会議資料・開催案内等



29次地方制度調査会第6回専門小委員会 次第



平成20年1月29日(火) 10時00分〜12時00分
三田共用会議所 第4特別会議室(4階)


1   開会


2   議題

  監査機能の充実・強化のための方策


3   閉会

配付資料(PDF)
 
資料1   監査制度を巡るこれまでの各委員からの主な意見等
資料2 地方制度調査会の主な答申事項について
資料3 現行の監査制度について
資料4 地方公共団体と株式会社における監査機関の比較
資料5 監査制度について(追加提出資料)





○林小委員長 それでは、時間がまいりましたので、第6回「専門小委員会」を始めさせていただきたいと思います。
 本日の議題は「監査機能の充実・強化のための方策」となっております。まずは事務局から御説明をしていただきまして、その後に意見交換を行いたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○行政課長 それでは、説明させていただきます。資料1でございます。
 「監査制度を巡るこれまでの各委員からの主な意見等」を整理した資料でございます。お開きいただきたいと思います。
 まず議会が監査機能、監視機能をもっと強めるのであれば、監査委員に議選委員を入れること自体はやめた方がいいのではないかという御意見。
 代表監査委員へOBが就任することを制限することについて検討する必要があるのではないか。
 現在の監査委員やその事務局というものの独立性が問われているのではないか。
 監査委員の直接公選という制度を導入するのは、難しいのではないかという御意見。
 長から完全に独立し、議会が監査委員を任命して、議会の指揮監督の下に執行機関を監査するということが考えられるのではないか。
 長が任命すると独立性が担保できないと思うので、監査委員を議会の同意ではなく、議会が選任する必要があるのではないか。
 監査委員の選任方法については、本来公選制が原則であろうが、現状では困難であるので、独立性が強まるという意味では議会による選任がよいのではないかという御意見がございました。
 2ページをお開きいただきたいと思います。
 監査の強化についてということで、事務局職員の外部登用を考える必要があるのではないか。
 監査を行う者に対して、何らかの責任を負わせる、または監査委員等の仕事の結果が責任を伴って評価されるという制度を導入する必要があるのではないかという御意見がございました。
 3ページ「外部監査制度に関する意見等」についてでございます。
 外部監査制度が機能しているのかという疑問があるとすると、全国レベルで監査機構を設立し、そこが地方公共団体の外部監査をするという仕組みを考える以外にないと思うけれども、そこまでやる必要があるのかどうか。
 外部監査は機能していないのではないか。外部監査の純化が行われない限り、これをどんどん人口の少ない地方公共団体に義務づけない方がよいのではないか。
 オンブズマンが外部監査を行うというのも1つの選択肢ではないか。
 共同組織による外部監査は、国が実施するという側面をかなり含んでいる。国からの矢印があるので、これはかなり問題を含んでいるのではないか。住民がどのように関わっていくのかということを検討する必要があるのではないかという御意見。
 小規模自治体において専門の外部監査人を確保できるかという問題については、例えば都道府県内であれば市町村間の一種の事務組合的な共同の監査機関を置くことも、場合によっては考えられるのではないかという御意見がございました。
 資料2は「地方制度調査会の主な答申事項について」です。最近のもので、引き続き検討とされた事項も盛り込まれているものがございますが、説明をさせていただきます。
 「第25次地方制度調査会の主な答申事項」でございます。
 「監査制度の改革に関する答申」は、平成9年2月に出されたところでございます。ここでは「外部監査制度のあり方」として、個々の地方公共団体がそれぞれ外部の監査能力を有する者の監査を受ける方式と、地方公共団体の共同外部監査組織による監査を受ける方式とを念頭に置いて検討してきた。現時点においては、その実現可能性の観点、外部監査制度としての弾力性の観点などを考慮すると、個々の地方公共団体がそれぞれ外部監査能力を有するものの監査を受ける方式をまず導入することとする。なお、地方公共団体が共同の外部監査組織による監査を受ける方式については、上記の方式による外部監査の導入後の状況を踏まえ、更に検討していくべきであると盛り込まれております。
 「OB職員の就任制限」については、当該団体の事務に精通しているということなどの長所があるものの、一方で身内に甘いのではないかという批判もあることから、当該団体の職員であった者を監査委員に選任する場合は、1人に限ることとする措置を講ずべきであるとされました。
 2ページは「議員選出委員のあり方と選任方法」でございます。
 議員は地方公共団体の行政全般にわたって幅広い見地からの監査を行うことが期待でき、監査の結果を実効あらしめるためには有意義であるという意見や、議会の有する本来の性格から執行機関をチェックするという監査委員の機能に適しているという意見がある。しかしながら、議員選出の監査委員は短期で交代する例が多い。当該団体の内部にある者であるということで、その監査が形式的になりがちではないかという意見があるなど、賛否両論のあるところである。現行制度では、監査委員は議会の同意を得て長が選任することとされているが、監査を受ける立場の長が、監査委員を選任していることについても議論がある。長からの監査委員の独立性をより確保する観点から、監査委員の選任方法を議会で選挙することについて、今後引き続き検討をしていく必要がある。議員選出監査委員の定数については、現行どおりでよいとする意見があるが、その一方で、上記のような監査委員を議会の選挙で選出することとするならば、議員から選任するか否かは当該団体の判断に委ねるとともに、上限を1人とすべきではないかという有力な意見もある。このような議論を踏まえて、議員選出の監査委員の在り方について、今後引き続き検討していく必要があると盛り込まれております。
 3ページは「監査の実施体制の充実」でございます。
 町村の監査委員の定数については、2人または1人とされていることから、監査委員が議員選出監査委員1人のみとなっている団体がある。監査委員を補助する職員も少数の上、他部局との兼任が大部分という状況である。町村における監査体制の充実を図る観点から、監査委員の定数を2名とするとともに、補助する職員の専任化を促進し監査委員を補助する体制を強化するため、町村にも監査委員事務局を設置することができることとすべきである。その際、専門性の確保や事務の効率性の観点から、規模の小さな町村においては、現行の地方自治法に規定されている都道府県知事による勧告制度も活用して、監査委員事務局の共同設置を推進することを検討すべきである。また、有効な人材活用・育成という観点から、市町村の監査委員事務局への都道府県からの職員の派遣、市町村間の人事交流を検討することも必要である。事務局職員の専門性をより高めるために、ある程度長期にわたる専門研修が行えるような体制を検討すべきであるとされました。
 この答申を受けまして、平成9年の自治法改正で外部監査制度が導入され、町村の監査委員についての定数を2名とする、OB制限は1名まで、町村の監査委員事務局を設置可能とするという地方自治法改正が行われたところです。
 監査委員の選任方法、議選委員の在り方等が引き続き検討とされております。
 4ページは「第28次地方制度調査会の主な答申事項」でございます。
 他の執行機関を牽制する役割にかんがみれば、その権限、組織、運営等の基本的事項については引き続き法律で定めることが必要である。ただし、その人数については、監査委員の職責を踏まえると、法律一律に定める必要は必ずしもない。したがって、監査機能充実を図る観点から、識見を有する者から選任する監査委員については、地方公共団体の条例でその数を増加することができることとすべきであると盛り込まれたところでございまして、これを受けまして、平成18年の地方自治法改正によりまして、識見を有する委員の数を条例で増加できるとされたところでございます。
 また、平成18年8月31日の地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針において、監査機能の強化に積極的に取り組むことを要請したところでございます。
 以上、これまでの地方制度調査会の答申で引き続き検討するとされた事項及び本調査会の委員の皆様の前回までの御意見を若干整理いたしますと、監査委員については、第一に独立性の強化の観点から、首長の任命とされている現在の選任方法についての問題、OB制限の強化の問題、事務局の強化の問題。
 第二に、専門性の観点から議会選出の委員についての問題。
 第三に、責任の強化をすべきではないかといったことが出されております。
 また、外部監査につきましては、独立性の強化の観点から、共同組織についての議論が出されているところでございます。
 資料3で、監査制度について議論をしていただく上で、現行の監査制度について、確認の意味も含めて、ごく簡単に説明させていただきたいと思います。
 1ページは「1 選任方法等」でございます。監査委員は地方公共団体の行政全般に関する監査に責任を有する長から独立した独任制の執行機関と位置づけられておりまして、その選任については、議会の同意を得た上で長が任命するとされております。
 「定数」は、ご覧いただいたとおりでございます。
 先ほど申し上げましたように、識見を有する者から選任される委員は条例で増加できるという平成18年の改正が行われております。
 OB制限につきましては、平成3年の改正で設けられまして、平成9年の改正で更に強化され、1人までとなっております。
 「2 解任方法」の「○ 罷免」でございますが、長は公聴会を開催した上で、議会の同意を得て監査委員を罷免することができるとされております。
 また監査委員が退職しようとするときは、長の承認を得なければならないとされております。
 2ページは「4 服務等」でございます。
 「5 代表監査委員」は、識見を有する者から選任される監査委員の1人を代表監査委員としなければならない。「6 監査委員事務局」については、都道府県の監査委員に事務局を置く。市町村につきましては、条例で定めるところに置くことができるとされております。
 3ページは「7 監査の範囲・権限等」でございます。
 監査委員の権限としましては「監査委員が必ず行う監査等」でございます。年1回以上の定期監査、決算審査、例月出納検査、基金の運用状況の審査、健全化判断比率等の審査でございます。健全化法に基づくこの審査は、今年4月から施行されるものでございます。
 「監査委員が任意に、又は長等の請求により行う監査等」でございますが。必要がある場合の随時監査、必要がある場合の行政監査、必要がある場合または長からの請求による財政援助団体等の監査、長・公営企業管理者からの請求による指定金融機関等の監査、住民・議会・長からの請求による事務監査請求による監査、住民からの請求による住民監査請求による監査、長からの請求による職員による現金・物品等の損害事実の有無の監査等でございます。
 監査のために必要があると認めるときは、関係人への調査・出頭要請・帳簿等の提出要請、学識経験者からの意見聴取が可能とされております。
 4ページは時系列的に沿革を表にしたものでございまして、監査委員の数等についての強化が図られている経緯、OB制限の強化が図られている経緯、代表監査委員の制度が創設されたのが昭和38年、行政監査の追加が平成3年、外部監査の導入が平成9年でございます。
