会議資料・開催案内等

情報通信審議会 情報通信技術分科会
ITU−R部会(第12回)議事録


  1. 開催日時及び場所
    平成20年1月7日(水) 1559分〜1747
    於 総務省 第1特別会議室

  2. 出席者(敬称略)
    (1)委員
    根元 義章(部会長)、畑 文雄(部会長代理)、青木 節子、荒川 薫、土井 美和子
    (2)専門委員
    岩渕 英介、遠藤 信博、斉藤 利生、堀川 康、若尾 正義、佐藤 明雄、加藤 寧、小林 哲
    (3)関係者
    稲垣 一彦、大浦 秀人、近江 克郎、高田 仁、立岡 良夫、中田 安優、水池 健
    (4)総務省
    松本 正夫(官房技術総括審議官)、森 孝(移動通信課移動通信企画官)、菅田  洋一(宇宙通信政策課課長補佐)、戸田 公司(放送技術課課長補佐)、永田 和之(国際周波数政策室課長補佐)、梶原 隆道(基幹通信課課長補佐)、濱崎 末盛(衛星移動通信課課長補佐)
    (5)事務局
    田中 宏(通信規格課長)、杉野 勲(通信規格課企画官)、瘟Y 維勝(通信規格課課長補佐)


  3. 議題
    (1) ITU−R会構成員の変更について
    (2) 2007年無線通信総会(RA−07)の結果について
    (3) ITU−R部会各委員会の審議状況報告
    (4) ITU−R部会における委員会の構成の変更について
    (5) 委員会主査及び委員・専門委員の指名について
    (6) 情報通信技術分科会への報告について
    (7) その他

  開会

瘟Y課長補佐  お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻となりましたので、第12回情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会を始めさせていただきます。
 年初めでもありますので、総務省を代表しまして、官房技術総括審議官の松本より一言ごあいさつ申し上げます。
松本技術総括審議官  皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年、皆様ご存じのとおり、RAWRCがございました。大変大きな決定がなされた会議でございました。ご存じのように、RAのほうではSGの再編成が行われまして、SGの数が1つ少なくなったわけでございます。固定と移動の地上業務を取り扱うSG5、そして議長にドコモの橋本さんが選ばれたということで、私ども日本代表団の一員として、大変いい成果が得られたと喜んでおります。
 今回、再編の中で、途上国も含めて、いろいろ議長・副議長の数について議論がございました。各国、地域ごととか国ごとのバランスということで、アメリカは、かつて議長を2人出していたこともありましたが、今回もそういう形で立候補していたところ、結果的にはそういうことが今後は認められない、少なくともSGの議長を1つどこかでとれば、2つ以上はとれないということが、具体的にそういう形で決まったということでございます。
 それから、今回、私どもの一番苦労した点は、このSG5の議長に韓国、ニュージーランドと、アジア−オセアニア地域と言ったらいいでしょうか、APTの地域から3人が立候補されているということで、ヨーロッパ、あるいはアメリカの人たちから見れば、なぜアジア−オセアニア地域で立候補者を調整できないのかと言われたわけでございます。そういう形で、4年後になろうかと思いますが、そういう問題がまた出てくる可能性があるということでございます。
 今後、我々として、こういう問題に対してどう対応していくのか。少なくともこのアジア−オセアニア地域で、きちっとした議長候補をあらかじめ調整するという機能をどこかに持たなきゃいけないのじゃないかと。ヨーロッパあたりはその機能があるわけですが、このアジア−オセアニア地域ではAPTという組織があるんですけれども、残念ながら、必ずしもその機能を果たしていないということで、4年後になるのか、ほかのいろいろな標準化機関でも同じようなことが起こるのだろうと思いますが、そういうものに対してどう対応していくかということが、大変大きな宿題になった会議でございました。
 それから、WRCが開かれまして、今回の最大の議題は第4世代携帯電話の周波数の分配をどうするかということであったわけですが、日本が提案しておりました周波数も一部その中に含まれてはいますが、周波数の分配というのが、昔のように簡単にいかなくなったというのが実態ではないかなと思います。周波数、電波に対するいろいろなものからのニーズが非常に多くなっていること、また、地域によって、その分配の実態が違うということで、今後、世界共通の周波数を確保するというのはなかなか大変なことだなというのが、今回の会議の印象でございます。
 私どもは、そういった状況を踏まえながら、電波、特にこの無線通信の世界において、日本の産業の国際競争力の向上というのが一つの大きな課題になっているわけでございますが、標準化、あるいは研究開発という面で、総務省なり、あるいは国全体として何をどういうふうに取り組んでいけばいいのかということで、今、審議会に諮問させていただいておりまして、ご議論いただいているところでございます。こういった過去のいろいろな経験を踏まえながら、国として戦略的に取り組んでいけるような方針を審議会でご議論いただいて、ご答申をいただきたいと思っております。
 来年度の予算の中でも、この標準化戦略を強化するための予算も新たに計上いたしております。いろいろな新しい施策を今、検討いたしているところでございますので、その審議会のご議論を踏まえて対応してまいりたいと思います。さまざまな課題がございますが、ぜひ皆様方に、今後ともなお一層のご支援、ご協力を賜りまして、仕事を推進してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
瘟Y課長補佐  それでは、以降、議事進行を根元部会長によろしくお願いいたします。
根元部会長  根元でございます。今年もどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日は、議事次第にリストアップされておりますけれども、その他を含めまして7件について報告をいただいたり、審議をさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 まず、事務局より配付資料及び定足数の確認をお願いしたいと思います。
瘟Y課長補佐  お手元の資料を確認させていただきます。
 まず資料1−12−1、「ITU−R構成員等の変更」。
 続きまして資料1−12−2、横長の資料が、無線通信総会の結果。
 資料1−12−3は報告書となっております。
 資料1−12−4、「ITU−R部会各委員会活動状況報告」。
 資料1−12−5、「ITU−R部会における委員会の設置(案)」
 続いて資料1−12−6が、新しい委員会の委員及び専門委員の案。
 資料1−12−7ITU−R部会審議状況報告。こちらは各委員会からの報告をまとめたものでございます。
 資料1−12−8ITU−R部会審議状況報告の概要、横長の資料になります。
 参考資料のほうは、「ITU−R部会構成員」及び所掌、それから新しい国内対応体制についての暫定的なものをおつけしております。
 以上、お手元におそろいでしょうか。よろしゅうございますか。
 なお、本日は委員7名中5名のご出席をいただいておりますので、定足数を満たしております。
 事務局からは以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 
議題

 

(1) ITU−R部会構成員等の変更


根元部会長  それでは、議題1から進めていきたいと思います。議題1は、ITU−R部会構成員等の変更についてでございます。これにつきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
瘟Y課長補佐  資料1−12−1でございます。こちらは前回のITU−R部会、9月に行われましたときから変更がありました委員について、ご紹介申し上げるものでございます。
 ITU−R部会所属の専門委員と、部会の下の委員会に所属されております専門委員の方々、記載のとおり変更がございましたので、ご紹介を申し上げるところです。もし所属、ご氏名等、誤りがありましたら、事務局までご連絡いただければ幸いでございます。
 以上でございます。
根元部会長  はい、どうもありがとうございました。
 旧委員の方は、どうもご苦労さまでございました。新しく委員になっていただいた方は、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 

