会議資料・開催案内等

情報通信審議会電気通信事業部会(第48回) 議事録




第1   開催日時及び場所
平成16年12月21日(火) 14時00分〜15時13分 於、総務省第1会議室

第2 出席委員(敬称略)
根岸 哲(部会長)、辻 正次、東海 幹夫、村上 政敏、吉岡 初子
(以上5名)

第3 出席関係職員
(1)   総合通信基盤局
江嵜 正邦(電気通信事業部長)、武内 信博(総合通信基盤局総務課長)、
吉田 靖(事業政策課長)、鈴木 茂樹(料金サービス課長)、
泉 宏哉(料金サービス課企画官)

(2)   事務局
福岡 徹(情報通信政策局総務課長)

第4 議題
(1)   「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可(シェアドアクセス方式の提供に用いられる光信号分岐端末回線部分の接続料等の見直し)」について
【平成16年10月19日諮問第1122号】

(2)   「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可(実際費用方式に基づく平成16年度の接続料等の改定)」について【諮問第1129号】



  開会
  
根岸部会長  それでは、ただいまから情報通信審議会電気通信事業部会第48回会議を開催いたします。
  本日は委員7名中、今、4名で、辻先生は後でおくれて来られるということでございます。定足数を満たしております。
  本日は公開して会議を行います。傍聴者の皆様方は「留意事項」を遵守いただきまして、静粛に傍聴くださいますようお願いいたします。

 
議題

 
     (1)   「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可(シェアドアクセス方式の提供に用いられる光信号分岐端末回線部分の接続料等の見直し)」について(平成16年10月19日諮問第1122号)

