会議資料・開催案内等

情報通信審議会 情報通信政策部会
インターネット基盤委員会(第13回)議事概要



1 日時:平成21年1月7日(水) 1630分〜1830

2 場所:総務省 9階 第三特別会議室

3 出席者
(1) 臨時委員(敬称略)
村井純(主査)
(2) 専門委員(敬称略)
舟田正之(主査代理)、江崎浩、山本隆司
(3) 関係者(敬称略)
会津泉(多摩大学情報社会学研究所)、上田正尚(社団法人日本経済団体連合会)、馬野耕至(読売新聞東京本社)、山上紀美子(社団法人全国消費生活相談員協会)、桑子博行(社団法人テレコムサービス協会)、高橋徹(財団法人インターネット協会)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、丸山直昌(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、大東洋克(GMOインターネット株式会社)、堀田博文(株式会社日本レジストリサービス)、熊坂地域情報政策室係長
(4) 総務省
桜井総合通信基盤局長、武内電気通信事業部長、安藤総合通信基盤局総務課長、長塩データ通信課長、柳島データ通信課企画官、小林データ通信課課長補佐、増子データ通信課専門職

4 議題
(1) プレゼンテーション
  1) テレコムサービス協会
  2) 日本インターネットプロバイダー協会
  3) インターネット協会
(2) 検討事項について
(3) 自由討議
(4) その他