 5ページは「地方公共団体の執行機関の選任・解任方法等」についてでございますけれども、監査委員以外の行政委員会において、どのような制度になっているかということを表にしたものでございます。
 これを見ていただきますと、選挙管理委員会が議会における選挙となっておりますが、それ以外はおおむね議会の同意を得て長が選任あるいは長が選任となっております。
 なお、選挙の関係ということで、6ページの海区漁業調整委員会、農業委員会につきましては関係者による選挙となっております。
 5ページに戻っていただきまして、政党制限につきましては、教育委員会では委員の数を3名とする町村を除きまして、新たに2人以上の委員が所属するに至った場合、選挙管理委員会につきましても、政党制限が行われているところでございます。
 7ページは「監査委員と議会の監視機能」についての図でございます。
 監査は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、議会における監視権として、検査、これは書類計算書の検閲、長への報告を請求しまして、事務の管理、議決の執行、出納の検査ができる。また、事務の調査ができる。長、委員会、監査委員に対して議場への出席要求ができる。こういう権限を議会は持っているところでございます。
 なお、監査委員の選任についての同意というところも、この表に載せております。
 8ページは「外部監査制度の基本的な仕組み」でございます。
 監査機能の独立性、専門性の一層の充実を目的としまして、地方公共団体の組織に属さない外部の専門的な知識を有する者による監査というものを制度化したものでございまして、第24次地方制度調査会でその導入が提唱されまして、先ほど申し上げました第25次地方制度調査会における具体的な制度設計の検討を経た後に、平成9年の地方自治法改正で導入されたもので、平成10年10月から施行されております。
 「1 包括外部監査契約に基づく監査」は、毎会計年度、外部監査人イニシアティブによる監査を実施する。
 都道府県・政令指定都市・中核市については、契約の締結を義務づけるということでございます。
 なお、制定時には特例市の制度が存在しておりませんでしたので、中核市までとなっておりますが、対象団体の拡大について検討してはどうかという議論が国会等の質疑でなされているところでございます。
 その他の市町村は条例によって任意に導入とされております。
 「2 個別外部監査契約に基づく監査」でございます。
 議会・長・住民から要求がある場合において、外部監査人による監査を実施するものでございます。
 条例により任意に導入するということでございます。
 なお、平成18年度調査によりますと、都道府県等のほか52団体が条例を制定しているということで、計151団体。実際に個別外部監査契約を締結しているのは、18年度は6団体となっております。
 9ページは「外部監査制度の概要」ということで「1 外部監査契約の締結」でございます。
 「包括外部監査契約」につきましては、連続して4回、同一の者と契約を締結してはならないということでございます。つまり、3年までとなっております。
 契約の締結に当たっては、あらかじめ監査委員の意見を聞くとともに、議会の議決を経なければならないということでございます。
 「個別外部監査契約」につきましては、同様に、契約の締結に当たって、あらかじめ監査委員の意見を聞くとともに、議会の議決を経なければならないとなっております。
 10ページは「2 外部監査契約を締結できる者」でございます。
 専門性を強化する観点から、地方公共団体の監査に資する高度の専門的知識を有する制度的な背景がある資格を持つ者が必要だという考えから、具体的には、地方公共団体が財務管理・事業の経営管理その他行政運営に監視優れた識見を有する者であって、次に該当するものとされております。弁護士、公認会計士、実務精通者、税理士となっております。
 包括外部監査契約について申し上げますと、平成18年度では弁護士は7団体、公認会計士は101団体、実務精通者は1団体、税理士は4団体となっております。
 「3 外部監査契約の解除」は省略いたしまして「4 外部監査委員の義務等」でございます。これは善良な管理者の善管注意義務、公正不偏の態度を保持する等の義務が定められております。
 11ページ「5 外部監査人の監査の事務の補助」でございます。
 外部監査人は、監査の事務を他の者に補助させることができるということでございます。
 都道府県・指定都市・中核市までの包括外部監査人は、1人当たり平均約6.6人の補助者を活用しております。なお、条例制定の市町村の場合には約4.6人の補助者を活用しているということでございます。
 また個別外部監査の場合には、平均約2.2人となっております。
 「6 外部監査人と普通地方公共団体との関係」でございます。
 相互の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。議会、長その他の執行機関または職員は、監査の適正かつ円滑な遂行に協力するよう努めなければならないとされております。
 議会は、外部監査人の説明を求め、または外部監査人に対して意見を述べることができるとされておりまして、民主的なコントロールが制度化されております。
 「7 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく個別外部監査」につきましては、地方公共団体の長は、健全化判断比率のうち、いずれかが早期健全化基準以上となった場合等には、個別外部監査契約に基づく監査を求めなければならないとされておりまして、平成21年4月に施行する予定でございます。
 12ページは「外部監査制度と監査委員制度の関係」でございます。
 地方公共団体の監査を本来的に担うのは監査委員であることを基本としつつ、外部監査制度は地方公共団体の監査機能の独立性と専門性を強化するために設けられたものということで、補完的な位置づけとされております。
 監査委員は、経常的に地方公共団体の監査を実施する、外部監査人は、随時・臨時に地方公共団体の監査を実施するということでございます。
 「監査委員」のところを見ていただきますと、業務が書いてございますが、外部監査人による監査の実施に当たって、次のように外部監査に関して地方公共団体側から関わりを持つものがございます。外部監査結果の報告の受理・公表、外部監査人が関係人の出頭要求等をする場合の協議が監査委員の権限とされております。
 資料4を見ていただきたいと思います。
 地方公共団体の監査制度を検討するに当たりまして、株式会社の制度を参考としてはどうかという委員の御意見等がございましたが、前回も株式会社との関係につきましては説明させていただきましたけれども、地方公共団体との相違点を中心にごく簡潔に説明をさせていただきたいと思います。
 「内部の監査機関の比較」は、2ページからでございます。
 「選任方法」についてでございます。株式会社は、株主総会の決議によって選任となっております。取締役が、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役会の同意が必要とされているところでございます。監査役会が、取締役に対して、監査役の選任を株主総会の目的とすること、または監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することが可能とされております。この点が地方公共団体と異なるところでございます。
 3ページの「構成要件」を見ていただきたいと思います。
 株式会社におきましては、半数以上は社外監査役とされております。社外監査役というのは、会社法の定義によりますと、監査役であって、過去に当該株式会社またはその子会社の取締役、会計参与もしくは執行役または支配人その他の使用人となったことがない監査役と定義されております。それが半数以上とされているわけでございます。
 なお、2006年の調査によりますと、社外監査役のうち62.7%が独立性を有する者とされております。独立性を有さないものとしましては、銀行の出身者、株主出身者等が調査では位置づけられているところでございます。
 「報酬」のところを見ていただきたいと思います。監査役は株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることが可能とされております。
 4ページは「解任方法」でございます。株式会社におきましては、いつでも株主総会の決議によって解任ができるということでございます。議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上でございます。
 「合議体としての役割・決定事項」についての欄を見ていただきたいと思います。地方公共団体につきましては、以下の事項について合議により決定ということでございます。これは慎重な監査と監査結果の社会的信頼性を確保するために、平成3年に合議制が拡大されたところでございます。
 改正以前におきましては、合議制は限定的でございまして、住民監査請求に基づく監査、勧告の決定と職員の賠償責任の有無・賠償額の決定、賠償に関する意見の決定のみ合議制ということでございましたが、改正後は原則合議制とされまして、合議でないのは例月出納検査、指定金融機関の監査の報告の決定のみとなっているところでございます。
 一方、株式会社におきましては、監査役の過半数をもって決定とされております。
 なお、地方公共団体の合議というのは、合議が整わなかった場合には監査結果を決定し得ないとされております。
 監査報告の作成に当たりましては、株式会社においては、少数意見を付記することができるとされております。
 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定を合議体として決定することとされております。
 5ページは「監査対象・権限」についてでございます。
 株式会社の監査役は、取締役の職務の執行を監査するということでございますが、真ん中辺りの下線ですけれども、取締役が不正の行為をし、もしくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、または法令もしくは定款に違反する事実、もしくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告をする、
 監査役は、必要があると認めるときは、取締役に対し、取締役会の招集を請求することが可能ということでございます。
 監査役は、取締役会に出席をし、また必要があると認めるときは、意見を陳述できるということでございます。
 取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類等の調査を監査役はいたしますし、法令もしくは定款に違反し、または著しく不当な事項があると認めるときは、その調査結果を株主総会へ報告することになります。
 取締役は、株式会社の目的の範囲外の行為その他法令もしくは定款に違反する行為をし、またはこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生じるおそれがあるときは、当該行為をやめることを請求することが可能とされております。
 ここが地方公共団体と異なるところでございます。
 6ページの「監査権限の行使方法」につきましては、地方公共団体も個々の監査委員が自らの権限を行使して実施をする。株式会社においても、個々の監査役が自らの権限を行使して実施するということでございます。
