地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年2月20日(金) 10時15分〜12時00分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委 員)  神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子 

(説明者) 自治行政局公務員部公務員課 課長補佐 田村 雅

議題

「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」について

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑等)

 非常勤職員について、繰り返し任用する場合の上限に関する規定はあるのか。
 法律上の規定はないが、職の性格にかんがみれば、任期は原則1年以内であると解されている。任期満了後に手続を経て再度任用されることは排除されないが、各団体の判断で一定の基準を定めている場合もある。

 最近の派遣職員の「派遣切り」や低賃金といった問題は、今回の研究会においてはどのように考えているのか。
 地方公共団体によっては派遣職員を受け入れているケースもありうるが、今回の研究会においては、直接雇用している臨時・非常勤職員を対象としている。報告書においても、近時の雇用情勢も念頭に置きつつ、地方公共団体における臨時・非常勤職員の任用については、「公務の提供に必要とされる人員体制の確保を一義として適切な対応が求められる」とされたところである。

 ヨーロッパの場合、非正規雇用であっても正規雇用と職務が同じ場合は、給与を勤務時間比例にするなど基本的に同じ処遇とするのが一般的だが、これについてどう考えるか。
 平成19年のパートタイム労働法の改正により、賃金の決定について通常の労働者との均衡の考慮等が規定されたところである。公務員には同法は直接適用がないが、研究会報告書においては、こうした民間の動向についても念頭に置くべきとされている。

 現在の公務員制度は、任期の定めのない常勤職員を中心としているが、要件が限定されている任期付短時間勤務制度の見直しなど、雇用の弾力化についても検討すべきではないか。
 多様化する行政ニーズに対応するため、多様な任用形態の活用を可能とする観点から、平成16年に任期付短時間勤務制度を創設したところである。今回の報告書では、任期付短時間勤務職員制度について、更にその活用が図られるよう要件の拡大について提言がなされたところである。

 地方公共団体の現場においては、行革や規制緩和の流れの中で、自ら実施する業務か、民間委託や指定管理者により実施する業務かを判断しているが、そもそも公務で担うべき業務は何かということを整理すべきだろう。ただ、すぐに結論が出せるような問題ではないので、今回の報告書は、当面解決すべき課題という意味で、ある程度身分の保障された任期付短時間勤務職員の活用促進という一定の結論を示したものだと考えられる。

 短時間勤務職員については、非常勤職員と臨時職員を一括して議論するところに問題があるのではないか。

 地方公務員制度は基本的には国家公務員制度に準じているが、任期付短時間勤務職員制度は地方公務員独自の制度として導入されたものである。これにならい、企画立案的な業務の多い国家公務員の制度に準拠することをそろそろ考え直し、非常勤職員についてもきちんとした制度を独自に作るべきではないか。

 今後、多様な働き方が増加する中で、自らの収入で生活していける給与水準と、やりがいが持てるように昇給や任期付職員への移行が可能となる仕組みなどを作るとともに、ワークシェアリングなど将来の日本のあるべき働き方について、公務が民間を牽引していくべきである。例えばスウェーデンのように午前は役所で働き、午後は自分で商売するような働き方が可能になれば、短時間勤務の活用や短時間勤務職員と正規職員のバランスのとれた待遇の確保が促進されるであろう。

ページトップへ戻る

地方財政審議会
サイドナビここから
サイドナビここまで