く現在進行しつつある環境変化について記述をいたしました。詳細な説明は省略をさせていただきたいと思いますけれども、内容のポイントは4点ばかりございまして、固定電話サービスの需要が特に通信時間において大幅に減少しているという事態、それから、このような需要減少は通信網のIP化によって、現在既存の電話交換機網からIP網への移行期にあることが原因であるということ、第3番目は、技術進歩や競争政策によってブロードバンドサービスが普及する等のメリットも存在するけれども、既存のサービスの利用者の負担増が懸念されるということ、第4番目は、新たなサービスの展開に当たって、政策や規制は原則として中立的であることが望ましいが、従来のサービスがいわゆるユニバーサルサービスである場合には、これを利用する者すべてによる応分の負担を通じてどのようにして維持するかという配慮が必要であるということ、この4点について言及をいたしております。
  14ページから第一部に入ります。接続料の算定方法、具体的な接続料の在り方についてご説明したいと思います。
  第I1章、新モデルの評価の第1節、主な改修点でございますが、ここでは過去の審議会答申の指摘事項を受けて、今回モデルを改修した内容について説明をいたしております。改修項目は三つでございますが、一つは、新規投資の抑制による経済的耐用年数の延長、それから2番目は、データ系サービスとの設備共用の問題の整理、3番目は入力値の見直し等の三つでございます。詳細な説明は省略をしたいと思っています。
  15ページから、第2節、新モデルの評価でございます。第1節に今述べましたような主な改修点を踏まえて、新モデルをどのように評価するか、またその算定結果についてどのように評価するかについて記述をいたしました。
  新モデルの評価につきましては、まず15ページの(1)ア)において、透明性、公正性の観点から、現時点で長期増分費用モデルにかわり得る適切な手法が見当たらないと指摘いたしまして、イ)におきまして、新モデルにおける改修点等について、研究会において各界の専門家が十分な時間をかけて検討を行った上で改修されており、その具体的改修方法については、審議会として研究会の判断を尊重するといたしました。
  なお、ウ)において、研究会において、プライシングの議論の中で、主として接続委員会でございますけれども、その中で検討してくれと宿題を残された二つの事項がございました。これについても接続委員会で検討いたしまして、考慮すべきではないという判断をいたしました。これについても詳細な説明は省略をさせていただきます。
  また、算定結果については、16ページの(2)ア)におきまして、現行モデルと比較をいたしまして、新モデルのコストが約10%低下しているということを記述いたしております。そして、イ)におきまして、実際費用との比較を行いまして、その結果として、新モデルが現在においても規制目標値として機能しているということを確認いたしております。
  ウ)におきまして、平成17年度以降の接続料算定には新モデルを使用することが原則的には適当であるという判断をさせていただきました。ただし、後ほど別途NTSコスト等の議論はその場でご説明申し上げたいと思います。
  なお、エ)において、実際費用が大幅に低下してモデル費用と逆転した場合の対処について、結果として実際費用が下回ることを許容することは既存事業者により一層の効率化インセンティブを与えるものであること、実際費用が判明するのは当該年度決算後となってしまうことなどから、仮に逆転が生じた場合にあっても、このたびの接続料適用期間中はモデルで算出した接続料水準を用いることが適当と考えております。ただし、モデルと実際費用の逆転が判明した段階においては、その逆転の要因について十分分析をいたしまして、その後の接続料算定の検討に反映すべきであるとしております。
  また、念のためご説明いたしますけれども、表3の新モデル算定値は次章以降のNTSコストの扱いや入力値の扱い、基準年度をどうするかといったような扱い等の議論を反映したものではございませんので、実際に適用される接続料の水準ではないことにご留意を願いたいと思います。
  それから、18ページからが第II2章、接続料水準の見通しでございます。
  第1節、接続料の低廉化と利用者料金の問題ということで、これまでの接続料の低廉化によって、長距離、市内、それぞれ利用者料金が引き下げられてきた事実関係を記述いたしました。
  それから第2節、固定電話通信量の見込みといたしましては、ア)からウ)で3点を指摘いたしております。直近の通信時間は、平成15年度第2四半期以降は対前年同月比で15%前後マイナスをするであろう、そういう減少傾向にあるということ、それから、これまで通信量減少の大きな要因となってきたダイヤルアップ呼がもうあまり残っていないことから、減少率が小さくなることが見込まれること、それから、IP電話への移行については、かなり普及はしつつございますけれども、まだ未知数であるということ、これらを指摘した上で、エ)といたしまして、総合的に判断をいたしますれば、現時点において、固定電話の通信量の減少率が小さくなるとは一概に言えない状況にありまして、あえて幅を持たせれば、通信時間で年率10から15%減、マイナスの割合で、引き続き減少する可能性が高いと言えると予測いたしております。
  19ページからが第3節でございます。新モデルによる接続料水準の見通しにおきましては、新モデルによる接続料水準がどうなるか、そのような水準がどのような影響を与えるかなどについて記述をいたしました。
  まず、ア)において、通信量が、先ほど申し上げたとおりでございますが、年率10から15%マイナス、減少した場合の接続料のシミュレーション結果といたしまして、平成17年度予測通信量では6.1から6.8円、平成19年度予測通信量では7.5から9.2円と見込まれると記述いたしました。
  次に、イ)において、現在の市場構造について、市内電話サービスの赤字を市外の黒字で補い続ける見通しを立てることは困難な状況にあると分析をいたしております。その結果、ウ)及びエ)において、接続事業者でもNTT東西でも、接続料が一定水準を超えれば、市内電話サービスから撤退するか、または市内通話料の値上げをするかという選択を迫られるという指摘をいたしております。
  以上の検討から、オ)におきまして、今回の接続料問題の検討の方向性といたしまして、携帯電話やIP電話等の多様な通信手段が登場したことよって、消費者の選択肢が増えたことは非常に望ましいという考え方ではございますけれども、現時点では、携帯電話の通話料金が十分に低廉化したとは言えず、また、すべての希望者がIP電話の提供を受けることができるわけではございません。このため、ユニバーサルサービスである市内通話を含め、固定電話サービスにおいて競争が維持され、その低廉な利用が確保されるような方向について、接続料の在り方を検討することが必要であると指摘をいたしております。
  21ページからが第III3章、NTSコストの扱いでございます。個々の問題について幾つか整理をさせていただいております。
  まず第1節、NTSコストとは、一応NTSコストの定義をさせていただいております。
  ア)では、NTSコストとは通信量に依存しない費用のことを言い、一般的には加入者回線に係る費用を指している、こういうふうな定義をいたしまして、イ)におきまして、一部のNTSコストについては、我が国においては従来から、全加入者に対する基本料を安く設定することにより、我が国の電話網への加入を可能な限り低廉な形で国民に保障する、こういう料金政策の観点から、通話料によって回収されているという経緯がございました。このような経緯から、近年、この扱いが大きな論点の1つとなっていると指摘しております。なお、22ページ、図8における1)から3)がNTSコストに対応する設備でございます。
  第2節、22ページでございますが、これまでの議論の経緯では、過去の2回の審議会における議論の経緯をまとめたものでございます。特に前回の平成14年答申では、き線点RTのみに対象を絞って基本料で回収する方法、定額制接続料で回収する方法の2案について検討を行いました。その結果は、(2)イ)及びウ)のとおり、それぞれ社会的合意も困難、技術的課題が残っているというものであり、結果的に回収方法は変更されませんでした。
  第3節、平成17年度以降の接続料算定におけるNTSコストの扱い、いわばここでのNTSコストの今回の結論が24ページから27ページに記述してございます。
  まず(1)、新モデルの結果で、表4のとおり、新モデルによるNTSコストが合計約3,200億円であるという事実関係を記述いたしております。
  次に(2)、NTSコストを通話料に含むことの政策的意義として、ア)で、NTSコストが通話料に含まれるということは、回線単位で等しく発生する費用であるNTSコストを通信量に応じて利用者が負担するということであるとした上で、イ)で、それが実質的には利用頻度の低い利用者の加入者回線費用の一部を利用頻度の高い利用者が通話料で負担する構図であって、少なくともこれまでは料金政策的な観点から、このような構図が支持されてきたと指摘いたしました。またその背景に、負担能力に応じて費用を負担するという考え方があったことも指摘いたしております。
  次に(3)で、通信量の減少局面におけるNTSコストの扱いを述べております。