 「損害賠償責任等」のところでございます。株式会社につきましては、取締役がその任務を怠ったとき、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任がございます。監査役はその職務を行うについて、悪意または重大な過失があったときは、当該監査役はこれによって第三者に生じた損害を賠償する責任がある等々、株式会社においては責任の規定がございます。なお、地方公共団体においては、監査役の監査についての損害賠償責任として、住民監査請求の対象とはなっておりません。
 次は「外部の監査機関の比較」についてでございます。8ページをお開きいただきたいと思います。
 地方公共団体を外部監査人、株式会社は会計監査人という名称でございます。
 「選任方法」のところを見ていただきたいと思います。株式会社の監査役会は、取締役に対して、以下の行為を請求することが可能ということで、会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出すること、会計監査人の選任を株主総会の目的とすることについての請求が可能でございます。
 「選任要件」のところで、株式会社については公認会計士と監査法人とされております。地方公共団体においては、先ほど申し上げましたように個人と契約を結ぶとされているところでございます。
 9ページは省略しまして、10ページは「解任方法」でございます。株式会社においては、いつでも株主総会の決議をもって解任することが可能とされております。取締役会が以下の行為をするときは、監査役会の同意が必要とされておりまして、解任を株主総会の目的とすること等でございます。
 逆に監査役会が取締役に対して、以下の行為を請求することが可能ということでございまして、解任案件を目的とすること等でございます。
 監査役会は、会計監査人について次の要件に該当するときには、会計監査人の解任が可能とされているところでございます。要件としては義務違反等でございます。
 11ページをお開きいただきたいと思います。
 株式会社につきましては、会計監査人の権限といたしまして、取締役の職務の執行に関し、不正な行為または法令・定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、監査役会へ報告するとされております。
 12ページは「決算書類の審査等」でございます。各事業年度に係る計算書類・事業報告、これらの附属明細書を監査役・会計監査人の監査に付し、取締役がこれを定時株主総会へ提出し、そのうち計算書類について定時株主総会が承認するとされております。
 損害賠償責任につきましては、会計検査人が任務を怠ったとき、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任があるとされております。
 そのほか、そこの欄にあるような責任が法律上、明記されているところでございます。
 地方公共団体においては、それに相当する規定はございません。
 資料5を見ていただきたいと思います。これは追加の資料と書いてございますが、委員の皆様方から資料の要請があったものについて整理をしたものでございます。
 1ページは「昨今の不適正な会計処理等の主な事例」ということでございます。こういった不適正な会計処理等について、監査委員制度が十分機能していなかったのかどうか、そこを十分検証する必要があるではないかという御意見があったかと思います。
 「岐阜県」についてでございます。岐阜県は不正の資金というのは総額17億円。いわゆる裏金でございますけれども、返還総額は利息を含めて19.2億円でございました。
 「監査委員による監査への評価等」の欄を見ていただきますと、監査委員監査において、これまでこうした不適正資金の存在を発見できなかったことについて、大変申し訳なく思っていますということでございます。
 その改善策としまして「○実効性の強化」として、監査委員の増員を行ったところでございまして、4人から6人に増員しました。
 「○独立性の確保」は、監査業務の第三者への委託ということでございますが、予備監査を監査法人に委託するということでございます。そのほか、この表にあるとおりでございます。
 「大阪府」でございます。大阪府におきましては、不適正な会計処理による現金の保管、費消、捻出が判明したものでございまして、いわゆる裏金でございます。
 「事案の背景・原因等」にございますが、裏金を引き継ぐ一部の職場の慣習、職場でおかしいといえる環境でないなど、府民感情とかけ離れた府の体質が、今回の根本的な原因であると考えられるということでございますが、監査委員事務局、出納部局が全く機能を果たしていないことも、要因の1つとなっているということが反省として挙げられております。
 「監査制度に関する主な改善策等」でございますけれども「○監査・検査における会計事務専門家の導入」ということで、平成20年度から会計事務の専門家、公認会計士を導入するということでございます。
 「○監査・検査の連携強化」でございます。
 2ページをお開きいただきたいと思います。
 「長崎県」でございます。これは消耗品を購入したように見せかけて代金を支払って、それをいわゆる預け等の物品調達に関連した不適切な事務処理が行われていたものでございます。財務に関する事務の執行などを監査する機関として、長年預け問題を見逃していたことについて責任があるということでございます。
 「監査制度に関する主な改善策等」でございますけれども「(ア)特定課題についての実施等監査手法・実施方法の見直し」ということで、これまでの指導的な観点からの監査に加えまして、摘発的な観点も入れた厳正な監査を実施していくということ、公認会計士とアドバイザー契約を締結しているということ、
 研修の充実による監査能力の向上、プロパー職員の育成を図っていくということ、
 物品調達に特化した臨時の出納局の指導検査を実施するということでございます。
 「2 外部監査制度の活用の検討」が挙げられております。
 「宮崎県」でございます。これも物品購入等の代金として、取引事業者に管理させる預けという不適正な事務処理が行われていたものでございます。財務に関する事務の執行などを監査する機関の代表として、不適正な事務処理が行われていたという結果に対して、責任があるとされております。
 チェック体制が有効に機能しているか等の内部統制に関する監査を強化するとともに、予算の執行、物品の管理に関して、対象所属、対象事項等を重点化して監査を実施するとされております。
 3ページをお開きいただきたいと思います。
 「夕張市」でございます。これは皆様御承知のとおり、赤字を見えなくする不適正な財務処理手法を長年繰り返して行っていたものでございます。議会運営の中でも、市民に対してガラス張りにすべきところの情報公開がなかった。また、それをチェックする機関が十分なチェック機能を果たさなかったなど、夕張の18年間353億円という膨大な財政破綻の額を背負ってしまったという事件でございます。
 「監査委員よる監査への評価等」のところでございますが、市の監査委員については、識見を有する者と、議会選出の監査委員ということでして、委員については、当時からといいますか、前回の監査委員も、財政部長だった職員が就任しておりました。直近では、同じく元市職員が監査委員をしておりました。監査委員とのやりとりは余りなかったと記憶しております。ここの夕張市の部分につきましては、地方分権改革推進委員会のホームページの掲載資料を基に抽出したものでございます。
 「監査制度に関する主な改善策等」としましては、必要に応じて外部チェック機能の強化を図りたいと思っておりますということでございまして、現在の市長は外部監査の導入を公約として掲げられております。現時点で私どもが確認したところでは、まだ導入はされていないということでございます。
 「大阪市」でございます。大阪市は、カラ超勤、ヤミ退職金・年金、福利厚生関連の公金支出の実態が明らかになったということでございます。福利厚生いわゆる厚遇問題ということで言われたわけでございます。
 「監査委員による監査への評価等」のところでございますが、厚遇問題の是正の部分については、監査委員による監査が相応の機能を発揮したと言えるが、そもそも監査委員は住民監査請求がなされなくても、自ら積極的に監査をなし得る権限を持ってるのであり、それにもかかわらず、長期にわたり実施されてきた数々の厚遇に何らメスを入れることができなかったことは看過しえない問題であるとされております。
 「監査制度に関する主な改善策等」として、監査内容の質的向上、きめの細かい監査の実施、監査の実効性の向上、市民にわかりやすい監査の取組状況・結果の周知等が挙げられております。
 以上が「昨今の不適正な会計処理等の主な事例」についての説明でございます。
 4ページから「個別外部監査の具体例」ということで、前回も委員の御要請に対しまして、簡単な資料を出されていただきましたが、もう少し具体的な中身のわかる詳しい資料ということでございましたので、ここに添付をさせていただいたところでございます。
 これら資料の細かい説明は省略させていただきますけれども「外部監査人の資格要件」「補助者の数」のところだけ、簡単に説明させていただきます。
 墨田区でございます。これは住民監査請求に係る個別外部監査で政務調査費についてでございました。外部監査人は弁護士でございまして、弁護士3人が補助者になったということでございます。
 5ページは杉並区でございます。長の要求に係る個別外部監査でございまして、区営住宅・区民住宅等の住宅施策についてということで、外部監査人は公認会計士でございました。補助者は3人ということで、公認会計士2人と会計士補1人でございます。
 6ページは台東区でございます。長の要求に係る個別外部監査でございまして、保育事業についてでございました。外部監査人は公認会計士で、補助者は3人、公認会計士1人、会計士補2人でございます。
 7ページは山梨県の南アルプス市でございます。長の要求に係る個別外部監査でございまして、公の施設の指定管理者の出納事務局等についてでございます。外部監査人の資格要件としては、公認会計士が外部監査人でございましたが、補助者はいないということでございます。
 8ページは兵庫県の三木市でございます。長の要求に係る個別外部監査で財政援助団体等の経営についてということで、公認会計士が外部監査人となっております。
 9ページは熊本県の阿蘇市でございます。長の要求に係る個別外部監査で、財政援助団体等の財産管理等についての監査でございまして、公認会計士が外部監査人で、補助者は4人、公認会計士3人、弁護士1人ということでございます。
 以上で、私からの説明は終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○林小委員長 ありがとうございます。
 それでは、今いただきました事務局の説明につきまして、意見交換を行いたいと思います。御質問等ございましたらお願いをしたいと思いますが、いかかでしょうか。どのようなことでも結構です。
 済みません、私から質問をさせていただきます。
 健全化法との関係のところでちょっと確認をしたいのですけれども、内部監査で判断比率を審査する。そして、これが早期健全化の基準以上であった場合は、外部監査だということです。この場合の審査は、内容をどの程度まで審査するのかという、つまり、判断基準を審査するというのは、一体どういうことなんでしょうか。
 例えば基準以上になってしまった場合に、その原因はどこにあるのかといったところまで審査するのか、あるいはそこまでやらないと審査の意味は恐らくないんだろうと思うんですが、審査するということの中身です。指標が適正に計算されているのかどうかという話なんでしょうか。