根岸部会長  それでは議事次第に従いまして議事を進めていきたいと思います。本日は答申案件が1件と諮問案件1件の2件でございます。
  まず初めに、諮問第1122号、NTT東西に係る第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可、いわゆるシェアドアクセス方式の提供に用いられる光信号分岐端末回線部分の接続料等の見直しについて審議したいと思います。
  本件は本年10月19日に総務大臣から諮問されまして、19日から1117日までの間、1回目の意見募集を行いました。その後、1119日に提出されました意見を公表するとともに、12月2日までの間、再意見の募集を行い、2回の意見募集でいただいた意見を踏まえまして接続委員会で検討をいたしました。
  そこで本日は接続委員会から検討結果の報告を、主査であります東海委員からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
東海委員  お手元の資料1でご報告をさせていただきます。
  シェアドアクセス方式の提供に用いられる光信号分岐端末回線部分の接続料等の見直しに関する案件でございますけれども、まず申請の概要について振り返ってみたいと思っております。お手元に申請概要の資料がございますでしょうか。資料1の下についております申請概要でございます。
  1枚めくっていただきますと、そこに主な変更内容が出ておりますけれども、今回の問題点は従来の方式と異なりまして、ちょうど1の接続箇所の追加の図の中での、真ん中より少し右側にございます局内光スプリッタ(4分岐)と書いてございますところに新たな接続箇所を追加したというところでございます。下に45ページとなっておりますが、1番の接続箇所の追加の案件でございますが、従来は右側にございますOSUという光信号伝送装置のところで接続をしていたものに対して、いわゆるシェアドアクセス32分岐の形で、そこに新たな接続ポイントを設けたというのが今回の大きな改正点でございます。それに伴いまして、2番目の接続料の見直しをしなければならないということで、下の方の図の中で4つございますが、屋外キャビネット、単芯ケーブル、少芯区間、AOクロージャ内接続の部分の、特に両端といいましょうか、宅内に近い屋外キャビネットの部分とAOクロージャ内接続の部分について、いわば工事費としての設定をするという申請でございます。
  46ページに(1)といたしまして、AOクロージャ内接続に係る工事費及び屋外キャビネット設置に係る工事費の設定の具体的な申請があったということでございます。それに伴いまして(2)の方では月額の接続料等の見直しをするということで、特に1)にございます接続事業者からの撤去の依頼に基づいて単芯区間を撤去した場合の工事費の金額の計算の方法ということと、2)の方では、契約が終了して撤去依頼が行われていない場合で、再利用の可能性を含むような場合においてどのような考え方をするかというようなこと。47ページには、3)といたしまして、貸し倒れのリスクをどう算定するか。事実上これは0.0004%ですので、計算の根拠は設定をいたしましたけれども金額は実は算定されないというものでございます。それから(3)最低利用期間の扱いの中で、残余期間に対応する違約金の額の算定の問題、大きな3番で情報調査費の追加算定の問題といったところが、このたびの申請の概要でございます。
  諮問の際に詳細については事務局から報告がありましたので、この程度にしておきたいと思っておりますが、今回のシェアドアクセス方式の接続料等の見直しは、光信号分岐端末回線の敷設が他事業者からの求めに応じてその都度NTT東西が敷設するものであるという特殊な状況にかんがみまして、従来月額接続料として回収していた接続料の一部を、今申し上げましたように工事費として回収するとともに、他事業者からの依頼に基づき引き込み線を撤去する場合には、他事業者が未償却残高の負担をするといったことなど、従来NTT東西が負担していた設備投資リスクを原因者であるところの他事業者が負担するような見直しを図るといったことでございます。
  今、部会長からお話がございましたように、1019日に部会に諮問されまして、2回のパブコメがございまして、そして12月9日に接続委員会を開催いたしまして、検討させていただいたところでございます。
  かなり意見が寄せられまして、手元に右側に別添と書いてある資料がご覧いただいて、左側に最初の意見、真ん中にそれに対する再意見、そしてこのたび接続委員会でまとめました考え方が右側にまとめられているところでございます。最初は5社及び6名の個人でございましたけれども、再意見の部分につきましては6社及び1名の個人という意見表明の状況でございました。
  今回接続委員会でまとめました報告の案、一番下に1と書いてございます報告書でございますけれども、ここでは、基本的に諮問のとおり認可することが適当としたわけでございますけれども、その下に2番といたしまして、4件要望事項を加えてございます。時間の関係もありますので、そこを中心にご報告をさせていただきます。
  まず第1点は、13ページの意見7でございます。サービスが解約された場合の分岐端末回線の扱いについて再考すべきというご趣旨のご意見がございました。今回の接続料の見直しは、光信号分岐端末回線が他事業者の個別の回線設置申し込みに応じてNTT東西がその都度工事を実施し、かつ当該事業者がその利用者のために専ら使用するものであるという特殊な状況にあることを先ほど申し上げましたけれども、このことを考慮いたしまして、より適切な回収方法を設定するというものでございます。申請案自体はその意味で適当であると考えております。
  ただし、光信号分岐端末回線の扱いについて今回新しい仕組みを導入したということもございますので、一定の実例の蓄積ができた段階で、この仕組みが有効に機能するかを含め、総務省において改めて検討することが適当であるという考え方をまとめてございます。したがって、このような検証を行う上で必要なデータとして、NTT東西においては解約された光信号分岐端末回線に係る状況を把握いたしまして、1年後を目途に総務省に報告してくださいという形でこの点は取りまとめさせていただきました。
  次の要望事項の関係は20ページの意見14でございます。これは接続事業者による光信号分岐端末回線の自前工事とそれから買い取り制度の整備を要望するといったご趣旨のご意見でございます。先ほども申し上げましたとおり、今回の見直しというのは費用の発生態様を踏まえたより適切な回収方法への見直しを行うものでございまして、それにより従来NTT東西が負担していた設備投資リスクを、申請者といいましょうか、依頼者が負担するという考え方でまとめたわけでございます。設備投資リスクを負うこととなる他事業者から見れば、当該リスクをある程度の裁量をもって管理する必要があることから、他事業者が自ら引き込み線を敷設するという選択肢を確保することにより、NTT東西に工事を依頼した場合のリスクと、自らが敷設した場合のリスクのどちらでも選択できるようにしておくことが望ましいのではないかと考えるわけでございます。
  また他事業者が自ら引き込み線を敷設するということは、サービスベースの競争のみならず、設備ベースの競争といった視点の進展にもつながるわけでございますし、NTT東西と他事業者間のさらなる競争の進展によって光ファイバサービスの一層の発展につながることが期待されるわけでございます。
