地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年4月3日(金)10時00分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長) 池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信   木村 陽子

(説明者) 自治財政局調整課 課長補佐 村岡嗣政

議題

社会保障関係の動向について

要旨

 高齢者医療制度・長寿医療制度、生活保護制度及び少子化対策の最近の動向について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。


(主な質疑内容)

<高齢者医療制度・長寿医療制度について>

 高齢者医療制度に関する検討会において、退職後も退職前の職域保険の被保険者であり続けるという案について議論はあったか。
 検討会資料の「年齢で区分せず、全年齢で財政調整を行う」がそれにあたるが、財政調整とセットの議論であり、被用者保険側には抵抗がある。

 「後期高齢者医療制度」という名は完全になくなるのか。
 現在は通称で「長寿医療制度」としているが、法律改正して正式に名称変更することになると思われる。

 高齢者医療制度については小手先の解決で終わらせるのではなく、医療保険全般の抜本的な見直しをする必要があると考えるが、現状の取組はどうなっているのか。
 後期高齢者医療制度については、保険料や自己負担の軽減を図ったこと、保険料の天引き徴収を止めたことで新制度への批判は落ち着いている。検討会報告は、今後の国民的な議論に資するための論点整理となっており、今後も議論が続けられるものと考える。

 医療制度一元化の話は現在どうなっているのか。
 各保険を一元化する方向自体は、平成14年度の閣議決定の中にも記載があるところであり消えてはいないものの、厚生労働省としては難しい問題と考えており、慎重に検討をしている状況である。

 総務省としては、このような課題について、受身となるようなことなく、積極的に政策提言を行っていくべきである。

 高齢化と格差の拡大による低所得者層の増大の影響を一番受けているのは国民健康保険である。後期高齢者医療制度のあり方を検討するだけでなく、国民健康保険をどうするかをセットで考えなければ根本的な解決は図れない。


<生活保護制度について>
 全国知事会・全国市長会の新たなセーフティネット検討会でとりまとめた提言は、こうした国と地方の協議の場では繰り返し主張していくべきである。

 医療扶助を医療保険制度が担うこととすることは、現行でも低所得者を多く抱える国民健康保険ではもたないのではないか。厚生労働省国民健康保険課も反対している。
 国と地方の協議の場のとりまとめにおいても、これについては地方自治体等から強い反対があり、中長期的な視点で慎重な検討を要することとしているところである。

 中期プログラムをはじめ、様々な文書で年金・医療介護・少子化については「安定財源」が必要であるとの記載がある。財源問題は社会保障全体のグランドデザインの中で考えるべきだと思うが、生活保護はどうなっているのか。
 生活保護については記述はない。中期プログラムにおいては、できるだけ国民に理解を得られるよう絞って記載しているようだが、障害者福祉も除かれており今後議論が必要である。

 分権改革の議論の中で就労支援は地方が担うべきであるという意見があるようであるが、地方が担っていると言われているドイツにおいても現実には就労支援を行う地方自治体はごく一部であり、その場合でも7・8割の財源は連邦が負担している。そうではないスウェーデンもレーン(国の出先機関)の仕事であり、フランスもレジオン(広域圏)が行っている。
 就労支援を地方だけで行っているところはないことはきちんと認識した上での議論をする必要がある。


<少子化対策について>

 保育は生まれた時期に関係なくいつでも預けられるなど臨機応変に対応できないとうまく機能しないのではないか。
 現在行われている保育の見直し議論とともに、いわゆる「保育ママ」を法制度化するなど、多様な保育ニーズに応えるべく鋭意方策を講じているところである。

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