(2) 2007年無線通信総会(RA−07)の結果について


根元部会長  それでは、議題2でございますが、2007年の無線通信総会(RA−07)の結果についてご報告いただきたいと思います。
 事務局からお願いしたいと思います。
瘟Y課長補佐  それでは、資料1−12−2及び資料1−12−3に基づきまして、RAの結果を簡単にご報告いたします。資料1−12−2の概要のほうを用いてご説明いたします。
 まず1ページおめくりいただきまして、RA−07の概要につきましては、昨年10月にジュネーブで開催され、100を超える国等から500名以上の出席、我が国からは30名出席いたしました。RA−07での議題につきましては、次会期、2008年以降における研究体制、具体的なSGの構成や議長、副議長の指名、それから旧研究会期における各研究グループからの報告及び勧告案で、提出されているものの審議、それから次研究会期における研究課題等の承認を行っております。
 次のページにまいりまして、一番大きなトピックでございました、次研究会期の研究体制についてでございます。こちら、旧研究会期でSG1、3、4、6、7、8、9とございましたが、このうち衛星関係及び地上の移動及び固定を再編いたしまして、衛星系は衛星系として1つのグループに、地上系は移動、固定にかかわらず1つのグループということで、それぞれSG4SG5という形で再編いたしました。各SGについて、議長、副議長の指名も行われましたが、我が国からはSG5の議長にドコモの橋本様、SG4、衛星の副議長にKDDIの阿部様、SG6の放送関係グループにNHKの西田様、おのおの指名されております。
 3ページにまいりまして、RAで議論がありました勧告案等の承認についてご報告いたします。これらは先般のITU−R部会におきまして、我が国の対処方針をご議論いただきましたが、結果的には我が国の対処方針に沿った形で結果が出ております。個別にまいりますが、1番、IMT−2000の無線インターフェースにWiMAXを追加する勧告案については、中国等一部の反対はありましたが、勧告として承認することで落ちついております。2番目、IMT−Advanced、第4世代と呼ばれるシステムについても、標準化のプロセスを決議として文書化してございます。3番目、PLC、電力線を用いた通信につきましては、短波放送の保護を求める勧告案がSG6から出されておりましたが、こちらは我が国をはじめとして、各国からこれをここで勧告化するのはよろしくないという意見が多数出まして、勧告はせず、引き続きSG6等で報告、レポート等の作成を念頭に置いて、さらに検討をするべしということで合意されました。そのほか、我が国の今後の新しい研究分野としまして、超高細度画像の規格に関するものの研究課題とか、そのほか、防災や災害救援等に使うための無線利用を促進しようという動きや、そのような研究を活発にやっていきましょうということが合意されております。
 以下は参考としまして、ITUの組織及び最終のページに各国からの議長及び副議長の表をおつけしております。この中で、特に今回の議長、副議長で特徴的だったのは、やはり中国、韓国等が副議長に多数ノミネートしてきたことかと思います。
 資料1−12−3の報告書のほうは、ただいま申し上げた概要を少し詳しくご紹介しております。本日は目次のみ紹介させていただきまして、おおむねどのような形で記載しているかをご紹介させていただきます。
 おめくりいただいて、目次の項でございます。第1章は、「総論」として、会期や場所、そのほか、参加国や日程や我が国の対処方針といったものを紹介してございます。第2章からは、全体会合での議論を各回ごとにまとめております。ここでどのような決議がどのような審議を経て承認されたかということをまとめてございます。決議の見直した結果、新しい決議の一覧については、18ページに載っております。第3章につきましては、「作業計画及び作業方法」ということで、その中で特にSGの構成や、WPの数等についての構成の話及び勧告の承認の手続をどういうふうにするかといった作業方法の話を、どのような審議があったかをまとめてございます。
 目次の2ページで、第4章では、各SGごとの報告及びそこから出された研究課題の変更とか、承認を求める勧告案等の審議について紹介してございます。第5章は予算関係、それから第6章に、先ほど申し上げましたようなSGの議長、副議長の選考の過程、指名の過程がどのようなものであったかをまとめてございます。
 本日お配りしているのは以上でございますが、その後に、ITU−Rの新しくなった決議集とその和訳という形で一冊にまとめて、後ほど皆様、関係の方には適宜な形で配付させていただきたいと考えております。
 簡単ですが、報告は以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 ただいまRA−07の結果についてご報告いただきましたが、何かご質問はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 前回のこの会議で、RA−07に対する我が国の対応の仕方についていろいろご議論をいただきまして、代表団の方にも、我が国にとって進むべき道を、その場の雰囲気といいますか、流れでご判断いただくということもお願いしていたわけでございます。先ほどご説明いただいたように、前回、いろいろご議論させていただいた方向は、すべて我が国にとっていい方向に進んでいると私は理解しております。それと、松本さんからもありましたように、SGの議長とか副議長が選ばれた非常に実りの多いRA−07ではなかったかと思っておりますが、何かアディショナルなコメントはございますでしょうか。
 それでは、結果をここでご承認ということにさせていただきたいと思います。代表団の方々、ほんとうにご苦労さまでした。ありがとうございました。
 

