総務省トップ > 組織案内 > 審議会・委員会・会議等 > 地方財政審議会 > 会議資料 > 平成24年度地方財政審議会(4月10日)議事要旨

平成24年度地方財政審議会(4月10日)議事要旨

日時

平成24年4月10日(火)10時00分〜12時10分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
      中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治行政局 地域政策課 課長補佐 田中 良斉
       自治行政局地域情報政策室 課長補佐 山形 成彦
       自治税務局企画課 税務企画官 市川 靖之

議題

(1)緑の分権改革の推進について
 今回の議題は、地域資源の活用と域内循環により地域の自給力と創富力を高める「緑の分権改革」について、平成21年度以降の取組の内容や平成24年度の事業予定等を説明するものである。

(2)自治体クラウドの現状と課題について
 今回の議題は、地方公共団体における行政コストの圧縮や災害に強い情報基盤の整備等に向けて、クラウドコンピューティング技術を活用して情報システムの集約や共同利用を行う「自治体クラウド」について、その普及の現状と今後の課題を説明するものである。

(3)大阪府泉佐野市法定外普通税「空港連絡橋利用税」の新設について
 地方税法第670条の2の規定に基づいて総務大臣に対して出される地方財政審議会の意見について検討を行ったものである。

要旨

I 議題「(1)緑の分権改革の推進について」

 標記の件について、説明を受け、質疑対応及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 「緑の分権改革」の取組においては、地域外に富や資金が流出してしまうのではなく、いかに地域内において富や資金を循環させるか、またこれによりいかに地域の自立的、継続的な取組としていくかが重要と考える。また、域外交流モデルでいうところの「交流」とは、交流した結果、画一的なものなっていくということではなく、良さを失わずに混じり合った状態になるということ。地域が他の地域に気に入られるようにするのでもない。

○ 「緑の分権改革」に総務省として取り組む意義とは何か。地域資源の活用と域内循環を高めることにより、地域そのものの活性化につながるトータルな仕組みづくりとしてとらえ、地域の生活様式を支える産業循環とも言うべきものを目指していくべきではないか。

○ 例えば、再生可能エネルギーの活用について、外部の資本が大規模な開発をするのではなく、地域が主体となって身の丈にあった取組を進めていくべきものではないかと考えられるが、これこそが「緑の分権改革」の趣旨に沿うものではないか。

○ 平成24年度の「緑の分権改革の効果の定量的評価に関する研究」について、改革の効果を定量的に評価することにより「見える化」を図るとされているが、「緑の分権改革」においては、量でははかれない本来の豊かさとは何かを問い直す視点が重要であり、定量的な評価自体には一定の限界があることを自覚しつつ進めていくべきではないか。

○ 地方公共団体やNPO、地域住民等が地域力創造の取組についての課題やノウハウなどをインターネット上で情報交換等ができるようにする「地域力創造プラットフォーム事業」は有効な取組だと考えるが、関係者同士が直接顔を合わせて意見交換できるような仕組みもあるとよいのではないかと思われる。


II 議題「(2)自治体クラウドの現状と課題について」

 標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ クラウドで利用することになる民間のデータセンターの選定基準のようなものはあるか。
→ データセンターやクラウドサービスの信頼性を確保するための一般的な指針はあるが、見直しの動きも出てきている。自治体クラウドについても、ガイドラインの中で事業者を評価する際の一定の留意事項を示してはいるが、最近の技術動向も踏まえて、さらに研究をしたいと考えている。

○ 事業者の提案を評価する際に、シンクタンクの知恵を借りている事例を承知している。団体側の知識の醸成も重要ではないか。
→ 平成23年度から始めた自治体クラウドの地方財政措置においては、計画策定の際の外部専門家に係る経費も措置対象としている。また、県が市町村を集めてクラウドの勉強会を始める等の機運も生まれており、共同利用を目指すことで団体側の「仲間」が増えれば、事業者との交渉力の向上も期待できる。

○ 地方公共団体が共同化する場合、団体が隣接している方がよいのか。また望ましい基準はあるのか。共同団体を選ぶ判断方法はどのようなものか。
→ 隣接している方がよいといった基準はなく、団体の意向次第だが、おおむね人口規模など環境が似通った団体同士が共同化する事例が多い。実際の判断は、首長同士が意気投合するといった場合や、複数の団体で現行システムの類似程度等を勘案して共同団体を選ぶといった場合などがある。

○ クラウドは分散している方がよいのか。集中している方がよいのか。
→ 一律にどちらがよいという考え方があるわけではない。リスク管理という意味ではある程度分散している方がよいという見方と、集中している方が効率的に管理しやすいという見方もある。

○ これまでの災害で「クラウドにしておいてよかった」という事例はあるか。
→ 具体的な事例を承知している訳ではないものの、東日本大震災では、いくつかの地方公共団体の庁舎が甚大な被害を受けた一方、データセンターの被害は確認されていない。こうした教訓から、被災地でもクラウド導入の動きが加速している。

○ 情報システム関連経費が高いという市町村長の悲鳴をよく聞く。
→ 自治体クラウドの大きなメリットが、情報システム経費のいわゆる「割り勘」効果である。自治体クラウドの取組をきっかけとして、地方公共団体の自由な選択と民間事業者の競争を促し、その障害となっている事項に対処して環境整備を図っていきたいと考えている。


III 議題「(3)大阪府泉佐野市法定外普通税「空港連絡橋利用税」の新設について」

 標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 「空港連絡橋利用税」に関して、最終的な意見の取りまとめに向けて地方税法第671条の3つの要件の観点から、引き続き検討を行った。

(注)地方税法第六百七十一条 総務大臣は、第六百六十九条第一項の規定による協議の申出を受けた場合には、当該協議の申出に係る市町村法定外普通税について次に掲げる事由のいずれかがあると認める場合を除き、これに同意しなければならない。
 一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。
 二 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
 三 前二号に掲げるものを除くほか、国の経済施策に照らして適当でないこと。

ページトップへ戻る

地方財政審議会
サイドナビここから
サイドナビここまで