○行政課長 審査についてなんですけれども、健全化法の3条によりますと、健全化判断比率とその算定基礎事項を記載した書類を監査委員の審査に付し、その意見を付けて当該比率を議会に報告するとなっております。算定基礎事項について、その書類を見て健全化比率という議会に報告する数字が正しいかどうか審査する位置づけになっているところでございます。

○林小委員長 私の方からはよくないのかもしれませんけれども、行政監査という場合に、監査制度の対象となるものが、例えばバリュー・フォー・マネーがどうかとかという話まで、本当は入ってきているんだろうと思うんです。
 ところが、今の御説明ですと、数値がきちっと適正に計算されているかどうかということであって、なぜそういうことになってしまったのかというような行政の在り方、効率性とかといったところまでは要求をしていないような気もするわけです。そうすると、監査制度の機能強化を考えたときに、どこまで監査の対象に含めるのか、あるいは期待するのか。責任を持たせるという場合も、何に対する責任なのか、権限だとかあるいは義務だとか、そういう果たすべき仕事に対しての責任ですから、これも責任強化ということをどなたかおっしゃったと思うんですが、それはどこまで期待しているかによって責任のとり方は大分違ってくると思うんです。
 ですから、どうしても独立性とかあるいは専門とかという場合に、どこまで期待するのかというところを議論しないと、なかなかこの制度設計にいかないのではないかという気もするんです。ですから、その辺りを確認の意味で、審査の意味はどうなのかということをお聞きしたわけです。
 その辺りは、委員からいただいた御意見を今日はまとめていただいていますので、それを更に突っ込んでいくというか、深掘りをしていくことも必要ですので、その辺りも踏まえて何か御意見をいただければと思います。よろしくお願いをいたします。

○行政課長 すみません。責任の関係について、よろしいでしょうか。
 先ほど説明させていただきました資料4でございますけれども、監査役については6ページでございます。監査役は、民間企業の場合には責任を負うという形の規定があるということでございますが、株式会社の監査役については、いわゆる取締役会に出席する。あるいは経営会議にも出席をするということで、ボードの一員になっているということでございまして、そういう意味で監査役の場合には、任務を怠ったとき、あるいは生じた損害を賠償する責任がある。こういうふうに考えられるのではないかということがございます。
 一方、会計監査人についても責任の規定がございますか、こちらの方はいわゆる財務監査に限定されている。つまり、財務帳簿の正確性について会計監査人がきちんと署名をする。こういう責任があるわけでございまして、これは足利銀行あるいはカネボウの問題が出てきまして、会社とぐるになって問題を起こしたことから、責任規定が強化されたと承知しているところでございます。

○林小委員長 いかがでしょうか。
 小林委員、どうぞ。

○小林委員 前回責任の話を出したのは私だったと思うので、少し整理をする意味で発言をさせていただきます。
 うまくいかなかった例はありませんかというお話を出したのも私だったんですが、今、幾つか挙げてある資料を見ながら考えていたんですけれども、うまくいかなかった原因をより分けて考えていくという必要があるんだと思います。何が原因か明確に突き止めるのはなかなか難しいとは思うんですが、ポイントとなるのは、大体4つぐらいあるのではないかなと私は考えています。
 1つ目は、監査委員も含めて監査をやる人が、そもそも仕事を怠ったのか。一生懸命仕事をしなかったために見つけられなかったのかという点。
 2つ目は、監査を受ける側と監査をする側の結託があったのかなかったのか。
 3つ目は、監査を一生懸命やったのだけれども、結果として情報を発見できなかった、不正な処理を発見できなかった。一生懸命やった結果、それでも発見できなかったという情報へのアクセスの困難さの問題。
 先ほどの結託のお話とアクセスの困難さというのは、外部監査の独立性と、地制調も含めて流れとしては外部監査の強化というお話がありますが、やはり業務に携わっている人間が一番情報へアクセスしやすいという点も無視できないと思うので、その辺のバランスを図りながら監査という問題を考えていく必要があるのではないかと私は考えています。
 4つ目は、そもそもそういう会計処理なりお金をためておくことが、大きな問題に発展するという知識を持ち合わせていなかったのかどうか。そのほか、会計上の技法とか自治体独自の会計処理の仕方等々があると思うので、そういった知識の問題が十分に監査をやる人にあったのかなかったのか。
 そういう4つぐらいに整理しながら考えていくと、比較的見やすくなってくるのではないのかなと私は思います。
 以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。
 恐らく機能強化という場合も、モラルの問題や情報がきちっと監査の方に伝わってくるのかどうかという問題。努力したけれども、情報が十分ではなかったので発見できなかった。これに対して責任はどうとるのかというような問題。
 これは先ほどの私のバリュー・フォー・マネーを考えようと思ったら、ただ単に財務監査だけでは駄目なので、そういう意味では情報も非常に重要になるだろうし、スタッフの監査を行う能力、知識、こういう問題も出てこようかと思います。この辺りを整理しないと、機能強化になかなかうまく制度設計がつながっていかないのではないかという気もするので、整理していただいて非常にありがとうございます。
 先ほどの不公正な支出を発見できなかったというのは、監査の問題なのかあるいは内部の問題なのかという問題。明らかに不正かどうか、また今までの慣習からいってそうでもなかったのではないかといったような話とか、いろんな種類のものがあるんだろうと思うんです。ですから、その辺りもきちっと整理しながら、内部の職員のモラルの問題と監査の問題に切り分ける必要もあるかもしれません。
 その辺りも、今、整理いただきましたので、そういうものも踏まえて御議論いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○小幡委員 今の議論とも関わりますが、監査機能の充実というときに、今回何か改正するとして何の強化を一番目指すのか。そこは大きなポイントではないかと思います。
 株式会社の会計監査人の場合は、財務監査にほぼ特化している。それに対して、行政監査、コンプライアンス全般も含んで、地方自治法の外部監査は割りと広く、財務監査に限らず、やり方自身についても言えるような、弁護士もなれることになっている。そういうつくりにしているんです。
 私は、せっかくですから、そういうところも大事だなと思いますが、今、機能強化というところに求められているのは、もし財務だけに特化しているのであれば、それはそれでそういう改正の仕方をしていかなければいけないと思いますので、その辺りをきちんと押さえておいた方がよいと思います。
 責任の話なんですけれども、今の株式会社との比較の資料4で、地方公共団体の方は損害賠償責任等について空白になっていますが、住民訴訟等で起こる可能性はどうでしょうか。株式会社の方の847条で、会計監査人に責任請求を請求して、そして、株式会社が本当は起こさなければいけないというつくりになっています。以前は代理訴訟でしたけれども、新4号になっているので、可能性はあるのか、ないのかという話。それについてまずお答えいただけますか。

○行政課長 住民監査請求についてですけれども、監査委員の事務局がいろいろ経費を支出して、それについて違法な支出があったというか、これは住民監査請求になるんですけれども、地方自治法上は監査委員が監査を見逃したとか、そういうことで住民監査請求の対象にはならないという条文立てになっております。
 しかし、そういうことで監査委員が責任を果たさない場合には、罷免されることはあり得るということでございます。

○小幡委員 今の条文のつくりだと、そこが除かれてしまうという読み方になりますか。

○行政課長 はい。

○小幡委員 そもそも前置されている住民監査請求ができない。そこはまた詰めていただければよろしいかと思います。

○行政課長 条文で説明いたしましょうか。

○小幡委員 はい。

○行政課長 少し条文で説明させていただきます。
 住民監査請求の242条でございますけれども、地方公共団体の住民は、長、委員会もしくは委員ということで、委員が入っています。それについて、違法もしくは不当な公金の支出、財産の取得、管理もしくは処分、契約の締結、履行もしくは債務その他の義務の負担があると認めるとき、または違法もしくは不当に公金の賦課、徴収、財産の管理を怠る事実を認めるときに、地方公共団体の被った損害について監査の請求をできるという形になっておりますので、公金の支出、監査委員事務局が対象にならないということではないんですけれども、監査行為そのものについては住民監査請求の対象にはならない。そういう意味でございます。

○小幡委員 わかりました。今の条文のつくりでは、確かに統制というか、監督自身についてはならないというつくりになっているので、確かにここは空白にならざるを得ないのかもしれません。
 責任というのは非常に大事だと思うんですが、要するにリスクだけあって報酬が伴わないのではなり手もありませんし、悲惨な状態になりますので、もし責任を改めてつくるということであれば、やはりそれに見合ったところの報酬を支払えるというか、その辺は住民負担になるわけですから、そのことも考えなければいけないと思います。
 ちょっと見たところ、個別監査の例で契約金を今回入れていただいたんですけれども、大体個別監査契約でこのぐらいになっているのはわかるんですが、包括外部監査も報酬はわかりますね。責任を考えるときに、報酬との兼ね合いもあるかなという感じがいたしました。

○林小委員長 どうぞ。

○行政課長 報酬について若干説明させていただきます。
 これは高い方になりますけれども、東京都の監査委員の年収ですと、代表監査委員が1,640万円。その他、常勤の識見委員が1,610万円。非常勤の識見委員が520万円。議会選出の委員が290万円でございます。議会の選出の委員につきましては、議員報酬が別途あるということでございます。
 横浜市ですと、常勤ですと86万円。非常勤36万円。
 夕張市ですと、議員の選出が1万2,000円。非常勤が2万円という状況でございます。
 なお、民間の場合にはいろいろございますが、総額で決めているようでございますけれども、監査役5名で1億1,000万円とか6,800万円とか、これはかなり大きな会社でございます。名前は控えさせていただきますが、そういった例がございます。

