地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年4月14日(火)10時30分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
      木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 自治行政局公務員部給与能率推進室 課長補佐 島田 勝則

議題

平成20年 地方公務員給与実態調査結果の概要

要旨

上記の議題について説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。


(主な質疑内容)

 地方公務員の給与について、最近、批判されている点は何か。
 第一に、ラスパイレス指数による比較だけでは不十分ではないかという意見がある。これについては、この比較方法は客観的かつ恣意性の入る余地がなく、また、国家公務員と地方公務員の公務としての類似性を踏まえた最適の指標として定着しているものと考えている。また、地域手当補正後ラスパイレス指数や平均給与月額を用いた比較も行っているところである。
 第二に、地域手当の支給率が国の基準を上回る団体があることである。総務省としても、これらの団体には適正化を求めている。一方、国基準を下回っている団体も増えている。
 第三に、技能労務職員の給与であるが、全体の職員数が大きく減少する中で、各地方公共団体における見直しが進んでいるところである。

 個別の地方公共団体に給与について不適正な例が全くないことはないであろうが、全体として適正化が進んでおり、個別の事例が針小棒大に取り上げられるきらいがあるのではないか。

 地域手当補正後のラスパイレス指数の公表は、地域ごとのものと全地方公共団体の平均値のものと二つあるが、地方公共団体ごとに地域手当の国基準が設定されていることを考えれば、全地方公共団体の平均値を算出しても意味はないのではないか。
 ご指摘のような趣旨の指標ではあるが、全地方公共団体の傾向を見るため平均値を算出している。

 国家公務員の手当を含む給与月額との比較に際して、個々人による変動が大きい手当を除外しているとのことであるが、具体的にどのような手当を除外しているのか。
 特殊勤務手当、時間外勤務手当等については、人事院の行っている国家公務員給与等実態調査ではデータがないため、地方公務員の「平均給与月額(国ベース)」にも、これらの手当を含めていない。

 地域手当についても給与制度は国準拠としているが、人事運営の観点からも自治体にある程度の裁量は認めるべきであろう。総原資の範囲内であれば、個々の支給率が国基準と少々異なったとしても、総務省が口を挟むべきではないのではないか。
 まず問題となるのは、総原資が国の支給基準を上回る場合であり、上回る団体は、特別交付税の減額措置の対象になる。
 次に問題となるのは、総原資は国を下回っているが、県内一律の支給率を定めている場合である。これについては、市町村を単位として地域の民間給与水準を反映させるという地域手当の趣旨と異なるものであり、改善に向けた助言を行っているところである。
 また、都道府県内一律ではなく、かつ、総原資は国基準の範囲内で、国と異なる支給率を設定している場合もあるが、これについては、市町村単位で見た場合、国家公務員と異なる支給率となるので、そのことについての説明責任を果たすよう助言をしているところである。

 一般職の給与については、国家公務員との比較データのみを示し、技能労務職員の給与については、国家公務員との比較のほか、民間との比較のデータを示している。この民間給与のデータには、非正規雇用者などの勤務形態の異なる労働者が含まれ、また、業務内容も合致していない。このような方法で民間との比較をあえて行う必要はないのではないか。
 民間データについてはあくまで参考として載せている。技能労務職と国の行(二)職との関係は、同種同等比較が可能な一般行政職と国の行(一)職との関係とは異なる。誤解を与えるおそれもあるので、資料の作成については検討したい。

 「自分のまちでは、職員数を抑制しており、給与単価は多少高くても有能な人材を確保したい。」という首長もいる。個々の地方公共団体の給与に対する評価は別として、このような意見をどう考えるか。
 総人件費で管理するためには、「あるべき職員数」の基準が必要となる。総務省でも、定員管理の指標を提示しているが、他団体との比較分析には活用できても、具体的な基準とすることは難しい。

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