(3) ITU−R部会各委員会の審議状況報告


根元部会長  それでは、議題3に移りたいと思います。議題3はITU−R部会各委員会の審議状況の報告についてでございます。全委員会からご報告をいただいた後に、まとめて質疑応答に入りたいと思います。いつもまことに申しわけないのですが、時間の関係がございますので、各委員会とも、できましたら5分程度でご報告をいただけるようにお願いしたいと思います。
 まずはスペクトラム管理委員会よりお願いしたいと思います。
永田課長補佐  スペクトラム管理委員会の活動状況報告をさせていただきます。
 本日、スペクトラム管理委員会の主査でいらっしゃいます小川主査がご欠席ということで、事務局をしております国際周波数政策室よりご説明申し上げます。
 まず、スペクトラム管理委員会の開催状況でございますが、昨年5月に1回開催しているという状況でございます。ここでは、SG1関連会合への日本寄与文書の審議等を行い、また、その前の年、200610月に開催されましたSG1関連会合の結果報告等をしています。また、SG1の活動状況でございますが、2の(2)のところにございますけれども、2007年6月にブロック会合が開催されております。
 資料1−12−4の2ページで、検討状況といたしましては、2007年1月から12月の間にSG1関連会合、先ほどの6月の会合におきまして、新勧告が9件、改訂勧告が11件採択されております。また、2件の勧告削除が採択されております。そのリストにつきましては、4ページにあります表の2に一覧をつけておりますので、ごらんいただければと思います。
 また、この会期期間におけます主要事項の検討状況でございますが、別の資料となって恐縮でございますが、資料1−12−8という横長の資料の16ページにまとめたものを記載してございます。主な事項としては2点ございまして、まず1点目がPLCということで、高速電力線搬送通信に関する検討でございます。これにつきましては、新勧告草案の作成に向けて、今、作業中の段階でございます。この草案には、制限の方法や対策に係る具体的な指針も盛り込む方向で検討されており、草案策定のための作業文書には、欧州や米国の制度に加え、日本やブラジルの制度も取り上げられております。また、それとは別途に作成します、PLCの測定技術に関するレポートのほうにも、我が国の妨害波の測定方法が反映されているという状況でございます。
 もう一つの主要議題といたしましては、「国際的な周波数監理の枠組の見直し」ということで、固定・移動、また通信・放送など、従来の枠をまたぐような新しい技術へ対応する観点から、どのように周波数の分配、あるいは監理していくのかというのを検討する幅広い議題でございます。見直しの方向性といたしましては、現時点では16ページに書いています4つの案が上がっておりますが、WRC−07に、SG1からこれに関する報告がなされまして、国際的な周波数監理の枠組みについては、WRC−11の議題として検討することになっております。こういった決定を受けまして、今後、SG1を中心に、いろいろな検討が行われていくという状況でございます。
 また、先ほどの資料1−12−4に戻っていただきまして、3ページの(4)、今後、SG1関連会合といたしましては、今年6月にブロック会合が開催される予定でございます。スペクトラム管理委員会におきましては、今後、高速電力線搬送通信(PLC)やショートレンジデバイスなどの勧告化に向けた活動をしていきたいと考えております。また、WRC−11の議題ともなっております国際的な周波数監理の枠組みの見直し、また、275から3,000GHzギガヘルツの周波数利用、また、自由空間光伝送に関する規則の検討についても検討をしていきたいと考えております。
 スペクトラム管理委員会からの報告は以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、電波伝搬委員会からお願いしたいと思います。
佐藤主査  電波伝搬委員会の主査をしております佐藤でございます。
 電波伝搬委員会はSG3を担当しております。この資料1−12−4ですと、6ページでございます。電波伝搬委員会はこの1年で2回開催しております。さらにSG3の活動としましては、SG3会合を含む4つのWPがございますけれども、昨年4月に1度ブロック会合を開いております。
 この資料の表の1に、「SG3の審議体制」ということで、4つのWPを紹介しております。3Jが「電波伝搬の基礎」、3Kが「ポイント・エリア間伝搬」、3Lが「電離圏伝搬」、3Mが「ポイント・ポイント伝搬及び地上・宇宙間伝搬」でございます。
 7ページ、2の(3)「検討状況」ということで、この1年、新勧告が5件つくられました。それから、改訂案10件が採択されております。その後、トピックスということで幾つか紹介させていただいていますけれども、まず1つ目のトピックスとしては、「無線アクセスシステムの広帯域化に対応した伝搬特性推定法の改善」ということで、これはWP3Kに関するもので、お手元の横長の資料1−12−817ページに簡単に紹介させていただいております。3Kが「ポイント・エリア伝搬」ということで、アクセス系、移動系の伝搬に関係するWPでございます。ここに対しまして、移動系、アクセス系にかかわる伝搬推定法絡みで、我が国が従来から積極的に貢献しているところでございますけれども、ここで紹介させていただいていますのは、新しくできました勧告P.1816、これはもともと遅延プロファイルの推定法ということで、2004年から提案していたもので、今回、さらに角度プロファイルの推定法も入れた形で、勧告化を成立させることができました。
 旧WP8Fで検討されています次世代の移動通信でも、時空間伝搬モデルの検討がされていると伺っております。それに資するような形で、SG3でも時空間伝搬モデルにつながるような形の伝搬推定法を整備しているところで、これに積極的に貢献した結果ということで、今回、トピックスとして紹介させていただきました。
 引き続きまして、そのほかのWPに対する寄与ということで、8ページに「その他」ということで、3つほど簡単に紹介させていただいております。資料は縦長の12−4で、WP3J、電波伝搬の基本的な項目についてですが、これは建物侵入損失推定法の勧告化作業、これも日本の主導でやっているところで、もう一息というところでございます。
 3Lは電離圏伝搬を担当しておりますけれども、これは中・長波電界強度計算法の改善ということで、ここに書いております勧告1147の改訂についても積極的に寄与しているところでございます。電離圏伝搬の推定法といいますのは、カバーするエリアが数千キロに及びますので、なかなか実測が難しいところで、今回、日本のほうで実測等も含めて、さらなるよい勧告化に資するという方針が認められております。
 3Mはポイント・ポイント伝搬をやっておりますが、干渉についてもカバーしております。今回はIMT−Advancedと固定の衛星業務、レーダーとの共用検討に関する伝搬の関係の課題のリエゾンがありましたので、これにつきましても、我が国のIMT−Advancedが推進している方針に従った形でリエゾンを返せるようなスタンスで臨みまして、そういう結果を得ております。
 それから、今後の予定ですけれども、次のページの3のところにございます。引き続き電波伝搬、基本的な課題でございますが、積極的に検討していきたい。特にBWA絡みの勧告、屋内・屋外での共用に関する建物侵入損失の新しい勧告策定に向けて努力していきたいと思っております。
 以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、固定衛星業務委員会からご報告をお願いしたいと思います。
加藤主査  それでは、固定衛星業務委員会の活動状況についてご報告いたします。固定衛星業務委員会の主査を務めております東北大学の加藤でございます。固定衛星業務委員会は衛星を使った業務を扱っておりまして、地球局は固定局が対象でございます。ITU−Rにおきましては、SG4、固定衛星業務を担当しております。
 まず、2007年の審議状況についてご説明いたします。国内では4月に第13回会合を開催し、5月から6月にかけて開催されましたSG4の関連会合への日本寄与文書4件及び外国寄与文書41件の対処方針について審議いたしました。
 SG4の審議体制は、同じく資料1−12−415ページの表1に挙げております。SG4のもとに、WPとして4A4Bが設置されておりまして、SG4の副議長にはKDDI株式会社の阿部様が就任されております。また、同じページの表2にありますとおり、SG9との合同会合として、JSG4−9、WP4−9Sの2つが設置されております。SG4の関連会合の開催状況につきましては、2007年は合計3回の会合が開催されております。それぞれの会合については、ここに書いてあるとおりでございます。
 SG4の関連会合の検討状況については、Sシリーズ勧告は新勧告6件、改訂勧告8件が承認されております。これらのリストは、同じ資料1−12−415ページの表3に挙げております。この期間における重要な検討状況としては、衛星IPネットワークにおけるQoSを取り上げております。2006年9月に開催されましたSG4会合におきましては、WP4BWPにおけるIPベース通信に関する議論を活発化させるよう、SG4の議長から提言がありまして、これを受けまして、翌2007年5月の会合では、日米韓から、それぞれ新研究課題の提案や、寄与文書の入力が行われました。我が国としては、衛星と地上系無線の連携システムにおけるQoSに関する作業文書を1件入力しておりまして、これを審議いたしました結果、衛星系と地上系とのハイブリッドネットワークに関する研究の必要性が認められまして、議長報告書に作業文書が添付されました。今後、勧告の草案やレポート骨子案について、さらに検討が進められる予定でございます。次回のSG4の関連会合は、今年3月から4月にかけて開催される予定です。
 最後に、固定衛星業務委員会の今後の予定について申し上げます。本日のITU−R部会での議題にもなっておりますが、RA−07会合で決定されましたSGの再編に伴い、固定衛星業務委員会は、衛星業務委員会として整理、統合される予定でございます。新委員会におきましても、旧委員会での検討、研究課題である調整・干渉計算用アンテナパターンや、衛星IPネットワークにおけるQoS関連などの議題について寄与していくこととしております。
 以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、放送業務委員会からご報告をお願いしたいと思います。
戸田課長補佐  それでは、放送業務委員会の活動状況報告について行います。放送業務委員会の伊東主査が本日欠席されておりますので、事務局の放送技術課から説明させていただきます。
 まず、「検討体制」ですが、放送業務委員会はSG6、放送業務を担当してございます。また、この委員会の下にWGを設置しまして、委員会が調査する事項について特に専門的な事項の審議を行ってございます。放送業務委員会の開催状況でございますけれども、昨年1年間に2回会合を開催してございます。4月から5月に開催されましたITU−RSG6関連会合への対処方針、それから報告ということで、2回開催してございます。そのほか、WGを同期間中に1回開催いたしております。
 2番、「SG6の活動状況」でございますが、SG6は放送業務に関する課題を研究対象としておりまして、放送技術全般に関する技術的基準、規則・手続や共用条件等の検討を行ってございます。(2)「会合の開催状況」でございますけれども、SG6関連会合は、昨年1年間で、以下のとおり昨年5月に開催されまして、それに先立ちまして、WPを開催してございます。6A6E6J6M6Q6Sと開催してございます。(3)「検討状況」ですけれども、昨年の間に、SG6関連会合におきまして、新勧告11件、改訂勧告20件、削除勧告6件が採択、承認されてございます。このリストにつきましては、次の22ページの表の2に記載してございますので、後ほどごらんいただければと思います。
 この期間におけます主要項目における検討状況ということで、3点ほど挙げさせていただいております。まず、移動体受信向けマルチメディア放送は、デジタル放送の新サービスとして注目されているシステムでございます。こちらは資料1−12−8の横長の紙で、19ページ、別紙ということで記載してございますので、そちらをごらんいただければと思います。こちらの検討状況ですが、2002年9月に開催されたSG6会合におきまして、移動体受信向けマルチメディア放送に関する研究課題案が採択されました。これまで各国がさまざまなマルチメディア放送方式を採用、開発しておりますけれども、これらのうちの標準的な6つの方式、具体的にはISDB−TISDB−Tsb、BO.1130System−EDVB−HT−DMB、MediaFLO、この6つを選定しまして、仕様等を記載しました新勧告、「ハンドヘルド端末による移動体受信向けマルチメディア・データ放送」が、200712月に承認されました。日本からもISDB−TISDB−Tsb、モバHO!のBO.1130System−Eの3方式について積極的に寄与を行いまして、いずれも標準的な放送方式として選定されてございます。
 最初の資料1−12−420ページに返ります。イ フラットパネルディスプレイの要求条件でございますけれども、近年、フラットパネルディスプレイがどんどん普及してきておりまして、テレビジョン制作やポストプロダクションにおけますFPDの使用に関するガイドラインや、HDTV番組制作環境におけるマスターモニタとしてのFPDの要求条件や、主観画質評価に用いるFPDの要求条件等について検討を行ってきておりまして、日本からも積極的に寄与が期待されているところでございます。日本からも、WP6J6Qにおきましてラポータに指名され、積極的に貢献を行ってきたところでございます。