○林小委員長 よろしいですか。

○小幡委員 あとは私だけではなくて、皆さんにどうお考えいただくかだと思います。
 もうこれでやめますが、もう一点だけお伺いしたいと思います。多少株式会社と違うところは、株式会社も株主がいるのでそこはパラレルなのかもしれませんが、やはり住民との関係で情報公開という制度が住民にもできて、さまざまな情報の公開を要求して、そして、住民監査請求もできるというところの組み込み型、本来は住民監査請求というものがせっかくあるわけですから、それに対していかに責任ある形で的確に応えるような監査人を制度設計できるかというところが、私は非常に大事だと思いますので、住民との視点はやはり大事にしながらの制度設計が必要かなと思っております。

○林小委員長 どうぞ。

○江藤委員 今、責任の話で4つに分けられていてなるほど今後追求しなければならない課題だなと思っていました。ただ4つとも任命する首長と関係がある。制度の問題として考えることも必要。例えば、怠けとか能力不足を誰が任命したかという話だと思います。
 もう一つは、結託というところであれば、結託しているような構図がおかしい。情報を出さない行政の体質もおかしい。恐らく任命権がある首長の姿勢に関わることだろうと思います。
 そうだとすれば、今までも議論している監査委員の責任の所在を議論するのも大事だと思うんですが、もうちょっと広くとった場合は、そもそも本来議会がやる話ができないから監査委員に、そして、それが首長の任命に、これもなかなか作動しないから外部監査にという議論で制度化されたと思うんです。もう一度原点に戻る議論というか、今までこの間議論してきたことであれば、議会は主導的に権限をアップして、そして、監査委員を議会の下に置いていくというストーリーになってくるのではないかとは思います。
 責任ということであれば、それこそ議会がパワーアップしていく。これは次回以降の議論になってくると思うんですが、そして、今日、議論しているのは財務監査だけではないですね。行政監査も含めてだと思うんですが、それを必置化するかどうかという議論だと思います。私は基本的にした方がいいと思います。今の議論の流れですけれども、議会が選任して、事務局の充実などによる強化。この間提出されている資料では、そういう議論かなと思っていたので、監査委員のところにスポットを当てて責任の所在を議論することも私は大事だと思います。それ以上に、一体だれがそれを任命したのかという制度を、少し議論した方がいいかなと思ったものですから、一言だけ述べさせていただきました。

○林小委員長 確認をさせていただきますと、行政監査といったときに、例えば施策の優先順位などのところまで、議会は当然そういうことをやるわけですね。

○江藤委員 そうですね。

○林小委員長 議会に属する形になると、そこまで踏み込んだことになるんですか。それとも施策の優先順位などは所要として、そして、それが最少の経費で行われているかどうかとか、そういうことに限るということですね。

○江藤委員 はい。

○林小委員長 わかりました。

○江藤委員 今回の地制調でかなり抜本的な議論をするとすれば、今みたいな話をしなければいけないと思うんです。ただ、現状の微調整でいくということであれば、今後、恐らく議選の意義や問題点、同意をどれだけパワーアップしていくかというところを議論する必要があります。どの辺りを議論すればいいかが見えないところもあります。

○林小委員長 小幡委員も外部監査に限るのか、あるいは行政監査まで含めるのかによって、随分議論が変わってくる。これを含めてやはり議論をしなければいけないと思います。
 今のところ、結論を出して、ここまでだということはなかなか難しいので、やはり喫緊の課題としてやらなければならない部分がある。財務監査でも、恐らくすぐにやれるようなものと、そうでないものもあろうかと思いますので、そういうことも含めて少し整理をしていただいたこともありますので、議論をしていただければという具合にも思います。
 どうぞ。

○大山委員 前回欠席してしまいましたので、議会と監査機能の関係について意見を述べさせていただきたいと思います。
 地方議会というのは、そもそも立法機関といいますか、条例をつくって、政策決定をしていく機能が1つあって、もう一つは行政監視というものがあって、どちらに比重をかけるかというのは結構問題だと思います。勿論、国会と違って二元代表制なので、現状以上に条例制定などに力を入れることは私も否定しないんですけれども、やはり議会が政策を全部決めていくのは、二元代表制であっても結構限界があると思うので、基本的には私は行政監視にもうちょっと力を入れていった方がいいのではないかと考えています。
 ただ、行政監視というものも、議会というのは素人の集まりで、それがいいところでも勿論あるわけですから、今お話に出ているような細かい計算のようなことはできないわけです。そこをどうするかということが一番問題になってくるかと思います。
 1つの方式は、今までお話が出ていますように、議会の選任というか、もうちょっと踏み込んで議会の附属機関として行政監査をするような監査委員みたいなものをつくってしまって、そこと議会が連携して、もし政策に踏み込むような問題が出てきたら、議会でも取り上げることが考えられるのではないかと思います。
 そのモデルとして、これは10年ぐらい前に国会でも随分話題になった話なんですけれども、アメリカの会計検査院、GAOというんですけれども、これは立法府の附属機関なんです。それを日本でも取り入れて、国会で行政監視院というものをつくろうという法案が野党提案で出て、結局それは通りませんでしたけれども、国会でそういうことをやるのは私は非常に難しいと思っています。というのは、議会というのは多数決で動くところですので、議院内閣制で与党が支持している人たちが内閣を構成している場合に、議会主導で会計検査をしていくのはかなり無理があるので、私は行政監視院法案自体は余りいいことではないと思っていました。
 でも、翻って地方議会のことを考えて見ますと、これは二元代表制で、本来、与党、野党というものはないはずですので、附属機関としてそういうことを考えていく余地は十分にあるし、それはいろんな例を見ながら、制度設計していくことは可能ではないかと思っております。
 以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。どうぞ。

○片山副会長 今、監査委員の責任論という話が出ましたけれども、それにちょっと近いんですが、私は監査委員の皆さんは張り合いがないのではないかという気がするんです。そこにもってきて責任だけ負わされることになると、もっと張り合いがなくなってしまうと思います。
 張り合いがないというのはどういうことかというと、今までみんなから余り大切にされてきていないんです。例えば首長が任命しますから、首長が監査委員に対して、私のためにきちっと監査してくださいということが本当はあるんです。部下職員を使って仕事をしていますから、そこでいろいろ無駄や非違事項、不正などがあったら首長は困りますから、首長が監査委員に対して、きちっと組織を監査してくださいということだと思うんですけれども、当の首長さんがほとんど監査機能を重視していないというか、あり体に言えば、監査されたくないと思っている人が多いんです。自分自身を監査されたら困る人が多いですからね。したがって、監査委員になってはみたものの、彼らにはほとんどミッションがないんです。やり過ぎたら当の首長に疎まれる。それは本当は間違いでして、首長さんにとっては、監査してもらうことはいいことなんです。
 例えば官製談合で捕まった首長がいますけれども、官製談合は割高な契約になるんです。そういうものを監査で芽を摘んでもらっておけば、あんなことにはならないんです。深みにはまらないんです。究極は自分自身のためになるんだけれども、やはり目先の厄介なことをいろいろ言われたくないということでないがしろにされてしまうことが多いんです。
 それから、職員は厳しく監査されることを一番嫌がるんです。意識が低いからです。本当は職員もきちっと監査しもらって、是は是、非は非で、非を退治していけば、自らもいい仕事ができるんですけれども、なかなかそこまで職員の意識が上がっていなくて、非違事項をいろいろ言われるのが嫌だから、監査はそっとしておいてほしいということなってしまうんです。
 総務省の皆さんも胸に手を当ててみたら、監査制度なんて余り評価していませんよね。いかがですか。行政課でも今まで議会や監査には、ほとんど関心がなかったですね。余りきちっとしてもらいたいとも思っていませんね。

○行政課長 それはないです。

○片山副会長 皆さんも地方団体へ行って幹部職員をやって、正直、監査されるのは嫌でしたよね。でも、行政評価は皆さん一生懸命やられるんです。行政評価は内部の言わば自分の自己評価だから、人からいろいろ言われないから、官僚の皆さんは好きなんです。行政評価なんかに力を入れるよりは、距離感のある監査をきちっとしてもらった方が体質改善になる。そういうふうに意識をみんなが改善しなければいけないんです。
 監査委員制度をきちんと立て直すよりは、外部監査でお茶を濁したり、行政評価に力を入れてみたりして、要するに監査はこの間ずっとわきに追いやられてしまっていて、だれも支えてくれる人がいなかったんです。先ほど言ったように、本来首長が監査委員にミッションを与えなければいけないし、もう一つは、納税者がやはり支えなければいけないんです。ところが、今の仕組みだと、納税者にとってほとんどメリットが感じられないんです。
 例えば税率が変わるということがあります。監査というのは、最少の経費で最大の効果を上げるというのが1つのミッションなんですが、これをやったら無駄な経費が浮き彫りになって、したがって、行政コストが下がる。その結果、税率が下がることになれば、本当は監査委員のミッション感覚というか、張り合いが出てくるだろうと思います。
 ところが、日本の場合は、税率を標準税率未満に下げるということは、事実上、今できません。そうすると、みんな標準税率に張りついた税率でやっていると、幾ら監査しても税率も変わらないということになって、ここでも張り合いがなくなってしまうんです。だから、1つはこの監査制度の見直し、議会制度もそうなんですけれども、究極は税率がもっと自由に、各年度、行政コストと連動して変わるという仕組みにしなければいけないと思います。そうすると、納税者、住民の関心も高くなるし、監査する人も張り合いが出てくる。
 少々監査をしても、そんなに出てくるはずないでしょうと皆さんおっしゃるかもしれませんが、今、年度末が近いですけれども、年度末に使い切りということをどこの自治体もやっているんです。おろかなことをね。
 私が鳥取県にいたときに、年度末の使いきりをやめましょうということで、3年ぐらいかかりました。完璧かどうかわかりませんけれども、大体成敗できたなと思っているんですが、小さい県ですけれども、150億円ぐらい一般財源が出てくるんです。一般財源が交付税と税で大体2,000億円ないんですけれども、1割近い額が余剰金として出てくるんです。今はまだどこの団体もやっていますが、年度末に余ったお金を使い切るとか、物品を買うとか、こういうことをやめるだけでも、それぞれの自治体で随分出てくるんです。税率が多少なりとも変わるぐらい出てくるんです。これぐらいのことはやったらいいと思います。
 ところが、どこもやらないんです。国も使い切りでやっています。これだけ財政難で、消費税も上げなければいかぬとか何とかかんとか言っているのに、各省はそろって、年度末には一生懸命使い切るんです。使い切るために、何に使うか一生懸命残業して考えて、そのための残業手当で使い切ったとか、こういうおろかなことを今やっているんです。だから、役所の性根を変えなければいけないんです。総務省の皆さんも変えなければいけないんです。国も自治体も変えなければいけない。
 本当にスリムで税金を無駄遣いしない組織体をつくっていくように、変えなければいけないんです。それがないと、幾ら監査の小手先のところを権限強化とか何とかしても、性根が曲がっているとだめなんです。そこから変えなければいけないなと私は思います。耳が痛いでしょうけれどもね。

