会議資料・開催案内等


行政手続法検討会(第2回)議事要旨



1. 日時 平成16年4月27日(火)10時00分〜12時05分

2. 場所 総務省8階第1特別会議室

3.  出席者
(委員) 塩野宏座長、岩渕正紀、宇賀克也、大森政輔、小野邦久、菊池信男、木村裕士、近藤純五郎、堤富男、常岡孝好、平岡久、水谷克己(敬称略)
(総務省 )田中大臣官房審議官(行政管理局担当)、白岩行政管理局行政手続室長、明渡行政管理局副管理官

4.  議題
(1)  座長代理の指名
(2)  ドイツの行政立法(平岡委員)
(3)  事務局説明
i1 行政の規範等の実例
ii2 パブリック・コメント手続の制定経緯等
(4)  フリートーキング
(5)  今後の日程等

5. 会議概要
 
(1)  塩野座長の指名により、宇賀委員が座長代理に選出された。

(2)  平岡委員から、ドイツの行政立法についての説明が行われた。

(3)  事務局から、i1行政の規範等の実例、ii2パブリック・コメント手続の制定経緯等についての説明が行われた。

(4)  引き続き、(2)及び(3)についての質問、フリートーキングが行われた。
 主な意見は、次のとおり。
 
 「行政立法手続」として、何を検討課題とするかは大きな問題であり、決め方によっては、行政の在り方に大きな影響を与える。
 資料1の「行政規則」の中には、日本の通達のようなものは入るのか。また、現行のパブリック・コメントの考え方における「審査基準・処分基準・複数の者を対象とする行政指導に共通して内容となるべき事項」のようなものは、ドイツでは行政規則に入るのか。
 
 入る。
 通達については、パブリック・コメント手続にかけられているのか。現実の行政では、通達などが重要な役割を果している。
 
 ドイツにおいては、パブリック・コメント手続は法律では規定されていないが、各省共通事務規則の中で規定されている。
 現行のパブリック・コメント手続では、本省から地方に発出する通達は、国民を直接拘束しないので、対象ではない。審査基準や処分基準は現行パブリック・コメント手続の対象であることから、これらになるような通達であれば、通達を出す前にパブリック・コメント手続を行うということもありえる。
 ドイツの場合、都市計画は条例で決まっており、条例には「誰でも手続に参加できる」と書いてあるが、ドイツでは行政立法手続として理解していないのか。
 
 個別法で意見聴取手続を規定したものがある。都市計画は処分のイメージであり、取消訴訟の対象となる。
 パブリック・コメント手続は意見を言う機会として重要。現行手続についても意見については丁寧に扱ってほしいし、その扱いがどうなったかフィードバックしてほしい。
 審議会でパブリック・コメント手続を行っているものもあるが、その扱いはまちまちである。
 意見募集はインターネットによる場合が多いが、パソコンを使えない人もいるので他の媒体の活用も工夫する必要がある。
 パブリック・コメント手続は、案公表、意見募集、結果公表のサイクルだけでなく、それを踏まえた再度の手続を行う方法もあるか。
 事業者の立場から見れば、形はどうであれいろいろ縛られており、長い間の役所との付合いの中で対処している。今回の議論で行政手続法が事業者にとって少しでもやりやすい、社会正義のためにうまくいくようなものになればと思っている。
 資料2で下位法令への委任の仕方にアンバランスがあるのは、上位法令の委任の仕方が時代によって異なるのが原因ではないか。
 パブリック・コメント手続の法制化に当たって、現在の閣議決定の対象をそのまま対象とできるかとの問題がある。
 下位法令が国民の権利・利益に影響を与えるからパブリック・コメント手続を行うというのならば、法律の委任の明確性・具体性も問われるべきであり、内閣提出法案についても対象とすべきと思うが、行政手続の中に包摂しきれるか。
 行政立法手続以外にどこまで取上げるかについては、処分の相手方への告知方法については、別の機会かもしれないが法制化すべきではないか。他方、行政計画を検討対象とするのは難しいのではないか。
 行政送達についても積み残しの課題の一つであり、検討会として言及することは可能ではないか。
 資料2については、こんな中身まで決めているものがあるのか、形式もバラバラであるとの認識をもった。
 行政立法のルールは必要。一方、予算関連のように期限が決まっているもの、利害対立で原案がまとまりにくかったものについてその後で意見聴取をすると、議論の蒸し返しになるものなど、時間的制約や事務処理の問題があるのではないか。
 事件が起きて、シビアな規則を設けたが、平時になるとなぜ厳しい規制を設けたのかとの議論になる。規制の本質論を考えた上で、手続を考えるべき。
 第一次研究会では、時間がかかる点を突かれたが、乗り越える工夫ができないか。
 実際に問題があるのは、ガイドライン、指針など法令の外側にあるもの。これらを法制化の対象とすると、11月までには結論がでないのではないか。一方、現在の閣議決定より範囲が狭くなるのもどうか。
 現行のパブリック・コメント手続でも事務的な負担となっている。各省の実務担当者の意見を聞かせてほしい。
 専門家に論点を指摘していただき、各省の実態を聞けば、今後の議論が明確になるのではないか。
 処分手続の論点として、第三者保護の規定が弱い点があるのではないか。
 パブリック・コメント手続の中で公聴会に関係させているものの扱いを検討すべき。
 審議会とパブリック・コメント手続との関係をどうするのか検討すべき。
 行政立法手続の最大の課題は、対象について。第一次研究会では命令で切ったが、告示、通達をどうするか、つめていく必要がある。
 理由の提示については、行政手続法第8条、第14条で規定してあり、判例では不備があれば取消となっている。行政立法の理由の提示はどうするか。
 行政立法の不服審査の在り方にも問題があるのではないか。アメリカ、ドイツ、フランスの実状について調べてほしい。

(5)  第3回検討会は、6月4日(金)午後。行政立法手続について条例を制定している例の紹介と論点整理のたたき台の提示。たたき台は、今までの議論を踏まえ事務局に論点整理をさせ、行政法に詳しい委員が補って作成する。
 第4回検討会以降、論点整理、関係行政機関ヒアリング、骨子案作成を行っていきたい。


 
以上
   
   なお、以上の内容は、総務省行政管理局行政手続室の責任において作成した速報版であり、事後修正の可能性がある。

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