 ウ 災害救援無線通信 でございますが、この研究につきましては、スマトラ島沖地震を契機に研究が進んだものでございます。ITU−Rは、各国の主管庁に大災害に対する警報・救援に関する寄書の提出を求めていましたので、先進的なシステムを持つ日本の防災体制や、緊急警報放送システムについて寄与を行いまして、2006年7月に新勧告「公衆警報、災害救援に対する放送インフラの使用」が承認されまして、2007年4月には、この勧告の改訂が承認されたところでございます。今後とも、SG6として災害救援に積極的に取り組むための各国からの寄与が要請されているところでございます。
 今後の会合の開催予定でございますけれども、SG6関連会合は、5月に開催する予定でございます。3番、活動方針ですけれども、デジタル放送の移動・携帯受信、立体テレビ及び21GHzギガヘルツ帯の衛星放送に関する標準化の検討、フラットパネルディスプレイの要求条件に関する勧告作成に寄与を行っていく予定でございます。また、RA−07に提出されました勧告案、PLTシステムからの影響に対する放送システムの保護要求につきましては、冒頭に説明がございましたけれども、RA−07での審議の結果、SG6にて他のSGや関係機関と連携して再度内容を見直すこととなりましたので、今後、国内の検討結果等も踏まえまして、対象を検討していく予定でございます。
 以上でございます。
根元部会長  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、科学業務委員会からお願いしたいと思います。
菅田課長補佐  それでは、科学業務委員会の活動状況についてご報告させていただきます。科学業務委員会の飯田主査が本日ご欠席のため、当委員会の事務局を担当しています宇宙通信政策課より代理でご報告させていただきます。
 科学業務委員会は、標準周波数報時、宇宙研究、地球探査衛星及び電波天文の各業務を扱っておりまして、ITU−RではSG7を担当してございます。
 27ページに基づきまして、まず2007年の審議状況についてご説明させていただきます。国内では1月に第14回会合を開催いたしまして、引き続き、2月に開催されましたSG7関連会合への日本寄与文書3件及び外国寄与文書23件の対処方針について審議しました。
 SG7の検討体制につきましては、29ページの表1に挙げてございます。SG7のもとに、WPとして7A、B、C、Dが設置されておりまして、7Dの議長としましては、日本の国立天文台の大石様が就任されております。
 SG7の関連会合の開催状況につきまして、27ページの2の(2)にございますように、2007年は合計で5回の会合が開催されております。それぞれの会合での内容は、書いてあるとおりでございます。SG7関連会合の検討状況につきましては、SAシリーズ勧告について、新勧告4件、改訂勧告1件、削除勧告2件が承認されております。電波天文関係のRAシリーズにつきましては、改訂勧告1件が承認されております。
 あと、リモートセンシング関係、RSシリーズにつきましては、新勧告2件、削除勧告1件が承認されております。これらのリストにつきましては、30ページの表2に掲載してございます。この期間におきます主要な検討状況としまして、UTCの将来問題に関する審議がございます。いわゆるうるう秒の挿入の検討でございますけれども、2007年9月のWP7Aにおきましては、天文航法の衰退や通信技術の発展による連続時系の必要性が、一部の国から意見がございまして、標準周波数局が報時をする時系として何がふさわしいかという観点から審議が行われました。審議の結果、イタリア等からうるう秒の廃止をする提案が出てまいりまして、それに基づきまして、UTCにおけるうるう秒の調整の手続を廃止するという改訂勧告草案が作成されました。引き続き、今後、さらに検討することとなっております。
 次回SG7関連会合につきましては、今年4月にWP7A、B、C、Dが開催される予定でございます。今後の予定でございますけれども、引き続きUTCの将来問題や、地球観測ハンドブック(EESSの特性などを記載)といったものを、改訂などにつきまして検討を進めていく予定でございます。
 以上でございます。
根元部会長  はい、ありがとうございました。
 それでは、続きまして移動業務委員会から報告をお願いしたいと思います。
畑部会長代理  移動業務委員会の主査を務めております、早稲田大学の畑でございます。
 SG8の活動状況に関しては、資料1−12−432ページから43ページに記述されております。まず、SG8の担当業務ですが、資料の38ページをご覧ください。表2が、「SG8の審議体制」です。SG8は、全体としては移動、無線測位、アマチュア業務及び関連する衛星業務を担当しております。副議長として、KDDIの水池さんが就任されております。そのもとに、WPとして8A8B8D8Fがあります。WP8Aは陸上移動業務、IMT−2000を除いたアマチュア業務、アマチュア衛星業務を担当しています。WP8Bは海上移動業務、航空移動業務、無線測位業務を担当しています。WP8Dは移動衛星業務、IMT−2000の衛星系を含んでおります。さらに、無線測位衛星業務を担当しております。WP8Fは、IMT−2000の陸上系及び後継システムを担当しています。
 他のSGとの共同会合として、ジョイントラポータグループ1A−1C−8Bがございます。このようなSG8に対する日本の体制として、そのちょうど上の表1に書かれておりますように、それぞれのWPに対応する形で、WGを設けて検討を進めてきたという状況でございます。
 32ページに戻っていただきまして、移動業務委員会としての会合の開催状況です。2007年1月から12月の間に3回の会合を開催しております。移動業務委員会は第17回、WGとして陸上移動を1回、IMT WGを2回開催しております。次に、SG8の活動状況、すなわち会合の開催状況ですが、WP8FIMT−2000関連の会合として、特別会合も含めまして、3回開催されております。その他、WP8A8B8Dの会合がそれぞれ1回、SG8の会合が1回、ジョイントラポータグループの会合が1回開催されております。
 33ページの下の「検討状況」です。この1年間の間にSG8関連会合とRA−07会合において、新決議案が2件、新勧告が20件、改訂勧告16件が審議されました。記述が抜けておりますが、削除の勧告9件を追加していただきたいと思います。これらが採択されました。削除を除きまして、それぞれどのような勧告であるかは、39ページの表4に書いてございますので、ご興味のある方は後ほどごらんいただければと思います。
 その次に、主な検討状況のトピックス、特に日本が力を入れてきた項目が、34ページから記述されております。項目は、4個か5個でございますが、アとして、IMT−2000の高度化及びその後継システム(IMT−Advanced)に関する検討です。これはWP8F対応でございます。
 詳しい説明は後ほどにいたしまして、35ページの「イ IMT−2000の無線インターフェースに関する検討」もWP8F対応でございます。
 さらに、36ページに「ウ コグニティブ無線に関する検討」があります。これはWP8A対応でございます。
 37ページに行きまして、「エ 無線航行衛星業務(RNSS)システムの共用検討」、これはWP8D対応です。ここでは、以上のようなトピックスを挙げてございます。
 このうち、コグニティブ無線を除きましては、資料1−12−8、すなわちパワーポイントの資料を使ってご説明させていただきたいと思います。21ページの「別紙12」に、最初のアの項目が書かれております。IMT−2000の高度化及びその後継システムに関する検討です。一番上がよく見る絵でございますけれども、横軸が通信速度、右に行くほどだんだん送信速度が上がっていきます。縦軸が移動速度、上に行くほど高速になっていきます。IMTに関しては、益々通信速度と移動速度が増した領域に入っていくという関係が書かれております。2010年ごろの標準化を目指して後継システムを検討してきましたが、高速移動時で100Mbps、低速移動時で1Gbpsの実現を目標にして、この図の右上のほうに向かって進んでいる状況でございます。
 2番目で、そのようなシステムを実現するに当たっては、周波数を確保しなければいけないことから、IMTと既存業務の周波数の共用検討に関する検討を行ってきました。日本においても積極的に寄与をしてきた部分でございます。当初の共用検討の対象周波数が2番目の丸として書いてございますが、450から470MHzメガヘルツ2,700から2,900MHzメガヘルツ3,400から3,700MHzメガヘルツ、そのほか3,400から4,200MHzメガヘルツ4,500から4,800MHzメガヘルツに関して検討を進めてきました。
 このうち、日本としては、特に3,400MHzメガヘルツ以上の周波数の共用検討に力を入れてきた状況です。その結果、先ほどもご報告があったと思いますが、WRC−07におきまして、新たにIMTに特定された周波数として1)から4)がありまして、日本が力を入れている3,400から3,600MHzメガヘルツが、新たにIMTに特定された周波数です。これは日本の寄与が成果を結んだ結果でございます。
 3番目の括弧、IMT−2000の高度化及びIMT−Advancedで提供されるサービスの勧告です。実は、このサービスのフレームワークの勧告がなかなか承認されなかったわけですけれども、やっとここで承認されました。サービスの内容ですが、高品質映像伝送、音声、インターネット接続、ITS、モバイルコマースなどのさまざまなサービスを提供可能にするという要求条件が、やっと承認されたという状況でございます。
 その次のページに移りまして、22ページでございます。「IMT−2000の高度化及びその後継システムに関する検討」で、IMT−Advancedの無線インターフェースの標準化に向けた検討です。これは決議でございますけれども、RA−07で承認されました。これに関しましても、日本が積極的な寄与をしてきた状況でございます。これが決議されましたので、提案の方法と今後の標準化プロセスがはっきりしてきました。そのほか、IMT−Advancedに関する提案を募集するための回章文書も作成しております。IMT−Advancedに関して、いろいろな技術的要求条件や評価方法の文書も引き続き作成しているという状況です。これが1番目の決議です。
 もう1つの決議、RA−07で承認された決議です。IMTの名称に関する決議ということで、右のほうに書いてございます。第3世代と呼ばれるIMT−2000というシステムと、IMT−Advanced、日本では第4世代と呼んでいるシステムをまとめてIMTと総称するという決議がなされております。さらに、IMT−2000の無線インターフェースへの追加ということで、これも先ほどご報告がありましたけれども、RA−07で承認されたものでございます。IMT−2000の既存インターフェースの高度化については、3GPP3GPP2でいろいろ検討されて、それらが高度化の勧告としてどんどん承認されてきた状況でございます。ここでは新たに通称Mobile WiMAXと呼ばれるIMT−2000OFDMA TDD WMANと呼ばれるものが、新たにIMTのインターフェースとして追加されました。
 引き続きまして、その次の23ページに、これも日本と強く関係のある課題の「RNSSシステムの共用検討」です。RNSSは、そこに書いてありますように、無線航行衛星業務と呼ばれるもので、それと他業務との共用検討に関するものでございます。日本は、ここに関しましては、準天頂衛星システムを検討しておりまして、それのパラメータを積極的に勧告の中に導入していくという努力をしてきた状況であります。
 どのような勧告が関係するかが、その下に書かれております。M.1088_NEW]、M.1477_NEW]、M.CHAR−RX3]に対して寄与し、準天頂衛星の特性を追加してきたという状況でございます。準天頂衛星は、右の図にありますように、静止軌道に対して傾斜角を45度与えて、120度ずつ離れた昇交点経度に衛星を配置するというもので、このようなシステムに関する寄与をしてきました。特に、表3にありますけれども、干渉モデルに関するM.1318−1と、RNSS間の干渉調整方法に関するM.1831が勧告として承認されました。日本の寄与が非常に大きかったというものでございます。以上が3つのトピックスの内容でございます。
 資料1−12−4に戻っていただきまして、それの36ページ、これも前回の部会でもご報告しましたけれども、「ウ コグニティブ無線に関する検討」です。先ほどのWP8A対応でございます。その下に書いてありますように、電波の利用環境を適切に把握して、その環境に自律的に適応する技術ということで、関心が高まっているものであります。その内容はまだ必ずしもはっきり定義されていないということで、次期の研究期間におきましてはっきりさせていくことになっております。どのような技術が使えるか、どのような技術が有効か、さらに、周波数の利用効率、その辺を検討していくということです。これに関しましても、日本が前会期から寄与しているという状況でございます。
 37ページに移りまして、「会合の開催予定」ということで、SG8SG4SG5に分かれますので、そこに書いてありますように、2008年2月にSG5の会合、2008年4月にSG4の会合が予定されております。
