I 議題「(1)児童手当法の一部を改正する法律案について」
標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。
(主な内容)
○ 国と地方の役割分担を明確にし、それに応じた負担割合とすべきであること等を内容とする昨年の地方財政審議会意見に対して、今回どのように対応したのか。
→ 手当の負担割合については、現金給付についての国と地方の役割分担に鑑み、三位一体改革前の負担割合である国2/3、地方1/3とした。
年少扶養控除見直しによる増収は、手当の地方負担に充てるほか、地方の自由度の拡充に併せた国庫補助負担金の一般財源化を行うこととした。また、このような内容については、国と地方の協議の場で地方にお示しし、理解をいただいているところである。これらの措置は、審議会の意見に概ね沿うものではないかと考えている。
○ 子どものための手当については、「所得によって差別をつけない普遍主義」や「控除主義から手当主義へ」といった基本的な考え方があったはずだが、これらの点はどのように踏まえられたのか。
→ 所得制限の導入は、昨年8月の三党合意で決定された事項で政府としては、この三党合意を尊重すべき立場である。ただし、所得制限を超える世帯に対しても、手当を支給する政府案となっている。
また、控除廃止の税制改正は見直す予定はなく、控除から手当への考え方は踏襲している。
○ サービス給付の充実について、どのように対応するのか。
→ 社会保障・税一体改革は、全世帯対応型の社会保障への移行を目指しており、子ども子育ての強化が重要課題である。子ども子育て新システムによる幼保一体化、待機児童の解消などで充実を図ることとしている。
○ 手当で所得制限が入るのが、24年度の6月からとした理由はなにか。
→ 手当は6月、10月、2月に支給するが、6月に支給するのは、5月分までである。所得制限の導入に伴うシステム改修等を考慮し、6月支給分については、現行どおりとしている。6月分の支給は、随時払いの例外を除き、10月支給となり、時間的余裕もあるので、その間に準備をしていただこうとするものである。
○ 支給月である6月前には成立していないと、またつなぎ法になってしまうのか。
→ 現行の特別措置法では3月分までの子ども手当しか規定しておらず、4月1日に転居する人等への手当の支払い(随時払い)が現行の児童手当法に基づく手当となってしまうため、3月末までには成立する必要がある。
○ 地方から、頻繁に制度を変えると現場の事務処理が混乱するという声が出ている。地方公共団体の執行面についても配慮すべきと考えるがどうか。
→ 今回は、24年度以降の恒久的な制度となるため、法案が成立すれば、これまでのように、半年や1年ごとに制度改正する必要はなくなる。
II 議題「(2)地方財政法施行令等の一部を改正する政令等について」
標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。
(主な内容)
○ 地方債発行の届出制の導入に当たっては、金融市場の混乱を招くことのないように配慮すべきなどとする衆・参両院の総務委員会における附帯決議を踏まえて、この民間資金債に係る地方債届出制度の導入に当たって、どのような対応措置を講じているのか。
→ 金融市場関係者に対する説明の機会を何度か設けていただき丁寧に説明するとともに、民間資金債に係る地方債届出制度を円滑に導入するために万全を期すべく、実質公債費比率に係る基準について、平成24年度は経過措置を設けることとしているところである。
○ 金融市場関係者には十分理解されているか。
→ 法案作成の段階から、何度か説明の機会を設けている。今回の政令案についても、パブリックコメント手続の実施に加えて、何度か説明の機会を設けており、民間資金債に係る地方債届出制度の導入について十分理解されていると認識している。また、アナリスト等の数多くのレポートを見ても、地方債の信用力に影響を及ぼすものではないということについて、十分理解されていると認識している。
○ 地方公共団体からの評価はどうか。
→ 地域の自主性・自立性を高める改革であると評価されていると認識している。
III 議題「(3)平成24年版「地方財政の状況(地方財政白書)」骨子(案)について」
標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。
(主な内容)
○ 地方財政白書の全体構成としては、予算循環から言うと、第1部は「決算」について、第2部は「予算執行と予算編成」について、第3部は「今後の見通し」についての3部構成ということか。
→ おおむねそのとおりであるが、第3部は財政にとらわれない形で地方財政を取り巻く環境全般について記載することとなる。
○ 第2部の東日本大震災についての記述は、予算執行段階、いわば中間報告的な記述となるのか。
→ 震災関連経費の状況は主に平成23年度決算から表れてくるので、来年度版の地方財政白書では第1部に記載することとなる。
○ 第1部の決算の分析は、経年変化を確認する観点等から可能な限り継続性のある分析内容としていただきたい。
→ 従来から記載している内容を維持しつつ、更なる内容の充実に努めたい。
IV 議題「(4)東日本大震災に対処するための平成23年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について」
標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。
(主な内容)
○ 第2次補正予算で増加した額については普通交付税の増額分を除いては、すべて特別交付税として交付するのではなかったか。
→ もともとはその予定であったが、そのうちの1,000億円については、被災団体における災害復旧事業の平成24年度への繰越しにより、今年度、財政需要が生じないこととなったため、翌年度へ繰り越すこととしたものである。
○ 地方交付税として翌年度に繰り越すことで、結果として当該年度の地方交付税総額が減額されるようなこととならないよう、交付税総額の確保に努めていただきたい。
→ 地方交付税総額の確保については、引き続き取り組んで参ることとしたい。