○林小委員長 どうぞ。

○西尾委員 今の片山副会長の意見に何も反対はないんですけれども、その1つ前の大山委員の御意見にコメントしたいと思います。
 前回、私は監査委員の制度について意見を述べまして、今、問われているのは監査委員の独立性なのではないか。長が選任をし、議会の同意を得て任命するというやり方に根本的な問題があるとすれば、あとは直接公選で監査委員を選ぶか、議会選任にするか、どちらかの方法しかないのではないか。長からの独立性を確保しようと思うと、そういう方法になるのではないか。
 日本の現状から見ると、議会が選任する。議会の下に置く方がいいのではないかという意見を前回述べまして、アメリカ連邦政府の連邦議会にGAOが置かれている話もいたしまして、その点に関しては、大山委員が先ほど述べられたこととほとんど同じことを前回私が申し上げました。
 ただ、もう少し厳密に考えていくと、議会による選任はいいとしましても、議会の下に置いた方がいいかどうかということは、もうちょっと慎重に考えなければいけないかなと考え直しています。それは現行制度をそのまま前提にするかどうかにもよるのですけれども、現在の監査委員に対しては、長からも監査請求ができますし、議会からも監査請求ができるし、住民からも監査請求ができる機関になっているんです。議会に直属させたときは、長からの請求があり得るのだろうかということが、まず問題になりはしないかと思います。そのときは、長からそこへ請求するのはなしなんだと考えてしまって、長から切れた監査機構にするのかどうかという問題になると思います。
 もう一つは、議会も監査対象なんです。最近の政務調査費問題などは、まさに議会のやっていることを監査委員が問題にせざるを得ないということなんです。それが議会直属の監査委員でできるだろうかということも考えなければいけないのではないか。そうだとすると、選任は議会で行うけれども、選挙管理委員会が独立しているように、やはり長からも議会からも独立した監査委員にしておくべきなのかどうかという辺りは、少し詰めて考えないといけないのではないかと思っています。
 以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。どうぞ。

○小林委員 先ほどの片山先生のお話とちょっと兼ね合いがあるんですが、責任のお話の部分で、これはマイナスに働くとは思うんですが、前回か前々回ぐらいに監査がうまくいった例を幾つか出していただいたと思うんですが、先ほど片山先生が張り合いのお話をされていましたが、こういういい監査が出たときに、何か評価する仕組みというのは現行では全くないんでしょうか。
 ないとすれば、何らかの形で住民のために正しい監査というか、住民のためになるような監査を出したときに、金銭的にせよ、非金銭的、例えば社会的な地位が高まるような、いずれかあるいは両方でも構いませんが、そういった仕組みを入れると有効に機能してくるのではないか。経済学流に考えていくと、しょっちゅうそういう話が出てきますので、そういう仕組みをうまく入れることはできないのかなどうかということも、1つ考えていった方がいいのではないかと思います。

○林小委員長 片山さん、どうぞ。

○片山副会長 今のお話を敷衍しますと、監査委員や監査委員事務局の職員が一番喜ぶのは、首長が褒めてあげることです。こんなのをよく見つけてくれました、これで随分助かりましたと褒めてあげると、それでまた張り合いが出て、次も一生懸命やりますということになるんですけれども、現実にほとんどの首長さんは、いい監査をしてくれたら嫌な顔をするんです。職員はもっと嫌な顔をします。
 そうすると、やはりやらない方がいいなということになって、特に監査委員事務局の職員などは、みんな首長部局から来ていますから、いい監査をして、首長や幹部職員、幹部からにらまれたら、もう戻れないのではないかという恐れを抱いて、ほどほどにしておこう。致命的な監査はしないで、かすり傷みたいなものを出して、さっさとほこりをはらうぐらいの監査でとどめる。大体そういうことになっているんです。だから、そこの構造を変えないといけないんです。そこで首長が嫌がっても、納税者が喜んでくれるという張り合いがあれば随分違ってくるだろうと思います。それは例えば固定資産税がちょっと下がりますとか、住民税が下がりますということがつながれば、大きな力になるのではないかと思います。

○林小委員会 いかがでしょうか。斎藤先生、どうぞ。

○斎藤委員 今のお話に少し関連する点が1点です。外部監査の責任やインセンティブということでいえば、これは自治体との間の契約ですから、理念的にはきちんとした外部監査がなされていなければ、それは現行制度でも契約違反だということがあり得るわけです。ただ、これだけのことはやってほしいというか、契約のスタンダードというかチェックが自治体できちんとできないと、それは絵に描いた餅になってしまうんだと思います。ですから、外部監査契約をする際のノウハウというか、そういうものも蓄積が必要である。
 インセンティブでいうと、例えば外部監査を一生懸命やればそれなりのお金がくるとか、これは現行制度ではできないのかもしれませんが、例えば省エネルギーの改修などは、エネルギーの節減分をもって報酬とするというような契約が自治体と回収を請け負う企業との間でできるはずですから、結果を出したことによる契約金というか、そういうことができるのかできないのかというのがあるのではないかと思います。
 2点目は、外部監査と監査委員の役割分担で、これは資料の中にも出てきましたが、専門性、独立性を補完する意味で外部監査を導入したわけですが、先ほどの不正に対する対応の中で、予備監査を公認会計士に依頼するとか、公認会計士に監査委員になってもらう。そういう手法を監査委員の制度のなかでおとりになると出ていました。そうすると、また両方が混在してくる。できるものは何でもやればいいということなのかもしれませんが、そういったものが監査委員で確保できないのであれば、外部監査をもっと使いやすいように充実させるという方法も1つあるのではないかと考えます。
 最後は外部監査なりそういうものが単独の自治体で利用できないというのであれば、共同というのが考えられるというので、前回の意見の中にも載っています。恐らく私の意見が集約されている中で、ややネガティブな国からの統制という面があるのでということが出ていますが、そこは少し強く集約し過ぎといいますか、諸外国の例では、国からの行政統制という面を持った共同組織である。だから、そういう面を払拭した上で共同的なもの、あるいは住民のイニシアティブが働くような共同制度であれば、これは検討してもしかるべきではないかと思います。
 以上です。

○林小委員長 どうぞ。

○行政課長 今の契約について、インセンティブを働かせるような契約が現行ではできるかどうかという御質問があったんですが、その点についてだけお答えさせていただきます。
 契約でということでございますので、契約の中身について、例えば成功報酬的といったものを定めることは可能だと思っておりますが、それがうまく機能するようなインセンティブを与える契約はどうしたらいいのかといったことについては、今まで余りそういったことについて検討されていない観点かなとは思います。

○林小委員長 金子委員、どうぞ。

○金子委員 制度という話でもないんですけれども「昨今の不適正な会計処理等の主な事例」を見ておりますと、行政の現場にいて、実際の事務処理をして、公金の支出をするところが一番情報を持っているわけです。これを見ていますと、そういう情報隠しを組織的にやられてしまうと、監査委員なりでもなかなか見つけられないということで、こういう不正事案になってきたのではないでしょうか。
 先ほど片山委員からもありましたけれども、行政評価みたいなものは、盛んに好んでやるというお話もありました。そういう行政の現場にあるような情報を、悪いことも、いいことも全部一緒に吸い上げて、うまく資料を作成する仕組みが作れないのか。どういう仕組みなのかわからないんですけれども、ある程度組織的にというか、制度として、そういう資料が出てくるような仕組みができれば、監査委員に資料が出てそれを見てわかるとか、あと住民にもわかる。そういう資料が公開されて、わかる。いくら監査委員に仕事をしろとか、監査委員会の事務局にしっかりしろと言っても、結局のところ、行政の現場で情報隠しとか情報を全然出さないということになると、機能は強化しても実効が確保できない。重要なのは、そういう情報をいかにうまいこと出させるかということ。悪いことが全部出てくるのではなくて、悪いことを発見できるような糸口となる情報も含めて、何かきっかけみたいな情報が得られればいいわけです。今はそういうことすら出ない。そういう状況ではやはり問題なので、そういう情報の作成の仕方、資料の作成の仕方、インセンティブという意味では、首長さんが喜ぶ行政評価などに絡めて、監査に関する悪いことが出るような仕組みをつくることを考えると、実効ある監査になっていくのかなという感じがします。
 権限を強化しても、いくらインセンティブを与えても、結局、情報がなければ何もできないわけですから、実質的に監査制度が機能していくためには、その辺りを考えていかないと、なかなかうまくいかないのかなという感じがいたします。
 以上です。

