地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年5月19日(火)10時00分〜11時40分

出席者

(委 員)  神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 自治行政局公務員部公務員課給与能率推進室 課長補佐 島田 勝則

議題

平成21年5月の人事院勧告について

要旨

標記の件について説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 期末・勤勉手当の「減額」ではなく、「凍結」という文言を使っているのは、どのような意図か。
 従来は、政府が人事院勧告の実施を見送る場合に「凍結」と表現していた。今回は、人事院勧告の内容が暫定的な措置であることを「凍結」と表現している。なお、法案では、附則に、平成21年6月分の期末・勤勉手当の支給月数の特例を置き、支給月数を減じた分(0.2月分)について、例年の勧告で調整する旨の規定を置いている。法案には「凍結」という文言は出てこない。

 人事院がこの時期に調査や勧告を行うのは異例とのことであるが、そのような対応を行う場合の基準は示されているのか。また、来年度以降も、6月分の期末・勤勉手当により民間と公務員の給与水準の調整が行われるのか。
 人事院が調査を開始する場合の具体的な指標は示されていないが、今年3月の春闘の集中回答日以降、連合や日本経団連等、労使双方の機関から調査結果が示され、これらによれば、民間企業における夏のボーナスは、前年比約13、4%下がるとのことであった。これらの調査結果は参考にされたものと考えられる。
 また、今後、どのような場合に今回のような対応を行うかの基準は示されていないが、今回の対応はあくまでも異例のことであると考えられる。

 基準日までの期間が限られることから、専決処分を検討する地方公共団体もあると考えるが、これまで、専決処分で給与条例を改正することは不適当だとされてきたのではないか。
 一般論としては、給与条例主義の趣旨に鑑みれば、専決処分による給与条例改正は避けるよう努めることが適当であり、例年の給与改定通知でも、その旨を周知してきた。
 専決処分を行うかどうかは、各地方公共団体の裁量により決定すべきものであるが、その認定には客観性がなければならないとされている。

 勧告等を行わない人事委員会の理由としては、夏季一時金を未決定である民間企業の比率が高いからというものが多いようであるが、これについてはどう評価しているのか。
 個々の人事委員会の対応について評価することは差し控えたい。勧告等を行わない人事委員会の理由付けはご指摘のとおりである。国の調査結果においても同様に、夏季一時金を未決定である民間企業の比率が高くなっているが、これは、調査の実施時期からしてやむを得ないものである。国(人事院)においては、そのような調査結果を踏まえても、できるだけ民間の状況を公務に反映させようと勧告を行ったものと考えている。

 人事委員会がない市町村はどのように対応するのか。
 当該都道府県の人事委員会勧告だけでなく、国や他の市町村の対応を踏まえ、総合的に判断することとなると考える。

 もともと支給月数が国を下回っている団体や、支給月数のカットを行っている団体があり、発射台が異なることを踏まえると、一律に0.2月分の削減という対応を求めるべきではないのではないか。
 ご指摘のとおりであるが、そのような団体においても、昨年秋以降の民間企業における賃金動向の変化について、これをどのように反映するか、検討し、住民に対して説明責任を果たすことが重要である。

 今回の措置に伴う影響額はどのくらいになるのか。
 地方については、全団体が0.2月引き下げたと仮定して1,940億円程度、義務教育国庫負担金等を除いた一般財源ベースでは1,710億円程度と聞いている。
 国については、義務教育国庫負担金等を含めて約730億円とのことである。

 景気の動向を考えれば、凍結措置を行わない方がいいのではないか。公務員の給与水準を民間給与の水準に合わせるのが遅れるとしても、不況時には、景気の安定化の観点からは問題ないのではないか。
 人事院勧告においては、民間の状況をできる限り公務に反映するという趣旨が示されている。また、政府としては、景気動向も含めた国政全般について検討した上、人事院勧告の実施を判断したものである。

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