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平成22年度地方財政審議会議事要旨(平成23年3月11日)

日時

平成23年3月11日(金)10時00分〜12時00分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
      中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治財政局公営企業課地域企業経営企画室 課長補佐 井上 靖朗

議題

  最近の公社、第三セクターの資金調達の動向について 
 今回の議題は、公社、第三セクターの資金調達について、新たな手法により行うことを検討している団体が見られることから、諸外国の例も含めてその動向を説明するものである。

要旨

    標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

〇 公営企業や公社、第三セクターのような起債の償還財源を料金で賄う分野における資金調達を考える際には、アダム・スミスの公債原則に始まり、1920年代における公営企業への独立採算制の概念の導入など、歴史的な経緯や財政学の理論に立ち返る必要がある。

〇 青森県道路公社がSPC(特別目的会社)を活用してレベニュー債的な資金調達方法を検討しているとの報道がされているが、資金調達コストが上昇するにもかかわらず、このような手法を検討しているのは何故か。
→ あくまでも道路公社の資金調達であり、新聞報道されたような「地方債」ではないものであるが、報道や公表資料によれば、現在道路公社では県の損失補償付きで短期の資金を調達をしており、この損失補償を外すことができることや、長期の資金で金利を固定化できることをメリットとして考えていると思われる。

〇 例えば病院事業であれば、料金すなわち診療報酬が公定価格であり裁量の余地がほとんどないことから、料金収入のみを償還原資とするレベニュー債やPFIのような資金調達は、そもそもなじまないのではないか。
→ 病院に限らず、住民生活に密着したサービスを提供している多くの公営企業は、サービス提供に支障が生じれば最終的に地方公共団体が財政負担をしてでもサービスを維持せざるを得なくなることから、投資家にリスクを移転できない場合が多いのではないかと思われる。

〇 ヨーロッパではレベニュー債のような資金調達手法が存在しないようだが、なぜか。
→ まず、19世紀以降、一般財源保証債の厳しい起債制限を回避するためにレベニュー債が発展してきたという、アメリカ特有の歴史的な経緯があるものと考えている。また、ヨーロッパでは公共がサービスを供給する分野では公共が責任をもって資金調達をする考え方があるのではないかと思うが、他方で、上下水道のような公営企業を民営化しているという事情もあるものと思われる。

〇 そもそも経費を全て料金で賄え、なおかつ利益が生じるような事業であれば、公共が行う必要があるかということから検討する必要があり、なにゆえ公共がサービス提供を行っているのかという原点を踏まえて考える必要がある。

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