平成23年度地方財政審議会(10月14日)議事要旨
日時
平成23年10月14日(金)10時00分〜11時45分
場所
地方財政審議会室
出席者
(委員) 神野 直彦(会長) 佐藤 信 木内 征司
中村 玲子 松本 克夫
(説明者) 自治財政局財務調査課 課長補佐 宍倉 学
自治財政局財務調査課 財政健全化専門官 深澤 正志
自治財政局公営企業課 理事官 村山 卓
自治財政局地方債課 地方債管理官 澤田 邦彦
議題
(1)平成22年度都道府県普通会計決算の概要(速報)について
(2)平成22年度市町村普通会計決算の概要(速報)について
(3)平成22年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率の概要(速報)について
今回の議題は、地方公共団体における平成22年度の決算の状況、当該決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率の算定結果について、速報値として取りまとめたことから、その動向を説明するものである。
(4)一般補助施設整備等事業債に係る同意(熊本県・出資金(チッソ分))について
今回の議題は、熊本県からの起債協議に対し、総務大臣が同意をするに際して、地方財政法第5条の3第7項の規定に基づき、審議するものである。
要旨
I 議題「(1)平成22年度都道府県普通会計決算の概要(速報)について」及び議題「(2)平成22年度市町村普通会計決算の概要(速報)について」及び議題「(3)平成22年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率の概要(速報)について」
標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。
(主な内容)
○ 「決算の概要」と「健全化判断比率・資金不足比率の概要」とで、東日本大震災の影響により資料の提出が出来ず、統計上含まれない市町村が異なるのはなぜか。
→ 各地方公共団体において、8月までに調製した決算を基にそれぞれ作業することになるため、団体内における処理の優先順位により、提出状況が異なっているためである。
○ 震災の影響はどの程度決算に反映されているのか。
→ 震災が年度末の3月に発生したため、平成22年度決算に関しての影響は大きくない。ただし、職員派遣や救援物資等に係る民生費のうち災害救助費が前年度比136億円増の172億円と大きく増加している。また、災害復旧事業費等は平成23年度決算において動きがでるものと考えている。なお、歳出の伸び率が落ちていることについては、震災により事業執行が困難となったことによる歳出減も一つの要因と考えている。
○ 今回の結果によれば、国費が増大したこと等により指標上は地方団体の決算が改善しているように見えるが、実態として地方財政の状況をどう捉えるべきか。
→ 市町村を中心に子ども手当等の扶助費が増えるなど、国の施策に伴う歳出構造の変化が顕著であり、外形的な判断が難しくなってきているが、地方公共団体の財政状況が構造的に改善したわけではないものと認識している。人件費、公債費等の歳出削減を引き続き行っているが、依然として厳しい状況である。
○ 実質公債費比率について、団体間の傾向に違いはあるか。
→ 各団体の傾向には大きな違いはなく、市町村は全体的に下がる傾向にある。要因として、市町村は地方債の償還期限が短いこと、新発債の抑制、繰上償還等を積極的に行っていること等が考えられ、都道府県についてあまり大きな変化がないのは、地方債の償還期限が長く、元々の公債費の規模が大きいことなどが考えられる。
II 議題「(4)一般補助施設整備等事業債に係る同意(熊本県・出資金(チッソ分))について」
標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。
(主な内容)
○ 今回、熊本県が発行する地方債は地方財政法第5条の第1項第2号に基づく地方債という理解でいいのか。
→ 熊本県が(財)水俣・芦北振興財団に出資し、(財)水俣・芦北振興財団がチッソ(株)に対し貸付を行う転貸債なので、地方財政法第5条の第1項第2号に基づく地方債である。
○ 熊本県が(財)水俣・芦北振興財団に出資し、その出資金をチッソ(株)に貸し付けるスキームをとっているが、(財)水俣・芦北振興財団を経由しなければならない理由はあるのか。
→ 平成22年4月16日の閣議了解により、「財団法人水俣・芦北地域振興財団が水俣病問題の最終解決を図り、環境を守り、安心して暮らしていける社会を実現するためにチッソ株式会社が支払う一時金に係る貸付事業を行う場合には、当該事業に係る熊本県の出資について、国は、速やかに所要の財政措置及び地方財政措置を講ずる。」とされており、(財)水俣・芦北振興財団がチッソ(株)に対して一時金を貸し付けることが明記されているため。
○ 今回の熊本県が発行する出資債について、どこから資金調達するのか。
→ 平成22年4月16日の閣議了解により、「財団への出資のために県が発行する地方債については、その全額を財政融資資金が引き受けるもの」とされており、全額財政融資資金で調達する。
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