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人材力活性化研究会(第20回)議事概要

日時

平成29年2月22日(水) 13:00〜15:00

場所

総務省 合同庁舎2号館 11階会議室

出席者(敬称略)

  • 構成員
    飯盛義徳(座長)、富永一夫(副座長)、豊重哲郎、小澤浩子、玉沖仁美、前神有里、牧野益巳、宮城治男
     
  • 事務局
    時澤地域力創造審議官、飯塚人材力活性化・連携交流室長

議事概要

1.「全国地域づくり人財塾」実施報告
(1)全体
・受講生には、言われたから来た人もいる。しかし、言われたから来た人でも、受講がきっかけで、地域づくりに踏み出し、勉強会や支部活動などを始めている人は間違いなくいる。そして、Aさんと、Bさんなど、よく名前を聞く人も出現しており、修了生の事例報告も結果として受講生の目標にもなりつつある。このいいサイクルを次につなげていくために何が必要かを、皆さんと意見交換したい。
 
(2)仙台開催について
・初めての地方開催は大変熱気があり、特に、これまで参加が少なかった東北の方が突出して多かった。この点を考えると地方開催の価値を強く感じている。
・私も仙台開催の参加状況を拝見して地方開催の大切さを感じた。やはり身近なところで活動を広げられる環境を整えることは大切なので、集まれる機会が必要だと思っている。
 
(3)フォローアップ研修
・フォローアップ研修西日本支部は、現在、山口県周南市のCさんが中国地方での平成29年度開催を呼びかけている。彼は今ファンド・レイザーとして各地で活躍している中で色々な修了生に出会っており、そのつながりも含めて集まる機会を調整している。
・今年度の全国地域づくり人財塾in仙台を契機に、東北でフォローアップ研修が実施されたので東北支部が立ち上がったように思う。このため、東日本支部は関東支部にしたいと思い始めている。皆さんのご意見を伺えればと思う。
・仙台のフォローアップ研修は、山形と秋田の卒塾生が中心となった。現在、山形と秋田の卒塾生は「やねだん」の卒塾生も交えて定期的に集まっている。スカイプやiPhoneを使って活性化センターとつないだ。今度、北海道ともつながろうと話が持ち上がっている。個人のつながりで東北は動き始めているところだ。
・参加者同士のディスカッションや、講師の傍で自分たちの議論の磨き合うなどのニーズが、回を重ねるごとに高くなっているように感じた。ならば、支部の運用では、その活動やしやすくなる支援が必要だと思う。特に、場所決め、声をかけ、資金準備などの事務局が大変という声を聞く。ならば、その事務局をサポートしてはどうか。
 
(4)フィールドワーク型
・少人数形式のフィールドワーク型も非常に熱心に盛り上がった。現場に行き直に話を聞き、その現場の空気の中で、自分たちの問題解決のための議論をする仕組みは、非常に大事だと感じた。
・ディスカッションファシリテーターを行った中で感じたことだが、事業化やプロジェクト組成などのスキル養成は、どちらかというと正面から関わってこなかった。このビジネススキルを短時間でかなりなところまで仕上げるカリキュラムのため、参加者の負荷も大きいと感じている。特に、参加者の経験の程度等に格差がある中で、受講の達成感や成果の実感には、相当の工夫が必要と思い始めている。
 
 
2.今後の地域づくり人財塾の展開について
(1)定員設定・受講資格について
・カリキュラムの「オフィスアワー」または「講師の直接対話」のやり方が永遠の課題となっている。何をどうしても受講生から色々意見が出て、「帯に短し、たすきに長し」になる。受講生が多いことが一番の要因と思うが、一定人数は受け入れる必要がある。そこも含めて皆さんからご意見を伺えればと思う。
・人数制限がなければスクリーニングの問題はない。制限がある場合は、回数を増やすか。スクリーニングを行うかだ。その場合、ポリシーを考える必要がある。ある市町村の支援員研修で任期満了直前の受講生がいた。残りの任期を考えると、地域として受講させる意味があるのか疑問がある。また、受講生の知見を継承できる体制がなければ参加を認めない人財育成塾もある。「全国地域づくり人財塾」では、地域還元に軸足を置くのか、人の育成に軸足を置くのか、改めて考える必要がある。その共有が人財塾のポリシーだと思う。
・この研修は入口なので、できるだけ集まってもらう、多様なものを多様なまま受けとめるということで割り切るほうがいいような気がしている。
・「全国地域づくり人財塾」は、総務省の事業なのだから、僕はもっと集まったほうがいいと思う。企画力を学びに来るという人たちが集まる仕掛けは、この塾の評価になる。
・以前、受講生にいた税務官が、最初業務に関係ないと思っていたが、いい勉強ができたと言っていた。たとえば、滞納のとき、全部差し押さえるのか、それとも、その人の状況に目を向け、よその課と連携して、その人の生活を考えた分納計画を立てるのか、入口が違うと出口も変わってくるのを学んだと言われていた。なので、何課でも私はいいのではないかと思う。特に、卒塾生同士は色々情報交換をして、横の連携がみられている。縦はすぐにつながるが、横とはなかなか繋がらない。その意味で、いろいろな人材が多様に育っていく中で、横をつなぐほうが私は効果が高いと思う。
 