  この点についてNTT東西は、引き込み線の敷設ごとに強度計算等を行う必要がなく、また自社の占有ポイントに引き込み線を敷設することができる一方、他事業者が引き込み線を敷設する場合には引き込み線の敷設ごとに添架検討が必要となり、NTT東西の光ファイバの添架ポイントとは離れた一般添架ポイントに引き込み線を敷設する必要があるわけでございます。
  今後、他事業者による引き込み線等の自前敷設を促進していくという観点からすれば、NTT東西に対しては、他事業者の設備の態様に応じた添架手続の簡素化、新たな添架ポイントの提供、一束化の是非等について検討して、その結果について平成17年3月末までに総務省に報告するべしという考え方を示させていただいております。
  第3の要望事項は31ページの意見19でございます。光配線区域情報についてより詳細な情報を開示すべきというご意見でございます。NTT東西は光信号用の伝送路設備の敷設状況等接続の請求に際して必要な情報を他事業者に開示する必要がありますけれども、現在NTT東西は光配線区域について何丁目何番地までの情報しか提供していませんけれども、新規の事業者にとっては光配線区域のより詳細な情報、例えば何番地何号までの情報も重要となると考えられるわけでございます。
  本件についてはNTT東西から、自社の契約者情報を用いて何番地何号までの情報を提供することが個人情報保護との観点から困難であるという考え方の再意見が提出されているところでございます。NTT東西においては個人情報保護という観点から問題となるかどうかについて総務省に速やかに確認を行って、仮に問題となるおそれがあるのであれば、個人情報保護の観点から問題とならない情報開示の方法はないだろうかといったような検討を行って、この点について平成17年3月末までに総務省に報告することが適当であるという考え方をまとめたところでございます。
  接続委員会におきましても、この点についてのご見解がいろいろと委員からお話がございまして、いろいろな立場のご専門家がいらっしゃいますけれども、個人情報保護という観点にはなかなかならないのではないかという考え方の方が多うございました。したがって、こういう意見のまとめ方にしたわけでございますけれども、総務省においてもご専門の部署がおありになるようですから、この個人情報保護という視点でこういった形がどう見解が整理されるのかということについて、ぜひとも早目に見解を整理して前向きな形になるよう努力していただきたいというようなことを、接続委員会の考え方として申し添えさせていただきたいと思います。
  4つ目の要望事項は37ページの意見23でございます。これは光配線区域を拡大すべきとのご意見でございます。光配線の区域が狭い場合には、1つの配線区域に複数の事業者が採算に乗るベースで事業を行うことが困難となり、特定の事業者の一人勝ちとなる傾向が生ずると考えられるわけでございます。もちろん光配線区域ごとに特定の事業者が勝ち残るという競争の形態が否定されるものではありませんけれども、1つには既に当該配線区域でユーザを獲得している事業者が競争上有利となること、2つ目には、一人勝ちにならない場合には小さいパイを複数の事業者でとり合う結果、設備の収容効率が下がるといった問題が生ずるおそれがあると考えます。
  一方NTT東西によれば、光配線区域はコストの低廉化、工事の効率性、設備品質の確保等を考慮して設定しているはずでございますから、仮に光配線区域を広く設定し直すとした場合には、業務運営上の多大な影響が生ずるとのことであるわけでございます。また、引き込み線区間が長くなること等により、引き込み線当たりの料金が高くなるというおそれも考えられないわけではございません。
  現時点で光配線区域に関する詳細な情報が明らかとなっておりませんし、今後、どの程度の事業者がシェアドアクセスサービスに進出し、どの程度のユーザがシェアドアクセスに加入するか不確定な要素が多いため、現時点で光配線区域の大きさの妥当性を判断することはなかなか難しい問題ですが、他事業者の試算によれば、現行の光配線区域の大きさが非常に狭いとの指摘もございますので、総務省として、今後、光配線区域の実態について十分に把握していただき、また競争状況等を注視していくことが適当であるということを考え、このためにNTT東西においては、総務省に対して、今後定期的に、光配線区域当たりの世帯数、シェアドアクセスへの加入数、参入状況等の情報について報告を行うことが適当であるとの考え方でまとめてございます。
  以上、いろいろな意見が寄せられましたけれども、接続委員会におきまして要望事項としてまとめました4点を中心にご報告をさせていただきましたけれども、結果として、本申請については諮問のとおり認可することが適当であるという形でまとめたことをご報告させていただきます。
根岸部会長  どうもありがとうございました。それでは、ただいまの接続委員会における検討結果につきまして、どうぞご質問なりご意見ありましたら、お願いします。
村上(政)委員  これはそうしますと、4点の要望事項というか条件というか、条件までいかないのですか、はあるけれども認可はする、それで、もしこういう4つの報告の結果によってはまた再考あるべしというようなことになるのですか。
東海委員  新しいサービス、あるいは新しい接続方法の展開でございますので、様子を見ていかなければならない。しかしその方向性については促進していくべきという考え方でございますので、ここで接続料もしくは工事費の算定方式については認可すると。しかしながら、この2、3か月、つまり来年の3月あたりまでの状況及びまた場合によっては1年間ぐらいの状況におけるシェアドアクセス方式の展開をしっかり見きわめていかなければならないという意味で、あえてその点について報告をしていただくこと、もしくは調査をしていただくこと等の要望を付させていただいたということでございます。
辻委員  そうしますと、シェアドアクセスの普及の予測というのは、今、3カ月とか1年とかおっしゃいましたが、どのような状況で進展していくと見られてこの期間を設定されたのでしょうか。
東海委員  これは特に接続委員会でデータを拝見しながらということではなく、こういった諮問が具体化して要請があったということでございますので、一般的な環境認識からすれば、シェアドアクセスという方向がさらに競争を進展させ、新しい接続ポイントが新しい事業者の参入をより促進するということの理解は皆さんの中にございましたので、この認可によって速やかにその流れが進められるということと思っておりますけれども、数値によってそれがどの程度の展開を図れるかということは様子を見なければならないということなので、とりあえず報告いただくべき事項については来年の3月、それから実態の問題につきましては約1年の実態をしっかり見きわめて、この方式が望ましいかどうかを再度検討し直すということでございます。
  事務局の方で何かその点の補足がございましたらお願いしたいと思います。
鈴木料金サービス課長  若干補足させていただきますと、シェアドアクセスはどちらかというとNTTの局舎から顧客の近くの電柱までの加入者回線の、さらにその先の部分のことでございまして、局舎から電柱のところまではご案内のように将来原価方式ということで需要数を見て設備を引いたもので、原価を期間で平均して出しておりますが、これについてはどちらかというと実際にお客様から申し込みがあったときに引くということでは、どっちにしても原価方式でございまして、今回は需要を使っての算定ということをしてございません。