 最後に、38ページに移りまして、移動業務委員会における今後の活動方針です。移動業務委員会という名称が適切かどうかわかりませんが、関連する研究に対して、どのように対応していくかということで、ポツとして5個書いてあります。先ほど申しましたコグニティブ無線に関するレポートの作成に向けて積極的に寄与していきます。さらに、ミリ波のITS通信に関して勧告化またはレポートに関して積極的に寄与していきます。3番目のポツとして、短波海洋表面レーダーシステムも検討課題となっておりますので、その技術・運用特性等に関する勧告の策定に向けて寄与していきます。MSS及び先ほど説明したRNSSシステムの勧告の策定に向けて寄与していきます。最後になりますけれども、WRC−07におきましてIMTの周波数が追加されました。IMT−Advancedの無線インターフェースに関する議論が本格化していくということで、この分野で先行的な検討を進めている我が国の主張が十分反映されるように、引き続き審議に参加していくことを今後の活動方針として取り上げてございます。
 大変時間が長くなりましたけれども、以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、固定業務委員会からご報告をお願いしたいと思います。
斉藤主査  固定業務委員会の主査を担当させていただいております、NTTの斉藤でございます。資料に基づきましてご説明させていただきます。
 資料1−12−444ページになります。まず、固定業務委員会でございますが、「検討体制」としまして、固定業務、ITU−Rの旧SG9に対応する部分を担当してございます。「会合の開催状況」でございますが、ここにございますように、昨年4月に、5月に開催されましたSG9ブロック会合への寄与文書及び対処方針の審議を行いました。さらに、7月に、その会合の結果報告という形で2回の会合を開催させていただいております。
 続きまして、SG9の活動状況、「検討体制」でございますが、資料の47ページの表1にSG9の審議体制を記載させていただいております。SGのもとに9A9B9C9Dと4つのWPを設置して、それぞれの項目で審議いたしております。日本からは、NTTドコモの橋本様がSG9の副議長及びWP9Bの議長に就任されております。
 資料の44ページに戻っていただきまして、「会合の開催状況」でございます。昨年1月から12月までの間に、ここにございますように、SG9のブロック会合として、昨年5月にSG9の会合及び各WPの会合が開催されております。さらに、SG4とのジョイントの会合でございますWP4−9Sの会合が、同じく5月に開催されております。SG9の検討状況でございますが、SG9ではFシリーズという勧告を担当しておりまして、この勧告に関しましては、新勧告案が5件、改訂勧告案が17件承認されております。さらに、ここには書いてございませんが、古い勧告21件の削除も承認されております。また、Fシリーズの報告として新報告案の3件が承認されております。また、SG4との合同での勧告のSFシリーズ勧告でございますが、これについては新勧告案1件、改訂勧告案1件が承認されています。これらの詳細につきましては、この資料の48ページ以降の表3、表4、表5にそれぞれの勧告及び報告のリストを掲載させていただいております。
 また、主要な事項の検討状況でございますが、別資料、この横長の資料1−12−824ページをごらんください。別紙14となっております。主な検討項目として、ミリ波通信システムの標準化及び光空間通信システムの標準化について挙げさせていただいております。まず、ミリ波通信システムでございますけれども、57GHzギガヘルツ以上の周波数を使用した、ミリ波を使って固定的に通信する固定無線通信システムの技術的特性について検討を行いまして、これらの周波数の電波伝搬の基本特性及びシステム設計に必要なパラメータの技術的特性、応用例などを取りまとめております。
 我が国からは、ARIB標準T−69に基づく60GHzギガヘルツ帯のミリ波方式の基本諸元や、この下の図にありますように、このミリ波の通信システムをビルの縦系に応用する例です。こういう例を提供するなどして積極的に貢献しておりまして、報告という形で取りまとめられております。また、光空間通信システムに関しましては、3,000GHzギガヘルツ以上の周波数を用いて空間で伝搬させるという光無線のシステムでございますが、これの技術的特性について検討を行いまして、同様に電波伝搬の基本特性やシステム設計に必要なパラメータ等の技術特性並びに応用例などを取りまとめております。
 我が国からは、この光を使った部分のうちの、近赤外線領域での光波の減衰量と降雨強度の関係を示す実測データの提供や、我が国で、この光の空間通信システムの応用例として、ここの右の下にございますように、高知県の学校インターネットの基幹システムとして光通信システムを適用しておりまして、その適用例について紹介する等、積極的に貢献しておりまして、これもレポートとして取りまとめられ、承認されております。
 資料、戻っていただきまして、46ページでございます。そのほか、下のほうに、勧告F.1336、ポイント・ツー・マルチポイントシステムのアンテナパターンの改訂ということで、1GHzギガヘルツから70GHzギガヘルツまででの共用検討に使うための、ポイント・ツー・マルチポイントシステムのアンテナパターンについての参照モデルを取りまとめたものでございます。前年度、2006年のSG9会合において推定式とかパラメータについて合意が得られて、勧告改訂が行われておりますが、その推定式について、ここにありますように、一部、算出される利得が不連続的となることが判明いたしましたので、日本から推定式の精度を向上する提案を行いまして、現在、議長報告という形になっておりまして、引き続き勧告改訂に向けて検討が行われることになっております。
 続きまして、今後の会合の開催予定でございますが、先ほどご説明がございましたとおり、SG9に関しましてはSG8と統合され、新たなSG、新SG5という形で研究活動が継続されることが決定されておりまして、ここにございますように、2月にSG5の会合、そのうち、固定業務に関しましては、WP5Cの中で検討が行われることになっておりまして、同じく2月に会合の開催が予定されております。
 固定業務委員会の今後の活動方針でございますが、ご説明差し上げましたように、BWAシステム等、新しい移動固定通信の導入が進む中、周波数逼迫を緩和するために、より高い周波数の利用を促進する必要がありまして、その一環として、ミリ波帯や光の空間通信システムの標準化に引き続き貢献していくということで、活動していきたいと考えております。
 以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、作業計画委員会からお願いしたいと思います。
小林主査  作業計画委員会の主査を務めております、電波産業会の小林でございます。
 資料1−12−453ページから、作業計画委員会の活動状況の報告を記載させていただきました。作業計画委員会は、ITU−Rの活動のうち、無線通信アドバイザリーグループ、RAG(Radio communication Advisory Group)を担当しております。
 この作業計画委員会は、この1年間では1回会合を開いただけで、昨年8月にRA−07へ向けての我が国の対処方針を主に審議いたしまして、ITU−R決議の見直し、SGの再編、SG議長、副議長の選出等についての議論をいたしました。
 検討対象となっておりますRAGの活動状況でございますが、(1)「検討体制」のところに書いておりますように、このRAGの所掌は、これまでの各委員会とはちょっと違いまして、研究課題を持っておりません。無線通信総会(RA)とかSG活動、研究委員会(SG)、会合準備会合(CPM)、その他のITU−R全般の作業の優先度を見直す、また進捗状況を評価して無線通信局長に助言する、アドバイスするのが目的でございます。
 したがいまして、活動の仕方は、他の委員会とはちょっと違った形で行われました。審議体制も、他の委員会とはちょっと平仄が合っておりませんけれども、次、1枚めくっていただきまして、55ページにRAGの審議体制、これはRA−07の後の新しい審議体制で書かせていただいておりますが、コートジボワールの方を議長にしての審議体制になっております。以前はカナダの方が議長でございました。
 53ページに戻っていただきますと、RAGの会合は、昨年、RA−07があったこともありまして、1月に開催された後、公式には開催されておりません。したがって、報告する事項があまりございませんが、昨年のこの部会にご報告させていただいたときのことを若干再掲させていただいております。公式、非公式のRAGの会合が幾つか開催されまして、基本的にはRA−07に向けた準備、検討を中心に議論を行いました。54ページに中身を若干書いてございますけれども、作業方法の見直しとして、例えば電子ファイルによる審議を進めるとか、あるいは古い勧告の削除の基準を設けることの議論などを行いました。また、決議がたくさんございますけれども、それの見直しについての審議等を行ったところです。
 ただ、今回のご報告の中で一番大きな項目は、やはりSG構成の見直しで、この議論の発端は2006年、一昨年の7月にBRの局長から出されました回章で、SG構成について、SG再編をしたらどうかという問題提起がありまして、それ以降、関係者の間でいろいろな議論がなされておりました。再編案が、公式、非公式の議論によりまして、再編案1)と再編案2)というふうに2つの案にほぼ絞られまして、これについての議論がさらに2月の非公式会合、その後、さらに9月に非公式会合が行われて、だんだん煮詰まってまいりまして、最終的にRA−07で決定されたという状況です。
 SGの再編につきましては、冒頭の事務局からの報告の中にもございましたけれども、資料1−12−8、横長の資料の一番最後のページ、別紙15にもう一度再掲してございます。ごらんいただきますとおわかりのように、従前のSG4、8、9を再編しまして、再編案1)のほうはアクセス系と基盤ネットワーク系に分ける案、再編案2)のほうが地上系と衛星系の業務で分けるという案でございました。これにつきましては、最終的に再編案2)のほうでまとまりまして、再編された結果、SG4と5という形になりまして、全体ではSGが1つ減り、合計6つのSG構成となったところでございます。
 もう1つの縦長の資料1−12−455ページへ戻っていただきまして、今後のRAGの会合の予定でございます。本年2月に第15回のRAGの会合が開催される予定でございます。RA−07WRC−07の結果を受けて、また作業方法等についての議論が開始されることになります。委員会としての今後の活動方針でございますけれども、継続的な見直しが必要だと思っておりますので、これまでと同様、議論に積極的に参加し、貢献していきたいと思っております。必要に応じて寄与文書を提出し、会合において意見表明等を行うこととしたいと思います。
 以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 これまで各委員会からの活動報告をいただきましたけれども、まとめてご質問、ご意見をお受けしたいと思います。何かご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
 どうぞ。
土井委員  うるう秒の扱いに関して、SG7で検討が始まったということですが、電子取引などでタイムスタンプは非常に重要になっているかと思うのですが、そういうものに対する影響というのは、どのようになっているか教えていただけないでしょうか。
菅田課長補佐  タイムスタンプビジネス協会等、あるいはその中に加盟している企業の方々と、まさに今、そのアンケート調査やヒアリングなどを行っておりまして、その影響について伺っております。基本的には、これまで非常に困ったことはなかったと。ただ1点、やはり直前、直後、うるう秒を挿入する前後において、作業上、やはりサービスを停止しなければいけない時間があったと。そういった点で多少デメリットがあるものの、大きな問題はないという状況でございます。
根元部会長  よろしいですか。
土井委員  はい、ありがとうございます。
根元部会長  ほかに何かご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 1点、どこかの会で、SGの再編のところで、放送業務が地上と移動にぽんと分けられると、コンテンツ関係で困るかもしれないというご意見があったと思うんですが、その辺はどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。
瘟Y課長補佐  放送関係の、特に衛星放送を、衛星グループのほうにどういう形で入れていくかということについても議論がありましたが、基本的には今までの、いわゆる放送サービスとしての一体的な検討は引き続きSG6のほうで行う。そういう中で、特に衛星のメディアとして使う伝送の部分に関して、ほかの衛星と同様な技術的な検討をしたほうが効率的であるという部分については、衛星グループで検討を行うという形でまとまったものでございます。
根元部会長  どうもありがとうございます。
 ほかに何かご質問ございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、報告どうもありがとうございました。これで報告を受けたというふうにさせていただきたいと思います。
 