ア)で、NTSコストは通信量の増減に対する感応度がゼロであることから、現実の通信量減少を受けて、接続料単価が大幅に上昇する状況が生じつつあるという現状を分析いたしております。
  そして、イ)で、接続料単価の上昇が利用者料金の上昇、通信量のさらなる減少という悪循環を生じさせる可能性があると指摘いたしまして、ウ)で、これは通信量の減少局面においては、NTSコストが従量制の接続料によって回収される、つまり費用の回収方法がその発生要因に対応していないことに起因する問題が顕在化してきたことを意味するという状況をまとめております。
  そして、オ)で、以上から、通信量の減少傾向が継続することが共通の理解となっている現時点においては、発生要因に応じて費用を回収しないことによって顕在化する問題を回避するため、NTSコストを接続料の原価から除くことが必要であるという結論を出しております。
  次に、(4)におきまして、NTSコストを除く具体的方法でございます。ア)で、原則としてすべてのNTSコストを除くことが適切と判断いたしました。
  その上で、イで、ただし激変緩和措置として、段階的に接続料の原価からNTSコストを除くという考え方を採用することとしております。
  ここでは、それでは具体的にどのように段階的にNTSコストを除くかでございますけれども、接続委員会の議論の方向性は、3年から6年かけて毎年度平均的に除いた場合の接続料のシミュレーションをいたしまして、そういった方向を示したものが表5でございます。この結果を踏まえた上で、結果的には、ウ)で、接続料を年度によって大きく変動させることは事業計画を策定する上で好ましくないという観点、また利用者料金の値上げにつながらない接続料水準を維持するという観点から、3年と6年という案が排除され、3年、6年という1つ1つのその年度はあまり適切でないという考え方から、4、5年、4年から5年という期間をかけて、段階的にNTSコストを接続料の原価から除くことが適当と判断をし、少し幅を持たせた記述といたしております。これからのパブコメを含めた議論によって、収れんをしていくかと思っております。
  それから第4節、NTSコストの回収方法でございます。NTSコストを従量制接続料から除くことを、ただいま申し上げましたように決定をいたしましたが、では、そのコストをどのように回収するかという点について検討いたしたものが第4節、27ページ、NTSコストの回収方法でございます。この部分が実は第二部と連携するところかと思います。
  まず、ア)におきまして、加入者回線の費用については、原則として当該設備を設置して、それによって利用者にサービスの提供を行っている事業者が基本料として利用者から回収することが適切であるとの観点から、また現行の加入者回線に係る料金は加入電話、ISDNサービスの基本料のみであり、現行料金制度の範囲で検討を行うという観点からは、まずは基本料の費用範囲の中で回収することを検討することが適当という考え方を示させていただいております。
  そして、イ)で、基本料の費用配賦の適正性について検証がなされた結果、少なくともNTSコストの一部については現行の基本料によって負担することができる可能性があるとした上で、それが困難な場合には基本料の見直しの是非について検討が必要であるとして、第二部の検討につなげる記述としたわけでございます。
  他方、加入者回線は競争事業者が利用者にアクセスするために使っているものですから、一部を負担してもよいではないかという考え方もあります。そのような観点から、ウ)におきまして、基本料でNTSコストを回収することが困難であって、ユニバーサルサービスの円滑な提供に支障が生ずる懸念がある場合には、米国において採用されたことがある定額制接続料の導入を検討することが選択肢として考えられるといたしております。また、定額制接続料に係る課題についても付記をさせていただいております。
  これらの検討を行った上で、最終的に十分に費用回収が見込めず、ユニバーサルサービスの円滑な提供に支障が生ずる懸念がある場合の手段として、エ)及びオ)で、ユニバーサルサービス基金の活用が想定されること、適宜その見直しの検討、現行制度の見直しということも含めて、あるいは新しいユニバーサルサービス概念の検討というようなことも含めて、そういった方向性の議論が必要であることを提言させていただいております。
  それから第5節、29ページからのトランクポート等の扱いでございますが、一般的なNTSコストの扱いについては以上述べたところでございますけれども、費用範囲の問題としては、このトランクポート等の扱いが類似の問題として存在をいたしております。これも費用の発生要因としては、いわゆるTSコストではないことから、本答申ではこの章の最後に記述したところでございます。
  接続事業者はNTT東西に対して接続に必要な設備の設置について、みずからの通信量予測に基づいて交換機単位で申し込みを行います。これが31ページの図9にあるトランクポートや伝送装置でございます。従来これらの設備の費用については、(1)の経緯、イ)のとおり、交換機の基本機能であるという考え方に基づき──少し省略いたしますが、従量制接続料の費用範囲としてきたというところでございます。
  他方、ウ)のとおり、前回の答申では、基本機能とされる機能であっても、トラヒック見合いの負担とすることが非効率的な設備構築を助長し、不要なコストを一定水準以上負担しているような場合には、特例的に接続事業者の個別負担により回収を図ることもやむを得ないと判断されるとした上で、まずは事業者間の協議を行うことが必要であるが、協議が有効に機能しなかった場合には、個別負担とすることが必要であると判断をされました。
  今回は、その協議の結果を踏まえて検討することになりますが、(2)事業者間協議の結果において、現実の利用率の推移等の数字を示した上で、協議が有効に機能したとは言いがたい状況にある。したがって、トランクポート等に係る設備費について、個別負担とせざるを得ないという判断をさせていただいております。
  以上がNTS関係のご説明でございます。
  次に、32ページから第IV章、接続料における東西格差の問題についてご説明を申し上げたいと思います。
  第1節、経緯でございますが、初めに、(1)NTT再編と接続料ということで、ア)で再編の経緯、イ)で、接続料規則においては、原則としてNTT東日本とNTT西日本は異なる指定設備を設置する事業者として、おのおのの原価に基づき、接続料を算定することが適当であることを記述いたしております。
  そしてウ)で、NTT再編時において、再編後3年間認められた東日本から西日本への特定費用負担金を理由に再編後も東西均一の接続料としてきたこと、平成13年7月の答申において、特定費用負担金制度の存続する平成13年度が終了した後は、NTT東日本とNTT西日本でおのおのの費用に基づく異なる接続料を設定すべきと考えられるという考え方が示されたこと、それから、エ)で、専用線等の接続料については平成14年度から東西別となっていること、固定電話にかかる接続料は平成16年度まで東西均一とされていることという事実関係を記述いたしております。
  次に、(2)二次モデルの適用に係る議論では、前回の答申がパブコメ時には東西均一であったこと、その後のヒアリングを経て、答申時には東西別が適当とされたこと、しかしながら、国会決議等を経て、総務省から接続料を東西均一とする省令案が諮問され、その結果、ユニバーサルサービスである通話料の地域格差につながる可能性がある東西別接続料の設定が十分社会的コンセンサスを得られているとは言い切れないとして、これを適当とする答申がなされたということが記述されております。
  さらに、(3)新モデルにおける東西格差では、表6のとおり、新モデルでは現行モデルよりも格差は縮まったものの、依然20%を超える東西格差が存在すると指摘いたしております。
  次に、34ページに、接続料と利用者料金の関係について記述いたしております。
  (1)利用者料金水準の歴史では、ア)及びイ)において、我が国では、通話料に関しては明治以来全国均一料金が維持されてきていること、ウ)において、NTT再編時においても、一定以上の地域格差は認められないという観点から、NTT法第3条が、NTTNTT東日本及びNTT西日本は国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならないと規定していること、また、電気通信事業法においても、平成13年の改正において、ユニバーサルサービスの概念が導入されまして、その提供を行う事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならないとされているという事実関係が記述されております。
  (2)接続料の東西格差が利用者料金に与える影響では、接続料が東西で格差が設けられた場合、ア)で、東日本エリアでは利用者料金の低廉化が期待されるということ、イ)で、西日本エリアではNTT西日本に対してNTT法3条と公正競争ルールが互いに矛盾する要請を行うこととなり、前者を優先させれば西日本エリアにおいて競争は困難となり、後者を優先させれば西日本エリアの利用者料金が値上がりすると考えられるという指摘を行っております。