吉岡委員  すいません。確かに一番最終的なところで、法人にしろ個人にしろ、最終利用者のところへどうつなぐかということの諮問だと理解しておりますけれども、意見のところを見てみますとほとんどが事業者の意見になっておりまして、関心はどうなのだろうと考えますと、やっぱりスピードが速くなるということ、かなり重いものでも速く届くということ、料金面ではわりあいに安くいくのではないかという期待が特に個人利用者にはあると思いますけれども、個人利用者の意見がほとんどといっていいほど、匿名のはあるのですけれども、ありません。ということは、関心があるわりには内容についてよくおわかりになっていない間にパブリックコメントが終わってしまっているという状況ではないだろうかと私は考えるのですけれども、やはり実際の利用状況を見ると、おそらくこれを認可するということになりますと、個人の方が利用したいということで申し込むということにつながってくると思います。そうなってきた段階で、思っていたほど安くないとか、思っていたほど工事に時間がかかるとか、それから契約内容が満足できないとか、いろいろな問題が出てくるのではないかというおそれを感じます。そういうことが後段に書かれている2の(1)から(4)のところでの条件になってくると思いますけれど、せっかく審議会の意見として答申を出されるわけですから、この内容をこういう条件つきで認めようとしているのだということ自体を、もう少し一般個人利用者に知らせるという必要性を感じます。その上で、個人利用者が意見を持っていれば意見が言えるような説明の機会を持っていただいて、それで大勢の方が申し込みをして、納得をして、利用者が増えるという契約につながっていくという努力をしていただくことが必要ではないだろうかと考えます。特に事業者の独占性と申しますか、それが完全には競争になっていない部分があるように思いますので、これは電柱を保有している電力会社も含めてですけれども、その辺のところも含めて競争のあり方も考えなければいけない時期だと思いますので、役所として、あるいは事業者として、一般の個人利用者に対する説明責任を果たすということを入れていただいて、それができるということを一つの条件と考えてこの諮問案に賛成させていただきたいと思います。
根岸部会長  今のご意見ですと、要するにこの中身について必ずしも十分肝心の利用者が理解していないというか、その反映としてパブリックコメントにもあまり意見がないというようなことで、したがってこれについて十分中身について情報提供、あるいは周知徹底させるということで利用を促し、競争を促すということを、役所のほう、あるいは事業者のほうでやっていただくということですよね。
吉岡委員  はい。
根岸部会長  何かもしそれにつきまして、あるいは役所の方で何かございましたら。
鈴木料金サービス課長  事柄が接続料ということで、事業者と事業者の取引の関係なものですから、多分こういうものを見られても個人のお客様方からのコメントがほとんどないのだろうと思いますけども、他方中身を見ると、おっしゃるように今まで1本ずつ光ファイバが行って5,000円かかっていたものが、途中で8本に分かれるということで、多少の機器代はついたとしても、1加入当たりの料金は下がる。きっとこれはユーザ料金の方に反映するだろうという観点からすると、確かに中身としては大変ユーザに関心のあるお話でございますので。私どももこの審議会が終わった後には部会長に会見をしていただくとか、あるいは中身をホームページに載せるという努力はしておるつもりですけれども、引き続きそういった努力をするとともに、当事者の事業者の方も、事業者にはご説明をしておりますので、ホームページに載せるとか、あるいは機会があればユーザの方にご説明をするということを、今以上にできることを考えましてやっていくというのは構いませんので、ご意見としていただければそのように進めていきたいかと思います。
根岸部会長  今のご意見はもっともなご意見だと思いますので、そういうことでやっていただくということで、よろしくお願いしたいと。よろしいですよね。
  ほかにご意見はございますでしょうか。個人情報保護の観点というのも、たくさん意見が多分そこで交わされたので、ここで何か言うあれはありませんけど、一定の目的というか、目的があってその目的外に利用しないということであれば、個人情報保護の観点からは問題が少ないか、ないということになるのじゃないかと、ちょっと今お聞きしていて思いました。何番地何号ということがやっぱりないと、競争業者の方ではそこに設置するかどうかということを決定することが難しいというようなことなのですよね。
吉岡委員  細かなことを申し上げると、このパブリックコメントの方の32ページ、考え方19のところに××番地××号までの情報云々と。
根岸部会長  32ページですね。
吉岡委員  32ページの考え方19の続きのところで、NTT東日本及びNTT西日本から始まっているフレーズの4行目に書いてございますけれども、この場合に相当細かくエリアを決めることになると思いますけど、その線の内側か外側かということが実際に個々の情報になってくると出てくると思うのですね。そうしますと内側になるか外側になるかというのは個人を特定する場合にははっきりとした個人情報になります。その辺のところをどう考えるかというのが、特定するという意味ではその本人にとってはかなり個人情報の問題としてはシビアな問題ととられる可能性がありますし、今度の個人情報保護法の対象として考えるべきだという意見も当然当事者からは出てくるということを視野に入れておかなければいけないと思います。
東海委員  部会長と、今、吉岡委員がおっしゃられたこと、両方とも私はそのとおりだろうと思っております。いわゆる競争を公平に促進するという意味からすれば、あるいは速やかにいろいろなサービスの提供のプロセスを経るということを考えるならば、それはこういった形での情報の開示ということは実施した方が望ましいという見解もあり得ると思っておりますし、ただ、私どもの接続委員会でも議論の中に出てまいりましたけれども、今、吉岡委員がおっしゃったとおり、そのことが、もしかしたら他のことに悪用される可能性、悪用という言い方は少し強過ぎますけど、別な用途で利用されるということがありはしないかということについて、この見解をまとめるまでには十二分にそこのところを詰め切れなかったということでございますので、慎重を期して、この点についてはこれから少し調査をしていただいて、どういう事態があり得るかということの想定を整理していただいて、この点のまとめを来年3月あたりまでに整理したいという形にさせていただきたいと思っております。
根岸部会長  ほかにご意見はございますでしょうか。よろしいですか。
  この報告書をいただいておりまして、諮問のとおり認可することが適当であるということでございまして、2のところに要望事項というのがございまして、これは正式な意味では別に条件というわけではなくて、こういう要望をするということで、多分、この要望がそのとおり実現するということであろうと思いますので、報告書のとおり、諮問のとおり認可することが適当であるという結論でよろしいでしょうか。
  ありがとうございます。それでは諮問第1122号につきましては、お手元の答申案のとおり、答申案というのが審議会の会長あてにございますけれども、この答申案のとおり答申したいと思います。ありがとうございました。