5 議事要旨
【新ドメインに関する通信事業者の考え方について】
   桑子氏より「新ドメインに関する通信事業者の考え方」(資料1)について説明。
   ドメインに全角と半角が入り交じるため、打ち損じ等への配慮が必要との資料説明について、全角英数字を半角に変換してアクセスする技術標準がIETFにより設けられており、全角と半角の混在による問題は生じていない旨の補足説明あり。
【IDN-ccTLDおよびgTLDについて】
   立石氏より「IDN-ccTLDおよびgTLDについて」(資料2)について説明。
   ユーザーからの要望の受付、審査等を行う窓口は、中立公平な第三者機関と事業者のどちらが主体になるべきかという観点も議論の対象にすべきである旨、地方自治体等に属する地名等に関係のあるgTLDの申請が、第三者からあった場合に地方自治体等が早急に審議・対応ができるよう、国が支援するような仕組みが必要である旨の補足説明あり。
【多国文字による国別トップレベルドメインに関する考え方】
   高橋氏より「多国文字による国別トップレベルドメインに関する考え方」(資料3)について説明。
   管理運営業務の適性確保の方法についての質問がなされ、現在の監査体制も機能しているが、新たなドメインについては、それとは別の監査体制が望ましいとの説明。
【新国別トップレベルドメインの市場規模等について】
   事務局より「新国別トップレベルドメインの市場規模等について」(資料4)の説明及び「森川構成員からのコメント」(資料6)の読み上げ。
   堀田氏より「新国別トップレベルドメインの市場規模等について」(資料4)について、サービス開始時の数字として事務局の想定はおおむね妥当。一方、事業運営にかかるコストはサービスによって変動するが、ヨーロッパの事業者の例をみると、年間1530億円程度を要しているとの補足説明。
【自由討議】
   ドメイン市場規模は、新たなドメインが普及した後にその価格が上昇することも想定されるため、初期料金だけで市場規模を考えることは必ずしも適切ではない。
   ガバナンスがしっかりしていれば「日本で設立された法人」ということを要件とすればよいのではないか。
   外資規制については、運営事業者の欠格事由として、申請してきた段階で規制することは望ましくないと考える。審査段階で資本構成についての考慮はあってもよいかもしれない。
   正面からの外資規制は難しいように思う。公共の利益に反しない等を条件付けする程度ではないか。
   一例として、放送分野における外資規制では、日本法人に対する出資比率は20%未満とされている。また、外国法人が子会社として日本法人を設立し、そこを経由して出資するような形態についても、間接出資規制により同様の規制対象としている。
   ドメイン登録者を日本法人に限定することに違和感がある。個人や外国法人が利用できることとしても良いのではないか。最近、日本に対する世界の関心、イメージは高まっている。日本食、温泉、クールジャパンなどなど。そうした点を考えると、日本人以外の外国人、外国法人に日本についてのビジネス、観光、アート、その他に日本のドメインを使ってもらえるというのは、広い意味で日本にとってプラスになると思える。グローバルに日本を売り込むというのは重要ではないか。
 「.jp」の体制では、登録は日本国内の者に限定しているが、「.jp」と「.日本」で登録者の条件が違うということについては議論の余地がある。
   「.jp」については、2002年にJPRSの諮問委員会において、外国からのドメイン登録について議論を行ったが、まずは日本国内での「.jp」ドメイン普及を優先させるため、登録は日本国内に限るという結論となった。
   1995年頃より前は、「.jp」ドメイン登録を日本国内に限定するという要件はなかったが、適正な管理運営を行うために日本法人に限定した経緯がある。
   新規事業者について、株式会社が想定されているが、公益性や収益事業として成立しそうであることを考慮し、NPO法人も含めてよいのではないか。
   かえって株式会社が参入しにくくなるということはないか。
   過去の経緯を申し上げると、ドメイン登録対象を日本に限るかどうかという議論は、商標・知的財産の観点が関わっている。gTLDについてはグローバルなものとして、多様性を確保する一方、国別ドメインについてはローカルなものとして、「.jp」の場合には、安全性、品質、信頼性に根ざしたビジネス拡張を目指すことが重視された。
   ドメイン登録者が不正を行った際に、法律に基づいて強制力を行使するためには登録者を日本人・日本法人に限定した方がよい。一方、外国からのドメイン登録を認めると、登録者が増えるため、スケールメリットの観点からコストが下がることが期待される。この2点のどちらを選択するのかということだと考える。
   登録要件と、技術的な実装面は区別したほうがよい。技術的に未解決なものもあるため、登録要件の時点で安全性等を担保しようという思想もあるが、技術的に別の手法が見つかったなら従来と別のやり方もあり得る。
   あるドメイン名登録者が他人の利益を害し、被害者が登録者を提訴することとなった場合、日本法人であれば識別、対応が可能だが、外国法人の場合、調査が困難になる。
   レジストリの役割はデータベースの蓄積(ドメイン登録)と、インターネットで接続されるようにすること。ドメイン登録に際し、どのような内容の事業か、文字列の意味にまで立ち入らないというのが原則。
   国別ドメインについては、「.com」などのgTLDも含めて複数あるドメインのうちの一つ。ユーザーの選択が広くある中で、どのようなサービスが行われるべきか。その上で、「.jp」のような国別ドメイン(ナショナルスペース)をどう扱っていくかを考えていかないといけない。
   株式会社が管理運営事業者になることが望ましいと思う。株式会社はグローバルな経済環境に柔軟に対応しつつ営業していけるし、問題が生じないよう監査をしっかり行っていけばよい。
   法人形態の是非について、ポリシーを明確にすることが重要。まずは有識者にそのポリシーの在り方をご議論いただいて、それを踏まえて事業者の方に安全・安心に運営されることが望ましい。
   ドメイン事業は、ユーザーにとって様々な選択があるため、独占事業ではないと考える。「.日本」についても最低限の資格要件が必要であるが、サービスポリシーを限定(ドメイン取得者を限定するかどうか)すること自体をこの場で決定してよいかも含め、さらに議論すべきである。
   具体的な制限をあらかじめ設けるより、後々、一定のサービスクオリティーが担保されていればよい。
   サービスポリシーを柔軟にすることには賛成。ただし、利用者側からも自由に意見が言えることが大事である。ドメイン事業者の選定について、民間主導で公平性を保っていることを広く認めていただくためには相応の仕組みが必要。ICANNに対し、政府は国別ドメインに関して一定の権限を有しているため、政府としても責任ある対応を取れるようにしておくべき。
   「.jp」と「.日本」の一致分離に関して、完全一致でないと悪用されるのではないかという懸念があるが、逆にうまくコントロールできれば分離も可能であると考える
   「.日本」への登録を促す意味では分離するほうが良いと考える。分離の方が現実的であり、参入障壁も低くなるのではないかと思う。
   優先登録期間を設けることにすれば問題は少ない。しかし、同じドメイン名を複数の正当な理由をもつ者が使用したいという場合、「.jp」を所有している者が機械的に「.日本」所有の権利を有することにこだわらなくていいと思う。
   この場でこうしたルールを決めるのかということもあるが、カタカナ、ひらがな、英数字3つのドメインを含めた形での完全一致は難しいと考える。
   エンドユーザーが混乱しないようにできればよい。そうした点も含めて決めていくのは負担も大きいので、「.jp」との完全一致か分離するかを議論する際には、そういう観点から意見を出せる方に議論していただくことがよい。
   レジストリの審査方法は、数値化によるコンテスト・抽選・オークション等、様々な形態が考えられるが、たとえばコンテスト形式で、ほぼ同点数の事業者が複数並んだ場合、必ずしも最高点の者を機械的に選ぶ必要はない。
   完全一致か分離かという点について、一致方式を取ることとした場合、「.jp」のデータはJPRSが持っているが、「.日本」とのマッチングコストはどこが負担するか議論すべきである。
   技術的にみるとJPRSと「.日本」運営事業者の中間にサーバーを置いてマッチングする必要があり、マッチングにあたっては、両ドメイン登録者が同一人物であるか判断するために億単位のコストがかかるのではないか。
   次回の議論の参考とするため、こうしたコストがどれくらいになりそうか、目安となる資料を事務局に作成してもらいたい。
【その他】
   ワーキンググループについては1月中に開催を予定。
   次回会合については別途連絡。本日の説明事項等に関し、他に意見や質問等があれば、事務局まで提出していただきたい。
以上

ページトップへ戻る