(4) ITU−R部会における委員会の構成の変更について


根元部会長  それでは、議題の4に移らせていただきたいと思います。ITU−R部会における委員会の構成の変更についてでございます。
 これにつきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
瘟Y課長補佐  それでは、資料1−12−5ITU−Rの委員会の設置(案)について説明申し上げます。こちら、SG再編の結果を受けまして、それに合わせて本部会の委員会の構成を改正するものでございます。こちらのほうは、技術分科会によりITU−R部会が各委員会の設置を決定し、部会長が主査等を指名する権限を与えられております。資料1−12−5をおめくりいただいて、別表のほうに各委員会とその所掌という形で表をつくっておりますが、このうち、SG8及びSG9に対応します移動業務委員会、固定業務委員会をSG5に対応します地上業務委員会に、あわせて、SG4に対応しておりました固定衛星業務委員会を、衛星一般ということで「固定」をとりまして、衛星業務委員会という形で新しい委員会として設立させるという改正の案でございますので、これをご審議いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
根元部会長  ただいまの構成につきまして、提案をいただいているわけでございますが、今のご提案に対しまして、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。そうせざるを得ないという状況でございますし、また特段ご意見がないようでございますので、ITU−R部会決定第1号をご説明のとおり改正し、第2号としたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 どうもありがとうございました。
 