    (2)   「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可(実際費用方式に基づく平成16年度の接続料等の改定)」について(諮問第1129号)

根岸部会長  それでは次に参りたいと思います。
  次は諮問第1129号、NTT東西の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可、いわゆる実際費用方式に基づく平成16年度の接続料等の改定でございます。
  それでは総務省の方から説明をお願いします。
鈴木料金サービス課長  料金サービス課長です。ご説明をさせていただきます。
  お手元に資料2というのが、分厚い輪ゴムでとめましたものの一番上にあろうかと思いますけども、右隅に資料2と書いてあるものでございます。
  1ページめくっていただきまして、申請概要についてご説明をさせていただきます。東日本電信電話株式会社の資料をもとにご説明をさせていただきますが、基本的に毎年やっております実際費用に係ります接続料でございまして、実際の会計の結果などを踏まえまして見直すものでございます。西日本電信電話株式会社につきましても、今回特に変わるところがございませんので、東日本のご説明をもってかえたいと思いますが、概要としましてはそこにありますように、専用線等の実際費用方式を適用する平成16年度接続料の改定及びその他手続費等の改定を行うものでございます。そして16年度の端末系交換機能ないし中継系交換機能等の長期増分費用方式を適用する接続料につきましては既に平成15年4月22日に認可をいただいておりまして、これについては2年間の適用中でございます。
  1ページめくっていただきますと、主な変更内容というところでございます。実際費用方式を適用する接続料につきましては、15年度の接続会計の結果、あるいは回線数の実績、それから報酬率の見直しといったものに基づきまして、接続料の全体の収入ベース、これは単価を改定した場合で計算し直したものですが、そうしますと全体で7.6%減ということで、すぐ下の表を見ていただきます。実際費用方式の値下げ額及び値下げ率は次のとおりということでして、合計で832億円から769億円への63億円の値下げになってございます。専用線の合計が71億円、接続専用線が43億、中継の光ファイバが9億、DSLが21億で、DSLはちょっと費用の把握の仕方を変えてございます。それ以外はNTTの設備の減価償却が進んだこと、あるいは大幅な業務の効率化、合理化などを進めまして費用の低減を図ったことから、こういった接続料の値下げとなってございます。公衆網のところだけですけども、公衆電話に係る機能ないしPHSの回線管理の機能等のところで8億ほどプラスになってございますが、これは実態を踏まえたものでございます。
  次に主立ったものの接続料はどうなるのかというのは下の表でございますけれども、高速ディジタル専用線の1.5メガが109,663円から107,371円へと2.1%の減。ディジタルアクセスの1.5メガも5万8,951円から4万5,925円。メガデータネッツも2万4,000から2万3,000円台ということと、ダークファイバも値下げでございまして、ドライカッパが今回見直しをしまして月当たり1,366円ということで若干の値下げとなってございます。すいません、今回見直しましたラインシェアリングに係りますところでございまして、これは回線当たり158円から120円ということで、後ほど説明いたしますが、大幅な低下になってございます。
  以上が概要でございまして、次に3ページに参りまして、昨年からの主な算定方法の変更の部分のご説明をさせていただきます。
  (1)回線管理運営費の算定方法の見直しということでございまして、平成16年2月17日付でいただきました答申におきまして「平成16年6月末までに実際に要する費用の把握の方法等について総務省に報告を行い、その結果を踏まえて平成16年度のDSL管理運営費を適正に算定すること」とされましたことから、NTT東日本におきましては、なるべく詳細に費用を把握するという意味で、PHSの基地局回線、ラインシェアリング、ドライカッパ、光ファイバといった各項目に管理運営費の算定、費用の把握に努めたところでございます。
  しかしながら現時点において、ドライカッパだとか光ファイバというのは需要数が非常に少ない状況でございまして、かつ今後相当の変動、具体的には伸びることが見込まれますので、大変その費用算定の状況が不安定な状態にあります。最初にラインシェアリングをやりましたときも直接的な費用を把握することはできませんでして、電話の方の管理費を使ったということもありますけども、そういった不安定な状況にあることから、現時点においては回線管理運営費の原価を役務ごとに細分化して個別に設定するのはちょっと時期尚早であろうということで、したがいまして今回の接続料の設定に当たりましては、回線管理に係る原価を各役務ごとに分けるのではなくて、ラインシェアリングは一定のボリュームを占めていますので、ラインシェアリングとそれ以外の役務において管理事務の内容が異なる点に着目しまして、全役務において発生する費用、ラインシェアリングのみで発生する費用、3番目にラインシェアリング以外で発生する費用、それぞれごとに単金を算出しまして、それに基づいてラインシェアリングとそれ以外の回線に分けて回線管理運営費を設定することといたしました。
  そこで出ましたのが、回線管理運営費がラインシェアリングは38円下がりまして91円、その他の回線に関しましては11円下がって118円ということでございます。なお、これまで料金請求に係るコストにつきましては、請求書当たりで複数の請求をする形態を反映するために1請求書ごとに料金を設定していましたが、このように細かく費用を把握するという観点からその中に含めまして、1回線ごとの料金の中に統合してございます。
  これが第1点でございまして、2点目の変更点でございますが、網改造料の算定にかかります諸比率の算定方法の見直しということでございまして、諸掛費比率、共通割掛費比率及び設備管理運営費比率の算定につきましては、平成11年1月22日付の答申におきまして、ご要望として「接続事業者が個別負担を行う接続料についても、実態との乖離をできるだけ小さくするため、可能な限り、使用される比率を含めて当年度の予測原価・予測需要により算定を行うこと」が適当との考え方が示されました。これは「接続料の算定に関する研究会報告書」でございますが、それを踏まえまして11年度より従来の前年度実績を用いる方法にかえまして、前年度実績に過年度実績値の推移を加味した予測値ということで、実際には前年度実績値に過年度における変動率の平均を乗じて算定しているものでございますけれども、その方法を用いてきました。