  その上で、ウ)といたしまして、結果的に利用者料金においても東西格差が生じる可能性が高いという分析をいたしております。
  このような分析を受けまして、第3節で、平成17年度以降における接続料の東西格差の扱いを論及いたしております。
  まず(1)といたしまして、接続料とヤードスティック競争との関係について記述いたしました。
  ア)及びイ)において、NTT東日本及び西日本に分けた目的の一つがヤードスティック競争であったこと、その考え方に基づけば、接続料が実際費用に基づくものであれば、高いNTT西日本の接続料がNTT東日本の接続料に近づくと期待されることが指摘されているわけであります。
  他方、ウ)では、長期増分費用方式に基づく接続料は効率化の目標値として設定されるものであり、そこに2割の東西格差が存在するということは、効率化を行った後も2割程度の格差が存在せざるを得ないということを意味するという分析を行っております。
  これらの結果、エ)では、ヤードスティック競争の成果として実際費用が削減されることは期待されても、長期増分費用方式に基づく原価を超えた費用削減を期待することは論理的に整合的でないというふうに考えております。すなわち当面格差を設け、将来的にその格差が縮小することを期待する方法は、長期増分費用方式によって接続料を算定する限り採用しがたいという判断をいたしております。
  そして最後に、(2)接続料の東西格差に係る社会的要請といたしまして、現時点において接続料に約2割の東西地域格差を設けることに関して、西日本で事業を行う事業者及び西日本の消費者団体から反対の意見が提出されたことに触れ、ウ)で、具体的な意見を紹介いたしております。
  その上で、エ)といたしまして、現時点においてもユニバーサルサービスである通話料の地域格差につながる可能性がある東西別接続料の設定が十分社会的コンセンサスを得られているとは言い切れないと判断いたしまして、オ)におきまして、接続料規則における原価算定の原則やNTTを東西2つの地域会社に再編した経緯からは、NTT東日本とNTT西日本でおのおのの費用に基づく異なる接続料を設定することが適当ではあるけれども、新モデルにおける20%を超える東西格差及び現時点において既存の固定電話サービスが果たすことが期待されている社会的な役割を考慮いたしまして、平成17年度以降の接続料についても、東西均一とすることが適当であるという結論を出しました。
  次に、第V5章、38ページからでございます。新モデルの適用期間でございます。
まず、第1節、新たな算定方法の検討といたしまして、将来にわたって現行の長期増分費用モデルの考え方が適用できるのか否かについて議論があるところであると指摘した上で、環境変化に対応した算定方法の見直しを検討すべき時期に来ていると考えられ、新モデルの適用期間については、見直しに必要な期間、いろいろな議論をする期間等々も含みます。そういった期間を考慮すれば、3年間とすることが適当であるという判断をいたしました。
  第2節、環境変化への対処におきましては、とはいっても、大きな環境変化の中で、新モデルを3年間継続して適用することに問題はないかという観点での検討について触れております。結論といたしましては、IP電話への移行が進んでいるものの、3年間であれば、固定電話と肩を並べる程度にまで劇的に普及することはないと考えられるとした上で、エ)で、新モデルの適用期間については3年とすることで問題はないと判断し、ただし、予想を超える環境変化によって適用期間内に新モデルが機能しないと判断される場合は、改めて集中的にその算定方法の在り方を検討することが必要であると提言をさせていただいております。
  次に、第VI6章、40ページからでございます。通信量等の入力値の扱いについてでございます。
  第1節で、その経緯についてご紹介をさせていただいております。
  (1)接続料本則における規定では、接続料を設定するため、直近の実績通信量を用いるというふうにされているわけでございます。ただし、接続料の適用年度の通信量が事後的に判明した場合には、それを用いて設定した接続料との差額の半額を精算するというふうにされているわけでございます。それから、これらの規定は加入者交換機等に係る接続料については平成11年度まで、それ以外の専用線等に係る接続料については現在も適用されていることを、事実関係として記述いたしております。
  (2)のこれまでの議論といたしましては、一次モデルの適用に当たっては、その適用方法から事後精算は想定されなかったこと、二次モデルの適用に当たっては、まず予測トラヒックの検討を行い、結果的にそれが困難と判断されたこと、最終的に直近の実績トラヒックであるところの平成13年度下期プラス平成14年度上期の通年通信量を用いて接続料を設定し、また事後精算制度を導入したことを、事実関係として記述いたしました。
  第2節に、結論としての平成17年度以降の接続料設定に用いる入力値の扱いについて、整理をさせていただいております。41ページからでございます。
  (1)では、まずア)で、通信量については、モデルの適用年度のものを用いることが望ましいが──少し略しまして、現実的な選択肢として、現行の接続料規則本則においては、直近の実績値を用いることとされていると分析しております。
  そして、イ)で、現状において通信量が継続して減少することが共通の認識となっていることから、直近の実績通信量を用いて接続料を設定した場合、適用年度である平成17年度の通信量は直近の実績通信量と比較して一定程度減少しているはずであり、長期増分費用モデルに基づく原価の未回収について、NTT東日本及び西日本の管理部門が負担する構造となると分析した上で、これを回避する方法として何があるかといえば、1つは事後精算の方法であり、もう一つはより直近の通信量を用いて接続料を算定するという二つの方法を挙げているわけでございます。
  ウ)では、このうち事後精算について、ヒアリングにおきまして、接続事業者から事業計画を策定する上での予見性の観点から経営に悪影響を与えることが指摘される、こんな意見が多く提出されたわけでございます。このことを理由に、長期増分費用方式に基づく算定値が目標値としての性格を有しているという観点も踏まえれば、今回引き続き採用することは適当でないとしております。
  エ)では、もう一つのより直近の通信量を用いる場合、可能な限り直近であることが望ましいが、信頼性のある予測通信量の算定が可能であることが前提条件となると指摘しております。
  オ)では、今後の環境変化について、IP電話の普及見込みも含め、不透明な要素が多いことから、平成17年度通信量を予測することは困難であるとし、カ)では、平成16年度通信量であれば、最後の2カ月程度の予測が必要ではございますけれども、2カ月分の予測であれば、一定の信頼性のある予測が十分可能であるといたしまして、キ)では、これらの検討から、基本的には平成16年度通信量を用いることが適当とした上で、信頼性のある予測が可能であると判断した場合には、平成16年度下期及び17年度に食い込んで、平成17年度上期の通年通話量等を用いることも選択肢として考えられると、他の選択肢の余地も残しておるわけでございます。
  また、(2)において、通信量以外の入力値については、通信量との整合性を可能な限り確保するため、直近のものとすることが必要であり、個別の入力値の選定においては、総務省において判断することが適当と指摘しております。
  最後に、(3)において、再計算についてですが、可能な限り直近の通信量を用いて接続料を設定するという観点から、毎年度接続料の再計算を行うことが必要であると判断をいたしております。
  それから第一部の最後でございますが、第VII章、将来における接続料の在り方、43ページからでございます。この部分は平成17年度以降の接続料の算定とは直接関係はないわけでありますが、将来の接続料算定の方向性について記述した部分でございます。
  まず、(1)NTT東日本及びNTT西日本の地域電話網の位置づけの変化といたしまして、ア)からキ)まで、長いわけですが、簡単に言いますと、現時点においては、NTT東西の交換機を中心とした地域電話網のボトルネック性が高いことは言うまでもありませんけれども、今後、アンバンドル化された加入者回線を用いた競争事業者による直収サービスの提供も予想され、そのようなサービスはNTT東日本及びNTT西日本の交換機をバイパスする形態となることから、このようなサービスの利用者が増加するに従って、NTT東日本、NTT西日本の地域電話網のボトルネック性が低下していくことが想定されるという将来の見通しを記述いたしております。
  次に、(2)長期増分費用方式の意義と有効性といたしまして、将来、NTT東日本及びNTT西日本の地域電話網のボトルネック性が低下すれば、長期増分費用方式等厳格な原価算定を継続する意義は薄れてくると指摘いたしております。他方で、技術的にも固定電話網に着目して構築された現行長期増分費用モデルに対して、今後、ADSLの普及や中継網のIP化等の通信網の急激な変化を適切に反映することは困難なのではないかという指摘もあるとしております。
  以上から、最後に、(3)将来における算定方法といたしまして、ボトルネック性が薄れた場合または現行の長期増分費用方式の限界が来た場合に備えて、新たな算定方法の検討を速やかに開始すべきであると提言をいたしまして、具体的にはどの方法が望ましいか現時点で特定することは不可能でございますけれども、固定電話市場における環境変化を見きわめ、適切な方法が選択されるよう継続的な検討が必要であると締めくくっておるわけでございます。