○林小委員長 おっしゃるとおりです。最少の経費で最大の効果を上げるのが自治体分野の目標だとすれば、特に行政監査ということになっていくと、行政評価システムとの連携をどのようにとるかというところがないと、なかなか情報も伝わってこないわけですから、そういうものが評価できる人材と同時に情報が必要だ。
 その辺りも監査制度を考えたときに、踏み込んで考えていくのか、とりあえず独立性をどうやって確保するのかという話でとどめるのか、あるいは監査制度の責任というよりは、むしろ、行政内部の責任という部分も結構あるわけですから、その辺りも時間軸を考えたときに、最終的には抜本的な改革ということになるんでしょうけれども、当面、非常に大きな問題だということも喫緊の課題としてあるかと思いますので、その辺りも整理しながらお話をいただけると非常に助かります。
 どうぞ。

○名和田委員 今のことにちょっとしか関連しないんですけれども、先ほど小幡委員が言われたことに対しての質問のようになります。
 今日出された資料4の株式会社との比較のところで、監査委員及び外部監査双方について損害賠償責任等のところが、地方公共団体の方が空欄になっているのが非常に目立っています。この資料はホームページ等で公開するわけです。ここが空白になっているのが目立つという印象があるとおっしゃったかと思います。はっきりおっしゃらなかったんですけれども、何らかの損害賠償責任も想定するような制度設計もあり得るべしというお考えだったんでしょうか。

○小幡委員 つまり、そういう制度設計もあり得ると思います。あり得ると思いますが、そのためにはそれだけのリスクを負わせるのであれば、当然ハイリターンといいますか、報酬もある程度の相当なものを用意しなければいけないけれども、そこら辺は結局住民負担になりますので、そういう制度がそもそも設計できるかということを考えなければいけないということで、先ほど報酬のことを伺いました。おっしゃった報酬が高いと見れば、そこは御判断だと思いますけれども、何かしら仕組みということは可能ではないかと思っております。

○名和田委員 私も法律に暗いんですけれども、まず外部監査については契約ですので、一般に債務不履行というか、契約法上の原則で余りにもひどい監査業務であった場合には、そういった損害賠償責任の追及は可能であると思います。
 それから、監査委員についていうと、地方公共団体の一機関ですので、恐らく国家賠償法上、損害賠償責任を監査委員が負うことはないんでしょうか。ですから、ここはそういう制度設計を考えると、非常に大ごとになる気がします。
 何でこういうことをわざわざ言っているかというと、資料として損害賠償責任のところで地方公共団体が空欄だというのは、世間にこの資料が見られるときに非常に印象が強い。だけれども、損害賠償責任があるなしということについては、今、申し上げたようなことがありますので、ここは我々として留意した方がいいのではないかと思う次第です。
 以上です。

○小幡委員 済みません。恐らくは外部監査人の監査契約に基づく責任はあると思いますが、多分、地方自治法上でそういう条文があるわけではなくてということなので空欄になっているんだと思います。ですから、何にも負わないというイメージがありますので、確かに不正確かもしれませんね。

○林小委員長 それはよろしいですか。

○行政課長 おっしゃるとおりです。

○林小委員長 どうぞ。

○片山副会長 金子委員が言われた本当のことを組織的に言わないというのは、かなり根深いんです。それをどうやってえぐり出すかというのは、非常に難しいんですけれども、ないわけではないんです。それは監査委員の権限の問題でいいますと、権限強化というときに、どういう手法を与えるかということです。
 例えば防衛庁の前の次官が出頭しました国政調査権は、偽証罪というものが付いているんです。これは自治体の100条調査もそうなんです。例えば監査委員にそれだけの強い権限を、今、出頭して文書出せとか、資料を出せという権限はありますけれども、そこでうそついたら、その職員が相当大きなダメージを受けるということがもし背後にあれば、本当のことは出ると思います。本人がひどい責任を背負わされるのに、うそをつくというのは、よほど筋金が入ってないとできませんから、やはり監査委員の機能強化の一つ検討課題になると思います。
 あとは、垂れ込みと密告の奨励です。これを本人保護しながら円滑にするといったら変ですけれども、そういうことが1つの手法として考えられると思います。これは、かなり有効だと思います。

○林小委員長 今、本音でいろいろ語っていただいていると思うんですけれども、その辺りを制度化する話になってくると、非常に難しいのではないですか。要するに、そういう体質をどうやって払拭するかという話と、制度設計をするときとの結節点みたいなものを教えていただけるとありがたいと思います。

○片山副会長 今も公益通報制度ができましたね。あれを監査に応用しやすいように少し改良するとか、そんなこともあるでしょう。それから、調査手法の中に偽証罪というわけにはいきませんけれども、うそをついたら相当ペナルティーが当該職員に生じますというのは考慮していいと思います。
 例えば職員というのは、本当のことを言えと命じられたときに、これは恐ろしいことになるなと思ったら、大体本当のことを言います。私も経験あります。経験があるというのは、本当かと問い詰められたときに、これは言わなければいけないと思ったらみんなちゃんと報告してくれます。だから、それだけの権限と力量が監査委員に備われば、相当の調査能力がつくと思います。

○林小委員長 まだ御発言をいただいてない方、どうぞ。

○政所委員 先ほど片山副会長から出ました、意識改革をすることによって年間予算の1割の150億円ほどが出てくるという、非常に大きな課題です。
 現行制度内での微調整の部分と抜本的に考え直す部分とが2つあって、1つは現行の中で各自治体に携わる人たちが、公共とか公金に対しての意識改革が制度見直しの中で大事だということを強く感じます。
 2番目に、現行制度をどのように改正していくか。
 抜本的改革ということで言えば、今回わかりやすい不正の事例資料がありますがこの中で、例えば使い切りとか、預けとか、風土とか、習慣と示されているのですが、こういうことが一般用語になっているところも驚きます。やむなくという言葉をこういう公式な場で使ってはいけないと思うのですが、年度毎の制度の中で、国からの予算制度を受け自治体内で、預けざるを得ない事情があるのか。小さい事象から始まり、やがて預けという一般用語になり、使い切りというのも、何故そうなってきたのか。言葉で収めてしまって良いことなのか。
 つまり、予算流れや地方自治体と国という関係性が変わらない限り、監査を厳しくしていっても、年度制度や使い方、改めて考えてみるべきなのかということを思います。
 例えば、適切な例ではありませんけれども、偽装建築問題があって、今度建築基準法が変わります、これなども中小企業がやったときは偽造建築と言われ、その後大手も同じようなことをしていたことが明らかにされたけれども、そのときは鉄骨不足という言葉に変わりました。組織の大・小や官・民で表現が異なるのは何故か、全体の見直しの際には、何でそうなったのかというのが視点として必要です。どうしたら防げるのかを考えるべきと思いました。やや抽象的な言い方をしました。

○林小委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○真柄委員 全体的にお話をお伺いしていて、監査委員の権限を強化すべきであるということと、独立性を高めるべきである。それから、インセンティブも高めなければいけないという御指摘があって、私も完全にそれに同意したいと思います。
 ただ、やはり金子委員が指摘された部分というのは、私も非常に重要だと思いまして、片山副会長は垂れ込みとか密告があった方がいいと、言葉の問題かもしれないんですけれども、やはり公式的に情報がどういうふうに監査委員に入ってくるかという公式的な情報のルートだけでは、いかにインセンティブが高くてもなかなか見つけづらいという面もありますので、非公式に近いルート、告発をするとか、そういったルートをいかに公式的にしていくのかという制度づくりが、当面重要ではないかという印象も持ちました。

○林小委員長 いかがでしょうか。2回目、3回目でも結構です。どうぞ。

○斎藤委員 先ほどの監査委員をどこに設置するかというのと関連すると思うんですが、議会に置いた場合に、議会の案件はその場合どうなるのか。中間的な解決策としては、そういう場合には外部監査制度を利用する。現在の外部監査制度は、資料にも出てきましたように、議会の議決を経なければならないとなっていますから、そういった監査委員自体の設置目的からして、監査委員の方にいくのが適切でないようなものについては、議会の議決なしに外部監査に行けるとか、あるいは住民監査請求に係るものについて外部監査にいく道について、長と議会を介在させるのがいいのかどうかという議論はできるんではないかと思います。
 つまり、監査委員自体の設置なり権限は、勿論ここでのメインの話ですけれども、それを補完するものの在り方として、現在、外部監査制度については監査委員の意見を聞いて、しかも、議会の議決を経てからせよということになっていますが、すべてについてそういうものにし続けるのがいいのかどうかということが、関連してくるんではないでしょうか。

○林小委員長 いかがでしょうか。御意見ございませんでしょうか。どうぞ。

○名和田委員 これは皆さん承知で、前提として議論されているのではないかとは思うんですけれども、一応明示的な発言として出たという格好にした方がいいと思って申し上げるんですけれども、特に外部監査の場合は、この会合では監査というのは息の長いものというニュアンスで議論されていると思うんですけれども、別な面もあると思うんです。首長があることを動かしたいときに、1つの政治的な資源として監査をかける。
 例えば資料5の追加提出資料に出てきている事例を見ると、首長として、例えば保育所をどうしたいかとか、鉄道をどうしたいかとか、一定の政策的な意図があって、それで監査にかけて、首長が言いたいことを言ってもらう。これは政治過程としてみれば、そういう側面を持っていて、それがいいことかどうかというのは、私はよくわかりませんけれども、首長の積極的な政策の資源、政治の資源として、監査というのはむしろ息が上がる形で、そういう面では使われているところもある。制度設計に当たっては、その側面も是非重視しておかねばならないと思います。