  しかしながら、次のページでございますけども、これまでのところ、当該予測値と適用年度実績値との間に大きな乖離がございまして、必ずしも過去実績で推計しても当てはまらない、乖離率が約30%以上あるというような状況なものですから、しかもその乖離というのは前年度実績値と適用年度実績値を事後に比べてみたものに比べても大きいという状況もございまして、今回諸比率につきましては適正な予測は困難だということで、再度、前年度実績値を適用することとしてございます。この観点で前年度実績値を用いますと、事後に実績との乖離がわかったときに精算はどうするのかという点がまた出てこようかと思いますけども、一般的にいえば実績値で行う接続料に関しましては精算を行うことは適当かと思いますが、そこはパブリックコメントを踏まえまして、また検討いただければと思います。
  3点目の変更点が、電力設備使用料の算定の見直しということで、これも16年2月17日付の答申におきまして「電力設備及び空調設備に係る設備使用料がより適正なものとなるよう新たな算定方法について検討を行い、平成16年度接続料の再計算にあわせて報告すること」とされてございまして、これを受けまして以下のとおりに電力設備使用料算定の精緻化を行いました。
  1つ目は電力設備に係る取付費比率でございまして、今まで電力設備というふうに一くくりにしてございましたが、今後はそれを受電設備、発電設備、電源設備、蓄電池設備といったふうにそれぞれの設備の違いごとに取付費比率を算定すると。2点目は空調設備に係る取付費比率でございますが、これは今まで空調設備本体に附帯する物品の物品費と取付費の合計ということでやっておりましたけども、空調設備本体が物品費、それ以外のものを取付費というふうに把握をいたしまして比率を算定いたしております。さらに電力設備に係る設備管理運営費比率につきましても、通信料に対応します設備合計に係る設備管理運営費比率を適用してまいりましたが、今後はこのうちの電力設備のみというのが把握できるようになりましたので、それに係ります費用及び資産を区別しまして、これに基づいて算定した設備管理運営費比率を算定するということにしてございます。
  次のページに参りまして、これは追加でございますけれども、その他の接続約款の変更ということでは、ISM交換機専用番号の一般番号ポータビリティ対象化ということで、今、一般番号ポータビリティ、固定電話番号ポータビリティは新ノードと言われる交換機及びD70という交換機に収容される電話番号を対象としておりますが、他の事業者様から、ISM交換機、これはいわゆるISDNサービス用の交換機でございますけれども、その利用者の電話番号についても番号ポータビリティの対象にされたいという要望がありますことから、この交換機にそういった機能を追加いたしまして、ISM交換機を一般番号ポータビリティ対象の交換機種に加えるということで費用の算定を図ったものでございます。その金額として、新しく出るものについては前年度の比較はございません。
  以上が接続料の算定の見直しでございまして、6ページにはそれを表の形で主立った品目を出してございます。1の実際費用方式に係る機能の接続料の(1)端末回線伝送機能というところでは、端末回線伝送機能という上の方は、128キロだとか1.5メガの専用線でございますが、需要が低下してきているために1回線当たりの費用というのは上がってございまして、一番上の128キロのものですと4,975円が6,608円と上がってございます。次の1.5メガも同様でございまして、需要が約38%ぐらい減っているということで単価が上昇してきてございます。それ以外のものにつきましては、原則横ばいないしは低下してございますが、先ほどラインシェアリングのところで前年度129円を91円にしたということで、この回線の管理運営費プラス回線部分ということで、MDF部分を29円としますと、一番冒頭のページにありましたような120円ということで、DSLのラインシェアリングを行いますと、120円NTT様にお支払いすることによりまして、競争事業者は回線を重畳して使えるという状況でございます。
  それぞれに端末系の交換機能、この辺も接続料が上がっていますのは、大体それにかかります通信量ないしトラフィック需要量が減っているものでございまして、一般番号ポータビリティ実現機能のほか、あるいは優先接続機能もトラフィックの減少のために単価が若干増加をしてございます。逆に中継伝送機能の光信号中継伝送機能などは需要数が増えていますので、あるいは減価償却が進んでいますので単価が下がっているという状況でございます。以下、通信路設定の一般専用サービス云々かんぬんということで、専用線の各項目がずっと並んでございます。(5)のデータ伝送機能もメガデータネッツということで新しいものですが、こういったものについては料金が下がってきている状況です。その他あまり変わらないものとして、番号案内機能はほとんど変わりませんし、逆に手動交換機能など需要が減少している部分については値上がりをしている。公衆電話に係るものも需要が減少しているということで値上がりをしてございます。
  8ページに参りますと、その他の個別負担の接続料といったものも原則として実費に基づいて見直して、値が下がるもの上がるものが若干ございますけれども、大幅に変動というものはございません。その下側に新しく預かり保守契約等に基づく負担額のうち、電力設備及び空調設備に係る取付費比率及び設備管理運営費比率といったものが、先ほどご説明しましたようにより個別に取れるようになりましたので、それを新しい区分として設定したものでございます。以上、接続料でございます。
  9ページに工事費・手続費及びコロケーション料金についての改定がございますが、まず1点目に工事費・手続費の改定ですが、工事などに用いられます作業単金の改定が7,190円から6,831円というふうに5%下がっております。これは平成14年度から行いました構造改革によりまして、関連会社を子会社化して配置をし、給与水準の引き下げ等を行った結果として人件費の単価が下がったということを踏まえたものでございます。2)は工事費・手続費の東西別算定ということで、東西でそれぞれに差が生じないと考えられるもの以外については東西別に算定をしなさいということでありましたけれども、今回光信号端末回線の事前照会に係ります情報調査費について十分なサンプルが得られたと。昨年の実績は数件程度だったのですけれども、今年度におきまして数百件という形でサンプルが出てまいりましたので、そういったサンプルに基づいて費用の算定を行ったということでして、16年度の接続料としましては、料金額としては1つの区間にかかります情報調査費として4,795円、西日本では4,548円という料額を設定してございます。
  (2)のところは簿価によりまして算定をしています管路・とう道、通信用建物に係ります負担額というものでございますけれども、これらも実際の固定資産額などはどんどん減少している反面、費用額はあまり変わらない、逆に費用の方はどんどん上昇しているという点を踏まえまして、管路・とう道につきましてはやや大き目な値上がりになってございまして、今後古くなってくる管路・とう道についての使用額といったものを簿価との関係でどういうふうに算定したらいいのかという点は少し検討の余地があるかもしれません。ここもパブコメなどを踏まえながら進めていきたいと思います。