  答申案の序章、第一部について、大変長くなりましたけれども、ご報告を終わらせていただきます。
根岸部会長  ありがとうございました。
  二部もあわせてやっていただきまして、全体としてご意見を伺いたいと思います。
  それでは、辻委員。
辻委員  それでは、二部の基本料・設置負担金の答申案についてご報告させていただきます。これは46ページからでございますので、準備をお願いいたします。
  基本料等委員会におきましては、基本料・設置負担金の在り方について延べ8回の委員会を開催し、精力的に審議を行ってきました。その間、関係事業者、関係団体、消費者団体からのヒアリングも開催いたしました。これらの結果として、パブリックコメントに付す答申案ということで、第二部の基本料・設置負担金の部分につきまして、本日、基本料等委員会を代表して報告いたします。
  まず、第I1章は基本料の在り方ということを記述しております。
  第1節、基本料の配賦基準ということで、47ページから説明させていただきます。
  まず(1)では、基本料の現状について記述しております。現行の基本料は、表7のとおり定められております。イ)にありますとおり、基本料の額につきましては、特定電気通信役務としてプライスキャップ規制の対象とされており、その変更につきましては、変更後の料金の料金指数が基準料金指数を超えない限り、NTT東日本及びNTT西日本は、事前の届出のみで自由に変更が可能というふうに現行制度はなっております。
  (2)におきまして、損益状況について言及しておりますが、NTT東日本及びNTT西日本の電気通信事業営業収益・費用は役務別に把握され、さらに音声伝送役務につきましては6細目別に把握されています。表8は平成15年度のNTT東西の部門別損益、表9はNTT東西の基本料部門の収支状況の推移をまとめたものであります。
  49ページのウ)にありますとおり、基本料部門につきましては、収入面について、平成14年度以降はISDN契約数が前年度比マイナスとなったことも影響し、減収に転じました。また、費用面につきましては、平成14年度に構造改革が実施され、大幅な費用削減が実現いたしました。これにより、営業収益ベースでは平成14年度に大幅な増益となっております。平成15年度におきましても、収入、費用ともに減少の傾向は変わっておりません。
  次に50ページ、(3)基本料の費用の配賦方法でありますが、電気通信事業にかかわる費用は複数の役務細目にまたがって発生することが多いため、このような費用は一定の基準に基づき、各役務、細目に配賦されています。
  イ)にありますとおり、この配賦方法につきまして、基本料等に関するスタディグループにおきまして、加入電話、ISDNの縮減、ADSLや光サービスの伸長に伴う販売活動、投資行動の変化に対応していない部分があるものと考えられると答申しておりまして、収益、費用の役務別、細目別の帰属を決定するに当たっては、まず、直接帰属させることが可能なものについては直接帰属させること、これを直課と言いますが、これを原則とすべきであり、直課が不可能な収益、費用につきましては、その発生原因に照らして適切なドライバにより配賦を行うべきであるとの方針を示しています。
  この方針を踏まえ、配賦基準の適正性につきまして検証を行いましたが、まず、51ページのオ)にありますとおり、接続会計と比較した場合、電気通信事業会計では収入額比、支出額比等の配賦比率が高く、さらに適正なものに改定する余地があるとし、直課あるいはより適切な基準による費用の帰属比率を高める努力が必要であるというふうに指摘しております。
  このような観点から、具体的に現行の費用配賦基準を検証しました結果、52ページの表10にありますように、費用科目につきましては、その配賦基準の見直しが必要との判断をいたしました。
  53ページのキ)にありますとおり、平成15年度決算ベースで、直接の見直し対象費用及び見直し対象費用の支出比を配賦基準としているために連動してくる費用のうち、基本料部門の配賦額は2,255億円、これはNTT東日本でありますが、NTT西日本は2,112億円となり、合計で4,367億円となっております。このうちどの程度が本来基本料部門に配賦されるかにつきましては、年間を通じたデータの把握等が必要な項目が多く、NTT東日本及びNTT西日本の今後の作業によりますが、ここに指摘した項目すべてでなく、NTT西日本及び東日本におきまして、引き続きこのような見直し及び検証の作業が行われることが期待されるというふうにしております。
  次に、(5)におきましては、情報開示の必要性について指摘しております。
  基本料につきましては、その費用構造がブラックボックス化しており、結果として効率化が進まず、料金が据え置かれているとの指摘があります。
  この点につきまして、54ページのエ)にありますとおり、適正料金を確保する観点から、基本料にかかわる費用につきましても、情報開示の必要性につきまして指摘し、一般利用者にとって理解が容易になるように工夫を凝らすことを指摘しております。
  加えて、オ)にありますとおり、情報の非対称性の観点から、NTT東日本及びNTT西日本におきましては、試験研究費等個別の費用の帰属の合理性につきまして説明責任を果たすことが必要であることも、あわせて指摘しております。
  次に、第2節の基本料の水準についてでありますが、54ページから第2節、基本料の水準について記述しております。
  第一部におきまして指摘しましたように、NTSコストにつきましては、平成17年度の接続料算定に当たりまして接続料の原価から除くことが必要であり、その際、除かれたNTSコストの回収につきましては回線単位で回収することが求められております。
  その方法といたしましては、ページ55のウ)にありますとおり、まずは基本料の費用で吸収することの検討が必要としております。ページ5658の(3)、基本料水準とNTSコストの吸収におきましては、基本料の費用の中でNTSコストの吸収可能性について言及しておりますが、57ページのオ)にありますとおり、現時点におきまして、平成17年度以降におきます費用削減効果につきまして、信頼性の高い具体的な試算を行うことは現在困難でありますが、配賦基準の見直しによりまして、基本料の費用のうち4,367億円が見直しの対象になっていますので、少なくともNTSコストの一部につきましては、現行の基本料の水準を変更することなく、基本料の費用の中で吸収可能と考えられております。
  NTSコストの吸収が困難になった場合の基本料の値上げの是非につきまして、57ページのカ)におきまして、言及しております。ここでは、現時点におきましては、直ちに基本料の値上げを容認できる状況にはないと考えられるとしております。値上げにつきましては、十分なコスト吸収努力をした上で、ユニバーサルサービスとしての加入者回線アクセスの確保が困難になるといった状況につきまして、国民のコンセンサスを得ることがまず必要であるということを指摘しています。
このような基本料の改正につきましては、58ページのク)に述べましたとおり、最終的にはNTT東日本及びNTT西日本の経営判断の問題と考えられます。しかし、その際には、社会的コンセンサスを得るため、十分な説明責任を果たすことが必要であることを指摘しております。
  なお、ケ)におきまして、基本料値上げにつきまして、社会的コンセンサスを得ることが困難であって、かつユニバーサルサービスの確保に支障が生じる懸念がある場合には、第一部でありましたように、定額接続料の導入あるいはユニバーサルサービス基金制度の活用が考えられることを記述しております。
  (4)におきましては、今後の競争環境の変化について記述しています。
  ア)におきまして、今後、地域通信市場における競争は固定電話だけに閉じたものではなく、加入者回線を利用した直収電話やIP電話等との競争も考慮することが必要になってくると考えられ、現在は、従来の固定電話サービスからそれに代替するサービスへの移行期に当たると指摘しています。
  ウ)におきまして、このような状況におきましては、今後の競争環境に対応できるような料金体系への見直しも求められると指摘しております。
  (5)におきまして、級局区分、事住区分につきまして言及しております。
  級局区分につきましては、イ)にあるとおり、従来、市内通話料でかけられる加入者が多いほど、その地域の加入者の電話利用の価値が大きくなるといった効用料金の考え方に基づき、定められていました。
  また、事住区分につきましては、60ページのカ)にありますとおり、従来、法人営業にかかわる費用や電話の利用目的あるいは負担能力の差を考え、これに基づき料金が設定されてきた経緯がございます。
  これらの区分につきましては、今後の競争環境の変化を考慮しますと、固定電話にとりまして不利に働く要素が大きいと考えられ、(5)コ)におきまして、級局区分も事住区分も今後の競争環境への対応という点で必ずしも適していない面を有しており、基本料につきましても、費用に応じて料金を設定する必要性が高まってきていると考えられます。NTT東日本及びNTT西日本におきましては、費用の見直しを行いつつ、いかなる料金体系を設定すべきか、今後の競争環境の変化を視野に入れた、みずからの料金戦略として検証されることが期待されるとして、そのためには社会的コンセンサスを得るための努力が必要であることを指摘しております。