(2)オフィスアワー等の運用
・どのやり方でも、アンケートで色々意見が出るのは仕方がないと思うが、オフィスアワー動きにくかった理由を聞いたところ、始まってしまうと出づらいという意見が多かった。以前、グループワークの部屋に全講師が待機していて、呼ばれたら、そのグループに講師が行くというスタイルがあった。最後の時間はそれを復活させても良い。
・やはり時間中動いてもいいと言われても、講師に失礼と考えているようだ。だから、ある時間だけ前神委員が言われた以前の方法に戻すのも有効だと思う。
・「やねだん」では「直接対話」は5割だ。夜中の2時ごろまでかかる。主催が総務省の塾なので、本気の人をいかに応募させて、修了生がリピーターを送り込んでくるレベルにしたい。極端な話だが、僕は「直接対話」は時間無制限という覚悟で、こちらの本気度を伝えていくことも必要だと思う。
・聞いてみたかったのだが、優先順位の関係で聞けなったという受講生がいるのであれば、講義の映像を後でも見られる仕掛けも考えられる。
 
(2)テーマ設定や新たなコース設定
・受講生の年齢差や職歴、経験の差、テーマの差など色々な差がある。アンケート結果を参考に、テーマや対象者等を絞った展開が必要だろう。
・今、話があった支部などをリードする熱意をもった人は、卒塾生の割合から言うと少ない。だから、そういう人たちを次のランク、指導者的リーダーに育成することが必要かもしれない。その人たちが今の状況に不満足感を持ってしまうと、つながり自体が薄れていく気がする。
・豊重さんが言われた「ハイパー人材」育成を目的としたクラスがあっても良いと思う。ただ、そのプログラムは机上での議論より、議論と現場へのフィードバックの双方向が必要だ。
・たとえば、1年目と3年目の地域おこし協力隊はまるで違う。だから、2ステップ目の多様な講座を生み出すことは、僕らのほうが手分けして多様な講座を生み出すということをやれば良いと思う。
 
(3)地方開催
・地方開催の場については、例えば、今回は東北なので、九州など西の方が考えられる。また、受講する自治体の偏りが見られるのであれば、その地域で開催することも考えられる。
・過去、一日研修を松山や滋賀で行ったことがある。
・青森でも行った。九州と中国では開催していない。福岡あたりだと、中国地方や南九州からも来やすい。どうであろうか。
・九州であれば、被災した熊本県での開催も応援となる。
・福岡は、今、難しいが、九州にしたいと思う。施設の関係があるので、事務局と相談して、また協議したい。
 
 
3.修了生の活動に対する支援
(1)顕彰について
・顕彰となると、基準と審査委員会の設置と、公正な運営の必要がでてくるなど、何か主旨が違ってくる気がする。
・顕彰する場合は、たとえば支部創設に頑張った人を表彰するくらいにしないと、卒塾生の多くが公務員という状況を考えると立場上、辞退する人が多いと感じる。地方普及を図る意味で支部創設と顕彰をセットにする方法も考えられる。
・アワードは、受賞した方のモチベーションアップにはつながると思うが、基準やプロセスの公開など誰もが納得する仕組みが必要になる。そのアワードにどんどん権威づけをしていくことで、受賞された人によりフォーカスが当たっていって、私もやってみるという動きは出てくるだろうと思うが、運用の難しさがあると感じる。
・一番はじめに作成したハンドブックには、モデルになるようなリーダーを育成するだけではなくて、それぞれの役割を生かした地域づくりができる人材を育てようとスタートした。表彰などの議論がこれまで話が出なかったのは、そこがあったからだったと思う。 インセンティブ付与を表彰とすると基準が出て来る。すると、いろんな人に色々な役割があるという、この研究会の原点と、何となく違ってくる気がする。
 