  最後に10ページのドライカッパ接続料の算定についてでございます。帯域透過端末回線伝送機能(ドライカッパ)の接続料は、今後、施設設置負担金を支払った者がドライカッパの利用に移行するケースが増加すると予想されることを前提とし、接続料規則第17条の2によって第一種指定端末系伝送路設備に係る原価の総額をこれに係る総回線数で除して得た額をもって設定することとされていると。しかしながら現行のドライカッパ接続料の申請のありました平成15年9月当時におきましては、同規則が想定していたような利用者の移行というのは、施設設置負担金を支払った者がドライカッパとして他の事業者のサービス等を利用するということですが、そういったものがまだ発生していると認められなかったことから、NTT東日本及び西日本は接続会計に基づく費用に、施設設置負担金の分というのは払われましたらその分を圧縮記帳して資産を移していますので、その分減価償却費等が発生しないという意味では原価に入っておらないのですが、その分を、圧縮記帳対応資産を圧縮しない場合に発生する費用という形で加えて原価を補正しておりまして算定するという内容の申請を行いました。
  この申請は10月21日の審議会において認可を適当とする旨の答申をいただきましたけれども、その際にあわせまして「NTT東日本・西日本においては利用動向を踏まえ、認可の日から1年を目途に補正を用いない原価を用いて接続料を算定し、接続約款の変更申請を行うこと」との要望が示されました。これを踏まえまして、NTT東日本及び西日本は実態の利用動向を把握しました。自社としての利用動向調査をやりましたところ、固定電話を休止・廃止してドライカッパに移行するユーザというのは全体の10%程度と大変まだ少なかったということから、現時点で施設設置負担金を払った人たちがドライカッパの利用者に移行しているということは進んでいないという判断から、今回も引き続き補正を行った原価により算定した接続料を申請してございます。
  これに対します私どもの考え方といたしましては、確かにドライカッパ利用者のうち、専らADSLサービスにドライカッパを用いる者については多分そんなに進んでいないのだろうと推測されまして、どちらかというとラインシェアリングを使っているのだろうと。他方で、今月から新規事業が始まっておりますけれども、直収電話サービスにドライカッパを用いるものにおきましては、総務省において当該サービスの提供事業者に聞き取り調査を行いましたところ、現時点では9割以上の利用者が施設設置負担金を支払った者であるという、これはまだサービスが始まって間もないものですから、ほんとうに電話で直近のものを聞いただけでございます。そんなような状況もあるということでございます。
  このことから、直収電話サービスの利用者が少ない現時点においては、施設設置負担金を支払った者がドライカッパの利用に移行する状況が顕著になっているとは認められないものの、今後、直収電話が普及していく中で、そのような状況が顕著になることが見込まれると。したがいまして、NTT東日本及び西日本においては、1年後を目途に利用動向について調査を再度行い、その結果、施設設置負担金を支払った者がドライカッパの利用に移行するケースが顕在化していた場合には、接続料規則に基づき補正を行わない原価を用いて接続料を算定し、その結果を平成17年度の接続料再計算に反映させることが適当であるということで、ドライカッパを使いました直収電話は来年2月にもまた新しく事業者がサービスを提供されますし、来年3月にはNTT東日本、西日本は施設設置負担金の額そのものを半額に引き下げるという発表もされておりますので、そういった動向を踏まえまして、来年再度ご検討するということをお願いしたいと。
  以上でございます。
根岸部会長  ありがとうございました。それではただいまのご説明につきまして、質問、あるいはご意見がございましたらお願いします。
東海委員  一つだけ確認なのですが、資料2の3ページの下に、(2)網改造料の算定にかかる諸比率の算定方法の見直しというところで、当時の郵政省が「接続事業者が個別負担を行う接続料についても、実態との乖離をできるだけ小さくするため、可能な限り、使用される比率を含めて当年度の予測原価・予測需要により算定すること」が適当との考え方は、ここしかないので前後がよくわからないのですけども、実態との乖離をできるだけ小さくするために、予測原価・予測需要と書いてあるのですよね。そして現実に予測値を用いてやり始めてしまったら、4ページに予測値と実績値の乖離が大きいという事態になったというようなことで、よくつながりがわからないのですけど。
鈴木料金サービス課長  平成11年の段階では、比較的通信の需要は右肩上がりでどんどん進んでいたという状況から、絶えず一定の乖離が生じているということで、将来予測原価を使うという趣旨でこういったことを申し上げたのですが、その後需要が、大変大きな構造の変化をしている、電話からIPに変わったり、専用線の品目でもいろいろ変わったりする中で、こういった比率もその時々の、例えば設備投資を原則手控えてしまうだとか、あるいはまるっきり新しいファイバ系の設備にするとか、中身が変わることによりましてこんなに、単年度ごとの行動によりますとこういった比率が変動するようになってしまったということで、実際に予測をしてみたのだけれども、必ずしもその予測値が実績値との乖離を縮めるものにならなかったという意味では、11年に言ったときの比較的安定した需要の状況から、それ以降の実際の動きが、単に変動が大きなものになったということが背景にあるのだろうと考えております。
東海委員  要するに、結果的には需要予測がかなり違ってきたと。実際は違ってきた。これはですから30%というのは、実績が下がっているという意味の30%?
鈴木料金サービス課長  この比率は実は上がっている年も下がっている年もありまして、その年の行動によって随分数値が変わってしまうということで、必ずしもどっちかのトレンドに予測として合わないというような状況です。
東海委員  そうですか。わかりました、結構です。
根岸部会長  今のお話では、結局そこで再び前に戻るという前年度実績値を適用すると。前年度実績値を適用することになると、実際どうなるかということが起こるので、精算ということがあり得るということで、実際費用方式であるということからそういうことになり得ると。これはパブリックコメントを経て考えていくと。
  ほかにどうぞ。
吉岡委員  ほかにでもないんですけれども、前回のときもそうだったと思うんですけれど、前年度と比較して当年度が少し値下がりになったというご報告が続いたように思いますので、それが数値が妥当であったかどうかということはちょっとおいておきまして、利用者からすれば少しでも下がったということはいいことではありますので、あまり批判にはならなかったのではないだろうかと私は思っておりますけれども、いつもいつも少し下がりましたという報告ができるという保証はないと思います。今、景気がどうなるかということも随分いろいろな見方が、経済の専門家の中でも見られておりまして、そろそろ腰折れという見方もございますので、そういう中で次の年度はどうなってくるのかなということを考えますと不安要因もないとは言えない。そういう中で今回は違うということが来年度あたりで出てきたようなときに、今までの数値の妥当性はどうだったのだろうかという批判も出ないとは限らない。そういうことを念頭にしていかないと、バブルがはじけたとき、あれほど大きくはなかったとしても、やはり数値は動くものだということをしっかりと見きわめた上で妥当性、あるいは精算のやり方ということを合理的に考えておかないといけないのではないかと思いますし、先ほども説明責任のようなことを申し上げましたけれども、やはり実際の利用者に対してよく説明をされる、それで納得をしていただくという責任は常について回るということをお考えいただきたいと思います。