  なお、このような料金体系の変更につきましては、サ)におきまして、社会的コンセンサスが得られなかった場合につきましては、必要な検討を十分行うことを前提として、ユニバーサルサービス基金等の活用も考えられると指摘しております。
  続きまして、もう一つの大きな問題でございます第II2章の設置負担金の在り方について、報告させていただきます。
  第1節、設置負担金の現状と意義というところでは、これは62ページでありますが、第1節では、(1)におきまして、設置負担金は加入者回線設備の新規架設工事に係る費用の一部に充てられており、早期に電話ネットワークを整備するために、資金の調達という目的のために設定されてきたものであり、その金額は特定電気通信役務としてプライスキャップの規制の対象とされていることから、基準料金指数を超えない限り、NTT東日本及びNTT西日本は事前の届出のみで自由に変更可能となっていることを記述しています。
  また、設置負担金の支払いを要しないものとしてライトプランが導入されていますが、63ページの図12で指摘していますとおり、設置負担金の受け入れ額は年々減少を続け、他方、ライトプランの加算額収入については、逆に年々増加を続けています。
  (2)におきまして、設置負担金の現時点における意義について述べております。
  イ)にありますとおり、前払いという形で加入者回線設備の投資資金を調達するという意味は現在低下していると指摘しております。
  エ)、64ページでありますが、基本料に関するスタディグループにおきましても、設置負担金の在り方について、廃止を含め、検討すべき時期に来ていると指摘されていることを指摘しております。
  第2節、設置負担金と基本料の費用水準でありますが、これは64ページでありますが、設置負担金の見直しによります基本料への影響について言及しております。これはライトプラン等の導入によりまして、基本料がどのように変わるかということが記述してございます。
  65ページ、第3節、電話加入権の取引市場への影響と設置負担金の見直しということで記述してございますが、まず(1)におきましては、電話加入権等との関係について述べています。
  電話加入権は契約者が加入電話契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利でありますが、イ)にありますとおり、設置負担金の見直しが行われた場合、電話加入権の取引価格や質権の対象としての担保価格に大きな影響を与えることが予想されます。
  (2)では、ア)、イ)にありますとおり、設置負担金の本来の意義が失われていることにおおむね議論はないというふうに考えますが、設置負担金の見直しにつきましては賛否両論がございました。
  これらの意見につきまして検討を行いました結果、67ページのキ)にありますとおり、既に本来の意義を失い、新規加入の妨げとなり得る設置負担金につきましては、NTT東日本及びNTT西日本がみずからの料金戦略として、廃止も選択肢として見直しを欲するのであれば、それは考慮されるものとして結論づけております。
  しかしながら、(4)では、見直しに当たっての留意点について言及しています。
  ア)におきましては、設置負担金の見直しにつきましては、基本料と同様、最終的にはNTT東日本及びNTT西日本の経営判断の問題でありますが、見直しに当たっては、社会的コンセンサスを得るための十分な説明責任が必要であることを指摘しております。
  それには、イ)におきましては、既存加入者が過去に支払った設置負担金が固定電話ネットワークの整備に役立ってきたこと、あるいは市場におきまして、電話加入権の売買や電話加入権を担保とした貸し付けが行われていることから、見直しに当たっては一定の配慮が必要であることを指摘しております。
  最後に、設置負担金の見直しに当たりましては、関係法令の適切な見直しが必要であることを指摘し、総務省に対して、NTT東日本及びNTT西日本における見直しの動向を踏まえつつ、関係法令の改正等の必要な措置について、関係機関との調整を行うことを求めております。
  ちょっと長くなりましたが、第二部につきましては、以上、ご報告を終わらせていただきます。
根岸部会長  どうも東海委員、辻委員、ありがとうございました。
  それでは、今ご報告いただきました平成17年度以降の接続料算定の在り方につきまして、これからパブリックコメントに付すわけですけれども、その付す案としてご審議いただきたいと思います。どうぞご質問、ご意見ありましたら、お願いします。
  第一部と第二部との関係というか違いというか、第一部のほうは接続料ですので、ここで提言されていることがもしそのまま採用されれば、法的ルールというか、そういうものですね。それに対して、2番目のほうは必ずしもそうではなくて、この報告書の中にもありますけれども、基本的に今プライスキャップ制の中で、NTT東西がみずからの料金戦略として行い得るものということですね。
辻委員  そういうことですね。
根岸部会長  だから、望まれるというか、そういうような書き方になっていまして、ちょっと性格が違うところがあるように読めましたけれども、そのような理解でよろしいんですか。
辻委員  それで結構かと思います。
東海委員  あと、施設設置負担金について。
根岸部会長  施設設置負担金につきましては、一定の関係法令の改正等あるいは整備が要る、こういうわけですね。
東海委員  その辺が大変この答申案の特徴でもあり、また微妙なところでもございまして、パブコメにとりあえず基本線の考え方を問うて、そして、関係者の方々のご意見を承って、その基本線から、今度新しいまた具体案へ展開をするという形をとったらいかがかという姿勢になっていると私は理解いたしております。
辻委員  第二部のほうは、第一部のNTSコストのつけかえというところから影響を受けるところが大きいのでありますが、しかしながら、基本料あるいは設置負担金、事住区分あるいは級局区分等々につきましては、以前から非常に長い議論の蓄積がございまして、具体的な方向、改善の方向は出ておりますけれども、一歩前へ出るというところがなかったのでありますが、ちょうどこういうような基本料にかかわるようなものが接続料に出てまいりまして、NTSコストが出てきましたものですから、懸案でありますような配賦基準の見直しあるいは事住区分、級局区分の見直し、かつ設置負担金等、そういうような関連するものを含めて、新しい方向を一歩前へ出すというふうになったと理解しております。
根岸部会長  それから、ちょっと初歩的なことかもわかりませんけれども、44ページに、NTT東西の地域電話網のボトルネック性が低下していくことが想定されるとありまして、しかしというか、キ)のところ、NTT東西のドライカッパ、ダークファイバといった加入者回線が適切に開放され、コロケーションルールが円滑に機能していることが前提となる、こう書いてありまして、したがって、ここで言っている交換機を通るというか、そこの接続料という問題はここであれですが、しかし、そうでないというか、ドライカッパ、ダークファイバといった加入者回線が適切に開放され、コロケーションルールというのはやっぱり広い意味、接続というか接続ルールのものですね。ですから、こちらのほうは、適切かどうかわかりませんが、ボトルネック性というか、そういうものは依然としてあり得るというか、そういう問題が残っているというふうに理解すればよろしいでしょうか。
東海委員  ここで書かれたことは、接続料の在り方について、その前段のところから、競争が有効に機能している状況においては、事業者間協議にゆだねるべきだと。そのゆだねた中で、もし最低限のルールが必要ならば、そのルールに改めていかなければならないだろう。ただし、こういう状況というのは、今先生がご指摘されたようなコロケーションルールにしても、例えばそれに非常に大きなトラブルがまだ残っているというような状況では、そういう形は難しいのではないだろうか。しっかりとしたコロケーションルールに関する円滑な機能化が果たされているというようなこと、そういった環境が整って、そういう事業者間協議への自由化というんでしょうか、規制緩和化というんでしょうか、そういう方向が望まれるのではないかと付言したと理解をいたしておりますが、酒井先生のほうがご専門でいらっしゃいました。
酒井部会長代理  いいえ。今東海委員それから根岸部会長がおっしゃったのは両方ともそのとおりでございまして、要するに電話網としてはもしかするとだんだんボトルネック性がなくなるかもしれない。この場合の電話網というのはアクセス回線と交換機等を中心に成り立っておりますけれども、その電話網のサービスとしてはボトルネック性はなくなってくるかもしれませんけれども、アクセス網の加入者回線そのものあるいは電話局の中のスペース、こういうことから考えると、これはまだまだボトルネック性がございますので、そこが開放されていれば、電話網としてのボトルネック性は減ってくるかもしれない、そういう形になっていると思います。
根岸部会長  村上委員、何かございますでしょうか。
