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平成23年度地方財政審議会(2月3日)議事要旨

日時

平成24年2月3日(金)10時00分〜12時15分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委員)
神野 直彦(会長)
佐藤 信
木内 征司
中村 玲子
松本 克夫
(説明者)
自治税務局企画課 企画官 末永 洋之
消防庁総務課 理事官 野村 政樹

議題

(1)大阪府泉佐野市法定外普通税「空港連絡橋利用税」の新設の協議に係るヒアリングについて
 泉佐野市及び国交省に対して実施する意見聴取に係る質問項目及び出席依頼文等について検討を行うものである。
(2)東日本大震災を踏まえた消防庁の対応について
 今回の議題は、東日本大震災を踏まえた消防庁の対応に関し、予算面の対応を中心に、平成23年度第1号補正予算、第3号補正予算、平成24年度消防庁予算(案)について説明するものである。

要旨

I 議題「(1)大阪府泉佐野市法定外普通税「空港連絡橋利用税」の新設の協議に係るヒアリングについて」

標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。

(主な内容)

○ 当事者からのヒアリングを行うこととされたが、意見聴取の際は、質問項目の中で法定外税の「3要件」に関することを中心に説明してもらうこととしてはどうか。

○ 質問項目はまとめるなどして、できる限り焦点をしぼって行う方がいいのではないか。

II 議題「(2)東日本大震災を踏まえた消防庁の対応について」

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 継続的にやるべきことが補正予算で計上されているように思うが、将来的にはどうなるか。施設や設備について更新等を考え、計画的にやらなければいけないのではないか。
→ 特に、3次補正予算には緊急に対応すべき政策的な事業に関する予算が入っている。
これらの事業は、市町村が自らの財源で実施することが原則であり、それに要する費用は、普通交付税で措置しているほか、特定の事業は地方債による地方財政措置を行っているものであるが、例えば、消防救急無線のデジタル化については、緊急消防援助隊の応援時に使用する部分について早急な整備を促すため、国が補助することとした。また、消防団員に対するトランシーバーやライフジャケット等の装備の充実についても、今回の震災における消防団員の被害を踏まえ、早急な整備を促すため、国が補助することとしたものであり、通常は市町村が自らの財源で整備するものである。このため、施設、設備の更新等は市町村で行うことが原則となる。

○ 今、環境省が中心となって行っている除染作業を消防が行うということはないか。 → 除染作業について、通常、消防の仕事の分野とはされていない。なお、福島第一原子力発電所への放水についても、総理から知事に要請して、知事が受諾したことを受けて、消防隊員の安全確保を前提に、出動をしていただいたものである。

○ 市町村消防の原則ということだが、東京都はどういう扱いなのか。 → 東京消防庁は、23区の消防本部であり、都知事が管理するという形になっている。23区以外の市町村は、東京消防庁が事務委託という形で消防の業務を請け負っている。実際、稲城市は単独で消防本部を持っている。

○ 広域で応援する時、都道府県単位で何かを行うということはないのか。消防庁が市町村に直接指示し、動くということか。
→ 知事は、緊急消防援助隊の応援要請を行うことができるほか、被災時は、県庁に災害対策本部が設置され、県職員や自衛隊、警察、消防が集まり、災害対応の調整を行う。緊急消防援助隊が応援に駆けつける際も、都道府県単位でまとまって、部隊編成することになっている。

○ 災害対策に関する責任は都道府県が負っているのか。災害復旧を行う責任はどうか。災害復旧に対する地方公共団体の指定は、都道府県単位で行われているのか。
→ 災害対策に関する責任は、都道府県と市町村がそれぞれ担っている。災害復旧費の施設・設備の補助金は、法律に基づき、市町村単位で指定された特定の地方公共団体に交付することとなっている。

○ 今回の震災で消防団員の犠牲者が多いが、消防団員に過大に責任を負わせすぎてしまうというのは問題かと思うが、どう考えるか。
→ 身の危険が迫る中、いつまで避難を呼びかけなくてはならないのか、一方で、消防団員の方には早めに避難してもらい、救助活動にあたってもらうことも重要であり、現実にはなかなか難しい問題である。また、国土交通省の問題であるが、水門閉鎖の際に津波に巻き込まれたという事例があったことから、水門を遠隔操作で閉鎖できるよう、自動化することも考えられるが、費用面の問題もある。
今回の震災を踏まえ、消防団員の活動のあり方について、国土交通省なども含めて、今まさに検討を行っているところである。ただ、仮に活動上の線引きを決めたとしても、使命感の高い方々なので、実際の現場では、最後まで避難の呼びかけ、救助に当たられることもあるかと思う。

○ 消防団の活動マニュアルや安全管理マニュアルみたいなのものはないのか。
→ 消防職員の安全管理マニュアルのようなものがあり、消防団員は、それを準用している。今回の震災を踏まえ、マニュアルの整備・見直しも必要である。

○ 消防団の安全管理上の装備等について技術革新等が必要ではないか。半鐘や防災無線放送は、自動で行うことも可能ではないか。
→ 例えば、3次補正で対応した消防団員の安全確保については、トランシーバーを持っていれば、きちんと情報が伝わり、少しでも命を救えたのではないかということで措置されたものである。
 ハード面で必要な装備を整備することも重要であるが、今回の震災では、すぐに避難しなかった方もいるとのことであり、避難訓練の実施、住民の危機意識の向上など、ソフト面の対応も重要である。

○ 屋根の雪下ろしを消防の仕事として行っている団体はあるか。
→ 雪下ろしを行っている消防団は一部あるようだ。

○ 東北地方などは、市町村ごとの財政力がそれほど大きくないので、市町村合併や消防の広域化が進んでいたのではないかと思うが、広域化したことによって、消防の対応が十分できなかった等の影響はないのか。広域化によって、地域への密着度が減少するのではないか。
→ 広域化にあたっては、消防署所の数は減らさずに、管理部門を一元化するという考え方で進めており、また、消防団については、従来どおり各市町村単位で設置することを基本としているので、広域化自体で、現場の対応力が弱くなることはないと考えている。

○ 首都直下地震の発生の可能性が高まっているため、様々な対応を前倒して行わなければならないと思うが、そういった検討はしているか。
→ 今回の震災は津波による被害が想定を超えて甚大であったことから、防災計画の見直しなど、まずは津波対策を早急に行うこととしている。

○ 災害の態様はその都度変わるので、津波対策だけではなく、他の災害対策も進めていく必要がある。首都直下地震であれば、阪神大震災のように建物の倒壊とそれに伴う火災への対応が必要になってくると思われる。今回の震災の火災はなぜ発生したのか。
→ 津波によって、灯油や重油等のタンクが流され、それらがガレキ等に染みこんで引火したと考えられているようである。

○ 防災服は主として火災を想定していると思うが、例えば津波用の服などはないのか。消防艇はどこが所有しているのか。
→ 津波用の服はないが、海や河川の捜索であれば、ウェットスーツなどを装着した水難救助隊が対応する。消防艇は、市町村消防が所有している。

○ 自衛隊が上陸するときに使用するような水陸両用の戦車みたいなものは、使用させてくれないのか。
→ 操作の問題があるので、自衛隊自らが使用することになると思う。

○ 大災害の時は、現場へのアクセスの問題が最も大きい。
→ 初動段階で災害現場に確実に駆けつけることができることは重要な課題であり、消防庁ヘリや重機など、無償使用制度を活用して、緊急消防援助隊の装備の充実を図っている。

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