地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年5月15日(金)10時00分〜11時50分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 自治行政局地域政策課定額給付金室 課長補佐 竹中 正博

議題

定額給付金事業について

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 定額給付金事業は自治事務と位置付けられているが、性格的には本来法定受託事務になるのではないか。
 定額給付金事業は、地方分権推進計画における法定受託事務のメルクマール(「生存にかかわるナショナル・ミニマム」)や、地方分権一括法の附則(「法定受託事務についてはできる限り新たに設けない」)を踏まえると、法定受託事務とすることは適当でなく、景気後退下での生活者の支援や地域の経済対策という事業の意義も踏まえ、自治事務として位置付けたものである。

 この事業の実施の責任を負うのは誰か。その原資は国が全額出すとしても、一義的には市町村が負うことになるのではないか。
 住民への給付事業の実施主体は市町村であり、一義的には市町村が責任を持つことになる。ただし、国としても、市町村への補助事業の実施主体として、基本的な制度の構築や経費負担の責任を負っており、事業効果の検証も今後必要となると考えている。

 市町村は定額給付金事業を実施するにあたり、条例を定める必要があるのか。
 住民等への義務付けや制限を含むものでないことから、必ずしも条例を定める必要はない。ただし、必要な予算を計上することは必要であり、議会に諮ることになる。

 地方自治体に対する補助金の交付はどうなっているか。事業が完了した後に交付することになるのか。
 事業費が大きく、また、年度末は特に地方自治体の資金繰りが苦しい時期であることも踏まえ、市町村の申請に基づき概算交付を行った上で、最終的に精算することとしている。

 市町村によって事業の開始時期に差があるが、どのような要因によるものか。
 予算計上や給付リストの作成といった準備を早期に開始した団体では、早期の給付開始につながっているように思う。一般的に人口が多い団体の方が準備に時間がかかるということはあるが、神戸市や足立区では年度内に給付が開始された。

 定額給付金は、いわば社会的配当金のようなもので、ひいては、負の所得税、給付付き税額控除の議論につながっていく側面もあるのではないか。税制面での控除等による対応と給付をどのように組み合わせていくのが適当であるか、については様々な議論があるが、今回の定額給付金ではどのように考えられたのか。
 当初、定額減税と臨時福祉特別給付金の組合せにより行うことが検討されたが、家計への緊急支援としての効果の迅速な実現と所得の低い方々にも広く公平に行き渡らせるという観点から、定額給付金という形で実施することとなった。ただし、これはあくまでも単年度限りの措置であり、恒常的な制度としてどのようなものがよいかについては、また別に考えられることになると思う。

 定額給付金事業によって押し上げられた消費が、事業終了後にまた落ち込んでしまうことも懸念される。それを避け、消費を継続的に押し上げるためにどのような対応を考えているのか。たとえば、家電製品のグリーン化等の他の施策とも連携させることによって、経済効果を持続させることにつながると思う。
 定額給付金事業は単年度限りの措置であるが、持続的成長へのきっかけとして大きな意義を有するものと考えている。この事業も含めた政府全体としての総合的な施策の実施により、景気の底割れの回避、さらには中長期的に持続可能な経済成長につなげることを目指している。

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