村上委員  全体として、非常に長時間にわたって検討された結果ですから、接続料算定の方法については、考え方はこれで私はいいと思います。特に問題になっていたNTSコストを取り出して、それを段階的に吸収していくということで、とにかくNTSコストに手がつけられたというのは非常に意味があると思います。
  ただ、説明はありましたけれども、基本料に影響が及ばないという考え方の基本があるわけですけれども、その過程では、基本料を構成しているそれぞれの事柄についても見直しをしなければいけないと。そこのところはまだこれから、どれをどう見直すかという問題が残っているわけですね。
辻委員  はい。
村上委員  NTSコストの吸収は四、五年かけてやるということで、まあ四、五年もあるわけですから、いろんな考え方が出されるとは思いますけれども、固定加入電話の通信量がどんどん減っていっている中で、これをまたユニバーサルサービスということで生かしながら、しかし、基本料には手をつけなくても済むようにやっていこう、こういう難しい話ですので、大変だと思いますけれども、その辺はこれからの検討事項かなというふうに理解しております。全体としては、私はこれでいいと思っています。
根岸部会長  今回のものは案としてパブリックコメントに付すということでありますので、パブリックコメントに付された後、いろいろな意見が出てまいりますので、またそれを踏まえまして、ご検討いただくというか、我々も検討するということになろうかと思いますが、パブリックコメントに付す案としては、これでよろしいでしょうか。
  (「はい」の声あり)
根岸部会長  ありがとうございました。それでは、今ご説明いただきました答申案を本日の部会長会見で報道発表するほか、インターネット等で掲載するなどいたしまして、公告し、広く意見の募集を行うということにいたします。意見招請の期間は本日から8月27日までといたします。その結果を踏まえまして、また、お手数ですけれども、接続委員会及び基本料等委員会で調査検討し、その検討結果の報告を受けて、この部会で審議の上、答申する運びとしたいと思います。答申は、現在のところ、10月を予定しているということでございます。どうもありがとうございました。

(3)

「平成15年度電気通信事業分野における競争状況の評価」について(報告)


根岸部会長  それでは次に、報告ということかと思いますけれども、「平成15年度電気通信事業分野における競争状況の評価」について、ご説明をお願いいたします。
大橋市場評価企画官  それでは、お手元の資料3に基づきまして、平成15年度の競争評価の結果についてご報告をしたいと思います。
  本件は、昨年の秋にこの競争評価を開始します段階で、諮問案件ではございませんけれども、今後さまざまな政策立案ということを行政が手がけていく段階で、その立案のための材料を提供していくという立場から、1年間、まずはブロードバンドのサービス領域を中心に分析を試みてみたいということで、ご説明を申し上げた件でございます。ちょうどそれから1年たちまして、15年度の結果をおおよそ取りまとめてまいりましたので、その内容について、本日は簡単にご紹介をしたいと思います。
  まず、資料3の表紙をめくっていただきますと、競争評価の実施とありますが、これは競争評価というものを、1年間かけて、こういうふうなステージを踏んで展開をしてまいりましたという説明でございます。平成15年度は、今申し上げたようにブロードバンドの領域を取り上げてまいりましたが、それに当たりまして、実施細目を定めて情報収集をし、市場の画定を行い、その状況を分析して、競争評価を取りまとめていくということを進めてまいりました。
  もともとこの競争評価は、電気通信市場の競争状況ということをできるだけ正確、迅速に把握していくということを目標としておりますが、そのプロセスの中で、電気通信事業者、当事者の方々に参画をいただいて、情報を提供いただくとともに、それを公表していく。さらに、事業者の方々自身がさまざまな意見をお持ちでしょうから、その意見をその場に出していただくということで、社会的なコンセンサスをつくっていく一環として、事実関係を皆が共有していこう。その共有した事実関係を一つの共通の言語として、今後の政策を議論していく土俵、土台にしていきたいという試みでございます。
  こういうプロセスで15年度進めてまいりましたその対象がブロードバンドでございますので、その内容に関して、以下に、簡単に取りまとめてございます。
  2ページ目にADSL市場の競争状況の分析の結果、3ページ目にはFTTH市場の競争状況、それから、4ページ目には法人向けサービス市場の競争状況について、その結果を取りまとめました。
  5ページ目以下にその概要を書いてございますので、まず5ページ目からのほうをご説明したいと思いますが、5ページ目に、主要なブロードバンドサービスの特徴としまして、今回我々が分析の対象としましたADSL市場、それからCATVインターネット市場、FTTH市場等について、その概要を簡単にお示しをしました。
  6ページ目に、そのブロードバンドサービスの加入者数の推移というものをグラフにあらわしてありまして、ごらんいただきますとわかりますように、ADSL市場の今の利用者は1,000万を超えて、1,151万というふうに3月末でなっております。そういう意味では最も大きなマーケットを形成しています。
  一方、光ファイバ、FTTHを使ったサービスはその約10分の1の市場規模でございますが、非常に急速に伸びてきております市場です。したがいまして、以下はこの二つの市場を中心に、分析をご紹介させていただきたいと思います。
  7ページ目のほうには、まずADSL市場の上位3社シェアの合計の推移というのをお示ししました。これをごらんいただきますと、この調査時点の平成15年9月の段階で、上位3社のシェアは全体の85%を超える、いわば非常に高度な寡占状態にある市場になっております。ただ、日本の市場の特徴的なことは、NTT東西の占めるシェアというのがある意味非常に低いということで、おおよそ37%のシェアになっている。しかも全体から見ますと、そのシェアは下がってきているという特徴がございます。
  これを都道府県別の世帯普及率ということで図示したものが8ページ目にございますが、これをごらんいただきますとわかりますように、東京都が30%を超えていて、鹿児島は8.2%というように、都道府県間の開きは非常に多うございます。首都圏と東海、近畿を中心とした普及ということがADSL市場にも見てとれるかと思います。
  ただ、これを今度は増加率ということで図示いたしますと、次の9ページ目にありますように、東京都を除くすべての都道府県で60%以上の増加ということが見てとれます。しかも、特に地方ほど増加率が高いということですので、このADSL市場に関しますれば、首都圏等の大都市圏の普及というのは一段落を今経て、主に地方の都市部を中心に普及がなお活発に進んでいるという状況が見てとれます。
  一方のFTTH市場でございますが、10ページ目にありますように、上位3社のシェアを合計しますと、おおよそ81%ということですから、ADSL市場にある意味近い高度寡占的な市場になっているわけですけれども、特徴的なのはNTT東西のシェアの約60%近くに達しています。これを11ページ目のほうにシェアの推移としてお示ししたものをごらんいただきますと、NTT東のシェアは大体28%程度で推移してきておりますけれども、NTT西のシェアはこの14年9月時点から15年9月時点にかけて、10%から30%程度に急速に拡大をしています。この調査時点は15年9月ですから、この後さらに変化はあろうかと思いますけれども、NTT西会社が光ファイバサービスということについてNTT東よりも早くに手がけ、結果、そのシェアが大きく拡大してきているということがあろうかと思います。これは、主に近畿圏で関西電力系のケイ・オプティコムがFTTH市場に対して積極的に事業展開をされて、それに対しまして、NTT西会社が対抗的に競争市場に参入してきたといいますか、むしろある意味の競争関係の中で市場が急速に拡大してきている一つの証左なのかなと考えている次第でございます。
  ただ、FTTHの市場がADSL市場と違いますのは、12ページ目をごらんいただきますとわかりますように、マンション市場というものがある種ADSLとは違う部分市場として成立をしていまして、ごらんいただきますとわかりますように、マンションの市場とそうじゃない市場において、随分と開き、変化がございます。マンション向けの市場の中で、NTT東西の占めるシェアというのは4分の1以下というふうになっていますので、そういう意味で言いますと、マンションの市場における競争関係というのは非常に活発に起きている。逆に言いますと、一戸建ての住宅市場等に関しますれば、まだまだ競争事業者の参入というのが十分でない状況が見てとれるかと思います。
  このあたりの構造は、13ページ目に一つのモデルとしてお示しをしていますけれども、今申し上げたように、マンションにおいていろんな競争事業者が参入しています一つの大きな要因は、マンションまでの光ファイバというところをNTTあるいは電力系事業者に依存しながら、マンションのいわば建物内に展開する事業者の存在というものがありまして、先ほどの12ページ目の絵で言いますと、エフビット・コミュニケーションズのような会社はいわばこのマンション内の専業ISP事業者でございます。こういう構造の中に今FTTHの市場が急拡大をしようとしているというのが今日的な特徴であろうかと思います。
