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平成22年度地方財政審議会議事要旨(平成23年2月15日)

日時

平成23年2月15日(火)10時00分〜12時55分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
       中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治財政局地方債課 地方債管理官 澤田 邦彦
       自治財政局地方債課 理事官    大井 潤
       自治財政局地方債課 課長補佐   赤岩 弘智
       自治財政局財務調査課 課長補佐  後藤 友宏

議題

(1)平成22年度国の予算等貸付金債に係る同意等について
 今回の議題は、国の予算又は政府関係機関等からの貸付金に係る地方債の同意等を行おうとするものである。
(2)平成22年度地方債同意等予定額の通知等について
 今回の議題は、年度途中の追加事業や事業費が追加した事業、国の補正予算(第1号)に伴う事業等について、地方公共団体から提出のあった起債予定額に基づき、あらかじめ同意等予定額を通知しようとするものである。
(3)公営競技を行うことができる市区町村の指定について
 今回の議題は、競馬法等の各競技法に基づき、公営競技(競馬・競輪・競艇)を施行する市区町村を指定しようとするものである。
(4)地方公共団体の財政の健全化に関する法律附則第5条の見直しについて
 今回の議題は、地方公共団体から国等の寄附金等の支出を原則禁止している地方公共団体の財政の健全化に関する法律附則第5条の見直しについて現段階での検討状況を説明するものである。

要旨

I 議題「(1)平成22年度国の予算等貸付金債に係る同意等について」

標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。

(主な質疑内容)

〇 地方道路整備臨時貸付金に関しては、多くの都道府県・政令指定都市で該当があると思われるが、今回の協議等の有無がまちまちになっているのは、どのような理由によるのか。
→ 国土交通省からの内示等の時期に相違があるのが主な理由である。基本的には、前回の協議等の時期に内示等が間に合った団体はその時に協議等をしており、その後に内示等がなされた団体は、今回、協議等をしている。


II 議題「(2)平成22年度地方債同意等予定額の通知等について」

標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。

(主な質疑内容)

〇 減収補填債の特例分は、いわゆる赤字地方債の発行を認めることになるが、これはいつから発行できるようになったのか。また、その理由は何か。
→ 法律改正により、平成19年度以降、当分の間発行可能となっている。
  これは、投資的経費の減少による建設事業の充当先の縮小や、財政調整のための各種基金の減少など厳しい財政状況が続く中、減収額の大きい団体から建設事業以外の経費にも充てることについて強い要望があったことを踏まえたものである。
 
〇 経常収支比率が高い団体は、財政が硬直化しており、5条債分の発行対象経費は相対的に少なくせざるを得ないのではないかと考えられるが、このような団体においても、税収が大幅に落ち込んだ場合5条債分の発行対象経費(資本的経費)を超えて特例債分を発行できるのか。
→ 減収補填債については、5条債分を先に起こしてもなお発行可能額がある場合に特例債分を発行できることとなっており、このような状況となっていれば、発行可能額の範囲内で特例債分の発行は可能である。

〇 地方公共団体が減税競争(tax competition)に陥らないようにするために標準税率未満の団体に対する建設地方債の許可制度が設けられており、したがって、他の団体との公平の観点も重要であるはずである。本来、行革による効果はまずは借入金の縮減を図るべきであり、それがあるべき財政運営の基本ではないかと考えられる。

〇 名古屋市が仮に住民税の減税を2年目、3年目と続ける場合は、その都度新たな行革を実施して財源を捻出しなければならないのか。
→ 例えば、未利用土地の売却による収入確保は売却年度に限った財源の捻出であるが、定員の純減による人件費削減は継続的な財源の捻出と考えられる。行革等の取組み内容を見て個別に判断していくこととなる。

〇 名古屋市のように標準税率未満の団体については許可制度となっているが、許可の対象となる建設事業の必要性まで細かくチェックしているのか。
→ 個別の建設事業の必要性ではなく、減税の財源を行革等の取組みにより捻出しているかを中心にチェックしている。なお、名古屋市は、予算計上していた行革推進債の発行取り止めや事業費の減少分は充当率を引き下げる等の取組みを行っていると聞いている。