鈴木料金サービス課長  おっしゃるご意見はそのとおりだと思いまして、全般的には毎回これまで下がってきているのですが、それはどうしても古い設備に対する設備投資を手控えていったり、減価償却が進んだりということなんかもありますし、いろいろなサービスがまだ伸びている段階では需要が増えると単価が下がってくるということの効果みたいなものがあるのだろうと思います。しかし他方でやはり古いサービスで利用が減ってきているものについては値上がりをしているというところもありますので、実際にはこの分厚いものが公開されて、見る方もなかなか能力が要るのですけれども、個々に見るときちっと上がっているものと下がっているものがありまして、そういったものはきっちり情報開示をして、必ずしも丸めて下がっているからいいんだよみたいな形にはせずに、皆様の批判の目にさらされて、それでよろしいかどうかという点は検証してまいりたいと思います。
根岸部会長  ほかにご意見、ご質問。どうぞ。
辻委員  10ページのドライカッパ接続料の補正です。設置負担金を払った人がドライカッパに移行するというところです。今、調べられたら10%程度の人しか移っていないということで、補正を行った原価になっていますが、10%が多いか少ないかというのは行政上の判断かと思いますが、大体どのくらいになれば大きな変化と思っておられますか。
鈴木料金サービス課長  やはり実態上としては、ほとんどの人がということでは、10ページの下の方にあります9割というものは一つのメルクマールになるのだろうと。
根岸部会長  よろしいですか、辻委員。
辻委員  なかなか難しいですけど、どこまでで線引きになるのか。
東海委員  確かに「利用動向を踏まえ」としたわけですけれども、1年前は補正しない原価だという流れを基本的にはお願いした形にはなったのですね。ですからこれが、じゃ、20%だったらどうだったかというような、先生のご質問と同じようなのですけど、その辺、今回の申請が、今回も、じゃ、引き続き補正してやるよという形になったことには少し、実態の分析は別として、不満が残りますね。
根岸部会長  最後には「1年後を目途に利用動向について調査を再度行い」となっていますよね。これはもちろん諮問されているわけですから、これからパブリックコメントに付して、それからまた検討にかかるということでございますが。
  ほかにどうぞご意見、ご質問がございましたら。
東海委員  確認ですが、9ページの(2)のところに平成15年度の簿価等による平均値の算定が出ているのですけど、この簿価等の等というのが何か。
鈴木料金サービス課長  簿価というのは管路やとう道の資産の額を把握するときに使っている正味固定資産額でございまして、等というところは、実際にそういった固定資産を管理運営するために年々かかっています経費の額として使っていますので。
東海委員  それを付加しているわけですか。
鈴木料金サービス課長  はい。
東海委員  そうすると管路・とう道の金額の計算にもそれが入っているということですか。
鈴木料金サービス課長  実際には管路・とう道だけの管理運営費というのはなかなか取れないものですから、固定資産全体に係ります管理運営費といったもので比率をはじきまして、その比率を管路・とう道の固定資産額に掛けまして、管路・とう道に係る管理運営費であるというふうに擬制をし、それを管路・とう道の長さで割り算して1メートル当たり幾らというのをやってございます。
東海委員  実態を調べたわけじゃありませんので軽々に物は言えませんけど、管路・とう道というのは聞くところによるとかなり古いという理解をすると、償却済みのものも結構あるということになってくると、ここに出てきた数字というのはどうもちょっと実態として、何が増えたのだろうかなという感じがいたしますね。これについて詳細は出てくるのでしょうか。
鈴木料金サービス課長  詳細としては、先ほども申しました計算式の金額が出てくるだけでございます。
東海委員  この下にあるのが。
鈴木料金サービス課長  はい。
東海委員  どこかにあるのですね。
鈴木料金サービス課長  確かに管路・とう道がどんどん減価償却が終わっているという意味で、また管路・とう道の長さがそんなに変わらないという言い方をしますと、古くなったから少し管理運営費が増えるよということは多少あるかと思うのですが、長さがそんなに、年々新設されたり廃設されたりはあまり多くない中で20%動くというのは数字の上でちょっと大きいかなという読みもあるかもしれません。
東海委員  計算式に問題があるかもしれませんね。
根岸部会長  先ほどのご説明でも将来検討の余地があるというようなご指摘もございますので。
鈴木料金サービス課長  なかなかこれだけの管理運営費というのは取れないもので、どこかから数字を持ってきて擬制するしかないと思いますので、それが適切な方式であるかどうかということだと思います。
根岸部会長  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
  それではほかに意見がございませんでしたら、本件につきましては「接続に関する議事手続規則」に従いまして、諮問案を本日の部会長会見で報道発表するほか、インターネット等に掲載するなどして公告し広く意見の募集を行うことにします。
  本件の意見招請は2回行うということでございまして、1回目の期間は本日から1月19日水曜日までの30日間。さらに提出された意見を発表してから、それらの意見について2回目の意見募集を実施するということといたしまして、期間は2週間ということにいたしたいと思います。
  また、本件につきましては、接続委員会において検討いただくということですので、よろしくお願いしたいと思います。

 
閉会

根岸部会長  以上で本日の審議は終わったということでございますけれども、委員の皆様から何かございますでしょうか。よろしいですか。事務局から何かございますでしょうか。ございませんか。
  それでは以上で本日の会議を終了いたします。次回の事業部会は来年1月12日水曜日に開催される予定でございますけれども、時間と場所につきましてちょっとまだ調整中ということでございますので、確定次第、事務局よりご連絡があるということでございます。どうもありがとうございました。
  ―― 了 ――

 
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