  このFTTH市場の契約回線数あるいは世帯普及率というものを全国マップに落としましたのが14ページ目でございまして、まだまだ絶対数は少のうございますけれども、やはり関東圏と近畿圏、先ほど申し上げましたように、近畿の場合、東の首都圏よりも早くに光ファイバ市場が立ち上がっていますので、普及率で言いますと、むしろ関東圏よりも近畿圏のほうが高い形で、この調査時点ではあらわれています。これが今後どういう形で地方展開していくのかということが我々の当面の政策の注目視点ということになろうかと思います。
  立ち返っていただいて、2ページ目のほうにADSL市場の競争状況の分析結果ということをお示ししてございますが、我々はこの競争評価の中で、ADSL市場に関しますれば、非常に高度に寡占的ではありますけれども、市場の支配力が行使されている状況というものにはなくて、そういう意味の競争の姿形というのは非常に有効に機能しているのではないかと判断をしております。
  具体的に言いますと、市場そのものの急拡大期はADSLは既に終えておりますけれども、まだ安定的な成長期にあると考えております。ただ、このADSLの市場の拡大あるいは安定的な成長という点は地方間の格差というものがありまして、都市部はむしろ今後は減速をしていくのではないか、それを補う形で地方の成長ということがおそらく当面続くのではないかと考えております。
  その都市部の減速というものの一つの要因がFTTH市場の拡大ということにあろうかと考えていまして、そのFTTH市場の競争状況の分析の結果に関しましては、次の3ページ目のほうに概要をまとめてございます。今ご紹介したように、集合住宅においては、事業者間の競争が非常に活発に起きておりますけれども、戸建て住宅の状況ということはそれとはまた違うと考えておりまして、このあたりはまだまだ市場が立ち上がったばかりですので、早急に市場の状況について、その是非、答えを出す必要はないかと思いますけれども、そうして我々が注目しております点は、NTTと電力系事業者の競合関係あるいはサービス提供地域の拡大、それから新規参入事業者の今後の動向ということについて、引き続きこれは注視をしていきたいと考えておりますし、その市場の拡大ということに関しては、本格化はこれからですから、そういう面の動静を見きわめていくとともに、FTTHに関しましては、特に光ファイバ上の一つのアプリケーションとしてのIP電話等の展開というものが、今後一体取引の形でどう展開していくのかということについても、関心を持って注目をしていこうと考えております。
  4ページ目のほうには法人向けのサービス市場の状況として、大きくは専門線サービスからさまざまなデータ通信系サービスへの移行ということ、あるいはデータ通信系の中でも新旧の交代が活発に起きてきているというあたりを分析をしてございます。
  以上のようなものはいわば競争評価の一つの成果として、分析の結果をご紹介したものでございますけれども、先ほど最初に申し上げましたように、この競争評価というのは最終的な競争評価の結果を一つのレポートとして世の中に問うていくということに加えて、むしろそのプロセスの中で事業者の方々と議論し、また事業者の方々同士議論いただくということのプロセスを重視してまいりました。そういう意味では、平成16年度につきましても、この15年度の対象領域については、引き続き市場の変化というものをモニタリングしていこうと思いますし、加えて新しい領域、例えば携帯電話のような世界を今後対象領域として加えていくことによって、広く我々のサイドのほうが今後さまざまな個別政策を立案し、制度化していくに当たってのいわば政策立案の入り口のところについて、その透明性を高めていく、あるいは行政に対してさまざまな意見を的確に我々が吸収しながら、事実関係を共有していく、共通言語を備えていくというプロセスを引き続き続けてまいりたいと思っております。
  そういう意味で、また16年度の開始に当たって、あるいはその後の状況等の変化について、改めてこういう機会をちょうだいしてご説明させていただきたいと思いますので、引き続きご関心をお持ちいただければと思っております。
  以上、よろしくお願いいたします。
根岸部会長  ありがとうございました。
  それでは、今、平成15年度競争評価の結果についてのご説明がありましたけれども、ご質問なりありましたら、どうぞ。
酒井部会長代理  12ページのFTTHのマンション向けのシェアなんですけれども、これに書いてある集合住宅向けのシェアというのは、要するにマンションの中のシェアですね。外のほうは、マンションまではまた別なわけですね。
大橋市場評価企画官  おっしゃるとおりです。ここに書いてありますのは最終利用者、つまりこの場合にはマンションの居住者の方がだれと契約をしているかという点に注目をしています。したがって、例えばA社と私が契約をしている場合に、そのA社はマンションの中で私に対してサービスを提供していますから、マンションまでの間は、NTTとA社が、あるいは電力会社、A社が契約をしています。そういう意味で、最終利用者のところでとらえると、こういうふうになるという数字でございます。
酒井部会長代理  わかりました。
根岸部会長  どうぞ。
辻委員  2点、コメントというか印象ですけれども、まず1点は、5ページにブロードバンドサービスの特徴で、四つ種類を挙げておられますね。今のご説明では、ここの競争評価では、それぞれADSLの中身ではどうですか、FTTHはどうですかというようなのが主眼になっておって、四つはファシリティーベースとコンベンションになっておりますので、お互いの異なるネットワークの競争というのがどの程度行われているのか、あるいは行政当局として適正な競争があるのか、そういうような点をちょっとお聞きしたいのと、もう1点は、進捗状況は確かにスピードの点上がってきて、しかしながら、何遍もおっしゃいましたように、やっぱり都市部が多いわけなんですね。ですから、あと、競争政策とは関係ないですけれども、やっぱりデジタルディバイド、地方へこういうようなブロードバンドをどうやって引くか、そういうような政策的対応も、ここは競争評価とはちょっと違いますけれども、バランスのとれたようにしようとすると、そういうような地方へのブロードバンドの進展の在り方というのが気になったもので、この2点、ちょっと印象だけ言わせていただきました。
大橋市場評価企画官  今のご指摘の点で、まず5ページ目の主要なブロードバンドサービスとして挙げています事項に関しまして、今回とりあえずこういうような画定をいたしました。ただ、これは私たちの競争評価のある意味の性格であり、限界でもあるんですが、これは個別政策に関して一つの政策判断をしていくというそのプロセスではなくて、ある種競争状況というものを鳥瞰していく、俯瞰していくという立場に立ちますものですから、できるだけそれを見てとれるように市場の画定もしていきたいと。
  したがって、大きくこれらのものをブロードバンドというふうにくくってしまいますと、その中の特性というものがみんな一緒くたになってしまいますので、現実に今日的な状況で言いますと、競争の進展の程度において、かなりこのようなサービスには格差があって、したがって、いずれのこの四つのサービスも利用できるユーザーもあれば、どれも利用できない、あるいは一つのサービスしか利用できない、こういうユーザーさんがいらっしゃる中で、政策としては、ある種ブロードバンドというものを例えばダイヤルアップから代替していく、あるいはブロードバンドの中でも、例えばFTTHに対する移行を政策としてどう考え、そこに介入していくのかということを判断していくためには、まず個々のサービス市場における事業者の、あるいはプレーヤーの状況というものを把握したい。その上で、これらの市場の間にどういうような関係があるのかということについても、他市場からのリバレッジとして当然にその関係を見ていく必要があると考えておりまして、例えばFTTH市場に関して、その競争状況を見ますときに、ADSL市場というものの存在、そこのプレーヤーにおける競争圧力というものが非常に大きくこれは作用していますので、そういう面をとらまえて、分析の中ではしっかりと見てまいっております。
  将来的には、もしかすると市場そのものを一体的にとらまえたほうがいい状況にいずれなるかもしれない。そうであれば、その時点でまた市場の画定そのものを見直していくということになろうかと思います。
  2点目については、私どもの部長のほうからご説明をさせていただきたいと思います。
江嵜電気通信事業部長  デジタルディバイドに関するご質問ということなんですけれども、もともと私ども、FTTHも含めまして、ブロードバンド化を進めていくに当たっては、基本的な考え方は民間事業者の力を使ってやっていきたいと。それに対して、例えば税制上の支援とかそういうようなことでやってきているわけです。