〇 名古屋市以外の減税団体、減税見込み団体の状況はどうか。
→ 今年度、名古屋市以外で許可を受けているのは愛知県の半田市で、これは、市町村分の起債なので愛知県が許可することとなっている。減税は今年度限りと聞いている。
来年度以降の状況については、埼玉県北本市が平成23年度に減税を実施し、過去の決算剰余金を減税の財源として活用する予定であると聞いている。また、愛知県、名古屋市、大阪府和泉市は平成24年度に減税を実施する予定であると新聞報道等で承知している。

〇 過去の決算剰余金を減税の財源として活用する方法は、減税前に住民の移動があった場合など、財源を捻出した世代と減税の効果を享受する世代が一致せず、世代間負担の公平性が確保されない場合が生じ得るのではないか。


III 議題「(3)公営競技を行うことができる市区町村の指定について」

標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。

(主な質疑内容)

〇 地方財政収入への貢献という目的に沿うかということで、指定を行っているということであるが、具体的に何を確認して判断するのか。
→ 一般会計等に対する繰り出しができているか、一般会計等に貢献できているかどうかを確認している。

〇 公営競技の赤字の団体については、どのような考え方で指定をするのか。
→ 赤字の団体については、(ア)経営改善計画を策定し、経営改善に向けて積極的な取組みを予定しているかどうか、(イ)地域雇用・地域経済を踏まえた、事業継続の強い要請があるかどうか、を確認し、指定を行うこととしている。

〇 岩手県競馬組合が多額の赤字を抱えているが、その主な要因と赤字の解消に向けての取組みはどうか。
→ バブル期に多額の費用をかけて競馬場の建設を行ったのが赤字の主な要因であるが、平成18年度に「新しい岩手県競馬組合改革計画」を策定し、単年度における収支均衡が達成できなければ事業を廃止するという前提のもと、経営改善に取り組んでいるところであり、平成19年度以降は単年度において収支均衡を達成している。


IV 議題「(4)地方公共団体の財政の健全化に関する法律附則第5条の見直しについて」

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

〇 地方から国等への寄附を原則禁止したこの規定は、旧地方財政再建特別措置法で定められたもので、当時、国等に対する様々な形での寄附等が多額にわたり、大きな問題であったという背景から設けられたはずであり、それを削除するというのは、慎重に検討すべき問題であると考える。

〇 この規定があることにより地方の自主的な政策決定にとって不利益や障害になった例はあるのか。
→ 数団体からは国立大学を誘致する際に補助を出したいが、この規定があるために出せないので特区で認めてくれないかという提案があった。

〇 当該見直しは地方の自主性を高めるためのものとされているが、そうであるなら、地方からの自主的な要求があってはじめて検討するべきで、市長会等から十分な理解が得られていない中で国が当該規定は必要ないという判断をするのはいかがなものか。地方を守るための規定なのだから地方の意見を尊重するべきと考える。

〇 この規定の見直しを契機に地方から国等に対する寄附について抑止力がなくなることが想定され、地方の任意性を担保することが一番重要だと思う。
→ 法律成立後に地方の自発性を担保する閣議決定を行うことを考えている。

〇 最近の寄附の事例として新型インフルエンザ対策が多いが、これは国の責務ではないのか。それにもかかわらず地方が寄附をせざるを得ない状況になっていることこそ問題である。
→ 新型インフルエンザ対策の例で言えば、民間病院や日本赤十字病院への補助金と国立病院への補助金に本質的な差はないと考える。また、地方も一定の責任を果たすべきものと考える。

〇 救命救急に関する寄附金を国立病院に支出している例があるが、国がある地域における救命救急機能は必要ないと判断したのか。国が必要と判断したにもかかわらず、財政措置しないのであれば、措置するように求めるべきであり、必要ないと判断したのであればその判断の妥当性を訴えるべきである。

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