(5) 委員会主査及び委員・専門委員の指名について


根元部会長  続きまして、議題の5でございますが、委員会の主査及び委員・専門委員の指名について説明をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
瘟Y課長補佐  ただいま、衛星業務委員会及び地上業務委員会という形で新しい委員会を設置いたしましたので、本日、古い委員会に所属されていた各委員、専門委員及び主査の方の指名を解除していただくとともに、あわせまして、本日より新しい衛星業務委員会及び地上業務委員会に所属する委員、専門委員及び主査を部会長のほうからご指名していただきたいと思います。資料は1−12−6でございます。よろしくお願いいたします。
根元部会長  それでは、ただいま事務局からご説明がございましたけれども、固定衛星業務委員会、移動業務委員会、固定業務委員会に所属する委員及び専門委員及び主査の指名を解除させていただきたいと思います。
 それにかわりまして、新しく衛星業務委員会及び地上業務委員会に所属する委員、専門委員を、資料1−12−6でございますが、委員会の委員、専門委員のとおり指名させていただきたいと思います。よろしくどうぞお願いしたいと思います。
 また、主査でございますけれども、加藤専門委員を衛星業務委員会の主査に、畑委員を地上業務委員会の主査に指名させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 また、その他の委員会の皆様におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、新しい委員会が2つできたわけでございますが、主査から今後の委員会の予定等について、一言ご発言をいただきたいと思います。最初に加藤主査よりお願いしたいと思います。
加藤主査  ただいま、根元部会長から衛星業務委員会の主査としてご指名いただきました、東北大学の加藤でございます。これまでは、固定衛星業務委員会の主査を務めてきておりますが、今回、ITU−RSGの再編に伴いまして、放送衛星業務及び移動衛星業務の検討内容が新たに加わったということで、SG4の関連の衛星業務委員会の主査として新たにご指名いただきました。大変微力ではございますが、努力してまいりたいと存じますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、今から1分ほどいただきまして、新しくできましたSG4WPの構成について簡単にご紹介させていただきます。まだ暫定的なものになっております。全部で3つのWPが設置されておりまして、1つ目はWP4Aで、これは固定、放送衛星の軌道及び周波数の有効利用を検討するWPでございます。2つ目はWP4Bで、IPアプリケーション及びサテライト・ニュース・ギャザリングを含むすべての衛星業務の性能、品質を検討するWPでございます。3つ目はWP4Cで、これは移動衛星及び無線測位衛星に関する事項を検討するWPでございます。
 これからこの3つのWPについて、3月の末からその会合が予定されております。そこで、ITUの各WPに対応する国内の審議を行うためのWGとして、この衛星業務委員会の下にWP4A及びWP4Bに対応する衛星業務WGを1つ、それから、WP4Cに対応する移動衛星WGを1つ設置いたします。衛星業務委員会の前にWGを開催したいと考えております。ただし、この新しいSG4WPは、あくまで暫定的なものでございますので、4月中旬に開催されるSG4の会合において、WPの構成が変わることもあり得ますので、その都度対応させていただく所存でございます。
 以上、衛星業務委員会などの予定についてお話ししましたが、引き続き、積極的に寄与してまいりたいと存じますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 続きまして、畑主査より一言お願いしたいと思います。
畑部会長代理  ただいま根元部会長から地上業務委員会の主査としてご指名いただきました、早稲田大学の畑でございます。
 これまでは移動業務委員会の主査を務めていましたが、今回のITU−RSGの再編に伴いまして、移動業務と固定業務などを検討する新SG5に対応する地上業務委員会の主査を務めさせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、新しいSG5の会合です。先ほどご報告しましたが、本年2月中旬に予定されています。その下にWPが構成されることになっておりますけれども、いまだ決定はされていないという状況でございます。しかしながら、ITU−Rでは、作業の遅延を避けるために、当初から予定されていました旧SG8及び旧SG9WPは、その所掌を引き継ぐ形で、予定どおり今月の下旬からSG5会合の前に開催されるという変則的なスケジュールとなっております。このため、SG5の構成が正式決定するまでの間の経過措置として、SG5には、次の4つのWPが暫定的に設置されることになっております。
 WP8Aが旧SG8にありましたが、これはIMTを除く陸上移動業務を検討するグループで、WP5Aとなります。旧WP8Bは航空移動、海上移動業務、無線標定業務を検討していたものでございますけれども、これがWP5Bに変わります。この2つのWPは、「8」が「5」に変わるということです。このほか、これまでSG9及びその下のWPで検討していた固定業務がWP5Cになります。旧WP8FIMTシステムを検討していたもので、これがWP5Dになります。このように、SG5の会合が開かれるまでに、変則的にWPの会合が開かれるという状況でございます。
 国内的にも、このような移行措置に対応して、ITU−RSG5の構成が決まるまでの間、地上業務委員会のもとに、各WPに対応するWGを暫定的に設置して、地上業務委員会の開催前に、WGWPに関する検討を行いたいと考えております。ということで、国内審議のWGですが、WP5Aに対応する陸上移動WGWP5Bに対応する航空海上移動WGWP5Cに対応する固定WGWP5Dに対応するIMT WG、この4つのWGを設置いたしまして、今月末から開催されるWPに対応していきたいと思います。
 これらのWGは、いずれも旧SG8WGに対応します。また、固定業務のWGSG9に対応するということで、新規に設置するものでございます。WPの日程が、1月28日から順次開催されるという状況でございますので、早速それらのWGの方々には、明日8日、9日、引き続いて検討をお願いするという差し迫った状況になっていることをご報告させてもらいます。なお、今後はSG5の会合が2月に開催されまして、WPの構成が正式に決定されると思われます。すなわち、この臨時的な対応が必ずしも続くとは限りませんので、その場合は、SG5の結果を受けまして、国内のWGの構成を変更する可能性があることを一言申し上げておきたいと思います。
 以上、地上業務委員会の進め方についてお話しいたしましたけれども、NTTドコモの橋本さんが議長になられるということ、さらにはこのSGに対して日本が積極的に寄与してきた経緯もあり、今後も積極的に寄与すべきSGであるということでございます。また、寄与文書も非常に多いSGになると思いますので、日本からも積極的に寄与していくべく、皆様のご協力を得て、この地上業務委員会の活動を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上です。
根元部会長  どうもありがとうございました。
 ただいま新しい2つのSGの主査の先生方に、今後の予定等について考え方をご提示いただいたわけですが、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それではお二人とも、大変でしょうが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 