  ただ、条件不利地域、例えば過疎地とかそういうところに関してのブロードバンド化ということになりますと、どうしても民間事業者主体というだけでなかなか難しいという感じも私ども今持っております。したがいまして、今ごく一部ですけれども、補助金のようなものがございます。ございますが、これをさらに今後どうしていくかというのは私どもの今の課題だと思っております。国の補助または地方財政措置というようなことも含めまして、デジタルディバイドをどう解消していくのかということが私どもの今の課題だと考えておりまして、今ちょうどその検討を研究会で行っておる最中でございまして、年末までには一回結論を出したいと思っております。
根岸部会長  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
辻委員  結構です。
根岸部会長  ほかにございますか。
  それでは、ございませんようでしたら、報告を了承いたしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
  (「はい」の声あり)
根岸部会長  ありがとうございます。

 
(4) 「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の日本電信電話株式会社等に関する法律第2条第5項に規定する業務の認可」について(報告)

根岸部会長  それでは、次のご説明ですけれども、一番最初の諮問のところに出てきましたけれども、NTT東西のいわゆる活用業務の認可につきまして、ご説明をお願いいたします。
吉田事業政策課長  議題1の際に根岸部会長からもお話がございましたように、関連する話でございますので、資料4に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
  1ページ目でございますけれども、申請業務の概要と経緯を非常に簡単に書いてございますが、サービスの内容といたしましては、昨年10月からNTT東西が行っております法人向けのIP電話サービスというものがございまして、それを集合住宅向けに拡大をする。具体的に申しますと、右側の絵にも書いてございますように、電話局の局舎から利用者の宅までの足回りの回線といたしまして、Bフレッツマンションタイプ、これはNTTのサービスの商品名でございますが、それを追加するという話でございます。
  最後のページ、7ページ目に、今似たようなサービスをやっている会社、これで全部かどうかはありますけれども、ちょっと書いてございます。7ページをめくっていただければと思いますが、NTT東西のは一番左に書いてございます。そのほか、番号として既存の電話番号と同じ体系を用いている0AB〜JのタイプではKDDIや有線ブロード、それから050のタイプではコム、東京電力、このような会社が同様なサービスを提供しているという状況でございます。
  1ページ目に戻っていただきまして、今少しお話もいたしましたけれども、固定電話相当の音声品質ということで、現在の電話番号の0AB〜Jの形態をそのまま利用可能ということでございます。
  今回、NTT東西からは、県間、国際、携帯電話等との通信につきまして、NTTがその料金を設定するという形にしたいということで、申請があったものでございます。
  経緯は、下に書いてございますように、4月に申請がございまして、5月末に、後につけてございますけれども、認可条件を付した上認可することが適当と考えるということにつきまして、パブリックコメントをいたしまして、関係事業者から、NTT東西を含めまして、12社からパブリックコメントが出てきてございます。主なものは後に書いてございます。検討の結果、先週でございますけれども、認可条件を付した上で認可をしたという話でございます。
  主な内容、意見につきましては、2ページ、3ページ目に書いてございますが、非常に主な意見だけとってきてございます。数え方にもよりますけれども、意見としては三十数件出てきておりまして、まず意見1につきましては、これは総論でございますが、公正競争に支障を及ぼすことから不認可とすべきではないかという意見でございまして、これに対しては、右側に書いてございますように、本件サービスにつきましては、NTTもほかの事業者も新たに設備を調達して、ネットワークを構築して、提供する。その意味では同じ立場にあるのではないかということでございまして、したがいましてと書いてございますように、後でお話をいたしますけれども、公正な競争ということを確保することはもちろん必要ではございまして、そのために幾つかの条件は付しておりますけれども、そもそも提供することが適当でないというような考え方はとれないのではないかということでございます。
  それから、意見2につきましては、個別の具体論について一番多かった話としてはこの営業面のファイアーウォールということでございまして、認可条件3というもの、4ページをちょっと見ていただきますと、認可条件というのがございまして、そのうちの3につけておりまして、加入電話及びINS64の契約に関して得た加入者情報であって、他事業者が利用できないものを用いて営業活動を行わない、こういった条件を今回つけているわけでございますが、これでは不十分だということでございます。じゃ、不十分とはどういうことかと。例えば一つの例といたしましては、Bフレッツの営業ときちんと分ける必要があるというような意見も寄せられたわけでございますが、そういった点について、右側に総務省の考え方を書いてございます。今お話ししました認可条件3というのをつけておりまして、ここに例えばということで、例として書いています。これはこの条件に反する行為だというふうに考えておりますけれども、さらに、それ以上の措置を講ずることは必要ではないと考えているということでございます。
  それから同じく、これは必ずしも認可条件3に限らないわけでございますが、いろいろ条件をつけている、あるいは実施状況の報告を受けるということなんですけれども、そこのところをきちんと十分なフォローというんですか、担保される仕組みというんですか、それをきちんとすべきではないかということでございまして、これは右側に書いてございますように、報告を受けて、その上できちんと、何か問題点があるということであれば、改善を図っていくという考え方を示しております。
  それから、少し細かい点になるのかもしれませんが、意見4として、緊急通報の関係につきまして、NTTは既存の仕組みを用いることが可能なので、他事業者より有利になるのではないかというご意見が寄せられておりますけれども、右側に書いてございますように、NTTにつきましても、緊急通報機関からはここに書いてあるような要請を受けているということでございまして、何かNTT東西がほかの事業者と比較して非常に有利になって、公正な競争を阻害されるというような状況にあるというふうには考えていないということでございます。
  あとは、4ページに認可条件というのを書いてございまして、全部で五つございます。より正確に申し上げますと、上に書いてございますように、NTTが申請書の中でこういった措置を講じますということは書いてきておりますので、その具体的な措置を着実に履行すること「及び」ということでございます。それが認可条件ということでございます。
  では、NTT東西が何を書いてきているかというのは5ページ、6ページに書いてございまして、例えば先ほど基本料の関係のところで少し議論があった話とも若干関係するんですが、ただ、6ページの5というところですと、内部相互補助の防止というような話がございまして、電気通信事業会計規則に準じた費用配賦を行うということがNTTの申請書の中に書いてございます。ここにはあまり細かくなるので書いてないわけでございますが、NTTの申請書の中には、特に先ほど議論もありました営業活動にかかる費用については、原則、直接賦課の方法により費用配賦を行い、それが不可能な場合においても、商品別の稼働時間、本部門取り扱い件数、新規獲得件数等に基づいた適切な配賦基準により、その他のサービスにかかる営業費用と分計する考えであるといったことは書いてございます。ですから、それはきちんとやるということが条件になっているということでございます。
  以上、簡単でございますが、ご説明をさせていただきました。
根岸部会長  ありがとうございました。
  それでは、今のNTT東西の活用業務の認可についてのご説明につきまして、どうぞご質問、ご意見がありましたら、お願いします。東海先生、よろしいですか。
東海委員  特に。
根岸部会長  そうですか。よろしいでしょうか。
  それでは、ご意見等ございませんようでしたら、この報告を了承いたしたいと思います。

  閉会

根岸部会長  では、以上で本日の審議は終了いたしました。何か委員の皆様からほかにご意見ございますでしょうか。事務局から何かございますでしょうか。ございませんか。
  それでは、以上で本日の会議を終了いたします。次回は9月14日火曜日午後2時から、8階の第一特別会議室におきまして開催する予定でございますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
  ── 了 ──


 
 本部会にて配付された資料をご覧になりたい方は、総務省にて閲覧及び貸し出しを実施しておりますので、下記までご連絡をお願いいたします。


    担当: 総務省情報通信政策局総務課情報通信審議会係 飯島
  電話    03−5253−5694
  FAX    03−5253−5714
  メール    t-council@soumu.go.jp









ページトップへ戻る