地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年8月7日(金)10時00分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 消防庁消防・救急課救急企画室 課長補佐 君塚 明宏

議題

消防と医療の連携について

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 救急搬送における消防の責任はどこまでか。相手(医療機関)が受けて初めて搬送できるのだから、搬送に責任を持たせるのは酷な面もあるのではないか。
 法律上、医療機関に搬送することが消防の役割となっており、ご指摘のとおり、消防だけではどうにもならないこともある。そこで、今回搬送と受入れの接点に着目して、消防と医療が連携し、搬送及び受入れのルール(実施基準)を都道府県が策定するという法改正を行った。

 医療機関は傷病者を断ることが許されているのか。
 医師法で、正当な事由がなければ拒んではならないとされている。正当な事由については、個別の事案ごとに見る必要があるが、ベッド満床や手術対応中というのはこれにあたるとされることが多いようである。

 実施基準は抽象的なものでは役に立たないと思うが、どうか。
 医療計画で定められている救急医療体制を実行面からカバーするのが実施基準であり、傷病者の状況に応じた適切な医療を提供できる医療機関のリストなど、現場に即した具体的なものとする必要がある。

 救急搬送について軽症事案や不適正利用が多いことが問題ではないか。一方で、尿管結石のように、本当に傷病者が苦しむものもあるが、これらも軽症と区分され、不適正利用のように捉えられてしまうのも問題である。
 救急車のタクシー代わりの利用や頻回利用者などの問題があるのは事実である。一方で、ご指摘のとおり、入院を要しないものを軽症と分類している関係で、傷病者本人は大変苦しがっているが特段の治療を行わないものも含まれており、全ての軽症事案が不適切利用とは限らないことには注意が必要である。

 夜間などはどこに行って良いかわからず、行っても診療科目対象外として断られたりするために、救急要請している実態もあるのではないか。
 夜間などに、どの医療機関に行ってよいのかさえ教えてくれれば、タクシーなどでも行ける場合もあるので、そのための情報サービスを充実するべきではないか。
 そのような実態があるのは確かである。そのため、地域で医療機関案内サービスを行っているところもある。また、東京消防庁では救急相談事業(#7119)において救急搬送に関する相談や医療機関案内を行っており、消防庁としても今年度3地域で同様のモデル事業を実施する。

 調査において、前年に比べて受入状況が悪化している地域の理由は何か。また、過去にいわゆる「たらい回し」が発生したにも関わらず、受入状況が改善されていない地域についてはどう考えるか。
 状況が悪化した地域については、中堅クラスの病院が救急医療をやめてしまったというのが一因としてあげられる。また、状況が改善されていない地域については、地域の医療が崩壊状態にあるのを食い止められていないということであり、行政側もしっかり頑張らないといけないと考える。

 消防機関における人員はどういう状況にあるのか。
 消防職員は15万人強で、救急隊員数は約5.9万人、救助隊員は約2.4万人となっているが、実態上、消防隊と救急隊を兼務している消防本部も数多くあり、必ずしもきれいに分類できるわけではない。

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