○林小委員長 いかがでしょうか。
 私も研究費をいただきながら研究を進めているときに、こういう経費に使っていいんだろうかということを、随分大学側と交渉しながら、デジタルカメラOKですか。デジカメはOKだけれども、果たして研究で何回使うかとなってくると、これは不正な処理をしていないあるいは経費を使っていないということはクリアーできても、それがどのような研究成果に上がっているのかというところのチェックは、大学のそういう部署ではできないわけです。
 そうすると、やはり専門家がいる。一番大事なのは研究奨励で、どういう研究成果が上がっているかということなので、そういう意味では最少の経費で最大の効果を上げるために、PDCAのサイクルがあって、これが仮に首長さんも議会も本当に住民のことを考えて行動しているんだったら、監査制度なんて要らないかもしれない。ところが、実際には人間ですからそうはならない部分もあるので、片山先生おっしゃったように自分のためにチェックしてくれという機能を果たす。そういうことを考えたときに、監査と議会の関係で、議会もやはり監査の対象になる場合に、予算編成まで対象になるのかという話になってくると、これはまた違ってくるだろうという気もします。
 保育所で、2回ぐらい前に監査をやったときに、民間保育所だったら経費は安い。しかしながら、住民はひょっとすると公立保育所を望んでいるかもしれないといったときに、これは一体どのように判断するのか。議会はコストが高くなるということがわかっていても、それは住民の要求だから、あるいは首長さんも住民の要望だから公立で行くんだということになってくると、これはまた効率性だけでは図れない部分もある。
 ですから、そういういろんな仕組みが複合的に作用し合って、最少の経費で最大の効果を上げるんだといったときに、監査制度はどのような役割を果たし得るのか。
 そして、先ほどのインセンティブの話ですけれども、例えば外部監査でも、成功報酬的なものをやれば、問題のあるところの監査をやれば随分いいわけですね。問題がなければ、成功報酬というのは余りないかもしれない。きちんとできていますよということが確認できれば、それでいいのかもしれない。だから、その辺りは非常に難しいところがいろいろあって、インセンティブといってもどのようにしてはかればいいのかという問題も出てこようかと思います。
 しかしながら、いずれにしても、私は経済学をやっていますので、最少の経費で最大の効果を上げるための前提が財務がきちんとできているかどうかなので、不正があるとかないということが、本来起こってはいけないはずなのに、それすらまだきちっとチェックできていない。
 それがチェックできないのが「昨今の不適正な会計処理等の主な事例」のところで、監査委員監査において、これまでこうした不適正資金の存在を発見できなかったことについて、大変申し訳なく思っております。発見できなかったのは、監査委員の問題なのか、それとも情報のきちっとした開示ができていなかったのか。その辺りも反省の弁なんですけれども、内容が非常に重要だと思うんです。
 つまり、小林委員が整理されたように、怠っていたから発見できなかったのか、あるいは情報がきちっと伝わってこなかったから発見できなかったのかによって、読み方が随分変わってくるので、そこらをまずは環境整備しなければいけない。そうした上で、最低限前提条件である不正な使用はない中で、最少の経費で最大の効果を上げるということの、いわゆるバリュー・フォー・マネー等のチェックもしなければいけない。
 それは、やはり監査制度の抜本改革につながっていくんだろうという気もしますので、その辺は少し時間をかけて議論しなければならないところかなという気もいたします。
 まず独立性を強化することが監査機能の強化につながるということが、1つの大きなポイントですから、それを議会に置くのか、あるいはメンバーをどのように選任していくのかということが、そういう独立性を強めることになるのであれば、そういうことに制度を変えていくといったようなことも当面必要なんだろうという気もいたします。
 これはもう一回やるんです。ですから、もう少し深彫りしたいと思いますので、次回の議論のためにも、この辺りどうなっているんだろうとか、あるいは必要に応じて資料を要求されるような場合は、おっしゃっていただければと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○幕田委員 諸先生方の御意見を拝聴していて、大体国内での話であろうという感じがしていたんですけれども、要するに日本の監査制度をよくすればいいわけでしょうから、外国の例も拾っていただければ参考になるんではないでしょうか。なるべく日本の参考になりそうなものをお願いしたい。これは範囲を広げると切りがない話になると思いますので、最近発表されたような例を拾っていただければ参考になるんではないかということで、お願いしたいと思います。

○林小委員長 これはもうクレアなどで調べていますね。だから、そういうところを紹介していただいたらと思います。

○行政課長 最近の例ということでございますので、制度的な基本的なところは、前回、外国の制度ということで紹介させていただきましたけれども、少し今日の議論なども踏まえた整理をさせていただくことにしたいと思います。

○林小委員長 どうぞ。

○政所委員 資料としてお願いしたい点が1つあります。最近の例では、夕張の破綻で、住民が自分たちの負担が大きくなるということで住民集会を開き勉強し初めて財政状況を知り、これは大変だということになったわけですけれども、やはり最大の外部監査であり、内部監査として、住民がどれだけ常日ごろ意識を持つかということが大事だと思います。
 今、過疎地や地債など借金のかなり多い自治体が始めているのが財政塾、自分たちの自治体の財政の状況を勉強しようということがやっと始まりました。夕張がきっかけでそうしたことが始まっています。海外で住民がこういう監査制度的に参加する方法と、あとは制度的にはないけれども、ある程度住民意識が高い地域の動き、塾や話し合う場などというのもあるでしょうし、協議会のようなものもあるかもしれませんので、もしそういう例があったら教えていただければ大変ありがたいです。

○林小委員長 どうぞ。

○片山副会長 先ほど小委員長が言われた、幾つかの不適正な事例で、怠っていたのか、それとも怠ってなかったけれども見抜けなかったのかということを言われましたね。これは非常に重要なんですが、実はその限りだと対応方針というのは結構出てくるんですね。充実させるとか、権限を強化させるとか。
 実は、こんなことは本当は言うべきではないかもしれませんけれども、問題はどちらでもないんです。怠っていたわけでもないし、見抜けなかったわけでもないんです。みんな知っていたんです。知っていたけれども、そんなものだという役所の常識で指摘しないんです。だから、根は非常に深いんです。
 これは全部、どこの自治体の例も、知らなかったとか、見抜けなかったとか、監査委員がぼやぼやしていたんではないかとか言われていますが、実はそうではなくてみんな常識だったんです。だけれども、それは世間でやいやい言われたから非違事項として出さざるを得なくなった。だから、そこは非常に根が深い問題なんです。ですから、そういう問題から解決していかなければ、この監査制度というのは機能しないという問題意識を持たなければいけない。非常に残念なことなんですけれどもね。

○林小委員長 よくわかります。だから、慣習として、別にこれは不正だと思わなかったというのが恐らくあるんだろうと思うんです。ですから、その辺りも、今、表面化してきたのでようやくということなんです。だから、その辺りもこれは監査の問題であるのかどうか。あるいはこれはひょっとすると不適正なのではないかみたいなものも含めて検討しなければならないのかもしれませんね。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○金子委員 次の会議の資料ですけれども、外国の監査制度の事例について、外国の監査制度がどういうふうに運用されて、これだけ成果を上げているとか、上げてないとか、そういう具体例があれば是非教えていただきたいと思います。
 以上です。

○林小委員長 どうぞ。

○江藤委員 資料の請求ではないんです。監査が成功したか、それほどうまくいかなかったかについては、例えば全国町村監査委員協議会で出されているものを参考にしたり、あるいはイエローブックというんですか、全国市民オンブズマン連絡会、包括外部監査のチェックも出版されているようですから、それらを私も読んでこようと思っています。今後の議論ですけれども、今日の話だと独立性をどうするかということと、監査委員の充実、あとは外部監査制度をどうするか。
 独立性を担保するということで、基本的には今の首長の任命ではなくて議会の方にという議論だと思うんですが、そこのところで先ほど西尾委員が言われていたように、議会の附属のように議会が縛っていくのか、それともそうではなくてある程度中立性を担保していくのか。もし縛っていくとすれば、首長側から出る議論、あるいは住民請求で出てくるような議論をどういうふうにしていくかという、ある程度細かい議論もそろそろした方がいいんではないでしょうかということ。
 あと監査委員制度の充実ということであれば、インセンティブの議論が出ていたと思うんですが、その他事務局をどうするかとか、あるいは情報を入手するための制度をどうするか、少しそういうテーマを具体的に決めながらの議論を是非やっていただければと思います。要望です。

○林小委員長 ありがとうございます。かなりいろんな意見が出たと思いますので、事務局あるいは会長とも相談しながら、次回に少し焦点を絞らせていただくことになるかもしれません。少し検討させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。時間もまいりましたので、「監査機能の充実・強化のための方策」についての意見交換は、これで終わりたいと思います。
 引き続きまして、今後の日程等につきまして、事務局よりお願いいたします。

○自治政策課長 次回、第7回「専門小委員会」の日程でございますが、本日の資料に御案内を入れていますとおり、2月28日木曜日の同じく10時〜12時まで、この場所でおいますので、よろしくお願い申し上げます。
 また、委員の皆様方、大変お忙しいと思いますので、本日の資料の中に委員の皆様の3月、4月の御都合を伺う資料を入れております。大変恐縮でございますけれども、これを来月2月5日の火曜日までに事務局に返送いただきますよう、お願い申し上げます。
 それを受けまして、今後の日程等について調整させていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○林小委員長 それでは、次回は2月28日ということでお願いいたします。その後の日程につきましては、事務局より調整の上、改めて御案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、本日の「専門小委員会」を閉会いたします。長時間どうもありがとうございました。
 

戻る

ページトップへ戻る