(2)名刺等への表記
・僕が関係した八王子市の志民塾では、八王子市にお願いをして「八王子市志民塾卒塾生」という八王子市のマークつけた名刺を持たせた。すると、いろんなところに1人で出かけていける人が何人も出た。だから、全国地域づくり人財塾卒塾生という呼称とロゴマークがついた名刺をつくるだけも良いと思う。
・「やねだん」は何期卒塾生と名刺に書いている。併せて「やねだん」バッジを贈呈している。
・名刺で頑張れる人という人はたくさんいて、そういう人たちは自分たちの発表会や勉強会をよく行っている。それが盛り上がると支部の動きもでてくる。そこを応援する仕組みにすると、「やねだん」支部応援との関係が似てくる。
 
(3)講師の出張
・「やねだん」の卒塾生は全国に838名おり、3つの支部ができている。その支部に「やねだん」は支援している。支部が勉強会をする場合は、毎回、僕は行く。
・フォローアップ研修への支援としのまた、各地で10名程度の修了生を集めて、委員がそこに出向き、懇談会でも良いので半日程度の研修を地方で開催できないかと考えている。委員は大変となるが、みんなで手分けしても、求められる地域のフォローを行えればと思うがどうであろうか。
 
(4)気軽に集まれる場の設定
・「やねだん」卒塾生が運営する霞が関ナレッジスクエアのレストランでは、用務で上京した「やねだん」卒塾生が無料でカレーを食べられる仕組みを作った。そういうオフィシャルな卒塾生が持てる何かがあると、多分喜んで使う。
・地域リーダー養成塾では、修了者研修会を毎年やっている。卒塾生の集いみたいな場をオフィシャルで用意すると、何か励みにもなるし、接点が持てていいと思う。

(5)卒塾生へのインセンティブの考え方への提案
・地域で開催することを促すインセンティブであれば、その成果から逆算した打ち手を考える必要があり、お墨つきを考える場合は、それによって何を生み出すかの狙いを決める必要がある。以前、議論があった資格については、市民にはインセンティブになるが、公務員の場合は、どのような資格にすると有効か考える必要があろう。
・インセンティブの付与には、2軸のレイヤーがあると今の議論を聞いて感じた。例えば観光庁の「観光カリスマ」の場合は、ハードルの低くして裾野を広げたやり方だ。観光庁が認知度を上げる努力をしたので、観光関係者は広く認識している。ただ、ここにある「地域経営学者」や「認定ファンドレーザー」という名称の場合は、誰でも該当がするものではない感じがする。
・ いろいろご意見いただきましたので、これはもうちょっと時間をかけて、議論したい。

 
 
4.報告書骨子
・報告書の骨子(案)に対し、何かご意見やコメントはあるか。このまま進めてよろしいか。
・異議なし
 
5.その他
・人材育成に積極的ではない行政対策は、永遠のテーマだという議論が以前からある。その中で、鹿児島県は昨年度から特定の研修に参加する市町村職員の費用を交付金で対応している。佐賀県も同様なことを行っている。予算の問題はあるが、都道府県にこういったリードを促していくことも必要ではないか。そして、その案内をすると行政マンも喜ぶかもしれない。
・地域づくりの重要なポイントを突き詰めていくと、やはり人材の確保・育成に尽きる。 今度の慶応義塾大学の紀要は「新地方創生」がテーマで、各識者に地方創生の次の一手に関する論文を寄稿いただいたが、皆、同様に人財の重要性を指摘していた。小田切先生は、人口が減り高齢化が進んでも、人財が増えれば課題解決できるのではないか書かれていた。まさしく、人財は人財塾の「財」だ。そういった観点からも、地域づくりに係る方、理解のある方、関心のある方を少しでも増やしていくことが、地域全体の浮揚につながり、国の全体の活性化にもつながっていくと考えている。ぜひ、皆様方からのいろんなご示唆、ご指導をお願いしたい。
 
 

 

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