地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年4月7日(火)10時00分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 自治行政局公務員部給与能率推進室 課長補佐 島田勝則

議題

「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」報告書について

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。


(主な質疑内容)

 この報告書を受けて、総務省は具体的にどのような対応を地方公共団体に求めるのか。
 技能労務職員の給与については、この報告書を活用して、民間給与水準との比較を的確に行った上、適切に給料表を作成し、運用することにより、住民の理解と納得を得た給与制度及び運用を確立することを、地方公共団体に求めるものである。

 公務員の給与のありかたについては、一般行政職も含め議論されているところであり、この報告書ではなぜ技能労務職員だけを対象としたのか。
 一般行政職員の給与は、人事委員会が精緻な公民比較を行い、その勧告に基づいて改定を行う仕組みとなっているが、技能労務職員の給与はそうはなっていないことからいろいろな指摘がなされている。このため、各地方公共団体においては、技能労務職員の給与について現状等をよく分析し、住民の理解と納得を得るためその説明責任を果たすことができるようこの研究会を設けたものである。

 これまでの公表資料に基づくと、技能労務職員の給与は民間給与と比べて1.3倍以上となっている。しかし、この資料では、民間給与には非正規雇用等の給与も含まれており、正規雇用者に相当する技能労務職員の給与の方が条件を同じくした場合よりも高く示されることになる。この数字が1人歩きすると技能労務職員の給与は民間に比べて高すぎると思われかねない。公表に際してはこのような配慮するべき点を十分に説明するべきである。
 また、今後の公表に当たっては、今回の調査結果をふまえ、非正規職員を除いたデータで比較した数値にすべきではないか。
 ご指摘を踏まえ、公表の仕方についてはよく検討したい。

 技能労務職員の給与の決定原則は、一般行政職員とは異なるが、公営企業職員の決定原則を準用しているものであり、現在の公営企業職員の給与について、どのような問題があるかを検討すべきではないか。
 今回の研究会は、技能労務職員を対象としたものであるが、整理された基本的な考え方や民間類似職種との比較分析の手法等は、公営企業職員の給与を考える際にも活用可能なものと考えている。

 例えば、守秘義務など、公務員には法律上課されるのに対し、民間では契約上のものでしかない。民間の同種業務と比較する場合には、やはり、公務としての特殊性を考慮する必要があるのではないか。
 報告書においては、各地方公共団体において職務の内容を分析し、個々の業務が給与決定においてどれだけ評価できるかを精査すべき、としている。

 民間は、個々の職務に対応してランク付けをし、上位のランクの職務に就くなら昇給させるという運用がなされている。職務分析と人の貼り付けは別の話で、これを混同しているのではないか。
 報告書の中で言っている「職務分析」は、民間企業におけるシステマチックなものとは異なるが、公務は特殊性があり、民間と比較することさえすべきでないという主張もある中で、民間と違う点があれば、何が違うのかという点をよく分析すべきであると言っている。

 現場の現業職員の話を聞く機会があったが、ある市では、自分達の部門が最も行革が進んでいると自負しており、実際、高い意識を持って業務改善を実践していた。例えば、外注している業務について、委託料が割高である点の指摘もしている。単純に給料が高いだけなら給料を下げろと言えばいいのだろうが、自ら高度な業務に取り組んでいる職員もいることも認識すべきである。

 民間企業では、事務職・技能職のほかに特務員といった名称で、例えば、守衛など、その会社の本来の事業と直接には関係しない従業員がおり、人事管理上区分されている。公務部門では、どの職種が本来の公共サービスに直接関わりがあるのか等、定義が難しいのではないか。

 この報告書を受けた地方公共団体の対応について、フォローアップはどうするのか。
 例年の給与実態調査や「給与等の見直しに向けた取組方針」の実施状況を把握する中で行っていきたい。

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