(6) 情報通信技術分科会への報告について


根元部会長  次に議題6でございますが、本部会の上部組織である情報通信技術分科会への報告資料となります、情報通信技術分科会への報告という資料につきまして、事務局からご説明をいただきたいと思います。
瘟Y課長補佐  関係する資料としましては資料1−12−7ITU−R部会審議状況報告(案)」及び資料1−12−8、概要版ということで横書きの資料及び参考資料1−12−3、ただいまお話がありました、新しいWP等に対応したWGまで含めた国内対応の体制という形で説明いたします。資料は主に12−8、横長のものを用いてご説明いたします。こちらはITU−R部会の審議状況報告の概要でございます。
 1ページに「ITU−R部会の任務」を記載してございます。
 2ページにはITU−RSG等の活動状況として、研究体制については平成15年に旧会期の研究体制が決定されて、それに基づき研究していた。特に平成19年度におきましては、RA及びWRCに向けた検討が盛んであった。また、RA−07の中で、SG構成が7つから6つに変更された。勧告としては、1年間に合計200件が承認されたということを紹介してございます。
 3ページでございますが、対応する国内の審議体制としては、委員会を設置して検討しています。及び本日のITU−R部会におきまして、RA−07の結果を受けた委員会構成の変更を行ってございます。
 4ページは「ITU−R部会等の審議概要」ということで、まずは部会の第11回においてRA−07の対象の検討をし、答申をいただいたという報告及び本日第12回のITU−R部会で、主に今後の体制についてご審議をいただいたという話を報告したいと思います。なお、その部会の下に委員会を開催している状況も報告を申し上げます。
 5ページにまいります。このような委員会体制で、ITU−R活動へ、これまでどのような貢献をしているかということを簡単にまとめてございます。特に、勧告作成に向けて多数の寄与文書を提出していること及びSG会合等に多数の専門家が出席している。その中で、特にデータとしましては、引き続き別紙に出てまいりますが、日本からの提出寄書件数として、100件を超える、全体のITU−Rの中では7%を占める割合になっている。さらに、参加者についても延べ数でおよそ7%程度を占める参加をしている。そのほか、承認された勧告数や、ITU−R SG等における、日本から多数の役職者を引き受けているという形でITU−R活動へ貢献していることをご報告したいと思っております。
 6枚目に行きますと、「ITU−R部会各委員会の主な検討項目」ということで、こちらは本日、各委員会主査及び事務局からご報告をいただきました検討項目につきまして、トピックとしてご報告申し上げるものです。説明は割愛いたします。
 7ページは、ITU−R部会等における今後の活動方針を簡単にまとめております。まず1番目のところは総論で、体制が新しくなったということで、研究活動がより効率的に行われるよう留意をする。我が国としては、もちろん強みを有する分野を中心に、積極的に貢献していく予定である。また、冒頭、ごあいさつにも申し上げましたように、我が国の国際競争力強化策等を検討していることもかんがみて、国際標準化体制の強化や標準化人材の育成、確保という観点も踏まえて活動を行っていくということかと存じます。その下には,各委員会からいただいております今後の活動方針をまとめてございます。
 別紙につきましては、前研究会期のITU−Rの構成及び新しい構成及び別紙2からは、前研究会期のITU−Rへの対応のための国内審議体制及び、本日新しい委員会が設置されまして、主査等もご指名いただきましたので、新しい国内審議体制をこの後ろにつけたいと思っております。
 別紙3以降は、データとして別紙3、別紙4に勧告の件数や、提出寄与文書の状況、それから別紙6以降は日本からのSG等の議長、副議長等の一覧。別紙7以降が各委員会、各SGにおける主な検討項目の紹介をしております。
 横長の資料から縦長の資料1−12−7に移っていただきまして、こちらは、ただいま概要のほうでご報告申し上げました事項を少し詳しく具体的に書いてございます。本文は1ページから5ページまでございまして、その後、6ページ以降、別紙1としてITU−Rの研究会期での体制の古いものと新しいもの。別紙2には本部会の構成員、別紙3「ITU−R部会の構成」、これが本日までの構成になりますが、この後に参考資料1−12−3に対応するものをつけたいと考えております。
 先ほど申し上げませんでしたが、この中で、特に地上業務委員会、畑主査からご報告いただきましたように、各WPの開催に合わせてWGを設置される。さらに、RAの報告の中でも申し上げましたが、防災とか災害救援のための研究が今後活発になることが想定されておりまして、そのための対応をするグループを省内で設置したいということで、ここは仮ではございますが、PPDR(Public Protection and Disaster Relief)という形で、それに対応するグループを各関係するワーキングの下につくって、必要に応じて審議をしていただく予定でございます。
 資料は、そのほか、横長の資料で申し上げたものがついておりまして、15ページ以降は各SGの主な検討状況についての報告をつけてございます。この資料1−12−7と資料1−12−8及び本日、各委員会からご報告をいただきました資料1−12−4、これらをセットとして、今月末の情報通信技術分科会のほうにご報告いただきたいと思います。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
根元部会長  ありがとうございました。
 情報通信技術分科会の報告案について、今、ご説明いただきましたけれども、何かご質問、ご意見はございませんでしょうか。
 はい、どうぞ。
荒井委員  先ほど、日本からの寄書数とか会合出席者数の割合が出されましたが、これは世界的に見て何位ぐらいとか、全世界の分布のようなのはあるんでしょうか。
瘟Y課長補佐  国の大きさも随分違いますので、何位というのはありませんが、ただ、特徴的なこととしては、やはりアメリカ等は大代表団で、RA等の総会においても比較的かなりの人数を割いて来ております。その一方で、ヨーロッパは、やはりヨーロッパ連合的な形で、国からの参加者数はそれほどではないものの、欧州として固まって対処してくるなというところが特徴的かと思います。
 一方、アジアにおきましては、日本、中国、韓国を中心に、かなりの人数を割いて、研究活動等、貢献はしておるんですが、欧州等に比べると、まだ少し連携が弱いのかなというところが少し反省点としてあるかと思います。
荒井委員  ありがとうございました。
根元部会長  はい、どうぞ。
田中課長  Rの資料ではないんですけれども、Tの場合に、ちょっとうろ覚えなんですが、寄書数も出席者も10%程度で、世界的に見て、たしか3位か4位ぐらいだったと記憶してございます。そういう意味では、7%ですから、そのぐらいのものだと思います。中国、韓国は、今、資料を持っていないので、また別途提供させていただきたいと思います。
荒井委員  どうもありがとうございます。
根元部会長  私からもお願いしようと思ったのですが、ここを報告すると、必ず今の議論が出るんです。
 結局、ここでの活動が、先生方、委員の方々、皆さんが日本の国際化に非常に興味を持っていて、それが経時変化というか、年度とともにどうなっているか、盛んになっているのか、停滞しているのか、それとも国として努力しなきゃいけないのか、その国際的なというのを毎年気にされますよね。ですから、例えば出席者数とか提出した勧告数とか、過去何年間にわたって日本として数が増えているのか、増えていないのかとか、ほかと比べてどうだというような資料をご準備いただいて、もし差し支えなければ参考資料に出していただいて、それを見ていただいて、多くの方々に現状をご理解、ご協力いただくことが必要かと思うのです。
 おそらく出ますので、ご準備いただきたいと思います。よろしいですか。
田中課長  はい、わかりました。
根元部会長  ほかに何かご質問、ご意見、ございませんでしょうか。
 はい、どうぞ。
土井委員  技術分科会への報告に関しては、今ご指摘があった点も考えていただければと思うのです。
 あともう1点。先ほど松本技術総括審議官も言われていましたけれども、標準化に予算をつけてというお話もありましたが、例えばうるう秒の扱いとか、少しわかりやすいトピックスを取り上げていただいて、こういう活動をしているというのを、一般の国民にもアピールするようなこともぜひ考えていただいて。そうしないと、やはり中国、韓国は若手がどんどん出てこられていますので、今までたくさん寄書をやってきていただいて、携帯電話の話とか、随分寄与していただいていますので、そういうことをアピールしていただくことも、今後の人材育成の観点でもぜひ考えていただければと思います。よろしくお願いします。
根元部会長  どうもありがとうございます。
 貴重なご意見だと思いますので、ご検討をよろしくどうぞお願いします。ほかに何か。
 はい、どうぞ。
畑部会長代理  私から質問するのもおかしいのですけれども、参考資料1−12−3において、SG5の中に、防災関係のSWGをつくるということが書いてあります。防災関係の話は、資料1−12−3、これはRAの報告書であると思いますが、20ページの3.2.4で、「防災・災害救援への無線通信の活用に関する研究の促進(新決議53、新決議55)」と書かれてあります。これがSG5関連の新しい課題であるのか、ここを読む限り、SG5に具体的な課題が投げかけられているとは読めません。地上業務委員会の課題は多いとは思うのですが、これを設けられた趣旨を教えていただきたいと思います。
瘟Y課長補佐  事務局からご説明いたします。
 もともとこの防災関係は、PPDR(Public Protection and Disaster Relief)という決議がございまして、そこに幾つか主に検討を進める対象となる周波数を列挙してございます。実際には、そこで想定されるのは基本的に地上業務に関係する周波数がほとんどでございます。ただ、今回、RAの中で議論がありました防災関係というのは、もちろん地上だけに閉じたものではなく、衛星や放送、ほかのメディアも使って総合的に取り組むべきものであるということが、共通認識としてなされたかと思います。
 ただ、一方で、具体的なシステムにつきましては、移動関係、地上関係がメーンでございますのと、あと、我が国からこれまで防災関係のシステムということで、ITU−R勧告のほうに、SG9(固定業務)のほうから主に貢献してきたものでございます。
 そういう観点からしますと、おそらく今後、検討の中心になるのはSG5がメーンではないかと考えております。ただ、ここのグループに関しましては、やはり防災関係を横串を通す形で見ることが大切かと思います。各SGから関係するような文書とか議論が出たときには、作業方法としては、おそらくここのグループで対応するのが適当かと思いますので、具体的にどういう体制で行うかと。SWGをつくるのであれば、例えばどこのグループにぶら下げておくのがいいのかとかは、各WGの中で、WP等に投げ込まれるクエスチョンとか寄与文書の状況を見ながら、最適な体制を考えていっていただければよろしいかと思います。
根元部会長  よろしいですか。
 ほかにご質問、ご意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 先ほどございましたけれども、「ITU−R部会審議状況報告(案)」及び「ITU−R部会審議状況報告概要」につきましては、皆様からいただいた意見を反映させていただきまして、今月31日(木)に開催が予定されております情報通信分科会において、私より報告することにしたいと思います。これでよろしいでしょうか。
 それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございます。なお、分科会で報告するに当たりまして、説明の都合上、趣旨を変えない範囲で、今日ご提示いたしました表現を変更する可能性がございます。これらの変更につきましては、恐縮ではございますが、私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。
 では、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございます。
 

(7) その他


根元部会長  次は議題の「その他」でございますが、全般を通しまして、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。
 それでは、事務局よりお願いしたいと思います。
瘟Y課長補佐  1点、事務局よりお願いごとがございます。
 現在、政府で開催いたします各種委員会、審議会等、多数ございますが、そちらのほうに女性の参画を推進すべき旨、閣議決定がされてございます。ITU−R部会におきましては、3名、女性委員ということでご参加いただいておりますが、今後、専門委員のほうにつきましても、同様に女性の割合を高めていきたいと総務省では考えてございます。
 具体的な実現方法に関しましては、各社様のご協力が不可欠でございますので、また別途個別に調整、ご協力をお願いすることになるかと思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。
根元部会長  ただいまのご説明、お願いに対しまして、何かご質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 男女共同参画は非常に重要な課題でございますので、皆様もよくご協力いただきますよう、私からもよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、今後の予定等について事務局からご説明をいただければと思います。
瘟Y課長補佐  今後でございますが、先ほど根元部会長からご発言がございましたように、情報通信技術分科会のほうに、今月末、部会の状況報告をいたします。その際には、本日いただきましたご意見等を反映いたしまして、追加の資料等もできる範囲で準備したいと考えております。なお、次回のITU−R部会につきましては、おそらく新しい研究会期でしばらくSGの研究が進んだ後、その部会の審議状況報告という形でお集まりいただくことになるかと思います。
 日程等につきましては、また別途、部会長及び各委員の皆様と調整の上ご連絡申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
根元部会長  どうもありがとうございました。
  閉会

根元部会長  それでは、これをもちまして、第12回情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会を閉会としたいと思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。







ページトップへ戻る